ありふれない錬成師は最高最善の魔王の力で世界最強を超越する 作:天元突破クローズエボルハザード
今回は愛ちゃん先生サイドのお話が中間に挟まっています。
次回でライセン編は終了です。
居残り組の優花たちが出した答えとは?
そして、少女ミレディの涙に答えるべく、ハジメさんが心火を燃やす!
怒涛の第二章第10話、それではどうぞ!
<ハジメさんサイド>
ハジメ「……やべぇ。威力調整ミスった……。」
それが俺の第一声であった。
俺達の目の前に広がっているのは、ライセン大迷宮であったはずの場所だった。
元々大迷宮自体、洞窟内の広い空間を利用した物らしく、壁や天井が剥き出しになり、辺り一面には迷宮を構成していたであろう残骸が積み上がっている。
大迷宮が緩衝材となった為か、洞窟が崩落する様子はないみたいだ。
シア「あ、あわわわわ。これ、どうしましょう。」
ユエ「……流石ハジメ、私達に出来ない事を平然とやってのける。」
シアは迷宮の有り様に戸惑い、ユエは俺のやったことにボケなのか素なのか分からないボケを出してきた。
やかましいわ、という気力も俺にはなかった。
ハジメ「……取り敢えず魔法陣探そうか。せめて神代魔法だけでも手に入れて帰ろう。」
ユエ「……ん。」
シア「そ、そうですね。」
如何にも微妙な空気で再開された(故)迷宮探索。
しかし、そうは言ったものの、この広い空間に積み上がった瓦礫の中から魔法陣を探すのは、流石に骨が折れる。
取り敢えず、何かないか魔力を探ってみることにした。
ハジメ「……ん?」
ユエ「……ハジメ?」
シア「どうしたんですか?」
ハジメ「いや、奥の方から魔力反応があるみたい。もしかしたらガーディアンが生きているのかも。」
シア「でもまだ分解作用はありますよね?」
ユエ「……ん。消費も激しい。」
ハジメ「まぁ、取り敢えず行ってみようか。」
ユエ「ん!」
シア「はい!」
俺達は、警戒しながら空間の奥を目指す。すると、そこには……
???『うぅ……ヒック……ヒック……こんなのってぇ……ヒック……こんなのってないよぉ……。』
華奢なボディのゴーレムが泣いていた。
乳白色の長いローブを身に纏い、白いニコちゃんマークだったらしき仮面を付けている。
仮面はさっきの一撃のせいか歪んでいて、悲壮な表情になっていた。
恐らくではあるが、彼女がこの迷宮の主であるのだろう。
???『……ヒック……ッ!?ヒイィィィ!?』
そして俺の存在に気が付き、怯えた様子で後退る。何だろう……この罪悪感は……。
ハジメ「えぇ~と……ユエ、シア。俺はちょっと外すから、あの子を落ち着かせて、話を聞いてあげてもらえる?」
ユエ「……ん、任せて。」
シア「分かりました。」
二人が頷くのを見て、俺はその場を離れる。
何とも締まりの悪い攻略になってしまったものだと、ため息を吐いて頭を抑えた。
<ハジメさんサイド一旦終了>
<愛子先生サイド>
【ハイリヒ王国】の王宮の一角には、この世界に召喚された異世界の生徒達専用に開放された食堂兼サロンがある。
生徒一人一人に専属の侍従が付けられており、このサロンに来て生徒達が視線を彷徨わせれば、それだけで要望有りと判断して彼等が傍に寄って来る。
そうして飲み物でも食べ物でも、頼めば洗練された仕草と共に直ぐに用意してくれるのだ。
部屋に関しても生徒達には一人一人に専用の部屋が与えられているのだが、異世界の地で一人部屋に引き籠るのは酷く寂しく強い孤独を感じてしまうせいか、一部の例外を除いて大抵はこのサロンで雑談やら何やらで時間を潰す日々を送っていた。
勿論、彼等がこの世界に招かれたのは無為な時間を過ごす為ではない。
魔人族という人間族の怨敵と戦争をし勝利する為だ。
では何故そんな彼等彼女等の大半が、日も高い日中にサロンで雑談に時間を浪費しているのかというと……
有り体に言って、心が折れたからだ。
生徒達は数ヵ月前に、死を目の当たりにした。【オルクス大迷宮】という陽の光が届かない地の底で、慈悲など欠片も持たない魔物の殺意を叩きつけられ、誰もが己の死を幻視する程追い詰められ、実際に一人のクラスメイトが死に誘われて消えてしまった。
──剣と魔法のファンタジー
夢と希望の詰まった心躍るそのイメージは、圧倒的な現実の非情さと予想を軽く超えて来る不条理の前にあっさりと砕け散った。
戦場に出れば死ぬ。
そんな当たり前の事を、彼等は大きすぎる代償と共に骨身に刻み込まれてしまったのだ。
意気揚々と魔法を練習し、己の天職が示す才能に一喜一憂し、魔物を屠る快感に酔いしれる。
そんな気持ちは既に微塵も湧き上がりはしない。
どんな人間でも死ぬ時は死ぬ。
それを真に理解した彼等は戦えなくなったばかりか、王都の外に出る事が出来なくなった。
当然、王国や聖教教会上層部はそんな生徒達を戦いへと促した。
強引な手法を取った訳ではない、あくまで言葉による説得だ。
だがそれでも、ただでさえ追い詰められていた生徒達の心はその説得の言葉に更に追い詰められる事になった。
従わなければ、ここを追い出されるのではないか?
