ありふれない錬成師は最高最善の魔王の力で世界最強を超越する   作:天元突破クローズエボルハザード

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ハジメ
「バレンタインデー……それは、女の子たちが想い人に恋心を伝える日。

バレンタインデー……それは、まさにチョコの祭典の始まりの日。

バレンタインデー……それは、チョコの数を競う男たちの戦いの日。

バレンタインデー……それは、甘くてほろ苦い冬の日。

バレンタインデー……それは、お父さんが愛娘から貰えるチョコを楽しみにしている日。

バレンタインデー……それは、夫婦の愛を確かめる日。

バレンタインデー……それは、一歩だけ勇気を踏み出す日。

バレンタインデー……それは、ある男にとって天国と地獄であった。

今回はバレンタイン、一気に3本立てだ。ただ……
今回はまだ投稿できていない分の最新話に関する情報もあるから、ネタバレされたくない人はブラウザバック推奨だ。
それでもいいって方だけ、このまま読み進めて行ってくれ。

それじゃあバレンタイン特別編、どうぞ!」


0214:惨劇♥ファニーデイズ

~異世界のばれんたいんで~

 

ハジメ「こいつぁ、何かの催しか?」

とある街道沿いの小さな町。

特に何があるわけでもないその町は、現在、妙に浮ついた空気に満たされていた。

旅の途中で偶然立ち寄ることになった俺達は、なんだか甘いような、そわそわするような落ち着かない雰囲気に何事だろうと首を傾げる。

 

ハジメ「すいません、今日は何かお祝い事でもあるんでしょうか?」

ハジメが、近くでお花を販売していたマッチョなスキンへッドのおっさんに尋ねると、

花屋のおじさん「んん?なに言ってんだ、冒険者さんよ。今日は、"フリスの日"じゃないか。

別嬪さん3人も連れて、すっとぼけやがってよぉ。」

そんな答えが返ってきた。どうやら、今日は誰もが知っている祝日らしい

 

詳しく聞いてみれば、なんでも"フリスの日"とは、異性に愛を告白する日とのこと。

フリスという白い花を持って異性に告白し、受け取ってもらえれば永遠に結ばれるのだとか。

周囲を見てみれば、確かにあちこちの店で白い花が売られており、その花束の前では若い女の子達がきゃっきゃっと騒いでいる。

 

ハジメ「なるほど。細かいところは違うが、日本のバレンタインみたいなものか……」

ユエ「……ん?ばれんたいん?」

シア「なんですか、それ?」

ミレディ「ハジメン達の世界にも似たようなイベントがあるの?」

オスカー『ちょっと気になるね、どういったイベントなんだい?』

皆興味津々のようだ、というわけでバレンタインデーについて解説しよう!

 

そもそもバレンタインデーの起源は諸説はあるが、ウァレンティヌス(ヴァレンタイン)という司祭の命日が有名だ。

決して遺体を集める大統領でも、3人くらい妹のいる戦闘型アンドロイドでもない。

後はギリシャ神話のヘラと同一視されるユーノー(ジュノンとも呼ばれる)の祝日でもあるらしい。

 

西暦269年、当時のローマ皇帝、クラウディウス2世(薔薇の皇帝の後継者ではない、苗字は似ているけども)が、「若者が戦争に行かないから、心残りになる家族や恋人を作るのを禁じる。」と命令したが、当時のヴァレンタイン司祭がそれを可哀想に思い、若い兵士の結婚式を内緒で執り行ったという。

 

当然、それを知った皇帝は激怒、命令に背いたヴァレンタインを処刑してしまった。

若い恋人たちの為に自らの命の危険も顧みなかった彼を讃え、以後ローマの国民は彼の命日である2/14をお祈りの日と定めたのであった。

 

そして時は流れ、14世紀頃。

2/14=バレンタインデーとして、恋愛に結びつけられるイベントがスタートしたらしい。

最初はカードだけを渡すだけだったものも、19世紀頃になるとチョコの詰まったボックスを渡すようになったそうだ。

一部では花束を贈る地域もあるそうだ。

 

