素晴らしくもないダンジョンに   作:手前

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1 理不尽(イレギュラー)

 

薄暗いダンジョン。その奥地で戦う勇者の影…は今はない。今ある影は、

『ヴヴァァァアア!!!』

「ぎゃぁぁあ!」

怯える者の影だけだ。

「クソ!なんで中ボスみたいなバケモンがここにいるんだよ! あ、ここダンジョンでしたね!」

とにかく逃げるが勝ち! ミノタウロスに背を向けて勢いよく走り出す。だが相手は闘牛だ。どんなに二足歩行の習得が遅かろうと、カズマ(ニート)のスピードよりは速い。そしていつか追いつきミノタウロスは己が大剣を振りかざす。

「ぐえ!」

切りつけはしなかったものの、カズマの背中に当たった。

そして転び、壁際まで追い込まれる。

クソが。骨折れるくらい痛かったんですケド!

そんな事を思いながら剣を抜き、カズマは構えた。

ーー拝啓お母さんお父さん。ここが俺の第二の死に場所ですーー

 

『ヴヴァァァアア!!』

「やってやらぁぁあ!」

ミノタウロスに呼応するように叫ぶ。

大剣が勢いよくカズマの頭に向かう。それを避けて回避し、ミノタウロスの横腹に一閃!

したはずだ。したんだ。したのに。

ミノタウロスの肌にはかすり傷が一つ。

「…はは、嫌だなぁミノタウロスさん。冗談だろ…」

今度こそ絶望だ。

おかしいだろ!なんで傷ひとつつかないんだよ!これ一応剣だよ!?ちょっと傷ついても良いじゃん!

何か剣に特別な感情を抱いていたカズマは衝撃を受ける。

そんなカズマをミノタウロスの影が覆った。

目の前に大剣が迫ってくる。

ああ、終わりか。

 

その瞬間。ミノタウロスの腹、脚、腿、腕、そして首に銀の戦が走った。

そしてカズマの追跡者は肉塊と化した。そしてカズマは赤色になった。

なんで血のシャワーを浴びるハメになってんだ俺は。

「……大丈夫ですか?」

「ああ、まあ、大丈夫かな。助けてくれてありがとうございます!このカズマ!人生で尊敬する人は?と聞かれたら必ずあなたの名前を言いましょう!」

「…うん」

なんとも微妙な反応だ。

「ほんとありがとな」

手をひらひらと振り、カズマが帰ろうと背を向けると呼び止められた。

「…ドロップアイテム…」

地面に落ちた魔石を指差して言う。

「あんたが倒したんだろ。あげるよ、俺が持っていっても盗んだと思われそうだし」

「…あと」

まだあるんですか。美人の長々と話せるのはいいが、なんかあんたコミュ症じゃない?

「尊敬する人で名前を言うなら、私は名前を教えてないよ?」

「…確かにな」

ポンと手を打ってなるほどなと首を振る。

「俺の名前はサトウ・和真」

「…サトウ・カズマ?」

そうそう、と頷きあんたの名前はと尋ねる。

「私は、アイズ・ヴァレンシュタイン」

「あいよ。そんじゃ、俺はもう帰るよ。そこの魔石はあげるからね!」

足早にカズマは帰っていった。

 

もちろん、全身の血はシャワーで落としましたよ?

ダンジョンから帰ったと言うのにさっぱり気分。気分陽々にギルドへ向かった。

 

「1500ヴァリスになります」

「…へい」

少し不服そうな顔で、変換された金をとる。

命をかけてダンジョン潜るのに、こんな金じゃ明日も見えねぇよ…。

今さっきの気分と違い、トボトボと自分の帰る場所へ足を進めた。

 

ボロボロの教会の地下。

「ヘスティア様〜、帰りましたー」

「おかえりーカズくん!」

元気良い声がカズマを出迎える。声の主は神ヘスティア。

うん。今日も変わらずロリッ娘で体にバランスの取れてない良い巨乳だぜ!

「どうしたカズくん。親指なんて急に立てて?」

「いや、今日も俺の神様は素晴らしいと思いまして」

「煽ても何も出ないぞ! でも今日は特別良いものがあるんだぜ!」

そう言い親指を立てる神。あんたも立ててるじゃないか。

玄関から下に降りると、そこには自慢顔のヘスティアが。

「ジャジャーン!」

「こ、これは!」

テーブルの先にあるのはジャガ丸くん!

「どうしたんだこの量!」

「店の賄いでくれたのさ!さぁ!今夜は寝かさないぜカズくん!」

望むところ!とカズマは返事する。さっさと座り、ジャガ丸くんを頬張った。

コロッケとも違う、茹でポテトとも違うこの味。カズマはこの味を結構気に入っていた。

スンスン。そんな声をあげながらヘスティアがカズマの匂いを嗅ぐ。

ヘスティア様、健全な男児は勘違いしちゃうからやめて下さい。

「なんか今日は血生臭いね?」

「今日はちょーと死にかけちゃいまして」

「本当かい!?君に死なれるとショックだよ僕は!」

ああ、この一言だけで明日も頑張れる。カズマはガッツポーズをした。

「上層にもミノタウロスが出るもんなんですね。あ、でも助けてもらったんですよ」

「ま、良い経験になったかな。じゃ早速、ステイタス更新しようじゃないか!」

へーいと返事をし、カズマは横になる。

この時腰に当たるヘスティア様の柔らかさを我慢するのも眷属(カズマ)の役割だ。

 

「おお。今日は結構耐性が伸びたんじゃないかな」

そりゃ、背中鈍器で殴られたからな。

「終わったよ。ホイ、結果」

そう言い紙を投げてくる。

ほんと、いつになったらレベルは上がるのやら、

 

カズマ・サトウ

Lv.1

力:I94→G105

耐性:I86→G262

器用:H163→F213

敏捷:H187→G293

魔力:I0→I0

 

〈魔法〉

【】

〈スキル〉

【    】

 

「…ところでヘスティア様。毎回スキルのところ何もないのか?」

「ああ、ごめん。ミスだよ」

毎回ミスってる気がするが?とそんな感想をカズマは抱いたが、突っ込まないこととした。

 

…血生臭いって言ってたし、風呂入ろう。

カズマが風呂場に行ってからヘスティアは紙を見直す。

「本当にすごい伸びだよ、カズくん。君は、誰のもとで生まれたんだい?」

カズマはスキル欄をヘスティアは指でなぞり、本来あるスキルの名前が浮かび出る。

 

〈スキル〉

【女神祝福】

・経験値ブースト

・悪運

・経験値の再分布

 

ヘスティアはこのスキル欄にある女神が誰なのか考え、寒気がしてやめた。

本当に、誰の祝福なのだろう。

 






I 1〜99
H100〜199
G200〜299
F300〜399
E400〜499
D500〜599
C600〜699
B700〜799
A800〜899
S900〜999

あ、上のは私が確認したいだけなのでお気にせずに。
どうでした? 憧れとかも抱かなそうなカズマなので元々スキルを持っていたことにしました。
あと、ニートのくせになんでダンジョン行く気になってんの?って疑問は、あとで解ります。多分いつものです。
頑張って書いたけど、誤字脱字多いかも。あったら教えてね!

【誤字報告】
町長さんありがとうございました。
雀鉢さんありがとうございました。

カズマの持ってるスキル変更していい?(無理がある気がしてきた。)(あと他の設定追加したい)

  • いいよ。
  • 良いわけねぇだろボケ。
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