そうなれば誰の庇護も無いまま、この命が酷く軽い世界に放り出されるのではないか? と。
そんな時だ。
その有する天職の希少性と特性から、生徒達とは別行動で各地の食料問題を解決する為に遠征していた
──畑山愛子教諭が帰還したのは。
帰還した愛子は帰らぬ人となった少年の事を聞き、激しく取り乱した。
しかし愛子は、一見して分かる程追い詰められている生徒達を見ると直ぐ様立ち上がった。
毅然とした態度と不退転の意志、そして自分の希少性すら利用した交渉で上層部からの戦線復帰を促す説得を止めさせたのだ。
結果、生徒達は戦いに出る必要も無く、愛子の庇護の下王宮での暮らしを確約されこうしてサロンで身を寄せ合って雑談しているのである。
「なぁ聞いたか?天之河達、遂に七十階層に到達したんだってさ。」
「マジかよ。ついこの間、未踏区域の六十六階層の攻略に入ったばっかじゃん。」
「流石勇者パーティってか?俺達みたいな凡人とは出来が違うんだよな。」
肩を竦めて、すまし顔でそんな事を言った男子生徒の一人──玉井淳史は、しかしその表情に何とも言えない複雑な表情を浮かべていた。
一番強いのは羨望だろうか。九死に一生を得て、それでも尚前人未到の魔境へ挑み続けている光輝達に、それが出来ている事に羨む気持ちを持たずにはいられない様だ。
同時に、自分に対する情けなさと、その事実から目を逸らしている事の気まずさ、それでもあの日の事を思い出せば不可避的に湧き上がる根源的な恐怖の色がチラついていた。
それは淳史に限った事ではなく、今このサロンにいる居残り組の大半も同じ気持ちだった。
日本に、家に帰りたい。
その為には魔人族との戦争に勝利して、自分達をこの世界に召喚した聖教教会の信仰する創世神エヒトの力を借りなければならない。
そう分かっていても、心は奮い立たない。恐怖の黒が、意志の白を塗り潰してしまう。
「そうだよね。やっぱ香織ちゃんとか雫っちとか、ああいう特別っぽい子じゃないとねぇ。」
「そうそう。雫とかマジ格好良かったもんね。私、うっかり惚れちゃいそうになっちゃったよ~。」
「あはは、なにそれ~。百合は鈴だけで十分だって!」
「えっ、鈴ちゃんってガチなの!?」
「いや、あれは中身がオッサンなだけっしょ。」
淳史達男子と同じく、女子達も表面上は明るくお道化る様に、されどどこか羨望と後ろめたさを宿した表情で上滑りの会話を続ける。
そこへ男子達も参加して、何の意味も無い虚しく乾いた会話が続いていく。
まるで会話が途切れる事を恐れる様に。
そんな彼等彼女等の様子を、サロンに控える侍従達も露骨な視線を向ける者は皆無であったものの、様々な目で見ていた。
神に選ばれておきながら、或いは仲間が今も戦っているというのにこんな所で何を無意味な時間を過ごしているのかという冷ややかなもの、生徒達の心に巣食った恐怖を察し、そして故郷に帰れない現状に憐憫を宿したもの、ただの学徒だった彼等をここまで追い詰めてしまった事に対する申し訳なさそうなもの、既に見切りをつけたのか、何の感情も浮かんでいない無関心なもの……。
侍従達の垣間見せるそれらは、そのままこの国の貴族達や聖教教会関係者が居残り組に向ける感情だった。勿論、所属によって比率は変わるが。
そして居残り組も、何となく自分達に向けられる感情の空気は感じ取っていた。
それがまた、彼等の現実逃避と傷の舐め合いに等しい乾いた会話へ傾いていく。
そこへ、ポツリと小さな呟きが零れ落ちた。
???「……雫様とて、女の子である事に変わりはないでしょうに……。」
それは誰に聞かせるでもない、本当に思わず漏れ出た独り言だったのだろう。
だがタイミングが悪かった様で、丁度会話が途切れた直後に放たれたその言葉はサロンの全員に届いてしまった。
生徒達がハッとした様に呟きを漏らした侍従──普段は雫の専属をしているニアへ視線を向けた。
ニアは、明らかに余計な事を口走ったと言いたげな様子で直ぐに頭を下げるが……
淳史「……何だよ、何か文句でもあんのかよ。」
淳史が眉根を寄せて、低く唸る様な声音をニアへ向ける。
剣呑な雰囲気を発してはいるものの、しかしその視線は斜め下へ逸らされている。
それがニアへの反応が半ば八つ当たり的なものであると如実に示していた。
ニア「いえ、文句などではありません。申し訳ありませんでした。」
再度ニアは、生徒達に向けて深々と頭を下げる。
しかし淳史は、そんなニアの殊勝な態度が癇に障った様で、尚言い募るべく口を開いた。
淳史「誰も謝れなんて言ってねぇだろ、馬鹿にしてんのかっ!?