そこからは各地域で様々な様式美に変化していった。

日本では基本、女性から男性にチョコを渡すことになってはいるが、地域によっては男性から女性、男女ともに渡しあうといった場合もある。

まぁ、日本の場合はマーケティング戦略も兼ねているという説もあるらしいが。

 

因みに、バレンタインデー自体にもバリエーションがあるようで、

一か月後が男性から女性へのお返しを渡す"ホワイトデー"(3/14)、

恋人同士でオレンジを送りあう"オレンジデー"(4/14)、

別れ話を切り出す"メイストームデー"(5/13)に"セプテンバー・バレンタイン"(9/14)、

女性に下着を送る"メンズバレンデインデー"(9/14)に、

何ももらえなかった非リア達が集まって炸醤麺やブラックコーヒーを口にする"ブラックデー"(4/14)

等がある。

 

まぁ、簡単に言えば恋する女の子たちにとって、最大級の告白イベントということだ。

男子にとっても、チョコ一つだけで圧倒的なマウントが取れる日でもあり、若者にとっては重要な日だ。

しかし同時に、狂戦士達の血濡れた惨劇の日でもあり、対イケメン達専門の呪詛師が大量発生する日でもある。

 

現に俺も、小学校の頃からドンパチを繰り広げてきた。偶に捕まってはいけないになったけどな。

最近は懐にも余裕ができたから、クラスの女子達全員に行き渡るようにチョコを作って配ったものだ。

何でお前が配るんだって?男性から渡すのが主流だと思ったからだけど。

まぁ、先手を打つという意味でもあるけどね。

 

ユエ「……ん。つまり、ハジメは、どこかの女から愛の告白を受けていた、と。

ハジメ、その女の容姿と名前を教えて?さぁ、早く教えて。」

シア「えぇっ、ハジメさん、他にも女がいるんですかぁ!?私はいったい何番目の女なんですかぁ~。」

ハジメ「君たち、往来でなんてこと言ってんのさ……。」

大体、俺はまだ学生だ。そういうのはまだ早すぎる……説得力がないが。

 

しかし、これはまずい。光の消えた瞳で迫る美貌の吸血姫と、半泣きになりながら縋り付く可愛い兎っ娘。

周囲から、「まぁ!修羅場だわ!」とか、「あの男、愛人が何人もいるらしいわよ」とか、「弄ぶだけ弄んでポイ捨てするのね!鬼畜よ、鬼畜ぅ!」とか、「目を合わせちゃダメ!妊娠しちゃう!」とか、姦しい声が響いてくる。

その反応にミレディとオスカーが苦笑いしてこちらを見ていた。

 

取り敢えず、ざわざわと人が集まってきたのでいたたまれなくなり、ユエとシアを抱えて迅速な離脱を図るのであった。

しかし、ふむ……こちらでもチョコがあればよかったんだが……ない以上は花束で代用するか。

そんなわけで、俺もフリスの花束を2つ購入することにしたのであった。

 

そしてその夜、町に寄った目的である買い物のため一時的に別行動をとった俺達は、宿の食堂で夕食にありつこうとしていた。

窓際の席に座り、俺は頰杖をつく。ミレディは相変わらずオスカーと談話しており、ユエは俺の膝の上だ。

シアはどうしても自分で作りたいものがあると言って厨房を借りている。

 

シア「お待たせしました~。シア印の特別料理ですよぉ~。」

お、漸くできたようだ。こちとら腹を空かせて待ちわびていたんだよなぁ……ん?

