銀河英雄伝説~流血と硝煙と運命の日々~   作:雪の師走

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お待たせしました。

バタバタしていてこんな感じで不定期になりますが御容赦ください。
辞める時は必ず連絡するのでご安心?して見てもらって大丈夫です。
では当作品をお楽しみください。


第3次ティアマト会戦 同盟

宇宙暦795年 ティアマト宙域 旗艦

 

 

同盟も帝国もティアマト宙域の端にいる。戦闘に入るには半日ずつ互いに近付かないといけない。此れが互いに最後の作戦会議、補給になるのだろう。

同盟もウランフ中将、ホーランド中将の司令官、副司令官、参謀長を呼んで最終確認を行っている。

「偵察挺の報告では帝国はミュッケンベルガー元帥が中央、グライフス中将が左翼、ミューゼル中将が右翼のようだ。艦数は15000、13000、12000となっているそうだ。」

ウランフ中将、ホーランド中将に視線をやると頷いたので続ける。

「此方は中央に私の艦隊、左翼にウランフ中将、右翼にホーランド中将で相対する。作戦は特に定めるつもりはない。各人が眼前の敵に対処し、撃破してくれ。」

ホーランド中将は嬉しそうに笑っている。心の内が読めてゲンナリする。もう少し隠すことは出来ないものか。

「ただし、後退命令を状況によっては出すこともあるだろう。その時は、理由あっての事である。努々、抗命罪を犯すことの無いように。」

最後にホーランド中将を見ながら言うと嫌な顔をしながら頷いた。一応は釘を刺したと思おう。

会議を終えると足早にホーランド中将は退室した。どうやら私と一緒の空間に居たくないらしい。

そんな様子を見てからウランフ中将が傍に寄ってきた。

「あの様子を察するに抜け駆けしますよ。総司令官閣下は宜しいので?」

「構いません。釘は刺したので。それでも何か言うなら軍法会議で白黒着けますよ。それよりも貴方を左翼に配したこと、察して頂けていますか?」

「私にミューゼル中将を見ろということですな?閣下が危険視していると云う話は聞いています。」

「ホーランド中将が破れた時、ウランフ中将がミューゼル中将を見てくれるなら私はミュッケンベルガー元帥、グライフス中将を見る事になります。配置を逆にして、ミュッケンベルガー元帥とミューゼル中将を見るよりはマシでしょうね。」

「そうなると今回の出征は敗けということになりますが宜しいのでしょうか?」

「死ぬよりはマシと思いましょう。」

肩を竦めながら言うとウランフ中将も笑ってくれた。

「確かに死んだら負けですな。アッハッハッハッ。」

「色々と面倒ですがよろしくお願いします。」

互いに敬礼し武運を祈った。

 

 

間もなく戦闘が始まる。レッドゾーンまで後1分もないだろう。この瞬間とトールハンマーの射程内に入る時が一番兵は緊張するらしい。

「間もなく射程圏内に入ります。」

オペレーターの声に唾を飲み込む音が聞こえた。

右手を上げてその時を待つ。

「射程圏内に入りました!」

「撃て!」

間髪入れずに命じると一斉に砲撃が飛んでいくのが見える。恐らくホーランド中将が動くだろう。あまり接近すると此方が急な戦況の変化に対応できなくなるのでレッドゾーンに入ったのを維持する。隣のウランフ中将も私の艦隊運用を察して遠くからの斉射に留めてくれている。

1時間程で動きがあった。予想通りホーランド中将が動いた。急進し、孤軍突出したのである。

幾つもの小艦隊に分裂し敵の狙いを散漫にし、見事グライフス中将の艦隊との混戦状態を作り出したのである。

グライフス中将は不本意な混戦になったのだろう。混乱の極みにあるようだ。私から見ても適切な対応が出来ていない。1時間もごちゃごちゃと戦っているとホーランド艦隊は横のミュッケンベルガー元帥の艦隊にも入り始めた。

此れでは私の艦隊は攻撃できない。そんなことを考えているとウランフ中将から通信が入った。

「閣下、如何しますか?このままではホーランド艦隊が邪魔で閣下が攻撃できないですが?」

グライフス艦隊の相手をするように通信を入れることを溜め息を吐いてから伝えると眉間に皺を作りながら話してきた。

「果たして命令を聞き入れますかな?」

「無理でしょうね。戦場の臨機応変、現場判断とか言って無視するでしょう。」

更に厳しい顔付きになっている。

「それでは閣下の副司令長官、総司令官の権威が損なわれますぞ!よろしいのですか!?」

「彼がこのまま勝利するならそれもいいでしょう。とりあえず通信をして眼前の敵に対処するように命令は送ります。」

「閣下がそれでよろしいのでしたら…」

「ウランフ提督にはミューゼル中将の警戒をお願いいたします。つまらない役割を任せてしまって申し訳ない。」

そう言って頭を下げると慌てて返事をしてくれる。

「頭を上げてください。閣下の御指示に従い、しっかりと警戒することにします。」

「ありがとうございます。」

通信が切れると横に顔を向けるとチュン参謀長、ワイドボーン参謀が顔を引き攣らせている。

「閣下の予想通りに進行していますな。」

「ふっ、奴が分かりやすいだけですよ。我が強く、英雄思考の強い男です。今ごろはこの艦隊を自分の力で撃ち破り、飛び級昇進して司令長官になり、イゼルローン要塞を奪り、帝都に攻めいる夢でも見ているかもな。」

私の自嘲にチュン参謀長は苦笑いしている。

「閣下、いくらなんでもそれは。」

「彼を一年だが士官学校で見たが基本的な性格は変わっていないようにみえる。とりあえず通信を入れよう。繋いでくれ。」

通信を繋ぐように指示を出した。

 

 

ホーランド視点

 

「そもそもの作戦は眼前の敵に各々が対する決まり。ミュッケンベルガー元帥の艦隊まで入るは作戦無視に当たる。グライフス艦隊を相手にしろ。」

上官面をする男が正面のモニターに映っている。何時までも教官面をする、私に恥をかかせた憎い、目障りな男だ。

「戦場には機と云うものがあります。閣下の相手をしていたミュッケンベルガー元帥に隙がありましたので纏めて相手しようと思ったのです。今現在上手く行っているのを止める道理はありません。」

「今現在上手く行っているからといって未来永劫上手くいく作戦はない。機を見て退けるのが名将である。」

「であれば尚更退けませんな。敵は我が艦隊に対処出来ずに混乱の極みにあります。それを退けとは私に武勲を上げさせない気ですか?」

「常に先覚者は理解されぬもの。もはや一時の不和、非協力は論ずるに足らず。永遠なる価値を求めて小官は前進し、未来に知己を求めん」

モニターに写っている男は溜め息を吐いている。

「貴官がそこまで言うならもう何も言うまい。自分の責は自分で取られるが宜しかろう。」

不愉快そうな顔をして言い放ってきた。不愉快なのは此方も同じだ。

「これ以上問答の必要性を感じないので通信を切らせていただく。失礼いたします、副司令長官殿。」

通信を此方から切らせた。勝利は目の前にあるのだ。




遅くなりました。帝国側の内容は次回にします。少し長くなりすぎるので。
御容赦ください。

ぼちぼち更新していくので気長にお待ちしてもらえたら助かります。
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