目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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第94話 Side『ニューヤーク燃ゆ』

 

 北米に白い流星が舞い降りた。

 

 ちょっと現実逃避したくて、詩的に表現してみた。オルド・フィンゴです。

 

 原作通りにホワイトベースがこの地球に降りて来たんだよね。

 

 ついでに招かれざる客、シャア・アズナブル少佐もやってきた。

 

 もうね。宇宙から単身降りて来たくせに、すっごく不遜なのよ。

 

 原作知ってるせいか、ガルマ大佐を侮っているのが丸わかり。大佐もよくこんなの友達だと思ってたなぁ。

 

 今日は旧市長官邸にて財界の著名人を集めたパーティーが開かれる。

 

 ジオンに協力的な資産家、企業に「これからもよろしく。もっとお金出してちょうだいね」っと媚びを売るための祝賀会だ。戦争は兵器と兵士だけでは続けられないからね。

 

 そのパーティーになぜか僕も呼ばれているわけです。

 

 佐官以上が参加対象だったのだけど、ゼクス少佐に連れてこられた。少佐の副官扱いだけど、特に何か申し付けられてるわけじゃない。

 

 何もさせないのにわざわざ呼ぶ、なんて無駄なことするわけもない。なんか雰囲気的にゼクス少佐は、シャアのことを警戒してるような気がするんだよね。

 

 まさか彼の正体を知ってる、なんてことはなさそうだけど、士官学校の同期だから、学生時代になにか確執があったんだろうか。

 

 まあそういうことなので、ガルマ大佐の傍に秘書ヅラして立っていることにする。

 

「さすがだなガルマ。このパーティー、そうそうたるものじゃないか」

 

「よせよシャア。正直辟易してるんだ。姉上からの指示だから行っているが、この時期にこんな享楽に興じなければならないなんてな」

 

「だが、君の辣腕の賜物だろう。このニューヤークの成功は、『ガルマ・モデル』と言って、地上軍では統治方法の模範にもなってるそうじゃないか」

 

 シャアの心にもなさそうな称賛に、ガルマ大佐は満更でもない顔だ。

 

 何人か、企業の重鎮が大佐に挨拶しに来る。

 

 それをつまらなさそうにガルマ大佐は対応。

 

 うーんそれってどうよ。挨拶来た人、顔引き攣らせてるぞ。

 

 ゼクス少佐を見ると、彼はドレスで着飾ったキリー少佐をエスコートしながらテーブルを周り、財界連中に挨拶している。

 

 北米の『白雷』なんて呼ばれるエースと、長身美人の立ち姿はかなり様になる。どっちもすんごい美形だし。

 

 ガルマ大佐に挨拶した人は、すげなくあしらわれていることがわかったのだろう。程々にその場を辞退し、輪ができつつあるゼクス少佐たちの方へと向かっていった。

 

「いいのか? ガルマ」

 

「くだらない連中だ。おべんちゃらを使い、どうせ私を介して父に取り次いでもらおうという魂胆なのだからな」

 

 うん。その通りだけど、指揮官としてその態度はよくないね。

 

 なので思ったことを口にする。

 

「大佐。仕事はしてくださいよ」

 

「なんだと?」

 

「貴方の今日の仕事は、貴方が蔑むおべんちゃらを使って来る金持ちたちに頭を下げて、支援金とコネを作ることです」

 

 できたコネを利用すればやがて連邦政府高官とも接点を持てるかもしれない。この戦争はジオンにとってまだ予断を許さない状況だが、出口に向けてできる努力はしていかなければならないのだ。

 

 宇宙と地球、人類を二分したこの大戦が長く続けば、まちがいなく文明は衰退し、逼塞していくだろうから。

 

 





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