ありふれない錬成師は最高最善の魔王の力で世界最強を超越する   作:天元突破クローズエボルハザード

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お待たせいたしました。
今回は、大樹の下への出発、樹海からの旅立ちです。
ブルックの町については、また次回。
少し短めですが、楽しんでみてもらえると、幸いです。

遂に大樹の下へたどり着いたハジメ達。
そこでハジメ達が見たものとは一体!?
そして、遂に樹海から旅立つとき!

再スタートの第二章第7話、それではどうぞ!


26.大樹の先に突っ走れ

あれから予定の三ヶ月半が経とうとしていた。その間にもいろいろなことがあった。

 

同盟を結んだフェアベルゲンの戦士たちが俺に教えを乞うてきたり、

 

試練達成の御褒美としてハウリア達の武器を作ったり、

 

霧を抜けるためのスカウターもどきの作成にも取り掛かったり、

 

心を落ち着かせるためにユエとシアを愛でたり、

 

同胞の暴走に悩まされているアルフレリックの胃腸薬の調合をしたり、

 

なんか最近苦労しているギルとジンに差し入れ持ってきたり、

 

シアの母親譲りの女子力に驚いたり、対抗したユエが謎の物質を生成したり、

 

暇になったイナバが樹海の魔物相手に無双を始めたり、

 

ドワーフのグゼと鍛冶仕事で話が合って、なんかヤバイもん作っちゃったり、

 

交流の一環で開いたボードゲーム大会で、狐人族のルアと決勝で対決したり、

 

パパラッチ記者のマオの取材を受けて、都合の良い改変がないか校閲したり、

 

アルフレリックの娘アルテナを紹介されて、婿入り話をさり気なく勧められたり、

 

暇つぶしがてらシアと一緒に座禅していたら、二人そろって気功術使えるようになっていたり……

 

 

……うん。まぁ、なんだ。その、色々あったなぁ……。

なんか、三ヶ月半のはずが、丸一年過ごしたような気分だった。

ハウリア達も次々と技能の腕をメキメキと上げているし。

しかも最近じゃあ、ハウリア・ブートキャンプなんてものまで始めたものだから、もう収集つかねぇ……。

そして何故か、これが大人気。しかも、全員ノリノリで参加してくるという狂気の沙汰。

恐らく、次に来る頃には、愛玩奴隷であるはずの亜人族が、全員筋肉モリモリのマッチョになっていて、帝国兵が逆に襲われる事態になっているかもしれない……。

皇帝、きっと涙目だろうなぁ。ま、いっか。俺には関係ないし。

 

まぁ、別に悪いことだらけじゃない。ハウリア達全員の武器を作り終えた俺は、早速作業を開始した。

そう、この武器こそ一番大事なものなのだ。

全体に逢魔鉱石を使用しており、叩きつける時には重量感が増大するにもかかわらず、

普段持ち運ぶときには、まるでおもちゃのピコハンを持つような軽さを追求してみた。

更には内部に「アッセンブルギア」を応用した、小型ミサイルタンクを内蔵しており、

モードチェンジによる砲撃モードで、様々な砲撃が可能となる。

 

勿論それだけではない。

柄部分に境界結石を使用し、魔力回路代わりにすることで、数種類のモードチェンジが可能になる。

戦槌にもなれば、大盾にもなり、ハルバード、両手剣、マジックボウ、といったチェンジが可能だ。

これがシアの武器となる、魔導戦槌。名付けて、「ドリュッケンSH-2068」!!

今回の仕上げで、ようやく完成した。後は、名前を彫ってと。

……せっかく頑張ったので、俺の名前の隣にシアの名前も彫っておいた。

 

早速出来上がったドリュッケンをシアに渡しに行くと……

何故かイナバとタイマンで殴り合っていた。ホント何してんの。

なんか、摩訶不思議なアドベンチャーの戦闘シーンみたいだなぁ……。

というか、ここ最近シアもだんだん脳筋になりかけているのは気のせいか……?

