目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
第179話 Side『降り注ぐ嵐』
やあ。オルド・フィンゴです。
日本の連邦施設奪取から一ヶ月ほど経ちまして、今は月のグラナダに居ます。
ここはフォン・ブラウン市に次ぐ月の第二都市だ。元々サイド3建造のための資材打ち上げマスドライバーが存在する場所で、ジオンとの繋がりは深い。
うーん。地球から見て裏側にあるので、このマスドライバーを軍事利用はできないのが残念。
南極条約も邪魔だ。大気圏外からの質量攻撃できないからね。できたら今頃ジャブローはあなぼこだらけだったろうに。
さて、我ら特別遊撃部隊がなぜこのグラナダにいるか、端折りながらも説明したい。
極東からチベットへ渡った僕らは、アプサラスの秘密建造基地があるラサへと入る。
目的はジャブロー攻略用MAアプサラスの月への輸送と、開発者であるギニアス・サハリン技術少将の護衛だ。
僕らが到着した時点で史実と異なり、アプサラスが完成しており、各種ユニットを分割してケルゲレンを始めとした輸送船に詰め込み、グラナダへと運ぶ手はずだった。
ギニアス少将には、会って早々に感謝の言葉をもらう。
オーガスタ基地で得た、連邦MSのビームライフルに使われていたエネルギーC.A.Pの概要をこちらに流したからだ。
これにより原作アプサラスⅡで問題となった射撃時の姿勢制御の不安定さとメガ粒子砲の連射性能が解決できたのだという。
「できればそれらも含めて、私個人の能力で解決したかったのだがな」
とはギニアス少将の弁である。
追い詰められていなかったせいか、そこまで狂気に浸されてはいなかったようだ。
ただ、ここでアプサラスの完成度を上げたいなどと言っていたので、「グラナダで量産認可降りるんだから、そこで改良した二番機作ればいいじゃない」と言ったら満足してた。
ニューヤークで拿捕したホワイトベースのミノフスキークラフトのデータも土産として渡したら、だいぶ気に入られたみたいで、様々な話をした。主に技術関連の話だ。
ところで、原作のコジマ大隊だが、
この世界でアイナ嬢は、添い遂げ男ことシロー少尉と出会うことはなかったようで、連邦への攻撃も一切躊躇うこともなく行った。原作と異なり、MSの数が少なく、地上戦の主力がMBTであったことと、僕らライトニング・カウント隊の援護もあり、彼らは抵抗らしい抵抗もできずに壊滅、捕虜となった。
「やあ、
「相変わらずだな、おめぇさんは」
捕虜を収監した施設。その中でも一等室と呼んでいい場所に居た人物と僕は接触する。
「中尉、彼が協力者か?」
「ええ、戦前からのね」
ゼクス大佐の言葉に僕が頷くと、目の前の人物は敬礼した。
「連邦でも噂となっている『
人をくったシニカルな笑みを浮かべる中年の兵士は――
「トラヴィス・カークランド中尉であります。いや、もと中尉かな。味方殺しで、もう連邦に席はありませんからね」