目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
本日の戦闘。
ワシちゃん「歳とると、プラモの制作速度も落ちてねぇ」
若者(20代)「積みゲーはわかりますけど、積みプラは理解できませんね」
ワシちゃん「キミ、おもしろいねぇ(☆▽☆)」
家族の命を凶賊の手によって奪われ、復讐を誓った私はあの忌まわしい事件の真実を知るために軍へと入った。
なぜ父と母と、生まれたばかりの妹が死ななければならなかったのか。
あの日邸を襲った賊は、目につく人間すべてを殺戮した。私は幸運にもやつらの目を掻い潜り、当家の専属庭師に匿われて助かった。しかし私の身代わりとして、彼の息子は亡くなってしまった。その恩を受け、私は彼の息子であったゼクスの名を名乗り、IDも変え生きてきたのだ。
ピースクラフト家が襲われたのは、当初は連邦寄りの発言をしていた父を疎んだ過激なザビ家派閥一党の手によるものと騒がれたが、やがて実行犯はザビ家に汚名を着せようとしたダイクン派閥の人間によるものだとわかり、実行犯を含め、多数の者が独裁を敷いたザビ家によって粛清された。
すべて、私が士官学校にいる間の出来事である。
士官学校にいるうちに、私を男手一つで育ててくれた養父は病により死去した。
私は復讐の相手も恩義を返す相手も失ったのだ。
いいようのない喪失感に苛まれもしたが、それを表面に出すことはせずに訓練と勉学に勤しんだ。
そんな中で、私は二人の友と出会う。
一人はガルマ・ザビ。
ジオン・ズム・ダイクンの跡を継ぎジオンの公王となったデギン・ソド・ザビの末子。
血なまぐさい家系に生まれながらも、年相応の純粋さを持つ少年であり、甘さの抜けきらない坊やといったところであったが、その素直さが私には眩しく、そして好感の持てるものであった。
そしてもう一人。
シャア・アズナブル。
私と同じく、金髪と碧い目を持つ男。
眼の色素異常により強い光に弱いとのことで、常にサングラスをかけているが、おそらく方便だろう。彼が他者に弱みを見せる様を想像することができない。
初めて彼と出会ったときに感じた印象は、危険な男だ、というものだった。
寮においてガルマと同部屋であり、必然、会話することが多くなったが、そのたびに私は最初の直感を確信するようにもなっていた。
常に他者を値踏みするように見つめ、黒いグラスでは隠せぬほど瞳の奥に暗い情念を湛えている男。
ああ、私と同じだ。そして、故に私とは何もかも分かり合えないのだ。
彼は復讐者だ。それが何者に対するものか、どのような経歴が駆り立てるものなのかはわからない。だが、私とは違い彼にはいまだに追い求める対象が存在するのだ。それがどうしようもなく羨ましくもあり、同時に底しれぬほどに憎いと思うことに愕然とした。
憎しみは常に新たな贄を求めて、感情を歪めていく。
それが私がこの人生で得たひとつの真理だった。