目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
第5章です。視点はニューヤーク組に戻ります。
いつもどおりだらだらといきますー。
第85話 Side『ニューヤーク燃ゆ』
こちらニューヤークです。
みなさんご機嫌よう。オルド・フィンゴです。
開発部でMS-05を開発していた時、ジオマッド社から士官待遇で召喚された技術士と会った。それが『ケイ・ニムロッド』だ。
「ひっさびさだなぁオルド! 相変わらずちっせぇ〜!」
にっこにこで抱きついてくる姐さん。
うぶぅ。呼吸が……豊満なお胸に顔が埋もれて呼吸できぬ。というか、相変わらずこの人ノーブラかよ! 垂れるから止めとけと言ってるのに。
「初めて見る顔だな。君は?」
ゼクス少佐が面を食らっていた。
「お! すっげーイケメン! 誰これ?」
人の頭に顎を乗せながら聞いてくる。
「相変わらずだなぁ。彼はゼクス・マーキス少佐。僕の上司だよ」
「おお! アンタがゼクスか! アンタのためにこのS2を持ってきたんだよ!」
僕を離したケイは、手に腰を当て、ふんぞり返るように笑った。
どう反応していいかわからなかったのと、目のやり場に困ったのだろう、ゼクス少佐は僕の顔を見た。
「少佐、彼女は『ケイ・ニムロッド』。ジオマッドの技術者ですよ。こんなのでも腕は確かなメカニックです」
「こんなのとはなんだオルド坊! うりゃりゃりゃ!」
と、そこで何かが飛んできた。
ケイを突き飛ばして慌てて飛び退くと、それはS2と呼ばれたザクの足に当たって跳ね返る。
スパナだ。
「どこの泥棒猫が迷い込んだと思ったら、なんとだらしのないブサ猫ですこと!」
そこに現れたのは、キリシマ嬢だ。
「あ? なんだテメェ、あぶねぇだろうが!」
「あら、やっぱり、だらしのない人は口まで下品なのですわね」
「ああん? テメェ頭がイカれてんのか?」
「上等だ。喧嘩売ってんなら3割引きで買い取ってやんぞ!」
いや、喧嘩売ってるのはお前だキリシマよ。
初対面の人にスパナ投げつけるとか、気が狂ってるとしか思えんだろうがよ。まあ、微妙に軌道外れてたけど。
「曹長そのぐらいにするんだ。私は彼女から機体の話を聞きたい――」
あーゼクス少佐、そんな悠長な注意じゃ
「やんのかアアン!?」
「やってやろうじゃねぇかアア!?」
ケイとキリシマ、すでに胸ぐらつかみあってメンチ切ってます。
少佐が僕の顔を見る。
止めるの? これを? 僕が?
めんどくせぇなーと考えてたところ、脳天気な声が格納庫に響いた。
「うわー! これがニューヤークの英雄が乗るMSたちかー!」
「ちょっとアルマさん、そんな大声出したら失礼ですよ」
「ミーハー丸出しじゃねぇか。どんなテンションだよ」
三者三様。女――というより少女の声。
顔を向ければ、赤毛の少女を筆頭に、眼鏡をした少女、背が高く銀髪ショートヘアの少女。その3人が歩いてくるのが見えた。
さらにその後ろに、左官服を着た金髪の美女が、隣を歩くノイン大尉と親しげに何かを話しながら歩いてくる。
「うわ!? すっごいイケメンがいる!!」
僕らのとこまでやって来た赤毛ちゃんは、緑色の目をキラキラさせてゼクス少佐を見た。
「アルマさん! 本当に失礼――って、ほんとだ。すごいイケメン」
「まさに優男って感じだなー」
見事に場の空気を壊した3人に、今までいがみ合ってたケイもキリシマも毒気を抜かれたようで、動きが止まった。
その隙に持ってたタブレット端末を振って、お互いの胸ぐらを掴んでる腕をはたき落としてやる。
激痛に涙を浮かべて二人がこちらを睨んできたが、知ったことかバカタレ。
「久しぶりね。ゼクス」
僕らのところまでやってきた金髪さんは、ゼクス少佐に向かって声をかける。
「キリーじゃないか。君はどうしてここに?」
「あら、聞いていなかった? 貴方の乗る機体、持ってきてあげたのは私なんだけど」
そう言って彼女は嫣然と笑った。