目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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第152話 Side『もうひとつの箱』

 

「君らはすでに承知のことと思うが、今回の作戦は連邦施設であるマスドライバーを奪取することだ」

 

 ギャロップの艦橋兼作戦司令室にて、ゼクス大佐はそう言った。

 

 件のマスドライバーは、ガンダムシリーズ原作にでてきたような有人の宇宙船を打ち上げるようなものではなく、無人のコンテナを打ち出す長大なレールガンだ。

 

 旧式のもので、筒状の滑走路を使い、射出する弾体を段階的に加速させる仕様。

 

「よく見つけましたねぇ、こんなの」

 

 周辺地域を模したARディスプレイの画像を見ながら、思わずつぶやく。

 

 全長300m程の砲身は、その大半が山岳の地中に埋められてる。

 

 宙域は、連邦ルナ2駐留部隊の勢力内ということもあり、衛星写真などはない。

 

「ルナ2に潜ませていた諜報員からの情報で判明したものでな。各種資材を定期的に送っていたようだ」

 

 ジャブロー上の宙域はジオンが抑えてしまっているから、そうそう大掛かりな補給物資を送り続けることができない。

 

 他の主だった宇宙港も、開戦当初の降下作戦でジオンに制圧、または破壊されているために使えないわけだ。

 

 そこをカバーするためにこうした秘密施設を利用したのだろう。

 

 連邦からは極東地域と呼称される日本は、旧世紀に定めた国際法によって宇宙港も存在せず、人口減少もあってかなりの僻地と化している。

 

 太平洋に落ちた隕石のかけらによって津波が起き、沿岸部にある連邦軍港が壊滅したため、ジオンからも戦略的に価値が低く、占領してもめぼしい資源を得られるわけではないため見過ごされていた。

 

「連邦施設(・・)とのことですが、軍事基地、ではないのですか?」

 

 ノイン大尉が質問する。

 

「そうだ大尉。目的地は本来軍事基地ではなく、研究開発施設だったようだ」

 

 地球連邦軍技術開発局極東支部――略称E.F.F.T.D.Jだそうだ。

 JはJapanのJかな。

 

「実態として軍事施設であることには変わりないのですよね? 戦力はどれほど?」

 

「そうだな。それは先行偵察を行っていたニムバス大尉の方から聞こう」

 

「はっ! 僭越ながら説明させていただきます」

 

 促され、ニムバス大尉が前に出る。

 

「我ら部隊が、ニュータイプを研究するフラナガン機関より連邦へと寝返ったクルスト・モーゼス博士を追っていたのは承知のことと思う。この極東、ムラサメ研究所にてそのクルストを討つことには成功したものの、その成果物であるMS制御システムを搭載した兵器とともに小数部隊が逃亡、この施設に合流したものと思われる」

 

 ノイズ混じりの静止画像がディスプレイにいくつか表示される。

 

 そこに表示されているのは、初期型ガンタンクが2、ガンキャノンが2、しかもこれ、ポケ戦の量産型ガンキャノンじゃないか。さらに、ジムに似た形状をした知らないMSが4体だ。

 

「この見慣れないMSが新型なのか?」

 

 ノイン大尉の質問に、ニムバス大尉は首を横に振る。

 

「いえ、おそらくは別ものでしょうな。こちらが我らが入手した、新型機の画像です」

 

 表示された一枚の写真。

 

 横たわった一機のMS。

 

 その姿は、死神(ペイルライダー)だった。

 

 

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