目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
荒野をはしる〜。
なんて心のなかで例の歌を歌いつつスコープを覗く。
目的の施設はすでに臨戦状態のようで、暁光を浴びて装甲を真っ赤に輝かせるMSが見えた。
量産型ガンキャノンが2、ガンタンクが2。
資料で見たジムもどきは見当たらない。まあ、すぐ出てくるだろう。
戦闘車両も見つからないし、外観的には軍事基地という感じはしない場所だ。
コンソールに映った時計がミッション開始の時刻を告げる。
照準を合わせ、トリガーを引く。
放たれた光条は、ガンキャノンの右脇腹を貫いて、更に奥のガンタンクにまで命中した。
ガンタンクは砲弾に誘爆したようで、盛大に爆発する。
開戦の狼煙としては上々だ。
大気中でビーム兵器を使うのは不安だった。
風や湿度で簡単に弾道が曲がるからだ。敵方が撹乱膜を張っていれば無効化もされる。
収束率を高めたというのは伊達じゃないようだ。
けど、次弾までのチャージに18秒もかかる!
仕様では7秒程度と聞いていたのに、2.5倍も差があるじゃないか。
敵がこちらに砲弾を叩き込んでくる。完全にこちらの位置を把握してるわけではなく、場所特定と行動を制限するためのものだ。
位置は特定されていないが時間の問題だろう。姿勢を低くしたまま移動開始。
無限軌道はホバーほどの速度は出せないがこういうときに便利だ。
森の周囲には、複数の地雷が設置されていることをこちらのセンサーは感知済みである。
この際対人用の地雷は無視。こちらに大したダメージを与えることはないから。ただ、音はするので場所がバレるがそれはまあいい。
MS用のトラップがどうも少ないな。森側からの侵入を想定していないなんてことはないと思うが。
コンソールに『銃身冷却完了』の文字が浮かぶ。
膝立ちでライフルを構え、量産型ガンキャノンに向けて引き金を絞った。
放たれた赤い閃光は、途中で不自然に曲がり、標的の左肩を粉砕して蒸散。その衝撃でガンキャノンは横倒しに地面を転がった。
もうビーム撹乱膜を張ったか。
ガンタンクの後方、路面が上方に開くと、そこからMSが出てくる。
資料でみたジムに似たMSだ。
ジムよりも痩せ型で、手足が長い。ひょろひょろした印象のMSだ。頭部はジムやガンキャノンに似たゴーグル型。
それが3機地下から登場してくる。
ライフルのチャージが済んでたら撃ったんだけどな。
他の場所からも同じMSが出てくる。
その頃には、ゼクス大佐が率いる本隊が到着していた。
空中からの砲撃で、意識を森に向けていたガンタンクの背部が吹き飛ぶ。
ドダイを飛び降りたゼクス大佐たち5機のMSと、地下から出てきた連邦のジムもどきが交戦に入る。
前半の仕事を終えた僕は森に潜みながら、スコープで戦闘を観戦だ。
ニムバス大尉が懸念してる例の死神が出てきたとき、狙撃するのが残りの任務。
できれば出てきて欲しくはないんだが、ニュータイプであり、EXAMとの精神的な繋がりがあるマリオン少尉がここにあるというので、戦況によっては出てくるかもしれない。
すでにムラサメ研究所にてEXAM搭載機と戦闘し、それを撃破しているニムバス大尉とマリオン少尉もいるし、ゼクス大佐とノイン大尉、おまけでキリシマ嬢までいるんだ、そうそうやられるわけないと思うが。