八重樫さんだって変わんないって……
つまり変わらないのに俺達だけ戦わないのが情けないって、そう言いたいんだろうが!
はっきり言ったらどうだよ!!」
昇「お、おい。淳史、それくらいにしとけって。」
明人「メイドさんに当たってどうすんだよ。」
癇癪を起した子供の様に怒声を上げる淳史に、友人の相川昇と仁村明人が宥める様に声を掛ける。
淳史「うるせぇよ、俺はただっ……ただ……、くそっ。」
「淳史……。」
「玉井くん……。」
言葉にならない鬱屈した感情が渦巻いて、苛立たし気な様子を露わにする淳史。
傍らの昇と明人が何とも言えない表情で淳史から視線を逸らし、女子生徒の何人かも淳史に声を掛けようとしては口を紡ぐ。
全員分かるのだ。
淳史の言葉に出来ない、まるで蜘蛛の巣にでも搦め捕られたかの様な重く粘ついた心情を。
俯いて表情を隠す淳史に、ニアが一歩進み出る。
ニア「淳史様。ご気分を害する様な発言をしてしまい、誠に申し訳ありませんでした。
ただ決して、淳史様を含め皆様に皮肉を申し上げた訳では無いのです。どうか、それだけは……。」
淳史「ニアさん……、いやその、俺の方こそ……すみません……。」
改めて深々と頭を下げながら、確かに誠意を感じる態度と声音で謝罪するニアに淳史は気まずそうに視線を逸らしながらも、少し気持ちが落ち着いた様で謝罪を返す。
実際のところ、悪い所が無い女性に癇癪を起した挙句頭を下げさせているのだ。
居た堪れない事この上ない。
そんな淳史にニアは僅かに微笑むと、今度は流さず自分の発言の真意を伝えようと口を開く。
ニア「皆様も。先程の私の不用意な発言でご気分を害されたのなら謝罪致します。
しかし、私は雫様付きの侍従として、いえ……一人の友人として思うのです。
雫様もまた、時には誰かに守られ、頼り、甘えるべき女の子であるべきだと。」
奈々「……でも、雫っちは超強いし。何時だって頼りになるし……
正直、弱っちい雫っちなんて想像出来ないんだけど。」
妙子「そうだよね……。」
居残り組の女子──宮崎奈々が苦笑いを浮かべながらそう言い、友人である菅原妙子が同意する。
ニア「確かに、雫様に付いてお世話をしていても彼女が弱みを見せたところなど見た事がありません。
ですが、完璧な人間などいる筈がありません。
雫様もまた、少し前まではただの学徒でしかなかった十代の女の子です。ならば今は大丈夫でも……
やっと生還したこの王宮で、心安らぐ暇も無く皆様の"雫様なら出来て当然"というお気持ちが彼女を追い詰めていくのではないかと、私はそれを危惧しているのです。」
「ニアさん……。」
想像以上に雫の事を考えての発言だった事に、奈々達や淳史達が僅かに動揺した様に身動ぐ。
雫の専従として任じられたニアは、騎士の家系の出だ。
幼い頃から父や兄達に囲まれて剣術を嗜んでおり、同じく幼少の頃より剣術を習ってきた雫とはお互いのよく似た家庭環境等が相まって直ぐに打ち解けた。
最初は神の使徒に対する世話という重圧に終始緊張しっぱなしだったニアだったが、今では友人であると抵抗無く言えるくらいである。
だからこそ前人未到の階層に挑んでいる異世界の友人の事を本心から心配しており、故にこそ、居残り組の雫達を特別扱いする発言に心が波立った。
大きすぎる期待が、雫の心を擦り減らしてしまうのではないかと。
その時、このサロンにいながら特に会話には参加せず、どこか遠い目をして静かに座り込んでいた女子生徒の一人がポツリと呟きを口にした。
???「皆……変わらない、か……」
妙子「優花? どうしたの、大丈夫?」
奈々「ひ、久しぶりに優花っちが喋った……マジで大丈夫?」
妙子と奈々が少しの驚きと心配を含んだ様子でもう一人の友人──園辺優花へ注意を向ける。
二人の驚きと心配は尤もだった。
なにしろあの日、九死に一生を得て生還した日から、優花はまるで生気を失くした様に無気力状態に陥っていたのだ。
本来なら、少し勝気な言動が目立つ良くも悪くもパワフルな少女なのだが、口数は激減して友人達が連れ出さなければ一日中自室の椅子に腰かけ、外をボーっと眺めているだけという重症振り。
