目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
「少佐、赤い機体ですが……」
基地の演習場のよう場所を撮影して写真を指差す。
「並んでいるのは、どれも砲撃タイプのようだ。火力はあるだろうが動きは遅いだろう。ドムの機動ならばそうそう相手にはなるまい」
「はい。いいえ、自分はこのMSが手にしている武装が気になります」
「赤い人型か。携行型火器なのは間違いなさそうだが?」
うん。でもORIGIN版で見た、前期型ビームライフルまんまなんだよ。
「形状が特異です。連邦は早々にメガ粒子砲を増産して戦場に投入してきましたから、おそらくこの武装も――」
それを聞いて、ノイン大尉が凛々しい柳眉を歪ませるのが見えた。
「MS用の携行型ビーム兵器だと? 我軍でもMSへのビーム兵器搭載は最近になってからだ。後塵の連中にそれが可能だとは思えないが」
ジオンって技術力に変な自信持ってるんだよな。自分たちができないのなら、連邦もできないと本気で思ってる。
実際はメガ粒子砲技術などは連邦の方がより進んでるんだけど。
「先に解体解析したザニーは、ヒートホークすら使えないのに、エネルギーサプライシステムが内蔵されてました」
ザニーのジェネレーター出力じゃビーム兵器は搭載できない。だが、ザクよりも大電力を供給できるケーブルがあり、開発時から携行型ビーム兵器の搭載を念頭に置いていたと思える。
我が軍にもハイゴッグにメガ粒子砲が搭載されているけれど、あれは大出力の大型ジェネレーターと、水冷システムを導入したからこそ使える代物だ。ECAPのように小型で取り回しの良い兵装というわけではない。連射もそこまで効かないしね。
「なんだ、ガキンチョは敵さんの新兵器に怯えちゃってますかぁ?」
嫌味を言ってくるのは、バーツ・ロバーツ中尉だ。第2機動小隊の隊長なんだが、この人もGジェネのオリキャラだったりする。
「オセロットさん、今日は飲んでないの?」
「いや、だからオセロットって誰だよ。飲むのは楽しむときって決めてんの、オレは」
この人、声がMGSに出てきたキャラと同じなんだよ。
元宇宙軍の航宙戦闘機パイロットだったおっさんで、この前もドダイの機動データコピーに付き合ってもらった。顔見ると悪口ばかり言ってくるけど、なんだかんだ手を貸してくれるナイスガイである。
「敵の新型に慎重になるのは当然でしょ。変な煽りかたしてんじゃないの。ごめんなさいね、フィンゴ中尉」
そういって謝ってくれたのは、ディライア・クロウ少尉だ。赤みを帯びた髪をした美人さんである。
この人もGジェネのオリキャラなんだよね。この世界は不可思議なものである。
今回の作戦は、第2小隊との共同であたるので、彼女たちも一緒にブリーフィングを受けているというわけだ。
少佐が考えるように顎に指をやる。
「確かに連邦はメガ粒子砲を多用しているが……フィンゴ中尉はどう見る?」
「携行型のビーム兵器。仮称としてビームライフルだとしまして、これが実用化されていると考えると、かなり危険だと思われます」
ビームライフルの危険度は、ガンタンクやガンキャノンが装備する大口径砲なんかよりよっぽど上だ。
現在のMSには
直撃しなくても、メガ粒子による膨大な熱が機体を掠めるだけで、プロペラントを各ブロックに分散配置してるザクは誘爆して大惨事だし、重MSであるドムの装甲すらとろけるチーズの様に貫通する。
大気中ではメガ粒子の収束が安定せず、射程や威力にばらつきがあるとしても、その弾速の速さと射程は強力な武器だ。
空気抵抗で弾速の遅い大口径砲と違って、瞬きした瞬間には命中している。
MSでの機動戦ではまさに一撃必殺。しかもメガ粒子砲より速い連射が可能なのだ。
バーツ中尉が口を挟む。
「ビームライフルっていってもさぁ。厄介だが、現状とれる対抗策もないだろう? なら、やることは変わらんじゃないの」
そう言ってバーツ中尉は、隣に座っていた我が隊のキリシマ嬢の肩に腕を回して笑う。
「見たところ新型は砲撃型。なら動きはそこまで機敏じゃないだろう。近づいてずばーん! ってね、どうよフローレンちゃ、ウボァッ!?」
顎に強烈なアッパーを受けて椅子ごとひっくり返った中尉を、全員が冷ややかに見つめる。
この人、女性と見れば必ずお触りしてからかうんだよな。
「オホン。とにかく作戦に変更はなしだ。新兵器に対しては各自注意するように。人型にはバーツ中尉が言うように近接戦を、タンク型に対しては戦車戦の基本通り旋回機動を取れ」
近接戦ねぇ。
配備されてるのが、ガンキャノン程度ならいいんだけどね。
例の