目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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 戦闘シーンは苦手です。

 がんばります。


第13話 Side『オルド・フィンゴ』

 

 前世の子供の頃、大気圏突入時の熱は、大気との摩擦によるものだと教わったが、実際は高速飛来する物体に大気が圧縮されてできる、圧縮熱だそうだ。

 

 船外から伝わる振動をBGMにぼんやりとそんなことを考えていたら、あっという間に地上に到着した。

 

 HLVのハッチが開き外へ出る。

 

 ザクのモニター越しに見る大地は砂漠だった。前世だと砂漠と言われて思い浮かぶのが、黄色い砂が丘になったサハラ砂漠や鳥取砂丘だったが、僕らが降り立ったのはひび割れた土に石の破片が無数に散らばった礫砂漠だ。

 

 その向こう、大して離れていない場所に煙を上げる都市が見える。あれがニューヤーク。

 

「予定位置通りに降りたな。全員問題はないか?」

 

「ありません少佐殿」

 

「早くやろうぜ! ですわ」

 

 一匹やたら好戦的な方がいるな。

 

 キリシマ曹長の武装は、280mmバズーカを装備しているが、ヒート・ホーク2本を左右の腰に提げており、近くでぶん殴ることしか考えてないようだ。

 

 僕は近接戦闘なんてやりたくないので、宇宙攻撃軍で使われていた対艦用ライフルだ。

 

「我ら第一小隊は遊撃隊としてこのままニューヤークの防衛部隊を殲滅する。ミノフスキー粒子も濃い。無茶はするな」

 

 そう短く告げて、ゼクス少佐はホバーで滑走していく。最高速度ではないが、ザクでついていくのは厳しい。何より、思ったより機体が重い。重力の影響だ。

 

「中尉と曹長は後方から支援してくれ。前は私と大尉が切り開く」

 

「あー? ……チッ、了解いたしましたですわ」

 

「了解しました」

 

 本当はドムで後方から砲撃支援するほうが、機体の特性に合致してるんだけどね。まだ連邦はMSを用意していないし、ドムの装甲はザクより厚い。パイロット経験の高い二人が盾役となって、僕ら実戦未経験組をフォローするという目論見だ。

 

 頭上をゾッドの編隊が駆け抜けていき、ニューヤークを容赦なく爆撃していく。

 

 先発隊によって制空権は完全に支配していた。

 

 少佐と大尉が280mmバズーカで、61式戦車を吹き飛ばす。他の小隊のMSも防衛部隊を蹴散らしながら都市へと侵攻。僕らも市街地へと入る。

 

「チッ! 連邦(あいつら)民間人避難させてねぇのかよ!」

 

 キリシマ曹長が吐き捨てる。

 

 モニターには、戦火から逃れようと路上を逃げ惑う市民の姿が大勢映っていた。

 

「軌道上からの奇襲だからな。勧告を出す暇もなかったのかもしれん」

 

 ラムザット大尉の声はやけに抑揚を抑えているようだった。正義感の強い人なのだろうな。

 

「各機、なるべく榴弾での建造物への破壊行動は抑えろ。場合によっては格闘武装で敵に対応する」

 

「へっ! そうこなくっちゃな!」

 

 その指示にキリシマお嬢さんは手にしていた280mmを路上にーー割と近くに民間人がいたぞ。無事だったけど――放り捨てて腰のヒート・ホークに手をかける。

 

「言っても大半が61式のMBTでしょう。非効率だと思いますが?」

 

「フィンゴ中尉、それでも守るべき筋というものは存在する」

 

「了解しました」

 

 好んで人を殺したいとは思わないが、だからといってこちらの犠牲が増えるのも困りものだ。敢えて反対意見を言っておく。

 

 でも61式戦車の主砲じゃザクの前面装甲は抜けないからまだ余裕はある。この世界ではORIGIN版にあったガンタンクは開発されていないので、MSに対する連邦の現用兵器で怖いのは爆撃機ぐらいだ。それでも集中放火をされたら危ないのだが。

 

「しのごの言ってねぇで行くぜ! っと、行きますわよ!」

 

「キリシマ! 突出するな!」

 

 ラムザット大尉の制止を振り切り、キリシマ女史はザクを踊らせ、戦車郡へと飛び込んでいく。

 

「おーっほほほほ! 女王様とお呼びっ!」

 

 頭上から叩きつけるようにヒート・ホークを振り下ろして1両爆散させると、隣の車両を蹴り飛ばしてひっくり返す。

 

「中尉!」

 

「了解」

 

 僕は大尉の指示を汲み取って、曹長の周りを囲もうとしている61式にライフルの照準を合わせる。長距離狙撃も可能な対艦ライフルだ。

 

 この距離なら外さない。たぶん。

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