FAIRYTALE 旅人の軌跡   作:亡者

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第肆話 旅の理由と異変

「ねえねえ、お兄ちゃん」

「?どうした?シェリア」

 

 あの後、快く……は無いが、「怪我させない事」を理由に蛇姫(ラミア)の方々(主にこの子の姉とマスターオーバ)に了承を貰い今はマグノリアの方へ向かっている最中だ。

 最終日には一部のメンバーが来るとも言っていたし……飾り付けに間に合えば良いんだけど。

 

「お兄ちゃんは、今まで色んな場所を旅して来たの?」

「そうだよ……違う大陸にも行ったかな」

「へー……なんだか絵本の妖精さんみたいだね!」

「……絵本?」

 

 絵本の妖精さん……?何の話かな。

 

「えっとね……悪者スルーアってお話でね、悪い事をした妖精さんが、色んな場所を旅して、良い人になるお話なんだ!」

「へー……悪い事、ねぇ」

 

 悪い事……まあ悪い事、なのかなぁ。

 

「シェリアは、その妖精さんのお話は、どう思う?」

「私は、あのお話好き!実はね、妖精さんが悪い事をしたのは、他の妖精さんの為だったんだよ!……これって愛だよね!」

「愛……かもね、その妖精さんは最終的に良い人になって終わったのかい?」

「うん!そう言えば、お兄ちゃんは、どうして旅してるの?」

「……旅の理由、かぁ……」

 

 ふむ、どうやらシェリアは軽く暇してるみたいだし、暇潰し代わりに話しておこうか。

 

「……シェリアは、"あらゆる呪いを解ける魔法"って、あると思うかい?」

「?どんな呪いでも解けるの?」

「ああ、どんなに難しい呪いでも……そんな魔法を、俺は探しているんだ……それが旅の理由だよ」

 

 まあ手掛かりは見つけたし……あと少し、だと思いたいね。

 

「お兄ちゃん、呪われてるの?」

「ん?あー……まあ呪われてるけど、俺より他に助けたい人が居るんだよ……その為の旅だからね……」

 

 どれだけ時間を要しても、見つけないと……彼女の為にもね。

 

「……むー……」

「……どうした?シェリア」

「お兄ちゃん、その人を愛してる」

「……へ?」

「だからモヤモヤする……お兄ちゃんは私のです!」

 

 愛……愛ねぇ……。

 

「あはは、そうかもね……その人を愛してるのかもしれないね」

「むー!」

「ちょ、叩かないでシェリア……」

 

 愛しているのかはわからないけど、助けたいと言う思いに嘘はない、と思う……うん。

 そんなこんなで、遠目にマグノリアが見え始め……ん?何あれ?

 

「お兄ちゃん、あの空に浮いてるの……」

「……うん、あれ魔水晶(ラリクマ)だね……しかもあれ神鳴殿じゃないかな……え、今度は何?」

 

 帰ってくる度に、街が危ない目に……と言うか、所々既に壊れてるんだけど……。

 

「雷……まさかラクサス……?」

 

 まさかギルド乗っ取ろうとしてないよね……いや今のラクサスならしそうだな……って。

 

「……大聖堂が……」

「この魔力のぶつかり合いは……ラクサスは間違いない、もう一人は……エルザかミストガン……かな、ギルダーツなら街の形変わってる筈だし……」

 

 ふむ……街全体と、その中に術式あるみたいだし……雷神衆とラクサスがやんちゃしてるみたいだね。

 

「お兄ちゃん……」

「……大丈夫だよ、シェリア……お祭りはちゃんと始まるから……とりあえず、妖精の尻尾(フェアリーテイル)に行こうか」

 

 ギルドで事情を聞かないと……もしかして、また遅れたって怒られるのかな……?

 

「ちょっと急ぐから、背中に乗って」

 

 


 

 

「おお、新しい……おーい、皆……ってレビィだけなの?」

「!アルン!?」

 

 新しいギルドに感動する暇も無く、少しボロボロになった中に1人で居るレビィ。

 

「さっき街の中に入って来たって……あれ?」

「ん?どうした?」

「えっと……その、背中に乗ってる子って……」

「ああ、この子は「シェリアです!お兄ちゃんの愛の人、です!」ちょ……」

 

 いきなり何言い出すのかなこの子……7歳?本当に?

 と言うか言葉的に誤解生んでそうだから早く「……アルン?」……!?

 

「あ、愛の人って……?」

「いや、この子まだ子供だ「言葉の通りです!」シェリアは少し「うぅ……」

レビィ?ちょ、誤解だから泣かないで?」

 

 さっきからむすっとしてるシェリアと、何故か泣きそうになってるレビィ……え、俺の所為なの?ちょっと待って、とりあえず2人とも……。

 

「2人とも、落ち着い「何やってんだい、アンタら」……ポーリュシカさん、ちょっと助けてくれませんか?」

「はぁ?」

 

 


 

 

「えっと……つまり、この子は……」

「うん、蛇姫(ラミア)の子で、お祭りを見せる為に連れて来ただけだよ」

「その……あ、愛人、とか……」

「じゃないよ、7歳の子を愛人とかやばい奴だし……と言うかまず結婚もしてないのに愛人なんて出来ないでしょ……」

「「……」」

 

 何とか誤解が……解けたよね、うん……と言うかラクサスどうなってるの?

 

「ところで何があったんだ?」

「あっ……えっと、ラクサスが最強のギルドを作るって……それで、この街を会場に、皆で争わせる様に……バトル・オブ・フェアリーテイルって言うのを始めたの」

「なんとまあ……で、あとはラクサス1人ってところかな」

「うん……それで、マスターが……」

「?」

「危篤だよ……丁度良い、アンタも遊び回ってるあの子を連れて来な……」

「……成る程……その前に、あの宙に浮いてるのをどうにかしようか」

 

 あんな物、落とされたらひとたまりもないからね。

 

「ちょっと!あれは1つでも壊したら……「ダメージが自分に来るんでしょ?」……うん」

「大丈夫大丈夫、300個くらいなら死なないよ……ま、見てて」

 

 300個全部一気に壊すとなると……ちょっと頑張ろうか。

 

「……ふぅ……堕ちろ、落日(サンブレイク)

 

 元の言葉は沈む太陽だけど……まあ細かい事は良い、この魔法は上空に作った魔力球から、対象に向けて光線を落とす魔法……対象が全部空中にあったから丁度良い筈。

 

「ッ……ガッ……」

 

 う、ぐ……ああ言ったけど流石に痛い……。

 

「……ちょ、大丈夫アルン!?」

「あはは……うん、大丈夫だよ……まあラクサスのところ行こうか……ポーリュシカさん、シェリア(その子)の事、頼んでも「お兄ちゃん」……危ないからギルドの中に、ポーリュシカさんと居てくれるかな」

「……お祭り、一緒に見てくれる?」

「うん、わかった……約束するよ……ポーリュシカさん、頼みますね」

「……わかったよ、ったく……さっさと行きな!」

 

 人嫌いなあの人に申し訳ないけど、シェリアを任せる。

 

「レビィ、急ごう」

「うん」




シェリアの魔法、扱いに困る……と言うか滅神魔法自体がどう言う扱いしたらいいのかが……100年クエスト編ってそんな所まで説明されてたりする?
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