目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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第155話 Side『もうひとつの箱』

 

 荒野をはしる〜。

 

 なんて心のなかで例の歌を歌いつつスコープを覗く。

 

 目的の施設はすでに臨戦状態のようで、暁光を浴びて装甲を真っ赤に輝かせるMSが見えた。

 

 量産型ガンキャノンが2、ガンタンクが2。

 

 資料で見たジムもどきは見当たらない。まあ、すぐ出てくるだろう。

 

 戦闘車両も見つからないし、外観的には軍事基地という感じはしない場所だ。

 

 コンソールに映った時計がミッション開始の時刻を告げる。

 

 照準を合わせ、トリガーを引く。

 

 放たれた光条は、ガンキャノンの右脇腹を貫いて、更に奥のガンタンクにまで命中した。

 

 ガンタンクは砲弾に誘爆したようで、盛大に爆発する。

 

 開戦の狼煙としては上々だ。

 

 大気中でビーム兵器を使うのは不安だった。

 

 風や湿度で簡単に弾道が曲がるからだ。敵方が撹乱膜を張っていれば無効化もされる。

 

 収束率を高めたというのは伊達じゃないようだ。

 

 けど、次弾までのチャージに18秒もかかる!

 

 仕様では7秒程度と聞いていたのに、2.5倍も差があるじゃないか。

 

 敵がこちらに砲弾を叩き込んでくる。完全にこちらの位置を把握してるわけではなく、場所特定と行動を制限するためのものだ。

 

 位置は特定されていないが時間の問題だろう。姿勢を低くしたまま移動開始。

 

 無限軌道はホバーほどの速度は出せないがこういうときに便利だ。

 

 森の周囲には、複数の地雷が設置されていることをこちらのセンサーは感知済みである。

 

 この際対人用の地雷は無視。こちらに大したダメージを与えることはないから。ただ、音はするので場所がバレるがそれはまあいい。

 

 MS用のトラップがどうも少ないな。森側からの侵入を想定していないなんてことはないと思うが。

 

 コンソールに『銃身冷却完了』の文字が浮かぶ。

 

 膝立ちでライフルを構え、量産型ガンキャノンに向けて引き金を絞った。

 

 放たれた赤い閃光は、途中で不自然に曲がり、標的の左肩を粉砕して蒸散。その衝撃でガンキャノンは横倒しに地面を転がった。

 

 もうビーム撹乱膜を張ったか。

 

 ガンタンクの後方、路面が上方に開くと、そこからMSが出てくる。

 

 資料でみたジムに似たMSだ。

 

 ジムよりも痩せ型で、手足が長い。ひょろひょろした印象のMSだ。頭部はジムやガンキャノンに似たゴーグル型。

 

 それが3機地下から登場してくる。

 

 ライフルのチャージが済んでたら撃ったんだけどな。

 

 他の場所からも同じMSが出てくる。

 

 その頃には、ゼクス大佐が率いる本隊が到着していた。

 

 空中からの砲撃で、意識を森に向けていたガンタンクの背部が吹き飛ぶ。

 

 ドダイを飛び降りたゼクス大佐たち5機のMSと、地下から出てきた連邦のジムもどきが交戦に入る。

 

 前半の仕事を終えた僕は森に潜みながら、スコープで戦闘を観戦だ。

 

 ニムバス大尉が懸念してる例の死神が出てきたとき、狙撃するのが残りの任務。

 

 できれば出てきて欲しくはないんだが、ニュータイプであり、EXAMとの精神的な繋がりがあるマリオン少尉がここにあるというので、戦況によっては出てくるかもしれない。

 

 すでにムラサメ研究所にてEXAM搭載機と戦闘し、それを撃破しているニムバス大尉とマリオン少尉もいるし、ゼクス大佐とノイン大尉、おまけでキリシマ嬢までいるんだ、そうそうやられるわけないと思うが。

 

 

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