目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
どうもどうも。オルド・フィンゴです。
前回の大気圏降下によるアフリカ急襲から一月半、北アメリカに戻ってきましたよ。
宇宙世紀も80年に入って一ヶ月。北アメリカ大陸は完全に冬。
特に今年のニューヤークはひどく、元日から雪が積もりに積もって大変だったようだ。
なにせ天候が管理されてるコロニーではそこまで降雪させることなんてまずないから。
コロニー出身の兵たちは、四季の寒暖差が激しすぎる地球の環境にすっかり嫌気が差していて、いっそ核弾頭で全部ふっ飛ばしてしまえ、なんて過激な冗談がたびたび出るほどだ。
まあ自然は人間に優しくないから仕方ないね。
ニューヤークに戻ったところで真っ先にガルマ准将に呼ばれて、ソールの核爆発について聞かれた。
具体的にはキシリア少将の関与を疑われたので、肯定しといた。
「そうか。姉上にはこちらから苦言を言っておこう。いつまでも蚊帳の外では正直不服だ」
とは准将の言だ。
なんかひどく疲れてる感じなので聞いたら、先日監禁していたエンシェンバッハ氏が自殺してしまったそうで。
元市長は財政会の傀儡で、ガルマが娘であるイセリナに熱を上げていることを利用して、軍の動きを連邦に流していたことが発覚。
問い詰めた時に隠し持ってた銃で抵抗し、兵士の一人が負傷。以後、軟禁させていたんだが、服毒してお亡くなりになった。
「チェックが甘かった私の落ち度だな。だがそれよりも問題なのはイセリナ嬢だ」
元婚約者は父親の死に発狂するほどの怒りを見せ、父を殺害したのはガルマであると周囲に吹聴。さらには亡き父の側近たちの手を借りて、反ジオンゲリラの旗頭として祭り上げられたとのこと。
「ゲリラ自体は小規模だ。鎮圧する気ならすぐにでもできるが、街でのテロ行為が厄介でな。住民たちにも不穏な空気が広がっている」
「ガルマモデルにも翳りが見えてきましたか。そろそろ連邦と決着つけようという時期に困りましたね」
「このままカナダ方面の連邦と繋がられても面倒でな」
「つまり、僕になんとかせよ、と?」
ガルマ准将はこちらの目を見て頷く。やれ、とのことだ。
「ラサで連邦に忍ばせていたスパイを引き入れたそうじゃないか。上手くつかえないか?」
おや、なかなかシビアに物が見えるようになってきたな、この人。
「構いませんが、古来より支配した民は根絶やしか、深窓の姫のごとく扱うべき、なんて言われてます。どうされるかの方向性だけでもいただきたい」
つまり、ゲリラ含めてイセリナ嬢を殺すか、それとも捕まえて保護するのか、ってことだ。
「……エッシェンバッハ氏の側近だったものは、幾人かは連邦財政会とのつながりがある。今後の統治を考えれば全員とは言わないが生かしておきたい」
「イセリナ嬢は?」
あの娘は社交デビューも中途半端で、なんのコネクションも持たない。
敵対してしまった以上、ガルマ様との婚約も白紙……というより可能性がなくなったといえる。
「……できれば――いや、生死は問わん」
迷いを捨てるようにガルマ准将は言い切った。
「では、その件はこちらに任せてもらうということで」
丁度お目付け役で、海兵隊からニードル君も来てるからね。彼にもくっついてもらおう。なんせ
「それと、お前にはさらに別件がある」
「はい?」
こうして僕は、キャリフォルニアベースへと出向することになる。