目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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第52話 Side『オルド・フィンゴⅡ』

 

 建物の影を取りながら慎重に前進していく。

 

 僕らの戦術は基本的には待ち伏せだ。

 

 常に僚機の位置を一定に保ち、突出してくるであろう相手を2対1で仕留める。

 

 そうして数的有利を取らないと、ゼクス少佐には勝てないだろう。

 

「今日こそは吠え面かかせて、誰が上か教えて差し上げますわよ!」

 

 イノシシ……キリシマ嬢が思惑に乗って突っ込んできてくれる。彼女が選んだ機体はドムだ。レーダーにはけっこうなスピードを出して近づいてくる光点が映っている。

 

「オーホッホホホホ! さあどちらが私の相手に……って、オルド! なんだそいつは!?」

 

 僕の乗る機体を見上げて、キリシマ嬢が驚愕する。

 

「ん? ザクだよ」

 

「そうじゃなくて、なんでドダイに乗ってんだっつってんだよっ!」

 

 なんで、って武装選択で選んだからだよ。

 

 このドダイSFS、この前シミュレーターにデータ突っ込んだばかりなんだよね。せっかくだからそのテストもしちゃおうと思ってね。

 

「狙えねぇだろうが! 卑怯だぞ!」

 

「卑怯なんて、勝つための準備を怠った人間の負け惜しみにすぎないね」

 

 ちゃんとそちらの武装選択欄にも表示されてたでしょうに。

 

 あと、近接武器だけ持ってきた君の戦略ミスだ。

 

「降りてきやがれ!」

 

 ドムがヒートホークを投げてくる。

 

 当然当たるつもりもない。というか、武装がヒートホーク2本に、ヒートサーベルだけとか、人型の汎用性というものを真っ向から否定してるね。

 

 お返しとばかりにこちらもマゼラトップ砲で砲撃してやる。

 

 統合整備再計画の一環で、ヒルドルブⅡの製造が決まったため、マゼラアタックは半数が解体、マゼラトップはザクやドムの砲撃武装として再利用することになった。

 

 ちなみに残りは陣地防衛のための移動型砲台として運用されることになっている。それでもだいぶパーツ余るんだよな。なんかに使えないかなぁ。

 

「てめえ! 調子に乗るのもいいかげんにしやがれですわ!」

 

 こちらの砲弾の雨を高速で躱しながら、彼女はがなり立てる。

 

 見事に吠え面ですね。

 

「もらったぞ曹長!」

 

 大通りの交差点。キリシマ嬢のドムが差し掛かったところで、潜んでいたガルマ大佐のドムが銃撃。

 

「ちっ! お甘いですわよ!」

 

 さすがは覚醒持ち(ニュータイプ)だ。

 

 機体をぐるりと回るように滑らして弾丸を避ける。いくつか被弾したようだが、射角が悪かったのか致命傷を与えるには及ばない。まさか狙ってやったのかな?

 

「お返し差し上げ――」

 

「そりゃ無理だ」

 

 大佐のドム目掛けて突進しようとするキリシマ嬢の脚に、僕が放った155mm砲弾が直撃する。

 

 ドムの脚部は分厚い装甲に守られているため、ザクのように行動不能にはならなかった。が、バランスを崩すのは簡単だ。

 

 片足のホバーが機能しなくなったため、キリシマ嬢のドムは操縦をあやまり、近くのビルへ突っ込んでしまう。

 

「今です大佐!」

 

 作戦通りガルマ大佐が動く。

 

 マシンガンを乱射しながらヒートサーベルを引き抜き、建造物に体半分を埋め込んで身動きの取れないドムに接近。赤熱した刃をコックピットブロックに突き立てた。

 

 キリシマ嬢の機体は力をなくして沈黙。見事撃墜だ。

 

「さて、次はゼクス少佐なんだが」

 

 見つからないなぁと上空から視界をめぐらした瞬間、レーダーに光点が生まれた。

 

 ビルの上に飛び乗ったゼクス少佐のドム。

 

 まずい、と思った瞬間にはすでに遅く、放たれたバズーカの砲弾が僕のザクを背後から吹き飛ばした。

 





 ククルス・ドアンの島版ガンキャノン一般店頭販売。

 サザンクロス隊ザクの模型化企画。

 うれしい。

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