ハジメ「ねぇ、シア。これって、もしかしてだけど……。」

そこにあった料理は、もう故郷に帰るまでは絶対に目にするはずのないものだった。

 

シア「はい、"にくじゃが"ですよ!まぁ、本物を知らないので、あくまでモドキですが。」

成程、そういえば料理が得意なシアに、日本料理について教えたことがあったっけ。

こっちの世界でも味や素材は似たようなものも多いので、俺自身も何度か試そうとは思っていたが、装備の新調などで時間がなかったからなぁ……。

それをまさかシアが最初に作り出すとは……やりおる。

 

シア「それではハジメさん……パクッと行っちゃってください。」

ハジメ「ありがたくいただくよ、それじゃあ早速……。」

いただきますをして、パクリと口にする。そして思わず、「おぉ」と感嘆の声を上げた。

まったく同じとは流石にいかないが、それでも確かに肉じゃがと感じる再現率だ。

 

ユエ「ハジメ?」

シア「ハジメさん!?」

ハジメ「え……あ、あれ?」

何故だろう、いつの間にか涙が出ていた。上手かったからとか、暖かかったとかそれもあっただろう。

でも一番は……懐かしい故郷を思い出してしまったからなのかもしれない。

 

ハジメ「ぐすっ……ごめん、あまりにもおいしくてつい……。」

シア「……それはよかったです、頑張った甲斐がありました。」

慌てて涙を拭う俺、しかしシアは既に察していたのか優しい笑顔で返してくれた。

なのでこちらもお礼にと、「ありがとう。」と言って頭を撫でる。

シアのウサミミが嬉しそうにうっさうっさする。すると、ユエがくいくいっと袖を引っ張ってきた。

 

ハジメ「?どうしたの、ユエ?」

ユエ「……ん。」

ユエが窓の外を指さしたので、その方向へ視線を向ける。するとそこにあったのは……

 

ハジメ「これって……雪?」

チラホラと夜空から舞い散る白いもの、それはまさしく雪だった。

ユエ「……ん。北大陸に雪は降らない。

でも、ハジメの故郷では、ばれんたいんでーの頃は冬で雪が降ってる。だから、魔法で頑張ってみた。」

成程、シアが料理ならユエはシチュエーションということか……泣かせてくれるじゃねぇか。

 

ミレディ「二人とも、ハジメンの話を聞いてた時からいっぱい考えていたもんね!

ミレディさんもサポートした甲斐があったよ!」

そうか、ミレディも手伝ってくれたんだな……ホント、ありがたすぎる限りだ。

 

ユエ「ミレディはオスカーに何か送らないの?」

シア「私たちも手伝いますよ!今からでも遅くはないので準備しましょう!」

ミレディ「ふぇ!?ちょっ、ちょっと待って~~~!」

叫びも虚しく、ユエとシアに連行されていくミレディであった。

 

オスカー『ハハハ、君たちといるとあの頃の賑やかさを思い出すよ。』

ハジメ「そうか、因みにオスカーは何が嬉s「メイドかな!」即答かい。」

その後、突然の冷たくも寒くもない雪にざわつく町の一角で、俺達は最高にフリスの日を楽しんだのであった。

 


 

~思い出の刃煉断院照威(バレンタインデー)

 

ハジメ「う~ん……漸く終わった……ってもう朝か。」

家の台所にて、この日の為に作っていたものがようやく完成した俺は、窓に差し込む朝日を見てそう呟いた。

まぁ、このくらいいつも通りではあるがな。さて、皆の分の朝飯も作るか。

 


 

恵理「おはよ~……って、もう出来てるし。」

ハジメ「おはよう、恵理。今日はあの日だからな、張り切って準備してきたか?」

そう言いながら、俺はトーストにマーガリンを塗る。今日はハムエッグトーストだ。

 

愁「ハジメの方が張り切っていたけどな、今日はバレンタインだからか?」

ハジメ「うん、皆にクッキーを配りに行くんだ。」

菫「あら、先手を打つつもり?お母さん、本命はお父さんだけのつもりなのだけど?」

ハジメ「何でそうなるのさ……ほら、地域によっては男性が渡す側になる場合もあるじゃん。」

因みに、父さんの会社の社員さんや母さんのアシさんたちの分もとっくに作ってある。

後はまぁ、ご自由に食べてほしいくらいだ。そう思いながら、俺は学校に向かう準備を進めるのであった。

 


