目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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 話し上げるの忘れるところだった。

 あぶなちー。


第26話 Side『オルド・フィンゴ』

 

 増援のザクたちの砲撃がヒルドルブの周囲に着弾するが、命中弾はひとつもない。

 

 ん? ザクかと思ったらよく見りゃあれザニーじゃないか。

 

 なるほど、鹵獲できた数が少なかったか。足りない質を物量で補おうってわけだ。実に連邦らしい。

 

 しかし指揮官機を仕留めたのに士気が下がらないな。ブラフで角つきに乗っていなかったか、別小隊に指揮をスイッチしたか。どちらにせよよく訓練されているようだ。 

 

 後方のザニーに向けて狙撃をかますが、あっさりと躱された。

 

 あの1機だけ妙に動きがいいな。

 

「オラァ! バラバラにしてやるぜぇ!」

 

 あいかわらずの下品な雄叫びを上げながらキリシマ曹長が突貫していく。左右の手にはそれぞれヒート・ホークが握られている。

 

 距離はまだ少しあるのに近接かますとかイノシシですかね。

 

「中尉は曹長のバックアップをしろ!」

 

 そう叫んで、大尉は高速で駆け出すヒルドルブの掩護のために走っていく。

 

 一方、僕のザクは、破損した左脚をザニーのもので無理やり補っているためかなり動きが悪い。敵を狙撃するのには問題ないが、戦闘機動は強度面からしても安易に行えない。

 

 はやく完全に直したいなぁ。

 

 そして少佐のヒルドルブは凄まじかった。

 

 敵の砲撃を高速機動でかいくぐり、逆に自身の砲弾を命中させる。

 

 またたくまに61式を全車両平らげてしまう。

 

 無限軌道で高速ドリフトからの砲撃とかどんな大道芸なんだ。しかも当ててるし。

 

「オラ! お尻が丸見えでしてよ!」

 

 喜々とした声でキリシマ曹長はザニーたちを追い回している。

 

 やみくもに振り回したヒート・ホークで1機がバックパックを切り裂かれて爆散した。

 

 僕ももう1機を狙撃で吹き飛ばしてやるが、やはり残りの1体が動きが良くて苦戦する。

 

 見れば、脚部はザクⅡそのものを使っている。僕のと同じくニコイチしたな。それか、小破した機体を修理改造したんだろう。

 

 連邦のニコイチはかなり良い動きだ。

 

 対峙する曹長の動きが直線的すぎるというのもあるけど、パイロットの腕の差が如実に出ている。

 

 機体の性能差でキリシマ曹長が押しているようにみえるが、相手の手にもザクのヒート・ホークが握られている。隙を見せれば一撃で決まることもあるだろう。

 

「ちょろちょろと逃げ回りやがって! いい加減にお覚悟なさいな!」

 

 業を煮やした曹長が、ブースターを使って跳躍、一気に距離を詰めて斬りかかる。だがそれは悪手だ。寸でで避けたニコイチは、隙だらけのザクに向けてヒート・ホークを振り上げる。

 

 その腕を狙撃で吹き飛ばす。

 

 本当は頭を狙ったんだけどな。

 

 135mmは威力はあるけど弾道が安定しないなぁ。もともと宇宙用のものだからってのもあるけど、見事に大気の影響を受けてしまう。反動の割に射程もそこまで長くないし。

 

 結果オーライ。

 

 腕部を失い傾ぐニコイチを曹長のヒート・ホークが横に薙いだ。

 

 しまったあ! 研究のために鹵獲しようと思ってたのに!

 

「オーッホッホッホホホ! しょせんは偽物。このわたくしの相手は務まりませんわぁ」

 

 爆散するニコイチを後目に高笑いする曹長に、本気で殺意が湧いた。

 

「あら中尉? 何かおっしゃいましたかしら?」

 

「……無事で何よりです」

 

 だから、なんにも言ってないのに何で反応するんだ。

 

 本当に覚醒持ち(ニュータイプ)なのか?

 

 見れば動く敵は居なくなっていた。

 

 僕ら二人がニコイチに手間取っている間に、他の敵は大尉と少佐の二人によってすべて撃破されていた。少佐の腕は原作を観て知っていたけど、本当に凄まじいな。大尉のフォローはいらなかったかもしれない。

 

「へっ! 一発ありゃ十分な敵だったな」

 

 久方ぶりの実戦に高揚したのか、少佐の声ははずんで聞こえる。

 

「さすがに一発じゃむりでしょ」

 

「ハッハッハ! 中尉! お前は面白いやつだな! 後でドロップくれてやるよ」

 

 いらない。それ、神経症用の薬でしょうに。

 

 完全に油断していた。

 

 ソナーにも反応がなかったし、慢心していた。

 

 撃破したと思っていた61式の砲塔がヒルドルブに向けて動く。

 

「デメジエール!」

 

 ラムザット大尉のドムが射線に割り込むのと、150mm砲が火を噴くのは同時だった。

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