目が覚めたら宇宙世紀…だよね?〜ジオンが独立に至るまで〜   作:妄想零炎

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第88話 『挿話:ストレイフェアリーズ』

 

 ノイジーフェアリーの3人は沈黙していた。

 

 自分たちのギャロップに戻る道すがら、誰も言葉をかわさない。

 

 キリーに言われ勢い込んで挑んだシミュレーター戦。大きなハンデを貰っても勝つことができなかった。

 

 己の未熟さを痛感するとともに、あまりにも高い壁にどうすればよいのか途方に暮れていた。

 

 特にムードメーカーであるアルマが黙っていると、それだけで空気が異常に重くなる。

 

「あー……なあアルマ、元気だせよ。うちらと違ってお前はセンスあるって褒められてたじゃん」

 

「そ、そうですよ! ミアなんて、『機体のコンセプトが小隊の運用面と合致してない。火力欲しいならMTに乗れ』とまで言われたんですから! 自信あったのに」

 

「あ、二人共ごめん! いや、考え事しちゃってて」

 

「なんだよ考え事って?」

 

「うん。それは――」

 

 アルマの言葉は遮られた。

 

「もしかして、アルマちゃん?」

 

「え? え!? エターナ姉さん!?」

 

 前から歩いてきた女性――エターナ・フレイルは、アルマの顔を見て、驚いた表情を隠さなかった。

 

「やっぱりアルマちゃんなのね。久しぶり」

 

「わぁ〜! エターナお姉ちゃーん!」

 

 満面の喜びをたたえてアルマが抱きついていく。

 

「地球に降りたと聞かされてはいたけど、貴女も北米だったのね」

 

 弾丸のように飛び込んできた少女を優しく受けとめて、髪を撫でてやるエターナ。

 

「そうなの! ていうかお姉ちゃんもここに?」

 

「そうよ。貴女の地球行きの後にね。ところで、感動の再会で嬉しいのだけれど、後ろの方々はお友達?」

 

「あ、そうだった! ミアとヘレナは小隊のメンバーで、大切な仲間なんだ!」

 

 そう言って、アルマは仲間を紹介する。

 

「ミア・ブリンクマン技術少尉です」

 

「ヘレナ・ヘーゲル曹長です」

 

 緊張した面持ちで敬礼する二人に、エターナは柔らかく笑った。

 

「ご丁寧にありがとう。私はエターナ・フレイル。階級は少尉だけど、気にしないでいいわ。気楽にエターナと呼んでください」

 

「おいアルマ、聞いてねぇぞ。こんな美人の姉さんがいるなんて」

 

「あらあらうふふ」

 

「あ、うん。エターナお姉ちゃんは、私が勝手にそう呼んでるだけ」

 

 アルマの問いに二人は首を傾げる。

 

「アルマちゃんと私はね、共に孤児で、フラナガン機関で会ったのよ。そこで仲良くなったの」

 

「そうだよ! で、お姉ちゃんは綺麗でいつも落ち着いてて、皆の憧れだったんだ。小さな子の面倒見もすっごくよくて。だから施設の子は、皆お姉ちゃんて呼んでるの」

 

「なんだか頼りがいありそうですもんね。おいくつなんですか?」

 

「17歳よ」

 

 きっぱりとエターナは言い切った。

 

 

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