禁断師弟がベル君の先輩なのは間違っているだろうか   作:ナカタカナ

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 キリのいいところで終わっときます。


再会 ヘスティア

 

 「すまん、ヘスティアッ!」

 

 迷宮都市オラリオにて、今にでも崩れ落ちてしまいそうな教会。その中で、一柱の男神が、見た目だけならよくて少女、下手をすると幼女にも見えてしまうほど、幼い顔つきをした、しかしそれでいながら、胸部にはとてつもない破壊力を持った、女神に頭を下げていた。

 

 「こいつらも必死だったとはいえ、申し訳ない。」

 

 男神、名をタケミカヅチといい、かの神の後ろには、彼の眷族が一列に並んで顔を伏せていた。

 

 「もし、ベル君が戻ってこなかったら、君達のことを死ぬほど恨む。けれど、憎みはしない。約束する。」

 

 そう告げた彼女の表情はどこまでも優しく、心の底から包み込んでくれるような母の表情を浮かべていた。

 

 「どうか、僕に力を貸してくれないか。」

 

 そういって、女神ヘスティアはタケミカヅチの眷族たちに手を伸ばす。

 

 その姿にタケミカヅチの眷族たちは跪き。

 

 「「「「「「仰せのままにッ」」」」」」

 

 「とはいえ、捜索隊を編成するといっても、めぼしい子はみんなロキ・ファミリアの遠征についていってるわよ。」

 

 そういったのは燃えるような赤髪を持ち、眼帯をした美女。彼女も神であり、名をヘファイストスという。

 

 「うちからも中層に出せるのは桜花と命、サポーター代わりに千草程度だ。」

 

 「俺も協力するよ。ヘスティア。」

 

 そういって、また新たな神が現れる。名をヘルメス。かのヘスティアと同郷の神だ。

 

 「神友として、俺もベル・クラネルの捜索に手を貸すよ。」

 

 爽やかな笑顔を浮かべるヘルメスに対し、他の神々は物申す。

 

 「とかいって、あの子(・・・)がいたときは散々、迷惑をかけていたのに」

 

 「確かに・・・いい加減な神友だ。」

 

 正論を叩きつけられたヘルメスは肩を落とすが、切り替えて・・・

 

 「でも、力を貸したいのは本当だ。 ベル君を助けたいんだ。うちからは、このアスフィを出す。うちのエースだ。」

 

 「はあッ!?」

 

 急な主神からの命令には眷族である彼女も戸惑ってしまう。しかし、これもいつものことと切り替える。

 

 「今は人手が欲しい。頼むよヘルメス。」

 

 「出発は今夜だ。桜花、お前たちはすぐに準備をしろ!」

 

 「ヘルメス様、神がダンジョンに潜るのは。」

 

 「大丈夫大丈夫。バレなきゃいんだよ・・・あっ。」

 

 「ぴゅーぴゅーぴゅー 僕もついていく。バレなきゃいんだろ?」

 

 「あちゃぁー」

 

 捜索隊には冒険者たちに加え、ヘスティアとヘルメスが加わることになった。

 

 ダンジョンに神が潜ることは禁止されている。その理由は、ダンジョンが神を嫌っているからだ。そして、嫌いな神が侵入してきたことを察知したダンジョンは神を排除しようとする。つまり、イレギュラーが発生するのだ。

 

 「感じるんだ。ベル君は生きてる。僕の与えた恩恵は二つとも消えちゃいない。そうだッ! あの子にも力を借りよう。」

 

 そういって、ヘスティアは願う。異なる世界の住人でありながら、自分達の世界に迷い込み、自身の初めての眷族になってくれた少年に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 ヘスティアの願いはすぐに届いたようだ。

 

 彼女の目の前に光の扉が現れると、そこから一人の少年が現れた。

 

 「久しぶりだなヘスティア様!」

 

 「アース君ッ!」

 

 そして二人は再会した。

 

 「積話もあるだろうが、今はそれどころじゃないんだろ?」

 

 「あ、あぁ、そうなんだ。実は僕の新しい眷族のベル君が・・・」

 

 ヘスティアから事情を聴いたアースは、腕を組む。

 

 「なるほどな、じゃあ俺も準備する。大丈夫、俺が来たんだ。ヘスティア様もベルってやつも俺が助けてやる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 辺りは暗くなり、準備を終えたアースたちは広場に集まっていた。

 

 「ハハハ、にしても久しぶりだね。元気だったかいアース君。」

 

 「おう、ヘルメス様も相変わらずアスフィさんを困らせてるんだろ?」

 

 「あちゃ~その通りさ。」

 

 「アスフィさんも元気そうだな。」

 

 「えぇ、あなたも元気そうでなによりです。」

 

 アースと二人は旧知の仲であり、久しぶりの再会に喜んでいた。

 

 そんなときだった。

 

 「なっ!? ア、アースなのですか?」

 

 「なんだリューさんか。リューさんも手伝ってくれるのか。心強いぜ。」

 

 広場に現れた緑の覆面を被ったエルフの女性。名をリュー・リオン。正義の女神アストレアの眷族だ。

 

 「いつ戻ってきたのですか?」

 

 「ほんの数時間前。ヘスティア様の声が聞こえてな。」

 

 「そうですか。クラネルさんの身を考えると不謹慎ですが、再びあなたとダンジョンに潜れることを嬉しく思います。」

 

 「しばらくいるつもりだから、また一緒に潜ろうぜ。」

 

 「えぇ、それでは行きましょう。」

 

 こうして一行はダンジョンへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「おらっ大魔フリッカー。大魔ジョブッ!」

 

 戦闘を進む少年は舞うようなステップを刻み、モンスターにその拳を打ち付ける。

 

 槍のように素早く貫通力を持ち、ハンマーのような威力を備えた、彼の努力の結晶と言っても過言ではない。

 

 「上層じゃあ、ウォーミングアップにもならねぇ。」

 

 「相変わらず豪快だね。でも、僕は君のそういうところが好きだよ。」

 

 アースに向けてヘスティアがそういう。

 

 普段のアースなら美少女にそんなことをいわれたら照れるのだが、アースはそんなそぶりを見せない。

 

 なぜなら、ヘスティアとはアースにとって、この世界の母であるからだ。

 

 「さて、ペース上げていくか。」

 

 「ちょっと!? 無視しないでよッ!」

 

 「はいはい、俺もヘスティア様のことは好きだぜ。リューさん、いくぞ。」

 

 「はい、行きましょう。」

 

 そういって、エルフの女性リューは、神から授かった二つ名「疾風」の如くモンスターを倒し、

少年アースは暴風の如く、モンスターを打ち砕いて進む。

 

 「アスフィ、俺達いらなかったか?」

 

 「そのように思えてきました。」

 

 





 
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