目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
「大佐、撃たれたからって意味もなく銃を乱射しない。ドムの装甲は厚いから、61式の主砲くらってもぶち抜かれはしませんよ」
戦闘が始まり、大佐は見事に苦戦していた。
先鋒として出てきた61式戦車に囲まれ、我を失っている。
「ロックオンカーソールが二重になってから撃てばAIが予測射撃をフォローしてくれます。突出しない! 左右から挟撃されるでしょ!」
「ええい! 横からごちゃごちゃと!」
「戦車の戦法と代わりません。ドムなら戦車の背後を取れます」
「言われんでも!」
ようやくコツを掴み始めたのか、大佐は旋回機動で戦車群の後背を取ると、120mmをぶっ放す。
実際の部隊には、統合再整備計画で開発されたMMP-80がすでに配備されている。
統合再整備計画とは、地球攻略において、初期には想定していなかった現場環境に、現兵器を対応させるための計画だ。
MMP-80は、これまでの120mmが抱えていた問題――弾速が遅い、航空機以外への貫徹能力に欠ける、空気抵抗で弾道が一致しないといった点を改善したMS用機関銃だ。
各部がユニット化されており、自由に改造が可能な設計裕度を持っている。なので、北米ではさっそく改造して小型軽量化したMMP-80Sを開発、採用した。
まだシミュレーターに反映してないんだよね。
「やったぞ!」
ガルマ大佐は61式戦車を全て撃破して喝采を叫ぶ。
いいね。夢中になってくれているようだ。
「そのままトーチカもやってしまいましょう。固定目標ですから、バズーカが有効です」
指示通り武器を持ち替えて大佐はトーチカを破壊していく。
モニターに映るコックピットの中では、喜々とした表情を浮かべる大佐の姿があった。
ふふ。そりゃあ楽しいだろう。今までMSを操縦することが叶わなかったんだからね。人型の兵器を思うように動かすということは、万能感のようなものを操縦者に与えてくれるものだ。
全ての目標を破壊したところで、瓦礫の奥から一体のMSが現れる。
「この反応は……ザニーか?」
ミッションの隠しボス、連邦のザニーだ。
「追加ミッションです。大佐、連邦のMSを撃破してください」
「しかし弾がないぞ」
無駄撃ちしまくったからでしょうが。
「ヒートサーベルがあるでしょう」
「白兵戦か」
ガルマ大佐はにやり、と笑うとドムの背中からヒートサーベルを引き抜く。
「一度やってみたかったのだ!」
そういって真正面から突っ込む大佐。
アンタも
ザニーが120mmキャノン砲を撃ち出すが、ガルマ大佐のドムは旋回機動で躱す。事前に読んでいたようだ。
その後は、トーチカの残骸や窪地を利用して射線を外し、相手の背後を取るように動いていく。敵機を中心に円を描くように動いていき、徐々に彼我の距離を詰めていく。クレバーな作戦だ。
意外に考えてるなぁ。若さゆえの順応性ってやつかな。
「もらった!」
間合い内で背後をとった大佐のドムが、フェンシングのようにヒートサーベルを突きだす。
プラズマ化された刀身はザニーのバックパックからコックピットブロックまでを容易に貫いた。
機能停止したザニーは数度各部から小爆発を繰り返して、地面に倒れ伏す。アニメと違って爆散するのってそこまで起きないんだよね。
「お見事です、大佐。完璧にものにしてましたね」
「当然だ。私とて日頃の練磨は怠っていない」
いや、MSの練習なんてそうそうできんでしょう。なにかな? 自分の体ひとつでフェンシングの突きとかイメトレしてたのかな?
なんて考えていたら、「テレレテレテッテレー」と趣味で入れたス○Ⅱの効果音とともに、モニターに「HERE COMES A NEW CHALLENGER!」と表示が浮かびあがった。
「これはなんだ中尉?」
乱入者です。