目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
ミノフスキー粒子下だと、光学系機器もまともに動作してくれない。
モニターに表示される敵機は、グレーのシルエットの人型で、AIが映像を解析するのに時間がかかる。
でも前世でガノタ(ガンダムオタク)だった僕なら予想はつくけどね。
ずんぐりした背の低い機体はガンタンク、肩のほうに砲身に見えるものを積んでいる2脚型はガンキャノンだろう。
問題は、4体いるスマートなシルエットの機体だ。
Unknownと表示されるそれは、左手に前世で見覚えのあるラージシールド。右手に小銃のようなものを携行しているが、シルエットだけでは、ガンダムなのか、ジムなのかわからない。
そして手にしている銃も、ビームライフルか、それとも実弾式か。
そのどちらかで脅威度はまた変わってくる。
タンブルウィードから、変更された優先攻撃目標のデータが送られてくる。
優先順位は、ガンキャノン(仮)、ガンタンク(仮)、白兵戦タイプ(ジムかな?)の順だ。
タンブルウィードからのデータリンクで、ガンタンクとガンキャノンのCG映像が完成した。こちらは偵察していた分、解析が進んでいたために早かった。
その情報を他のメンバーにも中継しつつ距離を取る。
敵MSと遭遇した際の布陣も事前に決めてあった。
通信狙撃型の僕と、管制であるエターナ少尉、部隊リーダーであるノイン大尉は後方に下がって、戦局を見つつ前衛をフォロー。
前衛はバーツ中尉、ディライア少尉、キリシマ曹長だ。
遊撃としてゼクス少佐。少佐は能力が高いから、下手に縛りを設けず、自由に動いてもらう。主にメンバーのフォローだ。彼自身もそのほうが意識を戦闘にだけ向けれて楽だそうだ。
ガンタンクに向かってライフルを撃つ。頭部をぶち壊したが、操縦士はそこに搭乗していなかったらしい。相手の足は止まらず、お返しとばかりに砲撃とボッブミサイルが飛んでくるのを、機体を横転させながら辛うじて避ける。
キリシマ曹長のザクが相手の横に回り込もうとするが、それを白兵戦タイプが阻む。が、それは悪手だ。
ガンタンクの砲撃が白兵戦タイプの背中に直撃し、爆発した。
味方を撃ったショックか、ガンタンクの動きが完全に止まる。
「はい、残念!」
背後に回り込んだキリシマ嬢が、ヒートホークを叩きつけた。
給弾部位を斬り裂かれたガンタンクは、高熱で誘爆した砲弾の爆発で吹き飛び、ガラクタとなった。
キリシマ嬢は爆破の余波に巻き込まれる前に離脱している。
ようやく白兵戦タイプの姿がCGで再現される。
やはりジムだ。
陸戦型ジムと、ジム改をかけ合わせたような見た目をしていた。
武装は100mmマシンガン。前世の知識にもある、陸戦型ガンダムが使っていたものだ。
「連邦の量産型がどれほどか、見せてもらう!」
ゼクス少佐が突出する。
3機から浴びせられる100mmの雨を、少佐はドムの分厚い装甲で強引に耐えると、ヒートサーベルで1機を両断する。
「戦場で、敵に背中を見せつけちゃうのはいかんなぁ」
少佐に気を取られたジムに、バーツ中尉が90mmを浴びせる。
「そこ! もらうよ!」
ディライア少尉もラケーテンバズを撃つ。
バーツ中尉に脇を撃たれたジムは小爆発とともに動きを止めて転倒。
ディライア少尉の相手は、バズーカの爆発をシールドを犠牲にすることで凌いだが、衝撃で動きが鈍ったところを、ゼクス少佐に斬り捨てられた。
残りはガンキャノン2体と、ガンタンクだけだ。
そう思ったとき、
「いけない! ドナ2避けて!」
エターナ少尉の警告が飛ぶ。
しかしそれは遅く、飛来した赤い光条が、ザクの脚を吹き飛ばした。