目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
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評価できるまでひと月待たねばならんのかー。
ジオン北米方面軍による軌道上からの電撃的侵攻で、ニューヤーク市は陥落した。
連邦防衛部隊が全滅したことで、市長であるヨーゼフ・エッシェンバッハは無条件降伏を宣言。ガルマ・ザビはこれを受け入れる。
ジオンは占領した市長官邸を
司令官であるガルマによって元市長執務室にゼクス・マーキスは呼び出された。
「ゼクス・マーキス、お呼びとあり出頭致しました」
「ああ、ご苦労だった。ゼクス、ここには副官もいない。くだけて構わんぞ」
執務用の椅子に腰掛けながらガルマは言った。
「こうして話すのは士官学校以来だな。私の指揮下にいるのは知っていたが」
「君は今や地球攻撃軍の総大将だからな。気軽に一兵卒と旧交を温める余裕もあるまい」
「総大将か……」
「どうした?」
ガルマは顔を歪める。
「僕は所詮、北米方面の司令官に過ぎんさ。大きな作戦の決定権は姉上のものだしな。兵たちが影で私をMSにも乗れない男と嘲笑っているのは知っている」
彼が自虐するのももっともだ、とゼクスは思った。
彼は、もしジオンが敗戦濃厚となったとき地球攻撃軍をザビ家が見捨てないための人質として送ったようなものであることは、この戦いに参加した誰もが知っていることだ。事実、彼の階級は大佐でしかない。慣例としてザビ家の人間は、ニ階級上と見なすことになってはいるが。
「だがここニューヤークは、ジャブロー擁する南米に攻め入るための要衝だ。決して無能な人間に任せられる場所ではない」
「やめてくれ! 誰も彼もが親の七光りだと言うんだ。士官学校の成績さえ、シャアとゼクス、君たちが僕に譲った結果だというのはわかっている。あのときの僕の惨めさがわかるか? 僕は堂々と君たちに向かい合い、そして勝ちたかったんだ!」
ガルマは拳を握りしめる。
「よそう。昔の話を振り返るために君を呼んだのではない」
ガルマは息を整えると、改めてゼクスに向き直った。
「先日の戦闘、連邦が送り出してきたMSのことだ。尋問により捕虜が情報を提供してくれたよ」
「南極条約は遵守されたのだろうな?」
ガルマはうなずく。彼へのこの手の話題は、自分以上に潔癖であることを理解していた。
「もちろんだ。連邦とは違うさ。捕虜は今も無事でいる。そしてその件のMS、ザニーというらしいが。どうもジオ・マッド社からアナハイム・エレクトロニクスを通じて手に入れたパーツを用いて造り上げたらしい」
「やはりルナリアンが絡んでいたか」
「見当がついていたのか?」
「いや、正確には受け売りだ。部下に技術面に詳しい者が一人いる。彼の推測では、アナハイムあたりから手に入れたザクのパーツと、CAD/CAMシステムを使ったか、ルウムで鹵獲したザクを解析したのではないか、とな」
「見識のある部下だな。まあ、だが結果はお粗末なものだ。外側を似せたはいいが、機体性能もパイロットも何一つ完成していない。ザクⅠならともかく、ザクⅡやドムの敵ではないだろう」
楽観的なガルマと対象的に、ゼクスは難しげな表情を崩さずにいた。
「これもその部下の受け売りになってしまうのだが、『次は、より高性能なMSが完成するだろう。そして、その時期はそう遠くない』とな。私もそう思う」
「そこまでか? 我らとてMSの完成には数年を要した。技術力で劣る連邦がこの短期間で我らと渡り合える兵器を作り出せるとは思えないが」
「ガルマ、連邦の国力はジオンの30倍だ。ならば開発力も30倍と見ていい。事実、突貫で造ったMSでありながら、歩いてこちらを撃ってみせたのだぞ」
「あまり面白みのある話ではないな」
「誰しも苦い現実は飲み込みにくいものだ。だが最悪を想定せねば、指揮を執ることは叶うまい。楽観論を鵜呑みにして兵を死なすわけにはいかん」
「そう……だな。うん。姉上にもこの点はしかと報告しておこう」