 

ハジメ「全く……お前ら、揃いも揃って見苦しいぞ。折角お前等に渡す分も持ってきたというのに……。」

「野郎から貰っても……嬉しくねぇんだよぉ……。」

「どうせなら、カワイ子ちゃんから貰いたかった……。」

「リア充め、爆発しろ……。」

「モテ男に呪いあれ……!バレンタインに厄災あれ……!」

……ホント、毎年毎年めんどくさすぎる奴らばかりだ。こっちは苦労して作ってきているというのに。

何があったのかって?決まってんじゃん。嫉妬した非リアに襲われたから返り討ちにしただけだよ。

 

香織「おはよう、ハジメくん!今日は大荷物だね、中は全部チョコ?」

ハジメ「あぁ、こっちがクラスの皆にあげる用。

こっちは前に助けた人たちから貰ったやつで、学校が終わり次第父さんと母さんの職場の人たちに、後孤児院の子供たちやスタッフさんにも、それぞれ届けに行く予定さ。」

そう言って俺は持ってきた包みをそっと下し、片方を机の上に乗せた。

 

ハジメ「今回は皆の顔をプリントしたクッキーにしてみた。因みに、アタリは苺のジャム入りだよ!」

そう言って包みを開け、中に入っていた箱のふたを開ける。

そこには昨夜から焼き上げ、ナイフで丁寧に顔をプリントしたクッキーが入っていた。

女子は勿論、男子に先生の分もある。

 

「わっ!皆の顔が書いてある!」

「しかもそっくり!それに美味しい!」

「ホントにこれ一人で作ったの!?」

ハジメ「あ、顔のイラストはないけど追加分ならあるよ。いr『いる!』早いな……。」

女子からは出来栄えに大絶賛のようだ。上手くできてよかった。

 

「くっ……悔しいが、旨い……!」

「これが……モテ男の常識ということか……!」

ハジメ「いや。普通は女子にしか作らないでしょ。

俺はもらえてない人たちが悲しい思いをしないようにって思ってやっただけで、基準にしちゃダメな奴だから。」

トシ「寧ろ自覚ある方がおかしいと思うんだが。」

男子たちも思うところはあるものの、気に入ってくれたようだ。

 

ハジメ「……まぁ、一番の理由は浩介の為なんだけどね。

また義理チョコも0ってことになったら存在ごと気配を消しかねなさそうだから。」

浩介「どうしよう、ハジメの気づかいに思わず泣きそうだ……。」

俺の発言に思わず落ち込む浩介、それに心当たりがある永山君と野村君は何処か気まずげだ。

 

俺も本人から聞いたことだが、小学生&中学生時代、浩介はクラスで一人だけチョコがもらえなかったらしい。

それも本命だけでなく、クラス全員に配っていた分すらもらえていなかった。

それに気が付いた永山君と野村君がチロルチョコを半分だけあげたことが印象的だったそうだ。

聞いた当時は、あまりにも可哀そうすぎて同情を禁じえなかったくらいだ。そんな浩介に、幸あれ。

 

愛子「お、遅くなりました~!」

おっと、漸く愛ちゃん先生も来たようだ、こっちにも渡すとしますか。

……そういえば、なんか忘れているような気がするが……。

 

愛子「あ!これ、中に苺のジャムが入ってますね!」

……忘れてた。そういえばそうだった。

クッキーの絵は焼いた後に彫ったから、どれがイチゴジャム入りかは俺も知らなかったが……

まさか先生がそれを引くとは。

 

ハジメ「……先生、それアタリ。」

愛子「え?アタリって……えぇぇっ!?」

この後、何を勘違いしてしまったのか、「ダメ!ダメです!南雲君!南雲君は生徒で、私は教師なんですぅ!

