目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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 お腹壊して倒れてました。


第159話 Side『もうひとつの箱』

 

 狙撃スコープで『死神』の背中を覗く。

 

 背部にはバックパックとジョイントで繋がったロケットのようなスラスターユニットがある。

 

 このジョイントアームはある程度自由に動くようで、スラスターの位置を調節できるみたいだ。

 

 これで強引に軌道を変えて動いているんだろう。先程の宙返りもこいつを使って行ったようだ。

 

 間違いなく無人機。

 

 そうでないなら、パイロットは強化骨格を有した強化人間ということになるが、連邦もジオンもまだ強化技術(プラス・テック)は確立していないはずだ。

 

「大佐、これより狙撃します。おそらく超反応で躱されるんで、そこを全力で仕留めにいってください」

 

「策か?」

 

「いえ、確認です」

 

 それだけを告げて、狙いをつける。

 

 ライフルのエネルギー充填は済んでいる。

 

 相手はゼクス大佐のザクと、ガンダムもどきに夢中だ。

 

 背中からの狙撃。本来なら避けれないはず。

 

 殺意(・・)を込めてトリガーを引こうとした瞬間、『死神』は急に向き直り、こちらへと突進を開始した。

 

 あーなるほど。

 

 やっぱりこちらの殺意(・・)敵意(・・)に反応してるんだな。

 

 サイコミュシステム持ち。

 

 ジオンでも研究中のそれが、なぜ連邦でできているのかわからんけども。しかも無人機で。AIはサイコミュ使えるのか?

 

 蒼白い炎を機体の各所から吹き上げて『死神』が迫ってくる。

 

 10Km近く離れているのに、こちらの位置を正確にトレースしてる。

 

 大佐が回り込もうとするが、『死神』の速度は異常だ。

 

 むう、殺意込めすぎたかなぁ。

 

 こちらの意識に反応してるなら、その大小で標的を選んでるのだと思った。だから、即座に大佐が動けば標的はそっちに移ると思ったんだがなぁ。

 

 そんな考えをしているうちに、相手はもう目前で、ビームサーベルを振りかぶってくる。

 

「格闘戦は苦手なのに」

 

 予備兵装のヒートナイフで、一撃をかろうじて受け止める。

 

 ナイフで止めた左腕部に異常を感知。

 

 相手の力が強すぎて、負荷がかかってる。

 

 まずいな。

 

「どらっしゃあああああああ!!」

 

 品のない雄叫びとともに、キリシマ嬢が乱入。

 

「さっきから『オギャアオギャア』とうっせぇんだよクソ虫がああ!」

 

 え、そんなふうに聴こえる?

 

 ともかく殺意マシマシのキリシマ嬢によって、『死神』のターゲットが変わる。

 

 やはり、対峙する相手の殺意の高さによって攻撃対象(ヘイト)を変えてるようだ。

 

 それなら簡単だ。

 

 確認をとるために拡声器のスイッチをオンにする。

 

「あーそこの連邦兵。確認だけど、その蒼いMSは無人機で、暴走してるのかな?」

 

 ガンダムもどきに乗ってるパイロットに声をかけたつもりだが、返事はない。

 

 まあそりゃそうだ。なし崩しで共闘するような形になりかけているが、お互い敵同士だからね。

 

 ん?

 

 ガンダムもどきの頭部、ドーム型バイザーの中に見える機器が、一定の周期で明滅しはじめる。

 

 こりゃ光信号だ。

 

 内容は――通信回線の番号だった。

 

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