今度、ステータスプレートを作ってもらったら、ちゃんと見てみるか。

シア「あっ!ハジメさん!来ていたんですか?」

ようやく気付いたか。てかどんだけ戦いに集中していたんだ……。イナバも今気づいたようだし。

ハジメ「うん。ついさっき、シアの武器が完成したから、渡しに来たんだ。」

シア「本当ですか!?ありがとうございます!」

早速武器を手に取ってもらうと……。

 

シア「!これが……私の武器……!」

ハジメ「"魔導戦槌ドリュッケンSH-2068"。

魔力を流すと、スロットで変化する数種類のモードチェンジに加えて、内部に四次元変形機構も兼ね備えているから、そこまで無茶な使い方でもしない限り、簡単には壊れないよ。」

……って、全然聞いてねぇ。夢中になるのは分かるけどさぁ……。

シア「ハジメさん!ありがとうございます!私、この子を一生大事にします!」

ハジメ「お、おう。気に入ってもらえたなら、何よりだ。」

まぁ、いいか。喜んでもらえることは、職人冥利に尽きるし。

 

イナバ「(王様、この兎、ホントにあのランボー共の同類なんですかい?)」ゼェ…ゼェ…ハァ…ハァ…

ハジメ「……何でそんなに息切らしているのさ。今のお前さんなら、まだシアより上だろうに。」

イナバ「(せやったんやけど……アイツ、戦うたびに強くなっていきおってからに……。

しかも、ユエの姐さんまで味方するもんだから、更に動きがはようなって……。)」

ハジメ「あぁ……。あの二人、急激に仲良くなっていたからなぁ……。」

何というか、乙女同盟は伊達じゃないってことかぁ。

 

ハジメ「まぁいい。早速だけど、これから大樹へ向かおうと思う。

もうハウリアの皆には伝達してあるから、今から準備してね。」

シア「はい!」

イナバ「きゅ!」

そう、遂に霧が弱まっていったのだ。後は大樹へ行けば、大迷宮に挑むだけなのだ。

俺は未知なる迷宮に思いをはせながら、迷宮攻略の準備を進めていた。

 


 

深い霧の中、俺達は大樹に向かって歩みを進めていた。

先頭をカムに任せ、これも訓練とハウリア達は周囲に散らばって索敵をしている。

尤も、魔物たちはこの三ヶ月の間にほとんど狩りつくしてしまっていたが。

言っておくが絶滅したわけではない。ただ数が激減しただけだ。だから決して乱獲と言ってはいけない。

そして歩くこと15分後、俺達は遂に大樹の下へ到達した。

 

ハジメ「おぉ……、これがウーア・アルトか!」

と、俺の第一声が響き渡った。まぁ、実際に見た大樹は何故か枯れていたが。

直径は50mはあるだろうが、何故かこの一本だけ枯れているということは謎である。

カム「大樹は、フェアベルゲン建国前から枯れているそうです。しかし、朽ちることはない。

枯れたまま変化なく、ずっとあるそうです。

周囲の霧の性質と大樹の枯れながらも朽ちないという点からいつしか神聖視されるようになりました。まぁ、それだけなので、言ってみれば観光名所みたいなものですが……。」

ふむ?それはおかしいな。俺が早速因果律操作で戻そうと試みようとするが……

 

ハジメ「……ダメだ。年月が経ちすぎていて、いつものなんて比じゃない位の魔力を消費する。

それに多分、これだけじゃ足りないと思う。もう少し探索してみよう。」

そう言って、早速目の前の石板を調べる。そこには……

 

ハジメ「これって……オスカーの所の!」

ユエ「……ん、同じ文様。」

イナバ「(ほな、てことは……!)」

石版には七角形とその頂点の位置に七つの文様が刻まれていた。

オルクスの隠れ家の扉や、洞窟の出口に刻まれていたものと全く同じものだ。

しかも裏には、小さな窪みがちょうど7つあった。

早速オルクスの指輪を取り出し、オルクスの指輪をはめ込んでみる。

すると……

 

パァァァァァァ!!

「「「「!」」」」

石板が淡く輝きだした。

何事かと、周囲を見張っていたハウリア族も集まってきた。

しばらく、輝く石板を見ていると、次第に光が収まり、代わりに何やら文字が浮き出始める。

そこにはこう書かれていた。

 

"四つの証"

"再生の力"

"紡がれた絆の道標"

"全てを有する者に新たな試練の道は開かれるだろう"

 

ハジメ「成程、大体わかった。」

シア「えっ!?もうわかったんですか!?」

ハジメ「つまり、4つ以上の迷宮攻略者、それも再生に関する神代魔法獲得者であり、亜人との絆を深めた者だけが、この先に挑めるってことだよ。多分。」

シア「多分って……。」

正直分からないのだ。何故か一度も見たことが無いはずなのに、直ぐにわかったのだ。

 

