目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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第186話 Side『降り注ぐ嵐』

 

 手に入れたR型は僕らの部隊で改装していく。

 

 必要なのはソールとの通信システム構築だが、これはゲルググに搭載されているものを強引にコピーして装備させた。ただ、作戦開始時間までに全機分は無理だ。

 

「で、オレに下駄(ソール)の操縦しろと?」

 

 呆れた顔のトラヴィスおじさん。

 

「オレぁ元連邦だぜ? 裏切るとか考えない? フツーはさ」

 

「そんときゃそんとき。大佐からもオッケーでてるからね」

 

 通信プログラムも装置も期日までに必要数作れない。なら、()の方をマニュアルで操縦してもらえばいい。で、戦闘機での実戦操縦経験者となると、我が部隊だとトラヴィスのおっさんに白羽の矢が立つ。

 

 だめなら整備班の人たちから見繕うことになる。

 

「ドリスさんにも声かけといてね。あの人も操縦いけるでしょ」

 

「……オッケー。お前さんには勝てる気しねぇよ」

 

 降参、とばかりにおっさんは諸手を上げた。

 

 これでソールのパイロットは確保。

 

 後の問題は――。

 

「――1番機のみ?」

 

 僕の問いに、ケイ・ニムロッドが頷く。

 

「そう。大佐にあてがわれたソール。これだけジェネレーター部に余分な装置がついてる」

 

 受領したソールは5機。

 

「資料だと、1番機は大佐が貰った新型(ゲルググ)に合わせた改良が施されたスペシャルだって話だけど」

 

 ふむ。

 

 ケイが端末でみせてくる。

 

 制御プログラムにも改竄の後あるね。

 

「大佐のMSはJ型のだっけ?」

 

「そう。S2の完成版」

 

 大佐が受領したMSはゲルググJ。アニメ『ポケットの中の戦争』に出てきた機体だけど、この世界ではだいぶ仕様が異なる。インフレーム機構――要はムーバブル・フレーム――の試作型であったザクS2の試験データを元に開発されたもので、新規設計機体だ。

 

「これ、ジェネレーターの出力上げるってなってるけど、たぶん――」

 

 ケイが渋い顔。

 

 うん。僕も同じ意見だ。

 

 偽装されているが、これ、最終的にジェネレーター暴走させて爆発させるものだな。

 

「どうする?」

 

「うーん。大佐のJ型は問題ないの?」

 

「ああ。そっちはなんの細工もされてなかった。仕様通り」

 

「じゃあこれ、僕の乗る3番機と交換しといて」

 

「はぁ!? お前、これそのまま使うつもりか?」

 

「うん。手は加えなくていい」

 

「欠陥持ちだぞ? しかもかなりやばめだ」

 

 だからだよ。

 

 なぜわざわざ大佐が使うMSではなく、こちらなのか。

 

 なんとなく、これを仕込んだやつが誰なのかわかった。

 

「ケイは他のやつもよく見といて。たぶんMSは大丈夫だと思う。ただ念は入れといてくれ」

 

「ああ、そりゃあまあしっかりやるけどよ。本当にこのままで出撃すんのか?」

 

上は(・・)、これでやりたいことがあるみたいだからね。代わりにそれ、僕がやってあげることにする」

 

 ケイは意味がわからんて顔をしたけど、まあ上手くやるつもりだ。

 

 というわけで、ソールの1番機は僕が扱うことになった。

 

 拝借したマッシュ中尉のザクRとのマッチングも済ませ、後は4時間後に作戦宙域に移動するだけ。

 

 自室に戻って少し休むかな、と通路を移動してるところで、背後から銃を突きつけられた。

 

「ゲヒャヒャヒャッ!! 久しぶりだなぁ親友(・・)

 

 

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