目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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第80話 Side『灼熱の抗戦』

 

「航空部隊の援護もなしってか?」

 

「無駄口が多いぞフィリップ少尉」

 

 砂漠の中をブルーチームはMSで行軍していた。

 

 先日拝領した新型のMSは今のところ正常に稼働している。

 

 RX-79[G]。

 

 ガンダムと名付けられた、連邦製の新型機。

 

 ハルト達、独立機械化混成部隊の面々が待ち望んだ機体であるが、未だに試験用であるらしく、機体の各所にはセンサーやサブカメラが多数増設されていた。

 

 ハルトの搭乗する機体は、背面バックパック左に2連装ロケットランチャーを装備し、後方から前衛を支援する仕様だ。

 

 フィリップとサマナの機体はRGM-79[G]。ジムと呼ばれる本格的な生産型である。

 

 試作機の製造過程で生まれた余剰部品をかき集めて再構築したのがRX型だが、RGMはザニー運用のフィードバックを受けて開発された機体だ。

 

 RXとは違い装甲にルナチタニウム合金は使われていないため、試作機よりも防御性能が劣るものの、機体各所の出力はほぼ同値であり、カタログ上はザクやドムを上回る性能値を記していた。

 

「慣らし運転すら現地でなんて、まさにモルモットだね」

 

「少尉はぼやきすぎですよ」

 

 フィリップ少尉の愚痴も当然だろうとハルトは考えた。

 

 キンバライド鉱山急襲作戦はあまりに突貫すぎる作戦であった。

 

 同じくMSを支給された――RGM-79[G]ジム――レッドチームと合同での作戦である。

 

 鉱山を東西から挟むように急襲する内容だ。東部を担当するレッドチームとは当然別行動となる。

 

 目的場所から離れた位置にミデアで輸送され、そこから徒歩での進軍であった。

 

 事前偵察では、ジオンの兵はあまり数が展開されていないとのことだったが、エルサレム防衛戦からひと月以上が過ぎており、敵の兵力も回復しているのではないか、とハルトは予想していた。

 

「航空部隊は陽動として別陣地の攻略に出ている。そもそも目的は鉱山の制圧だ。航空機に出番はないだろう」

 

 それだけでなく、今は連邦空軍は虫の息であった。

 

 地上において、航空戦力がMSの天敵となり得ると早期に理解したジオン軍は、徹底して空軍の航空基地を叩いた。

 

 さらに航空迎撃機として、宇宙でも使われていたゾッドを多数投入。戦闘機としては驚異的な運動性能をもつ本機により、連邦は貴重な戦闘機パイロットを多数失うことになった。

 

「しかしよ。いくらなんでも杜撰な作戦じゃないかい? ただでさえ貴重な戦力を割いて、敵がどのくらい展開してるかわからん拠点を攻撃するなんてよ」

 

 堂々と任務批判を続けるフィリップに、モーリン伍長が注意を飛ばす。

 

「少尉、言葉遣いには気をつけてください。この会話は録音されてますよ」

 

「上が怖くて、こんな棺桶に乗れますかっての。モーリンちゃんだって疑問でしょ? こんな無謀な――」

 

「フィリップ少尉、黙れ。浅いとはいえどすでにここは敵の支配地域だ」

 

 これ以上の愚痴は部隊全員の士気を下げると判断し、ハルトは通信傍受の恐れを理由に掣肘した。

 

「しかしハルト、今回の作戦は無茶がすぎる――」

 

 それでもフィリップは今回の任務を呑み込むことが難しいらしく、食い下がってきた。いい加減に止めようとハルトが口を開きかけた時――。

 

「センサーに感! 音紋照合……航空機? ゾッドです!」

 

 モーリン伍長の警告に上空を見ると、空に黒点が2つ見えた。

 

 それは見る間に大きくなり、ジオンの迎撃戦闘機の姿がはっきりとする。

 

「さらにUGSに感! モビルスーツ! ドムです!」

 

 

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