ハジメ「でもこれって、今すぐには挑めないってことかぁ。

仕方がない、一番近くの【ライセン大峡谷】から挑もうか。」

ユエ「ん……。」

シア「はい。」

イナバ「きゅう……。」

まぁ、くよくよしても仕方がないか。気持ちを切り替え、ハウリアの方へ向き直る。

 

ハジメ「いま聞いた通り、俺達は、先に他の大迷宮の攻略を目指すことにする。

大樹の下へ案内するまで守るという約束もこれで完了した。

お前達なら、もうフェアベルゲンの庇護がなくても、この樹海で十分に生きていけるだろう。

そういう訳で、だ。お前達に最重要任務を与える!」

ハウリア達「「「「「「「「「「!!!」」」」」」」」」」

皆、最重要任務と聞いて真剣な顔になり、身を引き締めていた。

 

ハジメ「お前達には、フェアベルゲンの警護に当たってもらいたい。

この地は既に俺の領地同然でもあるが、俺自身ここにだけ留まるわけにはいかない。

だからこそ、この地を守る代行者が必要になってくる。そこで、お前達の出番だ!

俺の課した厳しい特訓を乗り越えた、諸君の実力と精神を信頼し、この地を任せたい!

完遂した暁には、クソ神退治のお供に命じてやる!受けてくれるな?我が民よ!」

ハウリア達「「「「「「「「「「Sir,Yes,My pleasure!!」」」」」」」」」」

ハジメ「よし、では任せたぞ!俺達の留守は頼むぞ!ただし、無茶をし過ぎるのは厳禁だ!

俺の配下であるならば、泥水を啜ろうとも、誰一人かけることなく、生き残って見せろ!」

ハウリア達「「「「「「「「「「Sir,Yes,My Lord!!」」」」」」」」」」

俺は今、王としての第一歩をまた踏み出した。そんな気がした。

 

ハジメ「というわけでだ。ユエ、シア。行くぞ!」

ユエ「んっ!」

シア「はい!」

イナバ「(え!?王様、自分は!?)」

そういえば、言っていなかったな。今回はイナバもお留守番組なのだ。

何せ、今度はホルアドからは離れていくものなのだ。迷宮攻略中の香織達とすれ違っては流石にマズい。

なので……

ハジメ「そのことなんだが……お前にも最重要任務を与えたい。」

イナバ「!?」

 

ハジメ「【オルクス大迷宮】の上層部に、俺の仲間がいるかもしれない。

彼等にもし会ったら、俺の無事を教えてほしい。一応、写真も渡しておく。

後、この眼鏡をかけている女の子が、俺の妹だ。」

イナバ「(お、王様の!?分かりやしたぁ!このイナバ、全身全霊をかけて、妹君を捜索いたしやす!)」

……そこまで重圧をかけてはいないんだが……。まぁ、やる気が出たなら、何よりだ。

とまぁ、そういう訳で、俺達は樹海を後にすることにした。

 

カム「シア、我々の分まで魔王陛下のお役に立てるよう頑張るのだぞ。

その為にも、身体には気を付けなさい。」

シア「はい、父様!それでは皆、行ってきます!」

親子の感動の別れかぁ……。ウルっと来るなぁ。

あぁ…そういえば父さんと母さんに「行ってきます。」って言えなかったなぁ……。

今すぐにでもあって言いに行きたいな……。

なんて、感傷に浸っていると、ユエが優しく手をにぎにぎしてきた。

アカン、あまりの気づかいで涙出そう。ユエの方が辛いのに、こんな様じゃいけねぇか。

 

カム「魔王陛下、至らないところはありましょうが本人の意気込みは十分かと。

どうか娘を宜しくお願い致します。」

ハジメ「任せておけ。相手が神でも遠慮なく返り討ちにしてやんよ。」

シア「フフ、ハジメさんなら本当にやりそうですね。」

ユエ「ん、ハジメは無敵。誰にも負けない。」

こうして、俺達は亜人族の送迎と共に、樹海を抜けるのであった。

後、イナバをオーロラカーテンで、オスカーの隠れ家まで運び、再び旅路へと戻った。

 


 

