目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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第36話 Side『アフリカ戦線』

 

「メガ粒子!?」

 

 わずかにたなびくように残った粒子の線に、それがメガ粒子砲による砲撃だと気づく。

 

「まずい! マゼラ隊が――」

 

 ビーム兵器は強力だ。

 

 MSの厚い装甲でさえ溶けかけたバターのように貫き、蒸発させる。さらには弾速も凄まじく速い。

 

 MSならばあらかじめランダムに動いて的を絞らせないことも可能だが、運動性の低いマゼラアタックではそうもいかない。

 

 第2射が奔り、閃光が一台の友軍機を襲う。直撃したマゼラアタックは爆散して跡形もなかった。

 

「高射砲って、メガ粒子砲なのかよ!」

 

 トニーが悪態をつく。 

 

 偵察隊からの情報ではただの高射砲――実弾式の速射砲――だと思いこんでいた。

 

 この場で事前情報の不備に文句をつけても何もならない。ノーランは先程マゼラアタックを撃破した砲座に155mmを撃つ。

 

 銃弾の雨を受けて、メガ粒子砲は沈黙。だが、もう一つ砲台が存在する。

 

「トニーは61式を蹴散らせ! アタシはあれをやる!」

 

 機体を走らせる。

 

 早くあの砲台を潰さなければ友軍に甚大な被害が出るのは確実だ。その焦りが、周囲への警戒を鈍くしてしまう。

 

 61式が一両、目の前に立ち塞がる。それをノーランが視界に納めた時、すでに150mmの砲塔が狙っていた。

 

 やられると思った瞬間、後方から銃弾が飛び込み車両を撃破する。

 

「無事かぁ姉御!」

 

「ドク! その呼び方やめな!」

 

「ヒャハハハァー無駄、無駄、無駄ァァァ!!」

 

 狂ったような笑い声を上げながらドクは銃を乱射し続ける。

 

 彼が注意を引いているうちにノーランはメガ粒子砲を射程に納めた。

 

「くたばりな!」

 

 トリガーを引く。だが弾が出ない。コンソールを見れば残弾数は0を表示していた。

 

「くそったれが!」

 

 ありったけの憎悪を籠めて悪態を吐き、使えなくなった155mmを投げ捨てる。そして左前腕に装備された武装を手に取った。

 

 シールド・アックス。

 

 防御兼近接用兵装で、普段は刃に当たる部分を展開して防弾装甲板として使用し、いざというときはそれらの装甲板を折りたたんで手斧とする。

 

 ゲーツはザクやドムのようにヒート・ホークを扱うための腕部エネルギーパイプがオミット――正確には供給電力が足りない――されている。よってこの武装はその質量と慣性で相手を激しく殴打するためのものであった。

 

 その仕様を聞いたときノーランは、この現代になんて原始的な武装なんだと批判したが、今はこれしかない。

 

「いけ!」

 

 手斧を振りかぶり放擲する。

 

 MSの膂力で投げられた超甲スチール合金の塊は狙いを外さずメガ粒子砲へと突き刺さった。

 

 高速で飛来した鉄塊に潰され、砲台は自軍の戦車壕をメガ粒子砲で薙ぎ払いながら爆発した。

 





 澤野弘之「Vigilante」を聞きながら書いてました。本文に歌詞は合わないんですけどね。作中では、フェネクスと捕獲作戦で流れて、そのスピード感で場を盛り上げてましたから、その力を借りれば自分にも迫力のある戦闘シーンが書けるのではないか、と。

 結果、地力が足りなくて厳しい(´・ω・`)


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