目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
ゼクス少佐の専用機が到着したというので、ハンガーへ向かう。
今回の任務で、あの人も褒賞代わりにMSを与えられたけど、その整備を僕ら第1小隊が見ることが決まった。
正直、整備員の手が足りない気がする。
特に専用機なんて下手するとワンオフのパーツ使ってたりして、予備がないなんてこともざらだ。
統合再整備計画のおかげで、どの機体もユニットブロック化されてるから、最悪故障部位を丸ごと交換すればいいけど、一日仕事になっちゃう。場合によってはデポ送りだ。
道すがら少佐と遭遇した。
「君も機体を見に行くのか?」
「まあうちで見る以上、どんなものか気になりますしね。聞いた話では新型だって話ですし」
ゼクス少佐は怪訝そうにこちらに目をやる。
「いつも思うのだが、君はパイロットだろう。休息時くらい、体を休めていたらどうだ?」
「誤解です少佐。自分は整備士なんですよ。休息時間に、MSに乗せられているんです」
言ってやるとイケメンは笑いやがった。いや、あんたが僕の転属願い握りつぶしているの知ってんだからな。
「しかし中尉、君は先立って戦闘した連邦の新型をどう見る?」
これまた含意が広いなぁ。
「完成度、という意味ではさすが連邦。かなり高いと思われます」
上官の前で敵を褒めるなんて、他者に聞かれたら懲罰ものだが今更である。
「ただ、運用面においては熟成されていないでしょう。先の戦いでも連携が取れていませんでした」
「我々の方に一日の長があるということだな」
「いいえ。その差はあまり大きいものではありません。MSが戦場に登場してから、未だ半年。我々の上層部でも、その運用方法はしっかりと定まってません」
それどころか、ルウム戦役で複数のエースが活躍、出世したせいで、現場では個人の能力を重視する傾向にある。
ノイン大尉はこれをかなり問題視していて、その欠点を補うため、開発したEWACシステムには高い期待を寄せている。
一方連邦は群れとしての部隊運用に長けており、これまでの敗戦は新兵器であるMSに現装備が通用しなかっただけだ。
つまりジオンの勝利は、初戦の電撃戦によるものであり、連邦がこれから本腰を入れてMSを開発、運用していけばあっという間に戦局を覆されるだろう。
「巨人との差は未だに縮まらんか」
「そうですね。おそらくそれを見越しての、新型製造ラッシュでしょう。宇宙軍では、次期主力MSが先行配備されたと聞きますし」
ゲルググのことだ。ビーム兵器は間に合わなかったのでオミットしているが、目覚ましい活躍だったらしい。
本国向けの発表は正式生産機がロールアウトしてからのようだが、宇宙軍では着々と配備が進んでいるとのこと。
その後、とりとめのない話をしながらハンガーにつくと、そこには白く塗られた機体が佇んでいた。
「ザク?」
「ザクだな」
これが新型で、少佐の専用機? なぜいまさらザクなんだ?
よく見れば、ザクJ型とは形状が違う。頭部のブレードアンテナがやや大型化しているし、胴体部の装甲は、原作のF2型のものに近い。脚部側面と背面に、増加スラスターユニットが見える。
「ちょっと!
振り向くと、そこにはタンクトップを着た、大柄な女性が立っていた。
「ケイ?」
見知った顔に驚く。
「ようオルド! 面白そうなんで来ちゃったわ!」
いや、「来ちゃった☆」じゃないよ姐さん。
次の話書きたくなったので、3章はこれで終わりです。
すこし間をおいてから、4章を書こうと思います。
新作ポケモン発売までには書く。書くつもり。