風を押しのけて進むストライカー。

ユエ、俺、シアの順で乗るバイクは、人数が増えても全く遅くならない。

シア「ハジメさん。そう言えば目的地は大迷宮だったはずなんですが……道、逆じゃありません?」

風を受けて、耳をパタパタさせていたシアが急に聞いてきた。

ハジメ「いや、合っている。

前に地図で見た時、この先に町があるみたいだから、そこで最終点検をするよ。

流石に未だ文無しは困るし、素材の買取でもしてもらおうかな?って。」

シア「なるほど……。」

 

ハジメ「まぁ、本当の理由は、普通の料理が恋しいなぁ…って思ったからだけどね。

そろそろまともな料理をしないと、腕が鈍っちゃいそうで。」

シア「思っていたよりシンプル!?でもよかったです。

てっきりハジメさんは、大迷宮でも魔物肉をバリボリ食べちゃうのかと。」

ハジメ「……俺だって好きで魔物肉を食っていたわけじゃあない。

それしか食えるもんが無かっただけだ。

唯一旨かった木の実は、トレントを捕獲し損なったから、生産体制が確保できなかったけど……。」

シア「まさかの魔物で農作!?というか、なんでそれを思いついたんですか!?」

ハジメ「俺だって、肉以外も食いたいよ!」

シア「そういう問題ですかぁ!?」

だって、栄養が偏って体に良くないじゃん。脂肪がつきやすくなっちゃうし、顎が疲れる。

 

ハジメ「それに、そろそろユエにも血以外の食事させたげないと……。」

シア「あぁ~、確かに。」

ユエ「?私は大丈夫だけど?」

ハジメ「そうかぁ……、ユエの手料理も食べてみたかっ「ん!ハジメの好物、覚える!」……早ぇよ。」

シア「ハジメさんハジメさん。私は?」

ハジメ「勿論楽しみにしているよ。」

とまぁ、他愛のない会話をしていると町が見えたので、早速対策アイテムを取り出した。

 

ハジメ「あ、そういえばシア。一応人攫いの可能性も警戒したいから、この首輪をつけておいて。

それさえあれば、"この兎人族は俺の連れだ"、って証明できるから。」

シア「は、はい……。でも、もし変な気を起こした人がいたら、どうします?」

ハジメ「大丈夫!その時は話し合いもすっ飛ばして、そいつら全員、"血祭りにあげてやる"。」ドドドドドドド

シア「ユエさん!?ハジメさんの後ろに、デカい大猿の化け物がァ!?」

ユエ「……私は何も見ていない。」

シア「思いっきり体が震えていますけど!?」

そして俺達は町の関所に近づいていった。




ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

前半の出来事については、またいつか解説を入れていきたいと思っております。
まぁ、帝国編でも少しだけ触れるつもりですので、お楽しみに!

イナバさんは一旦ここでフェードアウトします。
また後程登場しますので、イナバファンの方々はもうしばらくお時間を。

最後のハジメさんは某伝説の超サイヤ人みたいな感じで締めてみました。
きっと帝国編でもこういうでしょう。
「お前達が亜人族を解放する意思を見せなければ、俺はこの国を破壊しつくすだけだァ!!」と。

さて、次回はいよいよブルックの町です。
お楽しみに!

宜しければ、高評価・コメント宜しくお願い致します!

Next stage

???「面白そうな連中だね……」
久しぶりの町、満喫中!

ユエ・シア「「ハジメ(さん)より、カッコいい人なんていない(いません)!」」
早速トラブル発生!?

ハジメ「さしずめ、【ライセン大迷宮】って言ったところか…。」
まさかの大迷宮発見!?

Stage27「ブルックの魔王~ゴール・ゴル・マジェンド~」

エヒトの処刑法は?

  • 勿論、終焉の時! 逢魔時王必殺撃!
  • GER(無駄無駄ラッシュで死に続き)
  • 汚物は消毒だァ!
  • 闇遊戯「闇の扉が開かれた」
  • 毛根絶滅
  • G地獄
  • 身体を引きちぎっては治すの繰り返し
  • やらないか♂
  • 金的ブレイク
  • バックトラックでひき殺す
  • ブロリーMAD名物による血祭り
  • これまでの被害者たちによる私刑執行
  • モノクマによるお仕置き執行
  • ダーウィン賞を片っ端から執行
  • ヤバいものを色々体内にぶち込む
  • 汚泥、糞尿まみれ
  • 世界の拷問一気にやる
  • 鬼灯様による理不尽のフルコース
  • 存在ごとエネルギー変換
  • 激辛地獄

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