居残り組の中でも一際精神的ダメージが深い者として認識されていた訳であるから、そんな優花が自主的に話し出した事は確かに驚くに値する出来事だった。
しかし当の本人はそんな友人二人の様子にも気が付かない様子で、虚空を見つめたまま言葉を続ける。
園部「……そうだよね。
雫だけじゃない、香織ちゃんや坂上くんも、恵理ちゃんや遠藤くんも、永山くん達も、檜山達も、きっと天之河くんだって……変わらない。
でも、彼は違う……。天之河くんだって、同じなのに……、なら……もしかして……。」
意味を成さない言葉の羅列。誰に聞かせるでもない、心情の吐露。
ずっと塞ぎ込んでいた優花の中で、何かが動き出した。
園辺優花。
──あの日、【オルクス大迷宮】で暗闇へと消えたハジメに、トラウムソルジャーの凶刃から間一髪で救われた女子生徒こそ、彼女だった。
何も知らない者がいれば、その関係を邪推していただろう。
しかし、優花の回答と表情を見れば、ハジメに対し恋慕とまでは言わずとも複雑な想いを抱いているのは明らかだった。
優花としては、自分の言葉に偽りは無かった。ただ、本当に無駄にしたくなかったのだ。
救われた自分の命も、ハジメの選択も。彼は自分達を進ませる為にあの時あの選択をしたのだ。
なのに救われた自分が立ち止まっているなんて、彼に対する酷い裏切りに思えて。
そんな自分にだけは成り下がりたくなかった。
そんな優花の脳裏に浮かぶのは、ただ一人巨大な敵に対して立ち向かい、仲間の道を切り開かんとする"彼"の背中。
それはまるで、物語に出てくる騎士王の様で……。
一人ブツブツと呟く優花に心配そうな表情を深める奈々と妙子だったが、虚空を見つめる優花の瞳が少しずつ光を取り戻していく様を見て、互いに顔を見合わせる。
優花の様子に何事かと注目していた他の生徒達も、互いに顔を見合わせて困惑の表情を浮べている。
園部「ニアさん、愛ちゃん先生の出発って何時でしたっけ?」
ニア「愛子様ですか?確か……明日の朝には出ると聞き及んでおりますが。
行先は湖畔の町ウルですので、帰還には二~三週間かかると思います。」
園部「うわぁ、明日か……うん、逆に良いかな。こういうのは時間を置くと萎えちゃうし。」
ニアの返答を聞いた優花は苦笑いしつつ、勢いよく椅子から立ち上がった。
その躍動感と力強さを感じる動きに、奈々と妙子は思わず瞠目する。ここ最近全く見なかった友人の姿だ。思わず奈々が問う。
奈々「ちょっ、ちょっと優花っち。いきなりどうしたの?訳わかんないんだけど。」
優花「うん、なんていうか……いい加減じっとしてられないなって思ってさ。
だから私、明日の愛ちゃんの遠征に付いて行くよ。」
さらりと告げられた優花の決断に、奈々や妙子だけでなく居残り組全員がポカンと間抜け面を晒す。
それも当然だろう。優花こそ、心折られた生徒の筆頭という有様だったのだ。
空虚な瞳と無気力な態度、時折恐怖に顔を歪める……。
王国に帰還してから、ずっと優花が見せていた姿だ。
それがいきなり元に戻った様で、奈々達は困惑せずにはいられなかった。
淳史「お……おい、園辺。マジでどうしたんだよ?何かお前、おかしいぞ?ちょっと落ち着けって。」
我に返った淳史が、何やら焦った様子で窘めの言葉を送る。
「私は落ち着いてるわよ淳史くん。それにいきなりじゃないし。
……ずっと、このままじゃいけないとは思ってた。
"彼"が死んで、怖くて、訳わかんなくて、頭の中グチャグチャで……でも、何かしなきゃって思ってた。
それは淳史くんも、皆も一緒なんじゃない?」
「っ……。」
優花の言葉に、淳史は息を呑む。同時に、言葉も飲み込んでしまったかの様に口を閉ざした。
他の居残り組は、総じて気まずそうに視線を逸らしている。
そんな仲間の姿に、しかし優花は何を言うでもなく、寧ろどんな気持ちなのかはよく分かっていると言いたげに肩を竦めると、サロンの扉に向かって歩き出した。
淳史「ま、待てよ園辺!本当に行く気か!?今度こそ本当に死ぬかもしれないんだぞ!
ここは漫画の世界でも映画の世界でもないんだっ、ご都合主義なんて起こらないんだぞ!
だから……だからアイツは死んじまったんじゃねぇか!
誰よりも強かったのに馬鹿やらかして、あっさり死んじまったじゃねえかっ!!俺は!
