目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
殴られはしなかったけど、ずっと無言のままでガルマ大佐の執務室に連れて行かれました。
「で? この請求書はどういうことなんだ中尉」
「請求書、でありますか?」
「とぼけるな! キャルフォルニアとオデッサからのだ!」
ガルマ大佐は怒鳴って、クリップで留められた紙の束を投げつけてきた。なんというか、宇宙世紀にもなって紙媒体使ってるってアナログすぎませんかね我が軍は。
拾ってざっと目を通すと、どれも心当たりのあるものだった。
うん、しかし使い込んだな。ザク4機分近くの代金になっとる。
「軍は貴様の玩具箱ではないと釘を刺したはずだぞ」
ガルマくん激怒である。
「しかも全て勝手に私の名を出して使っているな。これは完全な横領だぞ!」
あーそうか。事後報告しようと思ってたからそちらのことすっかり、忘れてたわ。
「なにか言い訳はあるか、中尉」
「はっ。使った額面については間違いはありません。改竄も見られませんし、至極真っ当な請求書であるかと――」
「お前は僕をおちょくっているのか!?」
大佐は額に青筋浮かべている。なんかこうして怒ってると、ドズル中将とそっくりだな。やはり血筋なのだろうか。
「何に使ったんだ。MS4機分だぞ?」
ノイン大尉が冷たい目でこちらを見てくる。この人キレイだけど、理論で詰めてくるから怖いんだよなぁ。
「はい。ガルマ大佐より、MSに飛行能力を持たせたいとの命を受けましたので、その試作を行いました。それはキャリフォルニアの方です」
「先程ドムを乗せていたあれか」
ノイン大尉は渋面を作りガルマ大佐を見る。
大佐は額を抑えてうめいていた。
「確かに、言った。だが正式に計画として開発を行えと命令はしていないだろう」
「そうなのでありますか? 上層部からの『統合再整備計画』についての通達、会議での発言でありましたので自分はてっきり」
まあ言葉尻を捉えて言質を取ったともいう。
ガルマ大佐は盛大にため息をつく。
「わかった。それはいい。貴様にはCAD/CAMシステムの使用も許可しているからな。先にお前が設計したVZ-33とMTのこともある。が、それにしても額が大きすぎないか」
「そちらは、おそらく当基地に置いた新設備に取られたほうですね」
「新設備だと?」
「はい。ご覧になりますか? 整備班総出で作ったものでして、チーム全員よく出来たと自負しております」
*
というわけで、やってきましたギャロップのカーゴ内。
カーゴにも種類があって、物資運搬用、つまり貨物車両と、運用する部隊員が生活する環境設備を設けたものがある。
今回は第1機動小隊で使っている後者のカーゴだ。
「もともと、他部隊の整備班の面々から、整備に使うMSを扱うことのできる人員の不足が陳情されていまして」
「それはパイロットをローテーションすることで解決したのではなかったか?」
ああ、うん。大本のマニュアルではそのはずだったんだけど。
「パイロットってやつはプライドがやたらと高くてですねぇ。『訓練でもない整備なんかにMSなんか動かしていられるか!』と言われる方が大半で、まともに作業をこなしてくれないんですよ」
あと、専門知識の差もあって純粋に整備をこなしている兵と、パイロットでは作業効率が全く違うのだ。
「で、地上限定でMSを動かせる人間を整備班で用意しようとなったわけです」
説明しながらパーティションで区切られた一角へと到着。
そこには、僕が前世で見たことのある機械が置かれていた。
ジム・スパルタン2次も予約できず(´;ω;`)