目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
焦りがアムロの胸を焦がす。
エンジンを破損したホワイトベースの修理が終わるまで、陽動のために出撃したのは良いが、遭遇した敵はこれまで以上の手練れだった。
濃度の高いミノフスキー粒子の中、突如現れたその白いザクは、こちらが身構える前にカイとハヤトの乗るガンキャノンを大型のサーベルで両断。
孤立したこちらの攻撃をあざ笑うように、建造物を利用して射線を切ると、足元を狙ってマシンガンを撃ってくる。
カイもハヤトも脱出したのは確認したが、敵地に武装もなく放り出された状況では、何が起きるかわからない。
早く目の前の敵を倒し、少しでも安全を確保したいのだが、相手はどこまでも冷徹だった。
反撃で撃つビームライフルは大気と散布された撹乱幕のせいだろう、弾道が不自然に曲がり安定しない。本来メガ粒子の熱量なら、ビルの残骸ごとザクを貫くはずが、霧散してその装甲を掠めることすら叶わなかった。
くわえて、敵の弾は宇宙でザクが使っていた120mmよりも弾速が速く、貫徹能力が高いようだ。
強引に距離を詰めるために構えたシールドは破砕され、被弾した胴部も内部機構にダメージを負ったことを示すランプがコンソールには表示される。
稼働に支障はないが、ルナチタニウム合金を貫く弾丸だ、これ以上の被弾はなんとしても避けたい。。
「くそう! ザクなんかに!」
地球に降りる前に戦った赤い彗星、シャアと同等、いや、こちらを仕留めるためにより堅実な手段を用いてくるぶん、シャア以上の強敵であった。
――落ち着け、アムロ。
恐慌しかける意識をつなぎとめるべく、操縦桿を握りしめ、頭の中で自分に呼びかける。
「ザクとは違うんだ! ザクとは!」
ターンが速いだけではない、加速性も段違いだ。
――相手はこちらが焦れて、動きが雑になるのを待ってるんだ。
敵はライフルを恐れてる。その証拠に、常にビームの有効射程ギリギリ外を維持している。
いくらビーム撹乱幕や大気による弾道の変化があったとしても、亜光速で飛んでくるメガ粒子の束は、掠めるだけでMSの巨体を粉砕するのだ。
アムロは廃ビルを背にした。相手が旋回機動で背後に回るのを防ぐためだ。
常に相手を正面に捉えることができれば、反撃もしやすい。
軌道を制限された相手は正面から、サブアームに懸架されたままのバズーカを撃ってきた。
ガンダムの頭上に着弾した砲弾は、無数の瓦礫を散らばらせる。更にそこに敵が何かを投げ込んできた。
反射的にはライフルを撃つ。
光条に貫かれたのは、マシンガンの弾倉であった。
熱線により誘爆した弾薬が視界を塞ぐ。
「このぉ!」
苦し紛れの2射目を放とうとライフルを向けたところで、ワイヤーが腕に絡みついた。
「うああああああああああ!」
ヒートロッドからの電撃が襲い、全身が跳ねる。操縦機器が爆発し、アムロの意識を真っ白に染め上げた。
アムロくんが弱いのは、まだニュータイプとして覚醒してないことと、ゼクスが高性能機に搭乗し、かつすでに連邦試作機との戦闘経験が蓄積されているためです。