目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜 作:妄想零炎
ノイジーフェアリーの3人は沈黙していた。
自分たちのギャロップに戻る道すがら、誰も言葉をかわさない。
キリーに言われ勢い込んで挑んだシミュレーター戦。大きなハンデを貰っても勝つことができなかった。
己の未熟さを痛感するとともに、あまりにも高い壁にどうすればよいのか途方に暮れていた。
特にムードメーカーであるアルマが黙っていると、それだけで空気が異常に重くなる。
「あー……なあアルマ、元気だせよ。うちらと違ってお前はセンスあるって褒められてたじゃん」
「そ、そうですよ! ミアなんて、『機体のコンセプトが小隊の運用面と合致してない。火力欲しいならMTに乗れ』とまで言われたんですから! 自信あったのに」
「あ、二人共ごめん! いや、考え事しちゃってて」
「なんだよ考え事って?」
「うん。それは――」
アルマの言葉は遮られた。
「もしかして、アルマちゃん?」
「え? え!? エターナ姉さん!?」
前から歩いてきた女性――エターナ・フレイルは、アルマの顔を見て、驚いた表情を隠さなかった。
「やっぱりアルマちゃんなのね。久しぶり」
「わぁ〜! エターナお姉ちゃーん!」
満面の喜びをたたえてアルマが抱きついていく。
「地球に降りたと聞かされてはいたけど、貴女も北米だったのね」
弾丸のように飛び込んできた少女を優しく受けとめて、髪を撫でてやるエターナ。
「そうなの! ていうかお姉ちゃんもここに?」
「そうよ。貴女の地球行きの後にね。ところで、感動の再会で嬉しいのだけれど、後ろの方々はお友達?」
「あ、そうだった! ミアとヘレナは小隊のメンバーで、大切な仲間なんだ!」
そう言って、アルマは仲間を紹介する。
「ミア・ブリンクマン技術少尉です」
「ヘレナ・ヘーゲル曹長です」
緊張した面持ちで敬礼する二人に、エターナは柔らかく笑った。
「ご丁寧にありがとう。私はエターナ・フレイル。階級は少尉だけど、気にしないでいいわ。気楽にエターナと呼んでください」
「おいアルマ、聞いてねぇぞ。こんな美人の姉さんがいるなんて」
「あらあらうふふ」
「あ、うん。エターナお姉ちゃんは、私が勝手にそう呼んでるだけ」
アルマの問いに二人は首を傾げる。
「アルマちゃんと私はね、共に孤児で、フラナガン機関で会ったのよ。そこで仲良くなったの」
「そうだよ! で、お姉ちゃんは綺麗でいつも落ち着いてて、皆の憧れだったんだ。小さな子の面倒見もすっごくよくて。だから施設の子は、皆お姉ちゃんて呼んでるの」
「なんだか頼りがいありそうですもんね。おいくつなんですか?」
「17歳よ」
きっぱりとエターナは言い切った。