目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
オーガスタ基地――
ども。オルド・フィンゴです。
連邦カナダ方面軍を抑え、新型MAと弾道ミサイルの試験を終えて、ここにやってきました。
キャリフォルニア・ベースで件の『シウテクトリ』は改修を受けたんだけど、オーガスタに運び込まれ組まれたそれを見て絶句したね。
「ざ、ザクレロ?」
弾道ミサイルを撃ち込むレールキャノンへの電力不足を補うためにジェネレーターが増設。さらに重量が増した分を、増加スラスターでカバー。
巡航形態では、最新型のドムよりも最高速度が高い。
でも耐G機構は更新されてないとか。
そして、機体前部にマニュピレーターが追加された。
そのマニュピレーターが問題だ。
技術屋のオリヴァー・マイ中尉曰く、
「操縦士であるキリシマ曹長より、近接戦が機関砲だけでは不満だとの意見を受けまして、格闘戦用の武装を追加しました!」
とのことで。
右腕先端部は、大きなハサミのような武装となっている。
オリヴァー・マイ曰く、
「これは『ヒート・シザー・ハンド』と言いまして、通常は
とのこと。
なんだ、ジオンはヒート・ロッド症候群にでも罹患してんのかな。
左腕先端部は、ビームガンになっている。
オリヴァー曰く、
「左腕は高出力の
あ、うん。
でも、なんで銃口上部につけてんの? って聞いたら、普段は射撃の邪魔にならないように手首側に折り曲げておけます! だそうだ。
いや、だから、なんでミサイル積んだ巨体で格闘戦するの前提なの!? しかもレールキャノン使うせいで大型のジェネレーターが外部に露出してんだよ! 歩兵のロケラン一発でも当たれば危険でしょうに!
「あ、もちろんそこにカバーはつけますよ」
そうじゃない!
そしてトドメはカラーリングだ。
なんと真っ黄色である。
つまりザクレロカラーなんだ。
「キャリフォルニアの方で、耐ビームコーティング剤を混ぜた塗料を受け取りまして。それが試験用ってことで、テストカラーの黄色だったんですよ」
なんで視認性高い黄色選んでんのさ。
「ミノフスキー粒子下では、モニター認識されづらいですし」
いや、肉眼でばっちり目立つでしょ。
僕がキャリフォルニアからここまでの間に、キサラギ女史が持ち込んだ『Z.E.R.O.システム』の解析と導入進めてたら、まさかこんなことになってるとは。
やっぱ開発部の人間は専門バカだ。
ニューヤークでは僕も大概に言われたけど、やはり本職には敵わないな。
キャリフォルニアにいる間、ずっと自室に籠もってキサラギ女史が作った『Z.E.R.O.システム』の解析。本当は弾道計算のためにシウテクトリに積むはずだったんだが、さすがに元連邦の人間が作った制御コンピューターってどうなの? って意見が大半だった。
とはいえ、これ『黒箱』の知識で造ったものなんだよね。
そこで改めて僕が解析して、デチューンしたものを搭載することにした。
んで、キサラギ女史が造った方は、ジャブロー潜入組のゼクス大佐の方に預けることにする。
この『Z.E.R.O.システム』は、対象の『スウェッセム因子』を補強して、擬似的ではあるが
この感応波というやつは、ミノフスキー粒子に作用して伝播し、少しでも粒子があれば距離時間で減衰しないどころか、遅延もほぼ起きない。
代わりに、この感応波を受け取る他の人間や機器が増えれば、あっという間に消滅してしまう代物だ。
以前ニューヤークを急襲した、パイロットの感情を垂れ流すジム。あれに近い。あと、僕らが極東で出会った『
アレらはシステムが生体部品と認識した人の脳波を読み取り、指向性も全く無いまま、
大佐に渡した『Z.E.R.Oシステム−Type.W』は疑似スウェッセム因子ともいうべき機能を持ち、パイロットの脳に好戦的なイメージを送る。
感応波を生み出すスウェッセム因子は、主に脳内の体液中に多く、感情の昂りによってその作用を強化する。
そうすることによって、非ニュータイプでも自身の感情、思考を発露させることに成功している。
こうした技術と知識を『黒箱』から得、現状の科学力で再現した『Z.E.R.O.』だけど、後のバイオ・センサーやサイコ・フレームのように機体性能――特に駆動系――に作用することはない。
機械的に各部のリミッターを解除して、機体の反応値を上げることはできるけどね。
それと、戦況を分析してもっとも勝率の高い戦術の構築ができる。ある意味未来予測。これは『黒箱』からサルベージしたある人物の人格パターンを模倣して造られたものだ。
大佐の使用している『Type.W』は『ゼクス・マーキス』その人。
『新機動戦記ガンダムW』のゼクス・マーキスの思考パターンだったりする。
他者の意識より、自身の性格のほうが――無論、別の世界軸の存在だけど――シナジー高いかとおもったんだけど、今思うと、逆に違和感あるかもしれないな。
『Z.E.R.O.システム』にとって重要な機能は、あくまでも疑似スウェッセム因子がトレースした思考を、特定の対象――もう一つの『Z.E.R.O.システム』に届けること。
つまりは、僕の乗るこの機体だ。