俺はアイツみたいな馬鹿にはなりたくない!園辺……お前も早まるなよ。」
激しい剣幕で叫んだ淳史だったが、次第に力を失って俯きながら優花を引き留める。
そんな淳史に……否、居残り組の仲間達に、優花は振り返らず静かな声音で答えた。
優花「……でも、その"馬鹿な人"に私は救われた。……ううん、私達皆が救われた。」
淳史「それはっ」
優花「別にさ、淳史くん達もついて来いなんて言わないよ。ただ、私は無駄にしたくない、それだけ。
勿論、一緒に行ってくれる人が多いなら嬉しいけどね。」
肩越しに振り返り少し強張った表情で、それでも笑みを浮かべる優花に淳史は開いた口が塞がらない。
だがやはり言葉は出ず、そのまま糸の切れた人形の様に椅子へ腰を落とした。
???「そうか、それなら許可をもぎ取っておいて正解だったな。」
「「「「「「!」」」」」」
黙り込んでいた空気の中、優花を含めた居残り組は突如響いた声の主の方へ視線を向けた。
優花「清水くん?どういうこと?」
トシ「ふっふっふっ、お前らのことだ。
どうせ外に出ないと何も変わらないだろうと思っているけど、死ぬのが怖いから迷宮へはいけない。
なら、比較的安全な先生の護衛ならいけるかもしれない、って考えると思ったからさ。」
扉の先の壁に寄りかかっていた人物、我らが魔王の参謀、清水幸利が意味ありげに笑みを浮かべ、彼らに話しかけていた。
淳史「清水、お前も行く気か?もしかしたら、本当に死ぬかもしれないんだぞ?」
淳史が焦った様子でトシを引き留めようとする。しかし、それを気にせず幸利は続けた。
トシ「俺も本当なら迷宮に潜りたいがな、あまり一か所に留まるのもどうかと思ったんだ。
それに、もしハジメが生きていたら、迷宮とは別の場所で会えるかもしれないからな。
そういうわけで、迷宮攻略は遠藤達に任せた。なら俺は、俺にできることをやった方がいいだろう?」
淳史「……で、でもっ「俺だって死ぬのは怖いさ。」!なら、何で……。」
トシ「それを覚悟した上で、俺は先生の護衛についていく。
たった一人で立ち向かったアイツの様に、死ぬ気で覚悟決めねぇと、この先に未来なんてねぇよ。」
その目は何かを決意していた目だった。優香以外の居残り組はその視線に何も言い返せなかった。
幸利は、死ぬ危険性も承知の上で遠征についていくことを決めたのだ。それは優花も同じだ。
トシ「そういう訳で、だ。
先生には予め事情は話してあるし、他にも名乗り出るかもしれないことも伝えてある。
後は、お前ら次第だ。ここで腐っているか、それとも自ら変わろうとするか、二つに一つだ。」
優花「そう、わかった。私も行くよ。」
優花も賛成し、そのまま部屋を出ていこうとしたその時……。
淳史「ま、待てよ!」
トシ「?」
淳史「だったら、俺も行ってやる!俺だってやれるところを見せてやる!」
なんと、さっきまで否定的だった淳史が、自ら参加を名乗り出た。それには、他の居残り組も驚いていた。
トシ「……そうか。それで、他の奴はどうする?」
幸利は改めて彼らの方を向いた。
それに影響されたのか、他の者達も参加表明を出した。
明人「な、なら俺も行くぞ!淳史だけにカッコつけさせるか!」
昇「お、俺もだ!別に一人が怖いからじゃないからな!」
奈々「優花っちがアイツに救われた事を無駄にしたくないなら、私だって優花っちに救われた事を無駄にしたくないし。
優花っちが行くなら、私も行くよ~。」
妙子「うん。優花だけ見送るなんて出来ないよね。
それに私も、無駄にしたくないって想いは同じだから。」
ハジメに助けられた優花は、恐慌状態に陥っている周囲を正気に戻し、一部の生徒達の態勢を整えて仲間を守った。
その一部の生徒には、他の面々も含まれていたのだ。
優花によって正気を取り戻せた事が自分達の命を繋いだ事を、彼等も分かっていた。
だから優花が立ち上がるというのなら、彼等にも留まるという選択肢は無かった。
優花「皆……。
ふふっ、それじゃあ愛ちゃんを魔物と教会から派遣されるイケメン護衛騎士達から守る旅に、一緒に行こうか。」
トシ「よし。それじゃあ早速、遠征の準備しないとな。明日は早いし、寝坊するなよ!」
「「「「「「お~!!」」」」」」
朝靄のかかる日の出前の早朝。薄らと白み始めた東の空と、朝のキンとして清涼な空気が程よい目覚ましとなっている。
しかし、そんな絶好の旅日和を約束した様な空気の中で、一人ムスッとした表情を晒す人物がいた。
畑山愛子教諭、本日の主役だ。
愛子「……皆さん、やっぱり考え直しませんか?先生の護衛なら騎士さん達がキチンとしてくれますから。」
優花「いいえ愛ちゃん先生、寧ろその騎士連中こそ危険なんです。
愛ちゃんを引き込みたい教会が送り込んだハニートラップなのは明らかなんですから。」
奈々「そうだよ愛ちゃん先生。揃ってイケメンだからって、ふらついちゃ駄目だよ?」
妙子「まぁ、どちらかと言うとミイラ取りがミイラになった感はあるけどね。
それでも愛ちゃん先生は私達の愛ちゃん先生だから、用心に越した事は無いし。」
昨夜の内に準備を済ませ、愛子に付いていく事を宣言した優花、奈々、妙子の言葉に愛子はガクリと肩を落とした。
