目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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第40話 Side『アフリカ戦線』

 

「くそ! 迎撃するよ!」

 

「どれを撃つんだよ!?」

 

「目についたやつを好きにやんな!」

 

 それだけ告げて、ノーランは手にした120mmマシンガンを乱射した。

 

 以前使用していた155mmよりも口径は劣るが、威力は十分であり、先程砲撃してきた61式を撃破する。

 

 正規部隊が使用していたお下がりであるが、遥かに扱いやすいものだった。なお、主力部隊には新型のMMP-80が支給されていた。

 

 砂山からは次々と61式が現れる。

 

 完全にマゼラアタック中隊の横を突かれた形だ。

 

「戦車を止めろ! このままだと横っ腹食われちまう!」

 

 トニーが叫ぶ。

 

 だが先程友軍に見せかけたザクが、猛速でマゼラアタック部隊の中腹へと躍り込んだ。

 

 こうなると味方が邪魔になって攻撃ができない。そもそも戦車はMSに比べて旋回性と運動性に劣る。執拗に横や背後を取られればそれだけで手も足も出なかった。

 

「トニー! ドク! 横の戦車に当たれ!」

 

「お前はどうすんだよ!?」

 

「アタシは――」

 

 機体を部隊の中央、連邦のザクへと走らせる。

 

 銃が使えないなら、白兵戦を挑むしかない。

 

 機動性ならゲーツの方が上のはずだ。勝機はあると踏んだ。

 

 よく見ればザクは肩と胴がカーキ色に塗られ、胴部と肩装甲に大きく連邦マークが記されている。

 

「この偽物野郎が!」

 

 腰部後方のラックに懸架していたマトックを引き抜く。

 

 以前、ライルが設計した採掘用の工具だ。超鋼スチールで造られた単純なものてある。

 

 ゲーツはヒートホークを使えないため、ノーランは敢えて工具を格闘武装として選んでいた。

 

 シールド兼用のアックスはあるが、使い勝手はこちらが上だ。

 

 突進の勢いを利用してマトックを振り抜く。しかし単調な動きは容易に躱された。

 

 距離を取ったザクはマシンガンを乱射してくる。

 

 弾丸をシールドで弾き、こちらも負けじとザクの足元に120mmを見舞う。

 

 相手の方が動きがいい。ザクは独自に改造されているようだ。

 

 自分の射撃の腕は高くない、とにかく動きを封じて白兵戦に持ち込みたかった。

 

 相手の動きは消極的だが、やっかいなものだった。

 

 必ず距離をとり、牽制としてマシンガンを放ってくる。

 

 当たりはしないが、回避をしなくてはならない以上消耗を強いられる。さらにこちらからの射撃はマゼラアタックを射線に被らせてくるので安易に乱射もできない。

 

「やっかいだね!」

 

 ノーランの苛立ちは最高潮に達していた。

 

 操縦が雑になり、被弾が増え始める。シールドが砕け、左肩の装甲板が吹き飛んだ。

 

 そこで銃撃が止む。弾が切れたらしく、マシンガンの弾倉を代えるザク。

 

 このチャンスにノーランは飛びついた。これまでの鬱憤を晴らすつもりでマトックを叩きつけようと肉薄する。

 

 だがそれは罠だった。

 

 相手のザクは弾倉を交換するように見せかけてノーランを引き込むと、タックルをぶちかました。

 

 ノーランの機体は吹き飛び仰向けに倒れる。

 

 強烈な衝撃に意識が飛びかけた。

 

 目を開けると、モニターには自機の上でヒートホークを振りかぶるザクが見えた。

 

 避けれるはずもない。

 

 ノーランは呆然と、灼熱の刃が自らの機体に突き立つまでの時間を見送るしかなかった。

 

 ヒートホークが振り下ろされる直前、ザクに弾丸が命中する。

 

 砂丘を飛び越え、猛速で1両のマゼラアタックが突貫してきた。

 

「ノーラン! 離脱しろ!」

 

 通信からミュラーの声が届く。

 

 33mm連装機関砲ではザクの装甲は抜けないのだが、マゼラアタックは構わず連射しながら突っ込んでくる。

 

 装甲を叩く小銃弾をうっとおしく感じたか、それとも主砲を恐れたのか、ザクは跳躍してその場を離れた。

 

 ようやく我に返ったノーランは慌てて機体を起こす。

 

 起き上がった先で見たのは、ミュラーのマゼラアタックにヒートホークを叩きつけるザクの姿だった。

 

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