だからそれは……それだけはイケナイことなんですぅぅぅ!」と叫んで走り去っていってしまい、この後、弁明に追われる羽目になってしまったのであった。

香織を説得するのが一番大変だった。

幸いにも後日、チョコパーティーを開くことで手打ちにしてもらったが……どうしてこうなった。

 


 

~ハッピー・バレンタイン・ドリーム~

 

ハジメ「……ここは?」

ふと目が覚めると、そこは桃色が大半を占めていた空間だった。

はて、確かフェアベルゲンでシアに膝枕をしてもらっていたはずなんだが……

そう思って状況把握をしていたその時であった。

 

???「あっ、いたいた!お~い!」

ハジメ「うん?」

何処からか呼びかける声が聞こえてきたので、ふとその方向を見れば、紫がかった黒髪のロングヘアーと、星状のハイライトが入った藍色の瞳の色が特徴的な美少女がこちらに向かってきていた。

 

???「やっと会えた!もう、急にいなくなっちゃったから心配したんだよ?」

……何故だろうか、何処かであったような気がするが……靄のようながかかっていて思い出せない。

彼女とは一体、何処であったのだろうか……?

 

???「全く……妻の顔を忘れるなど、冗談にしては悪趣味ですよ、我が夫。」

そう言って現れたのは、青地に白と黒のドレスを着た白銀の髪の美女だった。

彼女にもどこかで面識があった気がするのだが……如何せん名前が出てこない。というかそれ以前に、だ。

 

ハジメ「夫?俺が?」

まだ誰とも結婚式は挙げていないんだが……いや、それよりもこの二人とは何処で出会ったんだ?

昔の俺の行動でそういった経験はなかったはず、なら二人とはどういった面識なんだ?

ダメだ、情報が少なすぎるどころか全くないからさっぱりわからん!

 

???「……成程、そういえば名を忘れていましたね。私はモルガン、妖精國元女王であり、貴方の妻です。」

モルガン、ね……最後のはほっておくとして、妖精國か……なんとなく聞き覚えがあるような気がする。

???「じゃあ、次は私だね!私はアイ、星野アイだよ!アイドルやってて、ドームライブの時に会ったよ!

それで双子の母親やってるんだ☆」

ん?ドームライブ……双子……アイドル……

何だ、この記憶のピースが合わさりそうなのに手がおぼつかなくてうまくかみ合わないような違和感は……?

 

ハジメ「……二人とも、俺と会った時に関すること、何でもいいから一つずつ言ってほしい。

もしかしたら、思い出せるかもしれない。」

モルガン「いいでしょう、ですが覚悟してください。私と貴方は1万年と2千年前から出会っています。」

ハジメ「創聖合体かよ。」

アイ「私も、六兆年前からいっぱい思い出あるから!ぜぇーんぶ、聞かせてあげる!」

ハジメ「せめて3回くらい前の前世にしてくれ。」

そこから俺は二人から関する情報の収集を開始した。

 

モルガン「雨だれの音、私の故郷(くに)、6つの鐘、血染めの円卓……」

ハジメ「!なんか薄っすらと見えてきたような……。」

アイ「えっと……アクアとルビー、ストーカー、高千穂、佐藤社長……」

ハジメ「う……あ、なんかあともう少しな気がする!」

すると二人は、俺の耳元でこう囁いた。

 

アイ「……愛してる。」

モルガン「……助けて。」

ハジメ「!」

 

 

――愛してる。あぁ、やっと言えた。この言葉だけは絶対、嘘じゃない。

 

 

――ハジメ……助けて……!

