目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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第104話 Side『ニューヤーク燃ゆ』

 

 相手の間合いに入ってから、今度は距離を離す。

 

 敵はこちらを追いかけてきた。たったそれだけで、大尉たちから引き剥がすことに成功。

 

 黒の機体たちは突出する赤をカバーするつもりは無いようで、動きの鈍い大尉たちに狙いを定めたようだ。

 

「大尉、動けますか?」

 

「そいつから離れたら重苦しさがとれた。こちらを片付けるまでもたせろ。その後に合流する」

 

 了解。

 

 だが、倒してしまっても構わんのだろう?

 

 正直、あの手の感情ダダ漏れの相手ってやりやすいんだよね。簡単にこちらのフェイントに釣られてくれるからさ。

 

「おい、アタシは心配しねぇのか」

 

「曹長が駄目なら、すでにうちらは全滅してるよ」

 

「ふん!」

 

 こちらの言い分をどう捉えたのかわからないが、キリシマ嬢は矛を収めた。

 

 さて、意識を迫りくる敵に戻す。

 

『殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる!!』

 

 やたらとガンガン響く謎の声。声は女性だ。

 

 あの赤いの、乗ってるのは女なんだろう。ニュータイプの発現は女性の方が多い、ってデータを見たことがあるな。

 

 回避を考えていないのか、まっすぐに突貫してくる赤。

 

 飛び込んできた瞬間にライフルを撃ち込むと、低空で機体を

 ドリルのように回転させながら弾を避けやがった。

 

 とんでもないアクロバット。機体もだけど、普通ならパイロットの全身がGでバラバラになってもおかしくない挙動だ。

 

『死ねぇぇ!!』

 

 勝利を確信したのか、必殺の念を籠めた叫びとともにツイン・ビーム・スピアを鎌のように変形させて薙ぎ払ってくる。

 

 いちいち相手殺すのに、めちゃくちゃカロリー消費してるなこの人。

 

 あれか、家族を殺されたとかそういう系かな。

 

 大概の相手は驚いて足止めるかもしれないがね。

 

 あいにくと僕は、貴女みたいな曹長(イノシシ)としょっちゅう模擬戦してるんですわ。

 

 機体を安易に後退させず、前に進ませる。

 

 ツイン・ビーム・スピアのような長柄の武器はリーチが長い分、内側に隙ができやすい。さらにMSは人間よりも手足各部の可動域が狭く、密着するほどの距離だと容易に対処ができなくなる。

 

 懐に飛び込んでその胴体に蹴りをぶち当ててやる。

 

 さらにその瞬間にブースターを起動させ、蹴りの反動と合わせて大きく距離を取った。

 

『逃がすかぁあぁ!!』

 

 パイロットはダメージを負っていないようだが、機体はそうでもない。

 

 衝突の衝撃で転倒しかけるのを、オートバランサーが必死に立て直しているところだ。

 

 もらうね。

 

 胴体に向けてライフルを撃つ。

 

 これで終わりのはずだったが、敵機は大きく横に跳躍して射線を外しやがった。

 

 オートバランサー強引に切ったな。どんだけこっちを殺したいんだよ。

 

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