禁断師弟がベル君の先輩なのは間違っているだろうか 作:ナカタカナ
今回もキリがいいところで終わってます。
「こ、これは!?」
ダンジョンのとある場所に手、一人の少女が戦慄していた。
少女の名は、ヤマト・命。タケミカヅチ・ファミリアに所属するレベル2の冒険者で、二つ名は「絶☨影」。
そんな彼女が発見したものは温泉だった。
何故こんなことになったのかは、遡ること十数分前・・・
「いやぁ~、まさに大激戦だったね。本音をいうと、もう少し十八階層に留まっていたかったけれど、俺とヘスティアがいる以上、あまり留まれないからねぇ。」
ヘルメスが呑気にそんなことをいっている間に、後ろの方ではヘスティアとリリがベルを取り合ってもめている。
危険なダンジョン内だというのに、なんともまぁ、気楽な奴らだ。
「おいでなすったぞ。」
するとアースが何かを感じたのか、ヘスティアを背にするように、ファイティングポーズを見せた。
「ヘルハ「はあッ!」まだです。あれは・・・ハードアーマード。」
アスフィが襲い掛かってきたモンスターの名前を告げる前に、ベルがヘスティアナイフを使って、ヘルハウンドを殲滅した。
ところが、それだけでは終わらず、ダンジョンの壁に亀裂が入り、見ただけでも固いと分かるモンスターが現れた。
「神様は僕が護ります!」
「なら、ヘスティア様のことは頼んだぜベル!!」
「はいッ!」
ヘスティア・ファミリアの二人は会って数日だというのに、お互いに信頼関係を結べているようだ。
その姿を見て、親であるヘスティアは嬉しそうにしていた。
アースが走り出し、拳をハードアーマードの固い鱗を叩きつける。
「はんッ! てめぇなんざ、マチョウさんたちに比べたら貧弱なんだよおおおおお。」
雄叫びと共に、アースの拳はハードアーマードの鱗を突き破る。
一瞬のうちに絶命したハードアーマードなぞ、気にせず、アースは二匹、三匹と狩り続けた・・・
「すごいじゃないか二人共!!」
五分も経たずに、ハードアーマードを全て倒したアースたち。ヘスティアは自分の子の成長を喜ぶ。
「すごいですベル様!」
「ちょっ、リリ。」
方や白髪赤眼のベルはリリに言い寄られ・・・
「流石ですアースさん。」
「私たちの出る幕はなかったですね。」
「いや、ベルの前でカッコいい所を見せたかっただけだって。」
方やオレンジ髪の鋭い目つきの少年アースは誰もが見惚れてしまうような美貌を持つリューと、アスフィに言い寄られていた。
「さっすがはリトル・ルーキーと
そしてヘルメスは二人をおだてる。
「むむむ・・・なんだいなんだい、二人そろってデレデレしちゃって。」
そういって、ヘスティアが落ちていた小石を蹴り飛ばした。
その小石はダンジョンの壁にぶつかり跳ね返る・・・だけでおさまらず、壁が崩れた。
「これは、未開拓領域ですか?」
「それって、マッピングされていないルートですよね。」
「はい、そうです。」
「流石です神様!」
「面白れぇ。行ってみようぜ。あぁ、勿論、注意を怠るなよ。」
全員が先へ進もうとしたときだった。
「クンクンクン・・・まさかッ!!」
何やら匂いを嗅いでいた命は、その匂いが自身の想像しているものか確かめるために、真っ先に飛び出して行った。
「馬鹿ッ。」
「一人じゃ危ないですよぉ。」
桜花とベルが命を追いかける。
それに続いてアースたちも命を追いかけた。
「これは・・・温泉?」
そして話は冒頭へ戻る。
「はいッ。間違いなくこれは温泉です。自分、温泉には少し詳しくて。」
「他には何もないみたいですね。」
「へぇ、ダンジョンが造った癒しの空間って奴か・・・」