 

 

ハジメ「あーっ!思い出した!」

そうだ、不思議な夢を見るたびにつけていた備忘録でおんなじことがあったような気がする。

内容をよくよく思い返してみれば、二人の言っていたことと合致する箇所が多い。

 

アイ「思い出した?」

ハジメ「あぁ、アイ、だったか。確か出会った時は大量出血していたよな……あの後、大丈夫だった?」

アイ「うん、ハジメ君のおかげでね!アクアもルビーも会いたがっていたよ!」

そうか……あの双子も元気にしているのか。それは良かった。

 

ハジメ「それと……久しぶりだな、モルガン。いや、トネリコの方がいいか。」

モルガン「!えぇ……今だけは、その名で呼んでもらっても構いません。」

そう言ってモルガンことトネリコは、最初に出会ったあの時のような柔らかい笑みを浮かべた。

そのいつまでも変わらない笑顔を、微笑ましく思った。可愛いなぁ、と。

 

モルガン「か、可愛いは余計です……。」///

アイ「照れているところも可愛いよね♪」

ハジメ「勿論、いつでも可愛いさ。」

モルガン「なっ!」///

思わず顔を赤らめて、照れるトネリコ。はぁ~、心が癒される……。

 

ハジメ「ところで、二人はどうしてここに?」

アイ「ハッ!そうだった、忘れちゃうところだった!」

モルガン「そうですね、では本題に入りましょう。」

そう言うとモルガンは魔術でゲートのようなものを開き、そこから2つの何かを取り出した。

 

モルガン「たしか、当世では"ばれんたいん"なる行事があったはずです。

そちらの世界ではすでに終わってしまったかもしれませんが……。」

アイ「これは、私たちが一生懸命考えて作ったプレゼントだよ!受け取ってくれるかな?」

そう言って二人は、アイは赤色の箱を、モルガンは青色の箱をそれぞれ差し出してきた。

 

ハジメ「!それはとても嬉しいな、ありがとう!開けて見てもいい?」

アイ「勿論!」

モルガン「えぇ、似合うと思いますよ。」

二人から返事をもらった俺は、二つの箱を同時にあけた。そこに入っていたのは……。

 

ハジメ「これは……腕輪だ。それに両方ともデザインが綺麗だね。」

赤の箱には、ルビーとアクアマリン、そしてダイヤモンドの原石が埋め込まれた、クラダという両手で冠をかぶったハートの意匠が施されている腕輪が入っており、青の箱には、全体がティールサファイアで出来ているハボタンの中心に、パライバトルマリンが埋め込まれた腕輪が入っていた。

早速両方とも左腕につけてみる。右腕は殴り合いで使い過ぎるので止めておいた。

 

ハジメ「おぉ~、しっくりくるなぁ。二人ともありがとう!」

モルガン「フフッ、どういたしまして。」

アイ「こちらこそ、喜んでもらえて何よりだよ!」

そう言ってほほ笑む二人の笑顔は、何処までも眩しかった。

 

モルガン「さて、そちらへのプレゼントは済ませたことなので……メインと行きましょうか。」

……あの、モルガンさん?何故、腕をつかんでというか力強っ!?

アイ「そうだね~……ここでめいいっぱい、おもてなししてあげないとね♪」

アイさん?君も何故腕にしがみついているんだい?というか「当てているんだよ♪」思考読まないで!?

 

モルガン「バーヴァン・シーにもそろそろ妹か弟が必要になるときでしょう。

なので今から子作りを始めます。」

モルガンさん!?いきなり何故そんなことを!?

アイ「私も、ルビーをお姉ちゃんにしてあげたいなぁ。

アクアとユニットデビューもさせたいし、男の子がいいかな?」

アイさん!?貴女アイドルですよね!?そんなポンポン作るのはまずいんじゃないですかね!?

 

モルガン「心配しなくとも大丈夫です、私たちは経験者ですので手取り足取り優しく教えてあげます。」

そういう問題じゃないから!てか悪いか、未経験で!?

アイ「安心して、私達だけ見ていればすぐに終わるから。ベッドもシャワーも用意してあるし。」

そこでもないから!?後、子供たちからの同意は!?

