目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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第66話 Side『オルド・フィンゴⅡ』

 

 強襲作戦は成功。

 

 どうやら連邦はニューバーン基地の方に既存戦力を固めていたらしく、相当頑迷な抵抗があったようだ。

 

 それでも、オーガスタを含めてわずか2日で(僕たちは2日目に基地襲撃した)攻略したことになる。

 

 オーガスタ基地はほぼ、もぬけの殻と言って良かった。

 

 基地内に残っていたのは大半が非戦闘員であり、ジオンの歩兵部隊に対して、ろくに抵抗もせず降伏した。

 

 基地内の生産設備や各種資料などは、綺麗に破壊されており、基地機能を回復させるには相当な日数が必要な状態だった。

 

 先月のうちに大半の人員がジャブローやアフリカ方面へと脱出していたらしい。

 

 残っていたのは、撤退に強固に反対した面々で、本当なら持ち出すはずの新型MSを強奪して運用していたようだ。

 

 居残った連中の首魁は、極度の地球至上主義者だったらしく、宇宙人(ジオン)に占拠されるくらいなら、と基地の自爆も予定していたそうだが、離反した部下に眉間を撃ち抜かれて死んだそうだ。

 

 こちらの支払った労力に対して、あまり実入りが少ないものだったが、それでも原作を知る身としては、ここでオーガスタを落としたのは価値があると思う。

 

 連邦としては、こちらの補給線に打撃を与えるつもりで基地の放棄を行ったのかもしれないが、別に基地機能を復旧させる必要はない。

 

 確かに海路にてジャブローに近い位置にあるが、ジオン海軍は今は猫の手を借りても足りないほど大忙しだし、なによりケープ・カナベラルとメイポート基地がある。

 

 海軍施設が残っていたなら復旧しようとも考えたけど、見事に壊されていたので、ふんぎりもつけやすい。

 

 むしろ問題は、残されていた非戦闘員の方だったりする。

 

 中には10歳にも満たない子供が混ざっていた。

 

 ひどく衰弱し、中には精神が壊れてしまって無気力状態の子もいる。

 

 どうやら史実通り、ニュータイプの研究を行っていたらしい。

 

 投与された薬物の影響で、まともに四肢を動かすこともできない子さえいた。

 

 僕は現場を見ていないが、惨憺たる有様だったらしい。突入した兵士の中にはPTSDを抱えた者も出たそうだ。

 

 その大半をフラナガン機関で引き取ることになった。

 

 実際フラナガン機関での研究ってどうなの? とエターナさんに聞いたら、やっぱり薬物実験や感応波を測定する装置に繋がれての人体実験はあるらしい。

 

 ただ、連邦が行っていた強化人間製造プログラムは存在せず、あまりに酷い実験は行っていないそうで、死者やけが人も出ていないそうだ。

 

 ガンダムNTにあったような強化手術も行っておらず、主にニュータイプ能力者の環境適応能力と空間認識能力の拡大に力を入れているとのこと。

 

 エターナさんが17歳という若さで軍の尉官になれたのも、施設で勉強した結果。

 

 彼女からしたら、フラナガン機関は浮浪児を集めた孤児院みたいな場所で、施設の研究員は家庭教師であり、感謝もしているらしい。

 

 自身は詰め込まれた知識と技術を、現場で正しく扱えるかどうかを調査するために、地球に降りてきたそうだ。

 

 まあでも、裏ではよくないことしてるんだろうね。戦時下という名目の下、人は簡単に倫理を裏切っちゃうから。

 

 どちらにせよ、連邦の犠牲となった子たちの面倒を、ニューヤークでみることなんてできない。

 

 洗脳処置への警戒もあるし、医療行為を必要としている者も多い。専門の施設がある所のほうがいいだろう。

 

 僕ら第1小隊と第2小隊は、作戦を完遂したご褒美として、第1級殊勲章と、MSの新型を受領することになった。

 

 第1級殊勲章は、ジオンの意匠が彫られた盾型の勲章で、敵との戦闘で類稀な勇敢さを示したことを表す。実際は名誉的なものでしかなく、ジオン十字殊勲章とは違って、年金の割増もない。

 

 上官が手ずからつけてくれるのと、階級を問わず敬礼をもらえるというだけの、粗製乱造お飾り。

 

 第2小隊は、中破したディライア少尉のザクに代わり、ドムD型と、隊長であるバーツ中尉には専用機の改造許可が下りた。

 

 ある程度マシになったとはいえ、まだまだ財政的に余裕があるわけでもないジオンは、勲章や専用機なんて物で釣らないと士気を保てないわけです。

 

 MSならば軍の財産として残るし、他者でも使えるからね。

 

 階級あげてたら、年金も上げなきゃいけないから。

 

 同じく、うちの隊長も専用機の打診があった。受領したのはドムなんだが、なんとそれをキリシマ曹長に下賜する形で譲っている。

 

 代わりに、キリシマ曹長が受け取ったドムD型を部隊の予備機として保管し、自身はこれまで使っていたドムに乗り続けている。

 

 本人曰く、「扱いがピーキーな機体は部隊運用を難しくする」とのことだ。

 

 キリシマ曹長は喜々として専用機を受け取って、僕に魔改造を命令してきたけどねー。

 

 僕?

 

 僕は特になかったです。

 

 ガルマ大佐曰く「貴様は普段からやりすぎだ」とのこと。含意が広すぎて意味がわからん。

 

 一応ドムいる? って聞かれたんだけど、別の小隊に譲った。

 

 まだまだドムの配備数は足りないし、僕が乗っているザクは、EWACのテスト仕様にコックピットまで改造してしまっているから。今更替えるのも面倒だ。

 

 ドムとザクでは移動速度に差が出るけど、そこは試作したドダイSFSで補えばいいし、なんなら予備のドムの脚をつけてもいい。

 

 後は、回収した連邦の新型はキャルフォルニアで解析されている。

 

 手に入れたビームライフルは、ガンダムが使っていた物とビームサーベルをグラナダに上げ、ガンキャノンが使っていた物はキャルフォルニア行き。

 

 これで少しでもエネルギーCAP技術の確立が早まればいいんだけどなー。

 

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