銀河英雄伝説~流血と硝煙と運命の日々~   作:雪の師走

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告白

宇宙歴784年 湖畔

 

2日目は釣りをしている。隣にはラップが釣竿を垂らしている。少し遠くにボートが見える。ヤンがジェシカに引っ張られて乗っているようだ。ヤンの事だからヒーヒー言いながら漕いでいるだろう。

それよりもラップが2人に付いていかないで釣りをしているのに驚いた。

「良かったのか?2人に付き合わなくて?」

此方をチラリと視線を向けた。

「はい。少し教官と話したいことがあったのでヤンに無理を言ってジェシカを連れていってもらいました。」

私もラップに視線を向け、聞く体勢をとった。

「教官はジェシカの気持ちに気が付いてますよね?教官御自身はどう思っているのですか?」

真剣な思いで言っているのが伝わってきた。はぐらかすのも誤魔化すのも嘘を付くのも悪いと思わせる口調だ。

「自分は好きです。男として彼女に魅力を感じていますし、友人から一歩進んだ関係になりたいと思っています。」

真剣に答えたラップに此方も真剣に答える義務があると感じたので思いを伝えた。

「彼女に対して恋とまで言っていいのか分からないが好意を持っているのは事実だ。真面目で勉強熱心で優しさもある良い女性だと思っている。性格が真っ直ぐでキツいところがあるが。」

スッと対岸で椅子に座っている二人組を指差した。

「私は要注意人物のようで情報部に監視もされている。湖の対面に人がいるだろう?あれとコテージの時にすれ違った人、あれも情報部の人間だ。そんな男がいいのかとって思いもある。」

「それに私と彼女は10はないがそれなりに年が離れている。そこを無視して踏み込んでいいのかと不安も自分の中にある。」

ラップは真剣な顔から笑顔みせた。

「それを決めるのは貴方じゃないです。貴方と彼女が2人で決めるんです。話し合うべきだと思いますよ。」

「そうか、そうだな。ありがとう、話してみるよ。」

私の決意にラップも真剣な顔で頷いた。

 

 

宇宙歴784年 湖畔

 

「ジェシカ、少し話がある。時間を貰えないだろうか?」

夕食を終えて、ヤンとラップは風呂に行っている。後片付けを終えたジェシカに声を掛けた。不思議そうな顔をしている。

「ええ、分かったわ。ここでいいの?」

ジェシカの質問に少し考えて答える。

「いや、折角だから、湖を見ながら話さないか?」

「ええ、分かったわ。行きましょう。」

そう言って2人連れ立って湖に向かう。

この夜は風がないから湖に月と星が映っていて幻想的な景色が広がっていた。

「綺麗ね。来て良かったわ。ありがとう。」

「ああ、私も来ることが出来て良かった。」

しばらく2人で景色を静かに見ていた。3分か5分か見ていると少し風が吹いて木々が音を鳴らした。そこで静寂が途切れた。

「それで話って何かしら?」

私の眼を逸らさずにジッと見つめてくる。その顔に思わず躊躇ってしまった。頭を手で掻き回す。

「ジェシカ、私は君よりも年上だ。それでも私は君に好意を抱いているんだ。その、こんな私だが付き合ってほしい。」

言うだけ言って眼を瞑ってしまった。ああ、言ってしまったと若干の後悔がある。関係が変わる事に怯えがあるのだろう。

1分程、無言の時が流れた。そしてジェシカの口から答えが伝えられた。

「あ~、えっと。その、私もユーリの事が好きです。不束者ですがよろしくお願いします。」

まさかの返事に驚いて、ジェシカの顔を見た。

「本当にいいのかい?」

「ええ、よろしくお願いします。」

「そっか。ありがとう。これからもよろしくお願いします。」

そう言って右手を彼女に差し出した。彼女が手を乗せてきたので指を絡めた。

「そろそろコテージに戻ろうか?」

そうジェシカに聞くと首を横に振った。

「お願い、もう少しここにいましょう。こんなに綺麗なんだもの。」

「そうか、そうだな。もう少しここにいようか。」

互いに肩を寄せあって幻想的な景色をしばらく眺めることにした。

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