既に幸利と話をした時に危険だからと散々した説得は全て空振りだったのだ。
最早何を言っても無駄なのは明白である。
因みに、優花の言う様に教会が愛子に対してハニートラップを仕掛けているというのは邪推ではない。
愛子の王国各地の農地改革・開拓の遠征には神殿騎士の護衛隊が付いているのだが、それが揃いも揃ってイケメンばかりであり愛子にアプローチをかけているのだ。
それもこれも、この世界の食料事情を一変させる可能性を秘めた愛子を繋ぎ止める為。
尤も、妙子の言った様に生徒達が愛子に好意を寄せるのと同じ理由で、今やイケメン騎士軍団は愛子信者になりつつある。
愛子本人は乙女ゲームの主人公の様に気付いてないが。
愛子は自分を心配して、或いは慕って付いて行きたいと言ってくれる事や、もう一度頑張りたいと奮い立ってくれた事に嬉しく思いつつも、やっぱり危険性を否定できない旅の同行に複雑になる頭を抱えていた。
トシ「まぁ、先生。先生がみんなに好かれていることは今に始まった事じゃないでしょう。」
愛子「それは……少し複雑な感じですね。」
淳史「ま、俺達もこのままじゃなんだかなぁ、って思ってな。」
昇「万が一騎士たちが強硬姿勢でも取ったら、女子だけじゃ大変でしょう?」
明人「そういう訳なんで、よろしくお願いしま~す!」
男子達も意思は揺るがない様だった。
「愛ちゃん護衛隊ここに結成!」と号令が飛べば、皆緊張と恐怖を表情に浮かべながらも元気よく「応っ!」と返す。
その後、神殿騎士達と小さな衝突を繰り返しつつ一行は農地改革・開拓の遠征へと出発した。
"もう一度"と、決意を胸に秘めて。
愛子「うぅ、また流されてしまいました……。生徒一人説得できない、私はダメな先生です。ぐすっ。」
馬車に揺られながらしょげる愛子。
その様子にイケメン騎士達が身悶えているのは言うまでも無く、手を出そうとする彼等へ優花達が「ガルルッ!」と唸り声を上げたのは言うまでもない。
トシ「フフッ、先生はやっぱり人気者だな。」
道中、絶えず愛子を挟んで火花が散り、護衛対象である筈の愛子の胃がマッハでダメージを受けていたのだが……幸利以外それに気付く者はいなかった。
幸利は思った。もうちょい、静かな人に声かければよかったかなぁ、と。
<愛子先生サイド終わり>
<ハジメさんサイド第二ラウンド>
ハジメ「え~と、ごめんね?せっかく作った迷宮を壊しちゃって。後で時間巻き戻して治すからさ。」
???『……いいよ、謝らなくて。……私もやり過ぎた感が否めないし。
……それにユエ姉やシアちゃんから聞いた話だと、ぶっ殺してくれるんでしょ?あのクソ野郎を。
……実力も十分すぎるから、神代魔法もあげる。』
どうやら許してもらえたようだ。
よかった~、もし迷宮直しても許してもらえなかったら、南雲家秘伝奥義"必殺土下座"をやらねばいけなかった。
唯なんだろう、若干やけくそ感がするなぁ……。一応、迷宮は治していくとして。
ハジメ「改めまして、俺は南雲ハジメ。
最高最善の魔王になる男にして、偉大なる先達オスカー・オルクスの遺志を継ぐ者だよ。
それで君は……ミレディ・ライセンで合っているよね?」
???『……そうだよ。私がこの迷宮の主、ミレディさんだよ。』
やはり、このゴーレムに魂を移していたのだろう。
それにしても、生きている解放者に合えたことは非常に運がいい。
色々と聞きたいことがあったんだ。
ハジメ「そういえば、どうして君はゴーレムの体になっているの?
オスカーの手記には人間だったことが書いてあったけど……。」
ミレディ『……そうだね、しいて言うなら別の神代魔法かな?後は自分で探して。』
ハジメ「……そっか。」
まぁ、簡単に教えてはいけないものだろうしなぁ……。
出来ることなら、再生に関係する神代魔法のことも聞きたかったけど……この状態じゃ無理そうだなぁ。
そこでふと、気になった質問を上げてみた。
ハジメ「そういえば、君はこれからどうするの?あのクソ神がいなくなった後とかのことも考えていたりするの?」
ミレディ『……そうだね、どうしよっか?
正直、君たちがクソ野郎を消すまで暇だし……
その後のことなんて、考えもつかなかったからなぁ……。』
ハジメ「……。」
俺にはわかっていた。この子はきっと、あのクズ野郎が死んだ後、仲間の下へ旅立つのだと。
でもそれって、何か後味が悪いよね。
ハジメ「そっか。
それなら君がうっかり死んじゃっても、君の仲間は文句を言えないよね。」
ミレディ『……何が言いたい訳?』
俺のわざとらしい挑発に、目論見通りミレディが乗ってきた。なら後は……彼女が素直になるだけだ。
ハジメ「いやなに、君を遺して死んでいった仲間たちが、神が討ち果たされた後の世界を教えてほしいとか、自分たちの分まで生きてほしいとか、生きている君にしか託せない願いがあったとしても、それを簡単に踏みにじることのできる権利は、君にあるんだからね。
誰も責めやしないさ!って言いたかったんだよ。」
ミレディ『……るな。』
ハジメ「ま、所詮はその程度の絆だったんだ。
さっさとそんな奴らのことなんて忘れて、自分のしたいようにすればいい!