『このようなものまであるとは、流石は未知で溢れかえったダンジョンだ。童よ、せっかくだし入って行ってはどうだ?』
「そうだな。マジカルレーダーにはモンスターの反応はねぇみたいだし。」
そんな中、温泉大好き命ちゃんはというと・・・
「ゴキュゴキュゴキュ・・・ぷはぁ~!! お湯加減、塩加減、問題なし最高の一品です。是非入っていきましょう!」
温泉に顔を突っ込んで、その舌で堪能した命は目をおかしくさせながら、そういった。
「「「「「温泉リゾートとしゃれこもうじゃないかぁ!!」」」」」
こうして、アースたちは温泉を堪能することになった。
しかし、すぐさま女性陣の視線が冷たくなる。
「どうしたんだい?」
ヘルメスがそんな彼女らの変化に気づき尋ねると・・・
「ヘルメス様。水浴びの件をお忘れですか?」
「あぁ、アース君とベル君が良い思いをした件ね!」
「二人が良い思いをした? なんだそれ。」
何も知らないヴェルフは頭上に?マークを浮かべた。
「とにかく、僕らはヘルメスがいると安心して入れないよ。」
「なら水着を着ればいいじゃないですか?」
「なるほど!・・・でも、水着はどこに?」
「ふっふっふ、水着ならここにあるぜ!」
ヘルメスはそういって、アスフィの羽織っていたローブを翻す。そこには数々の水着が隠されていた。
『あの娘も、毎度のことながら大変だな。』
「今度、なんか奢ってやるか。」
『そうだな。』
これに関してはトレイナでさえも、アスフィのことを同情する始末。
女性陣が水着に着替えている間に、アースたちはその水着姿を想像していた。
「今頃、あの岩の向こうでは美の供宴が繰り広げられているのだろうね。」
『アホか。こやつ。』とヘルメスに対してトレイナは辛辣なツッコミを入れる。
「リリちゃんは、まだ幼さを秘めながらもダンジョンで生き抜く強さを纏ったしなやかな姿を・・・」
「ヒャアアアアアアア。」
そんなリリの姿を想像したのかベルは声にならない悲鳴をあげた。
「命ちゃんは生真面目さに似合わぬ、不埒な体のラインを・・・千草ちゃんは可憐な腰つきを・・・」
「うちのアスフィだって、ああ見えてかなりのもんだぜ。俺が保証する。」
「きわめつけはヘスティアだ。天界屈指のあの胸。それがあの向こうにあると思うと・・・」
更に男性陣の顔は赤くなる。
『おい童!! しっかりしろ。』
「だ、大丈夫だ。」
アースも彼女らの水着姿を想像して顔を赤くさせていた。
『はぁ、お主にはあの神に負けず劣らずのエルフがいるだろ。』
「アミクスのことか? あいつはそんな目で見れねぇよ。」
『はぁ~まぁ、童も年頃の男子だからのう。』
師匠であるトレイナも弟子に対して苦笑するしかない。
しかし、水着に着替えている際に事件は発生した。
なんとヘスティアの水着がはじけ飛んだ。
「このカップで入らないとは・・・」
「相変わらず我儘ですね。」
「仕方ないじゃないか!!」
予備の水着などないし、ヘスティアはどうしようかと困っているときに、アスフィが名案を出す。
本職ではないが、鍛冶師ということもあって手先が器用なヴェルフにダンジョンの素材を使用して、水着を改良してもらったのだ。
水色のビキニに緑の葉の水着は、清楚ながらもどこか野性味あふれるエロ・・・もとい、ヘスティアを美しく見せたのだった。
「どうだい二人とも? 似合ってるかい?」
「はい、似合ってます神様!」
「よく似合ってると思うぜ。」
そんなヘスティアに二人は褒める。ベルに至っては完全に見惚れていた。
『やれやれ、男子というのは、単純だな。』
いつしか、エスピやスレイヤも連れてきてベル君と会わせてみたいと思っています。
一体どんな修羅場になるのか・・・