目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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 また更新作業するの忘れてました。すいません。


第75話 Side『灼熱の抗戦』

 

 ハルトがブリーフィングで命じられた作戦はこうだ。

 

 ジオンは今回もMSの機動力に物を言わせた、得意の突破戦略を仕掛けてくる公算が高い。

 

 それを逆手に取る。

 

 ジオン地上部隊が戦線に投入したMSはニ種類あり、その一つが大型でありながら機動力に富むドムだ。

 

 ザクよりも足の速いドムは必然、後続と距離が離れやすい。

 

 そこを利用して、戦列が間延びしたところで後衛を叩く。

 

 その役目をハルトのブルーチームは命じられた。

 

 上官に聞かされた内容を、チームの作戦室で待っていたメンバー全員に伝えると、案の定フィリップは批判的な発言を述べた。

 

「そんな上手くいくかねぇ? 要は待ち伏せして後背をつくってことだが、砂漠だぜ?」

 

 アフリカは旧世紀の時点で砂漠化が一気に進み、今はほとんど緑を見ない土地となっている。

 

 身を隠す遮蔽物のない場所で待ち伏せをするのか。フィリップはそう指摘していた。

 

「やりようはあると思いますよ」

 

 異を唱えたのはサマナ准尉だ。

 

「僕らが展開する沿岸部付近は、数少ない砂砂漠です。穴をほってそこに身を隠せば」

 

「げ! ジャブローのモグラよろしく、穴蔵に潜めってか。勘弁してくれよ」

 

「そうだフィリップ。上もサマナが言った通りの方法を想定している」

 

 フィリップは肩をすくめた。彼の性格上、一度は内容にケチをつけねば気がすまないのだろう。これは彼なりの儀式であり、承諾しづらい命令をなんとか飲み込むための手法だ、とハルトはこの短い間の付き合いで理解していた。

 

 また、ベテランである彼の指摘は、時に作戦内容に多角的な視点を与えることもある、とハルトは黙認している。

 

 事実サマナの方は、懐疑的なフィリップの言葉を意識し、この作戦に不備がないかどうか考え始めている様子であった。

 

「だとすると、問題はMSに搭載されているUGS(アンダーグラウンドソナー)ですね。啓開を念入りにされたら流石に騙せません」

 

 MSに装備されたUGSは、地面を伝わる音を拾い索敵するための物だ。

 

 ミノフスキー粒子によりレーダーが効かない環境でも、敵位置や、大型地雷の発見を可能としている。

 

「どうでしょうか。私は大丈夫だと思いますけど」

 

 そう答えたのは、モーリン伍長だ。

 

「どういうことだ伍長?」

 

「はい。MSに搭載されているUGSは、そこまで索敵範囲は広くありません。ましてや突破戦略を使ってくるなら、啓開も最小限でしょうから、地面を伝わる音は輻輳(ふくそう)していて、専門の訓練を受けた者でなければ判別不可能なはずです」

 

 彼女はまだ若いが、部隊の通信士に抜擢されるだけのことはあり、索敵通信に関しては、高い技量と経験に支えられた自信があった。

 

「モーリンちゃんが太鼓判を押すなら問題ないね」

 

 そう言ってフィリップは笑いながら肩を竦める。了承した、という彼なりの合図だ。

 

 どちらにせよ、作戦内容はすでに決まっている。不備のない作戦というものも存在しないが、それでもやらねばならないのが軍人であり、軍隊であった。

 

「砂に潜るんだ、機体各所のシーリングは徹底。それとサマナ、今回の作戦には新型は間に合わないそうだ。配備のために輸送が始まっているが、それよりも俺たちがここを発つのが早い」

 

「そうですか、残念ですね」

 

「各自準備は怠るな。キタムラ伍長、君はホバートラックで随時戦況の確認。君の合図で潜伏しているMSが飛び出す」

 

「大任ですね。がんばります」

 

「なぁに、モーリンちゃんなら大丈夫よぉ」

 

「サマナ准尉、君は作戦に同道する戦車隊とホバートラックの直掩だ。退路の確保も任せる」

 

「了解です」

 

「フィリップと俺は撹乱だ。ジオンの連中は地上戦に慣れていない。そこをついて個々に分断する。連携はさせるな」

 

「オッケーだ」

 

 全員がハルトの顔を見る。

 

 会議をしめるための言葉を待っているのだ。

 

「よし。全力を尽くせ。宇宙人共に、連邦の底力を見せてやれ!」

 

「了解!」

 

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