さぁ、喜べよ!これが今まで望んでいた自由──」
ミレディ『それ以上語るなぁ──!!!』ガッ!
俺の挑発にキレたのか、ミレディがとびかかってきて、俺を押し倒した。
ミレディ『さっきから聞いていれば勝手なことばっかぬかしやがって!
ミレディさんがいつ、皆の願いを踏みにじった!?皆との絆がこの程度なんて言った!?
ふざけるなよ!
私だって、皆の分まで生きたいし、クソ野郎がいなくなった後の世界のことも話したいよ!』
それは決壊したダムの水の如く、止まることのない慟哭だった。
ミレディ『……それでも、私にそんな資格はないよ!私がもっと頑張っていれば、皆も死なずに済んだのに!
一矢報いることも叶わないで!守ろうとした人達からも追われるようになって!
それなのに……自分一人だけ平和な世界でのうのうと生きていけるわけないじゃないか!
せっかく未来へ繋ぐ決意までして!たった一人で頑張ってきた私の気持ちが、君に分かるわけないでしょ!』
ハジメ「……。」
胸ぐらを掴んでまで吐き出してきたその言葉に、俺は淡々と返した。
ハジメ「……分からないよ。寂しい時に寂しいって言えない人の気持ちなんて。」
ミレディ『!』
ハジメ「ホントはどうしたかったの?君にはどんな願いがあったの?
それを素直に言えない人の気持ちなんて、分かるわけがないよ。」
俺が質問を投げかけた時、ミレディは俺の胸ぐらから手を放し、俯いたまま涙をこぼしていた。
ミレディ『……いよ。』
ハジメ「?何ていった?」
ミレディ『寂しいに決まっているじゃん!皆がいなくなっていく度に、涙が止まらない位悲しかったよ!
今だって、たった一人でここにいて、辛いと思ってもやめられないことに苦しいって思ったよ!
私だって、皆と生きて掴み取りたかったよ!自由な意思の下にある未来を!』
それは、解放者としてのミレディではなく、たった一人の少女のミレディとしての願いだったのだろう。
嗚咽しながらも必死に紡いでいたその言葉は、決して嘘偽りのない心からの叫びであった。
ミレディ『もう嫌だよ、こんな寂しいの……。』
ハジメ「……そっか。」
そういうと、ミレディをどかして立ち上がり、俺はドライバーを出現させた。
ハジメ「じゃあ、叶えに行くか。その願い。」
ミレディ『………………え?』
そんなミレディを横目に、俺はドライバーの両端に触れ、あの言霊を発した。
ハジメ「"変身"。」
ゴォーン!!!
『祝福の刻!』
『最高!』(より良く!)ガチャッ!ガキンッ!
『最善!』(より強く!)ゴキッ!ゴキンッ!
『最大!』(より相応しく!)シュルルルル!シュパンッ!
『最強王!!!』(仮面ライダー!)パァァァ!ガチーン!
『≪オーマジオウ!!!≫』
変身が完了した私は、オーロラゲートを開いた。
ハジメ「ついてくるといい。いいものを見せてやろう。」
そう言って私は、オーロラゲートを通り、とある場所に出た。
そこは、【ライセン大迷宮】の真上にある荒野で、周りに何一つない場所であった。
ミレディとユエ、シアが来たのを確認した私は、彼女たちを下がらせ、再びパーフェクトゼクターを構えた。
すると、どこからともなく全ゼクターが飛んできた。
ザビ―・ドレーク・サソードの三匹はいつも通りの位置に着いた。
二匹のホッパーゼクターはドレークの羽の上に位置し、カブト・ガタックは裏の部分に合体した。
そして、ケタロス、ヘラクス、コーカサスの三匹はカブトゼクターの両脇とパーフェクトゼクターの先端にそれぞれ合体した。
これこそが真なるパーフェクトゼクター・All Zector Combine verである。
それを一旦下に下げた私は、ドライバーの両端に触れた。
『≪終焉の刻!≫』
その音声が鳴ったと同時に、先程迷宮を貫いた閃光とは比べ物にならないほどの魔力が、パーフェクトゼクターに流れ込んだ。
ハジメ「久々だなぁ……こんな感情はァ。」
そう呟きながら、私はそれを天に掲げ、照準をねちっこい視線へと定めた。
そしてそれを捉えた瞬間、引き金を引いた。
『≪逢魔時王必殺撃!!!≫』
その日、世界から一瞬音が消え、【ライセン大峡谷】から一筋の閃光が上がった。
その近くにいた魔物たちは、その轟音と込められた魔力に慄き、その場からの離脱を図った。
そして、その閃光は空へと昇っていき、とある場所へと到達した。
そこは"神域"と呼ばれており、堅牢なる結界によって守護された神の聖域とされていた。
そこにいた一つの影が、とある人物を忌々しそうに睨みつけ、そのそばにいる少女に向けていやらしい視線を向けていた。
???「……フン、駒風情が。まさかまだ生きていたとはなぁ、その執念にはもはや経緯を抱きたいものだ。」
そんなことを思ってすらいないくせに、わざとらしく言い募る影。
この影こそ、全ての元凶であり、存在してはならない悪神エヒトである。
エヒト「しかしまぁ、あのイレギュラーは面倒だ。早々に消してしまった方が良いかもしれんなぁ。
よし、折角だ。ここにいる使徒たちにでも始末させるか。」
そう言って、使徒達の保管装置の方を向いた瞬間であった。
エヒト「!?こ、この魔力は!?」
慌てて下を向くと、件のイレギュラーが鎧を纏い、ごつい形の銃をこちらに向けていた。
エヒトはそれが自身を狙ったものだと思ったが、直ぐに落ち着きを取り戻した。
エヒト「フン、何をするかと思えば。そんなものがこの神域に届くわけが無かろうに。
本当に愚かなものだなぁ、人間とは。」
届かないと知るや、いきなりふんぞり返るこの自称神。
……我らがハジメさんがいたらこう呟くであろう。「と思っていたのか?」と。
ズガガガガガガァァン!!!
