目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
CVはエマ中尉。
……なんだけど、性格設定を見事に間違えてしまった感が否めない。
第30話 Side『アフリカ戦線』
宇宙世紀0079。ジオン公国が地球連邦に対して、独立を掲げた戦争を開始してから、2ヶ月が経つ。
当初、ジオンは奇襲作戦として密かに保有していた隕石群を地球に落下させ、連邦の戦力を削ぐと同時に、大質量の攻撃で連邦本部である地下基地、南米ジャブローを破壊するつもりだった。しかしこの作戦は、連邦宇宙軍の決死の抵抗により大隕石が砕かれ失敗に終わる。
そのためにジオンは泥縄と理解しつつも、MSを始めとした兵器群による地球降下作戦を進めた。
第1次降下作戦で北米のニューヤーク航空基地、欧州のオデッサ鉱山基地を制圧したジオンは、第2次降下作戦を展開。北米連邦軍の一大生産拠点でもあるキャリフォルニアベースと、アフリカのキリマンジャロ基地を占領。
キリマンジャロ基地とともに併設されていた宇宙港を手に入れたジオンだが、基地の攻略は難を極め、多くの兵が失われた。
減少した人的資源を補填するため、ジオンは友好関係にあるサイド1とサイド2、サイド4に義勇兵の呼びかけをおこなう。募った兵にMSをはじめとした兵器を供与し、アフリカ大陸へと降下させた。
そうした中で、開戦と同時に従軍した義勇兵の部隊があった。
それが、第2混成機動部隊である。
*
「ドク狙われてるよ! 機動回避!」
『うひひゃああ!?』
キリマンジャロ基地演習場。山岳要塞の麓に設けられたそこで、ノーラン・ミリガンはMSの操縦桿を握っていた。
演習場といっても、砂埃の舞う砂漠だ。だだっ広く、障害物のない場所でマゼラアタック3両を相手にするには、このMSではいささか荷が重い。そう彼女は感じていた。
『おおお! お母ちゃーん!!』
僚機である2番機が175mmの砲撃を受けて、撃墜判定を受ける。むろん、使っている砲弾はペイント模擬弾である。もしこれが実弾だったなら、2番機は粉々に吹っ飛んで、断末魔の叫びを上げる余裕などなかっただろう。
『どうした? 開始10分も経っていないぞ』
共有通信を通して、先程狙撃してきた相手がこちらを煽ってくる。相手の力量と僚機の練度の低さに苛立ちが募り思わず舌打ちした。
「射程さえ詰めれば!」
手にした155mm速射榴弾砲で牽制しつつ機体を走らせる。ドムのようなホバーではない。砂に足が取られる感じが伝わってくる。
「トニー直線的すぎだ!」
注意喚起は遅く、アグレッサーのマゼラアタックの砲撃を胴体に喰らい、3番機も撃墜となる。
「くそっ! なめんじゃないよ!」
ついでとばかりにこちらを狙ってきた砲弾を、ノーランはフットペダルを強く踏み込んで加速し、ぎりぎり避けて間合いを詰めていく。
「これでもくらいな!」
155mmを乱射し、ようやくマゼラアタックを1両撃破判定。しかしそこまでだった。
機体側面から衝撃が伝わり、撃墜の判定を受ける。
『よう。課題多しだな。反省会は後にして、機体の感想を聞こうか』
負けず嫌いなこちらの心情をからかうような調子を含んだ相手の声に辟易しながら、ノーランはため息をつきつつ、通信用のヘッドギアを乱暴にむしり取った。