 

アイ「二人ともOKだって!」

じゃあ目の星が黒色なのはなんでなんだよぉぉぉ!?そして心を読むなぁ!

モルガン「焦らずともよいではないですか、時間はたっぷりとあります。夫婦仲を深め合いましょう。」

ダメだこいつら、話が全く通じねぇ……!そして変身用の両腕を封じにきてやがる……!

って、あれ?時間停止もライダーの力もなんでか使えない……これ、詰んでね?

 

モルガン「さぁ、私たちと一緒に……」

アイ「一つに、なろ?」

ハジメ「ちょっ、ホントに待って!話を聞い、あ、やめ、アーッ!!!」

抵抗もむなしく俺は押し倒され、そして二人が覆いかぶさり……

 


 

シア「……てください、起きてください!ハジメさん!」

ハジメ「ウワァァァァァッ!?」

シア「わわっ!?ど、どうしたんですか、もう……。」

はぁっ……はぁっ……夢、だったのか?

 

ハジメ「ご、ごめん。ちょっと悪い夢を見ちゃって……。」

いやぁ、マジで危なかった……かかった吐息の熱を感じた辺りで目が覚めて本当に助かった……。

起こしてもらうのがもう少し遅かったら、この作品が色々と危うかったな……。<メメタァ!

そして起きた後も……いや、考えたくもない。きっととんでもない目に遭うのは間違いないだろう。

 

シア「って、あれ?ハジメさん、その腕輪は?」

ハジメ「へ?……これは。」

シアに指摘されて腕を見れば、夢の中でもらった腕輪があった。それも両方とも。

そういえば"そちらへの"って言ってたような……もしかしてこっちの世界に送ったってことか?

だとしたら……それはそれで嬉しいかな。そう感じて思わず表情が緩んだ。

 

シア「じ~~~……。」

……やってしまった、シアがいることを忘れてた。

シア「……ハジメさん、後で皆さんと一緒にお話ししましょうか?」

ハジメ「……はい。」

あぁ、これはもう長い夜になりそうだな。そう思った俺であった。

 

その後、シアと共に戻って来た俺は、ユエ達に早速説教を食らうことになった。

腕輪に関しては、俺が必死の交渉を重ねた結果、何とか処分されずには済んだ。

が、序に発見されてしまった俺の備忘録を音読されてしまい、羞恥心のあまり赤面したことは言うまでもない。

つくづく自分がこんなにもモテることに胃痛がしたことはない俺であった。




ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

さて、今回のバレンタイン特別編いかがだったでしょうか?
1つ目のお話は恒例通り原作書籍にもあったお話"異世界のばれんたいんで~"が元になっております。
他二つはオリジナル展開です。今回はオリキャラなし他作品キャラありにしてみました。

時系列としては、2つ目は異世界転移前、もう一つは原作124話"フェアベルゲンの夜"です。
因みに、何故モルガンと星野アイなのかと言うと、口調が書きやすかったのと、アンケートで人気があったからです。

次回の特別編はもしかしたら4/1に投降するかもしれませんので、お楽しみに!それでは、また次回!

エヒトの処刑法は?

  • 勿論、終焉の時! 逢魔時王必殺撃!
  • GER(無駄無駄ラッシュで死に続き)
  • 汚物は消毒だァ!
  • 闇遊戯「闇の扉が開かれた」
  • 毛根絶滅
  • G地獄
  • 身体を引きちぎっては治すの繰り返し
  • やらないか♂
  • 金的ブレイク
  • バックトラックでひき殺す
  • ブロリーMAD名物による血祭り
  • これまでの被害者たちによる私刑執行
  • モノクマによるお仕置き執行
  • ダーウィン賞を片っ端から執行
  • ヤバいものを色々体内にぶち込む
  • 汚泥、糞尿まみれ
  • 世界の拷問一気にやる
  • 鬼灯様による理不尽のフルコース
  • 存在ごとエネルギー変換
  • 激辛地獄
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