目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
ノイジーフェアリー隊。
キャリフォルニアベースから異動となった特殊部隊で、キシリア少将の発案で女性ばかりで結成された部隊だ。
北米がゲリラも含めてほとんどの連邦勢力を駆逐し、かつ秩序だった統治が成されたこと、オデッサ、キリマンジャロという新たな生産拠点が置かれた結果、相対的にキャリフォルニアの守備重要度が下がった。
最近ではこのニューヤークも航空機を中心に製造ラインが組み立てられている。
そうした理由から、キャリフォルニアベースの防衛を主任務としていた部隊は、一時期は解散が予定された。
しかし女性ばかり、かつこれまで秘匿されていたという特性上そう簡単にはいかず、ならば各種新兵器の試験運用部隊兼戦略的価値の増大したニューヤーク基地の守備隊増援として扱うことになった。
「あの二人、何してるんです?」
ノインの隣に座ったのはエターナ・フレイル少尉だ。
もともとフラナガン研究所というニュータイプを研究する機関から出向してきた人間で、このたびノイジーフェアリー隊に異動が決まった。
長い銀髪をアップにし、湯に浸からないようにしている。それだけで驚くほどの色気が滲み出ていた。
「いつものことだ」
「フィンゴ中尉ですか」
「ああ。あの男のどこがいいんだか」
「あら、私は可愛いと思いますけど。つい面倒を見てしまいたくなる感じで」
正気か?
と思わずフレイル少尉を睨む。
彼女はどこ吹く風で、10代とは思えないほど嫣然に笑った。
本人が公表するように、本当に17歳なのか怪しいものだ。
「ふふふ。そういうノイン大尉はどうなのですか? ゼクス大佐とはうまくいかれてますか?」
「何を言ってる」
突然話を振られてノインは目を逸らした。
「お好きなのでしょう? いつも目で追われてます」
「冗談を言うな。彼のことは――」
「やーやーやー! 恋バナですか!?」
否定しかけたところで、突然シュティルナー少尉が話に飛び込んでくる。
フレイル少尉といい、このシュティルナー少尉といい、昨今の10代は物怖じという言葉とは無縁なのだろうか。
「失礼ですよアルマさん。でも、私も気になります! ノイン大尉の好きな人!」
「ゼクス大佐かぁ……たしかにめっちゃくちゃイケメンだよな。あれでパイロットの腕も1流なんてすげぇよな」
ミア・ブリンクマンとヘレナ・ヘーゲルが更に加わり、ノインの周りはにわかに騒がしくなった。
「貴様ら――」
いくら無礼講――を許可した覚えはないが。この場での暗黙のルールだ――とはいえ、あまりに不躾だと叱咤しようとした。
「あ、ディライア少尉とユウキ伍長」
そこでアルマがさらなる訪問者に気づく。
第2機動小隊のディライア・クロウと、最近になってニューヤーク基地所属となっとユウキ、ナカサトだった。