目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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第5話 Side『オルド・フィンゴ』

 

 格好はつけるもんじゃない。後に退けなくなっちゃうから。

 

 ゾッドのコクピットシートに身を預けながら、人生における教訓を得てしまったことに鬱々としていた。

 

 今僕はスパナではなく操縦桿を握りしめて、閃光煌めく宇宙を飛んでいる。

 

 件のザクⅡRだが、機体チェックで右半身にあるプロペラントタンクが機能してないことがわかった。もう少しわかりやすく説明すると、機体内部に分散配置している推進剤タンクのいくつかが壊れてしまっており、十分な補給量を得ることができなくなっていた。

 

 ジオンのMSは駆動系に流体パルスシステムを導入しているのだが、これは少ない電力で高トルクを出すことができるものの大掛かりに容積を取ってしまう。

 

 そのためザクは仕方なしに、プロペラントタンクを機体の各所に分散配置するという設計になっている。そのせいで動力用パイプが外に出てしまっている部分があるほどだ。

 

 そのうちの中容量タンクが機能していないのだ。信号トラブルだと思うがこればかりは分解してみないとわからない。燃料漏れはおきていないので、機体衝突の影響でラインが破断したのではないのが救いだ。

 

 正直、これでも出撃なんてもってのほかだと思うのだが。

 

「言った手前というものもある」

 

 と大尉殿はやる気満々でした。

 

 とはいえど、ただでさえ推進剤の容量がシビアなR型だ。行きはよくても、戦場の中心から帰って来ることができなくなるかもしれない。

 

 一幕おいて冷静になれば自分の愚かしさにも気づけるのだが、やはり有名キャラクターに会って興奮してたのと、こちらも原作セリフを用いて格好つけてしまったので、後に引けないという思いがあった。

 

「片道で良いならお連れします」

 

 と、つい申し出てしまった。

 

 そうして大尉が乗ってきた白いゾッドにパイロット用のノーマルスーツを着て飛び乗ったわけである。

 

 このZZFS−5ゾッドは、宇宙空間にてMSとの連携を考えて造られている。

 

 機体下部にMSを牽引するための把手付きのワイヤーが装備されているのだ。

 

 航宙航空汎用型戦闘機であり、宇宙ならば3体、重力下では1体のザクを運ぶことができる。良好な操縦性とともに、練度の低い新兵でもMSを戦場へ運ぶという任務が行えるようになった。

 

 で、今は大尉が乗り込んだザクⅡRを前線に向かって運んでいるわけだ。

 

「君は多芸だな」

 

 近接回線を通して、大尉が声をかけてくる。

 

「パイロット適性があるのに、なぜメカニックを?」

 

 直接ドンパチやりたくなかったからだよ。元々は開発部勤めのはずだったのに、なぜか前線送りされたんだよ。なんて愚痴れたらいいのだが、上官相手にそれはできない。

 

「ゾッドはエレカに乗れれば動かせますからね」

 

 これは嘘ではない。こいつの操縦室はザクⅠのコクピットをより簡素にしたもので、新兵どころかシューティングゲームをしたことのある学生ならば簡単に宇宙を飛ばすことができるように操縦はほとんど自動化されている。

 

 ぶっちゃけ、飛ばすだけなら目的地の座標を入力したら操縦桿を握っている必要すらないほどだ。

 

 しかも今回は機動性を確保するためにこちらは武装せずに出撃している。あるのはせいぜい内蔵火器である30mm機関砲ぐらいだ。

 

「中尉、ここで十分だ」

 

「よろしいので?」

 

「ああ。後は武運を祈ってくれ」

 

 まあ、貴方が原作通りの実力者ならどうということもないかもしれませんな。単体でMD(モビルドール)の群れ相手にしてたもんね。

 

「了解しました。くれぐれも機体のリミッターは外さないようにしてくださいね」

 

「留意しよう」

 

 あー、こりゃ外すなきっと。一部のエースの中で機体リミッター外すのが流行ってるからなぁ。おかげで各パーツの損耗率が高くて整備が大変なんだよ。本来ザクⅡRはそうした行動を抑えるために開発されたんだけど。

 

「プロペラントがおかしくなってるんですからね。ヅダっても知りませんよ」

 

「ヅダ? よくわからんが、生きて帰るさ」

 

 故障品なんだから無茶すんな。バラバラ爆散しても知らんぞ。

 

「そういえば中尉の名前を聞いていなかったな」

 

「失礼しました。第4機動大隊所属、オルド・フィンゴ中尉であります」

 

「良い名だな。私は第3機動大隊所属第1小隊隊長ゼクス・マーキスだ」

 

 な、ゼクスって……偽名(そっち)の方かーい!?

 





 早く巨乳のヒロインを出したい。
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