その瞬間、その閃光は神域に張り巡らされていた結界をぶち抜いた。
エヒト「!?なっ、何ィ!?」
エヒトは咄嗟に瞬間移動技能"天在"を使用し、それを避けて見せた。
エヒトは焦っていた。
いとも簡単に"神域"に対して攻撃を仕掛けられるものがいるとは夢にも思わなかったのだから。
しかし、降りかかった不幸はそれだけではなかった。
それは、その閃光が通り過ぎ、衝撃によって起こった霧が晴れた頃であった。
エヒト「ハァッ……ハァッ……。まさか、ここまでの脅威であったとは。
これは一刻も早く消さねば!こうなったらここにいる全ての使徒たちを向かわ……せ……」
何故、エヒトが黙ってしまったのか、それはコイツの視線の先の光景が原因である。
そう、エヒトがいた場所は、保管装置の近くであり、その閃光は装置を巻き込むほどの大きさだったのだ。
気づいた時には既に遅し。装置は中の使徒ごと閃光に飲み込まれ、きれいさっぱりなくなっていた。
エヒト「い、イレギュラァァァァァ!!!」
エヒトの怒声が"神域"に響き渡った。そして忘れていることがもう一つ。
"神域"の壁が破壊されていることで、その絶叫が下の世界に響いている事なのだ。
尤も、コイツにそれを確認する余裕すらも頭の片隅にはなかったようだが。
エヒト「エーアスト!エーアストはいるかぁ!」
エヒトは自分の使徒の一人を呼び出した。あのイレギュラーに目にもの見せてやろうと。
しかし、コイツは喧嘩を売る相手を間違えてしまっていたのだ。
何せ相手は、最高最善の魔王の力を持った天災であるからだ。
空に昇って行った閃光を見つめながら、唖然としているユエ、シア、そしてミレディ。
そんな彼女に向けて、私はこんな言葉を送った。
ハジメ「時に、ミレディ・ライセンよ。
お前の戦いは既に終わったような雰囲気を醸し出していたようだが、それは違うぞ。」
ミレディ『!』
ハジメ「まだ終わっていない。ここから始まるんだ。
お前達の時計の針は、たった今動き出したのだから。」
ミレディ『……。』
ハジメ「いい光景であろう。
これからは、胸糞の悪い空に風穴を開けることも、偽神を脅かすことも可能なのだ。
これこそが、お前達の求めていた、真の自由の第一歩である。」
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
何故トシが特訓に参加できなかったか、それについては、第三章で明らかに致します。
そしてミレディさんの涙を見た我らが魔王、今回もマジギレです。
マキシマムハイパーサイクロンを思いついた時から、この展開は立てていました。
本当は奴本体にぶっ放しても良かったのですが、それは最終章で思いっきりぶん殴ってもらう予定なので、とっておきました。
まぁ、神の使徒が激減したことにはさすがにキレるでしょう。ザマァ。
次回で第二章は終了です。その結末を、お楽しみに!
宜しければ、高評価・コメント宜しくお願い致します。
追記:リースティアさん、刻乃時王さん、オロゴンさん、晶彦さん、誤字報告ありがとうございました!
Episode30
???「あなた方をここで排除いたします。」
神の使徒、襲来!
ミレディ「私、前に進むよ!」
ミレディ、決意表明!
ハジメ「これは……本当なのか?」
ハジメが見たものとは一体!?
「リスタート・フリーダム」
君のハートに、TargetLock!
エヒトの処刑法は?
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勿論、終焉の時! 逢魔時王必殺撃!
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GER(無駄無駄ラッシュで死に続き)
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汚物は消毒だァ!
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闇遊戯「闇の扉が開かれた」
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毛根絶滅
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G地獄
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身体を引きちぎっては治すの繰り返し
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やらないか♂
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金的ブレイク
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バックトラックでひき殺す
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ブロリーMAD名物による血祭り
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これまでの被害者たちによる私刑執行
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モノクマによるお仕置き執行
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ダーウィン賞を片っ端から執行
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ヤバいものを色々体内にぶち込む
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鬼灯様による理不尽のフルコース
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存在ごとエネルギー変換
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激辛地獄