目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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第100話 Side『ニューヤーク燃ゆ』

 

 歯は繋がりました。

 

 宇宙世紀の医療品てすごいなぁ。

 

 最初は痛み止め入りの止血剤詰めて、血が止まったら麻酔して、歯を差し込み、接着剤塗ったらくっつきました。

 

 一週間は折れたほうでもの食べれないけど、あっという間に腫れもひいて、神経が疼くこともなかった。すごい。

 

 で、あのパーティーの後、例の木馬――ホワイトベースの動向が入った。

 

 旧オハイオ州に降りていた彼らは、どうも強引にここニューヤークを突っ切って、カリブ海を渡ってジャブローに抜けるつもりらしい。

 

 ニューバーン基地と、オーガスタが墜ちたのしらないのかな?

 

 いくらなんでも自殺行為だろう。敵のど真ん中を抜けるなんて。

 

 そう思ったのだが、どうもニューバーンの残党部隊が同時に動くみたいだ。

 

 ホワイトベースは旧オハイオで、保護していた民間人を降ろし、そこから南下。このニューヤークに来たところで、ニューバーン残党部隊と合流した。

 

 意外なのは、連邦がホワイトベースに戦力を割いたことだ。

 

 ホワイトベースには、試作機が数機艦載されているだけであり、同じ試作機ならこの地球でも複数製造されている。

 

 事実、原作よりも早くジムが出て来たぐらいだ。

 

 生産型の準備が整っているのなら、わざわざ試作機群を手厚く保護する必要はないはず。

 

 なんてことをゼクス少佐にこぼしたら、彼の推測ではニューヤーク基地の情報が連邦に漏れているとのこと。

 

 ジオン領の中では民間人にもっとも優しい部隊だし、先日の資産家を集めたパーティーでも連邦の間諜が入り込んでいたはずだ。

 

 そこから、指揮官であるガルマ大佐が木馬に強い興味を示していると情報を得たのかもしれない。

 

 北米のカリスマになりつつあるガルマ大佐をあわよくば討てる。そう考えたのだろう。少なくない戦力がニューヤークに集った。

 

 あながち間違ってない。

 

 イセリナ嬢との婚姻を求めて、ガルマ大佐は血気盛んだ。自ら前線に出て指揮をしたがる。

 

 これは僕の方のミスでもあるんだよな。

 

 なまじバトルシミュレーターでゼクス少佐と渡り合ったせいで、妙に自信をつけてしまった。

 

 さすがに実機Sに乗るのだけは押し留めているが、とにかく功を得たがるんだ。

 

 今回も木馬を直接討つと意気込んでいる。

 

 ゼクス少佐を含めて、幕僚たちが止めたんだけど、今回はかなり意地になってる。

 

 すいません、先日僕が煽ったせいです。

 

 シャアが(そそのか)しているせいも大きいが、とにかく多大な功績さえあれば誰も彼もが自分の主張を受け入れると考えている様子だ。

 

 若い分、そうした考えに至りやすいんだよな。

 

 そのせいで、強固に出陣を止めようとしたゼクス少佐と我ら第1機動小隊は留守番ということになってしまった。

 

 未来を知っているというのに、上手く立ち回れないものだ。

 

「おい」

 

 しかしこのままガルマ大佐が特攻で死んでいくのを、ただ見届けるわけにはいかない。

 

 あのムカつくシャアの顔も叩き潰してやりたいしね。

 

「おい聞いてるのかバカボウズ!」

 

 コックピットの通信装置から、シゲ曹長の罵声が飛んでくる。

 

「なんですか、シゲさん?」

 

「なんですか? じゃねえよ! お前は自室で謹慎中じゃなかったのかよ! それに、第1機動小隊は待機命令出てんだろうが」

 

 ザクのモニターに、足元で通信用受話器を持って怒ってるシゲさんの顔が映る。

 

 あらら、顔が真っ赤だ。

 

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