目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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第115話 Side『ニューヤーク燃ゆ』

 

 第1機動小隊改め、地球突撃機動軍特務部隊所属、特別遊撃部隊、通称『閃光の伯爵(ライトニング・カウント)』隊は、日本に行くことが決まった。

 

 特務と特別がいっぱいで舌噛みそうですね。

 

 ガルマ大佐の話によると、フラナガン機関より研究者――あのクルスト・モーゼス博士だ――が連邦へ逃亡した。

 

 うわーEXAM(エグザム)システムかー。

 

 と思ったら、すでにキシリア少将配下の追撃部隊により、クルスト博士が潜伏した連邦の研究所を襲撃。博士は死亡したそうだ。

 

 だが問題は、彼の知識と技術を利用して造られた新兵器が脱出に成功していることだった。

 

 その追撃を僕らが請け負うことになったのだ。

 

「極東の北部に向けて脱出したのはわかっている。さらにだ、先行した部隊の報告では丁度北に連邦の基地があり、そこにマスドライバーの存在が確認された」

 

 マスドライバーは、ルナツーへの物資移送に使われているようだ。これは先日行われたルナツー襲撃作戦で回収した、潜入工作員からの情報とのこと。

 

 僕らの目的は連邦の兵器と同時に、このマスドライバーを確保、もしくは破壊することとなる。

 

「北米は橋頭堡として盤石にするつもりだ。君たちが抜けた分は、キャリフォルニアから引き抜いたキリー少佐の部隊が埋める形で入るから心配するな。ゼクス、君の采配で部隊は運用してくれ」

 

「よいのか? こう言っては何だが、我らの部隊はかなり特異だぞ」

 

 僕の顔見て言ったなこの人。

 

「わかってるさ。だが私は軍人としての才に劣る。とはいえ死んでいった者たちのために、投げ出すわけにも凡庸に過ごすわけにもいかないんだ。必要なものは全てこちらで用意する。何か必要ならば、ザビ家の名を免罪符として出しても構わん。君の実力を信じるさ」

 

 なんかガルマくん一皮むけたな。

 

 親友と思っていた人間に裏切られたのだ。しぼらくは人間不信に陥ってもおかしくないのに、他者を信じる、と強く言えるのはすごいことだ。

 

「これも私のカン(・・)に過ぎないのだが」

 

 そう前置きして大佐は語る。

 

「この戦争を終わらせる鍵がどこかにある、そしてそれを君と、フィンゴ中尉、君たちなら見つけることができるのではないかと思っている」

 

 うーむ。買いかぶられてる気もするが、この人最近ニュータイプじゃないか、と噂されてるんだよな。

 

 バトルシミュレーターでしかないが、ガルマ大佐は個人でなかなかの成績をおさめてる。

 

 レーダー外からの狙撃を避けたり、潜伏した敵の位置を的確に捉えたりと、技術や経験だけでは説明できない行動も多い。

 

 なにより適応力が非常に高く、同じ戦法はなかなか通用しない。

 

 他の部隊の人間は大佐に忖度してわざと負けたりしているので、ガルマ大佐はほとんどバトルシミュレーターには触らなくなってしまったが、対戦するときは第1機動小隊の面々が担当だった。

 

 うちの面子、誰一人として彼には手を抜かないからね。

 

 うーむ。今のガルマ大佐なら、話しても良いかもしれないなぁ。もしかしたら、うまく扱ってくれるかもしれない。

 

「どうした中尉。なにかあるのか?」

 

 目ざとく大佐が聞いてくる。

 

「あ、はい今回の戦闘で捕えた捕虜のことなんですが――」

  

 

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