ありふれない錬成師は最高最善の魔王の力で世界最強を超越する 作:天元突破クローズエボルハザード
今回で第3章は終わりです。
町に迫る大軍をいきなり圧倒するハジメ。
彼の次の一手とは!?そして、トシは、ウルの町は、一体どうなる!?
今回もキレたハジメさんの一撃が、不届き物に裁きを下す!
急展開の第三章第8話、それではどうぞ!
ハジメ「さて、まずは仕分けと行くか。」
私はそう言うと、分身達を魔物共の周りに配置した。
いきなり周りに敵が現れたことに、魔物共は驚いた。が、判断が遅い。
ハジメ「貴様等にはこれがお似合いだ。"
分身を含めた私が一斉に呪文を唱えた。その瞬間、重力を帯びた黒球が魔物共を一体ずつ包んだ。
魔物共は藻掻き苦しみ、悲鳴を上げながら抜け出そうとしたが、無駄なことである。
ハジメ「あぁ、言っておくが藻掻けば藻掻く程、その魔法は底なし胃袋へと通じるようになっている。
精々、今この瞬間を大事そうに味わうがいい。」
重力魔法の"黒天窮"の引力を強化し、対象の身を捉える魔の大口だ。
そう簡単に抜け出せるはずもない。安心しろ、その身全てが私の糧となるのだから。
ハジメ「さてと、他は分身達に任せて、我が友の目を覚まさせて来るとするか。」
そう言って私は、乗っていた魔物を消され、地に落ちた黒ローブの男の元へ行った。
彼はあまりの理不尽に癇癪でも起こしているのか、ジタバタしながら喚いていた。
流石に見苦しいので、一気に背後に回ると、黒ローブの男は驚いて振り返った。
???「何だよ!何なんだよ!ありえないだろ!本当なら、俺が勇者ガッ!?」ドサッ!
ハジメ「少し待っているがよい、我が友よ。元凶を始末した後、直ぐに目を覚まさせてやろう。」
そう言うと、気絶した黒ローブの男の顔を覗き、改めてトシであったことを確認した。
そして、その懐にエナジーアイテム「目覚まし」を忍ばせると、後ろから狙ってきていた水魔法を弾き飛ばした。
ハジメ「そこか、ちょうどよかったところだ。」
トシをオーロラカーテンの中に放り込み、宿のベッドに移動させると、私はこの事件の黒幕の元へ向かった。
そこには、一匹の大型の鳥のような魔物の上に、トシのような見た目をした歪な異形がいた。
胸元には数字は描かれていないものの、「Shimizu」とローマ字で書かれていた。
言うなれば、「アナザー清水幸利」といったところか。全くもって腹立たしい……。
アナザートシ「ッ!?き、貴様はッ!?」ドゴォッ!
奴が何か言葉を発する前に天高く打ち上げる。ついでに魔物にも"
そのまま奴を追いかけて引っ掴むと、オーロラカーテンで外壁の上に移動した。
アナザートシ「!?」
ドガァッ!バギィッ!ドゴッ!ズガッ!
そのまま地へ叩き伏せ、力の限り殴り続けた。
たとえ相手の変身が解除されようともお構いなく、死んだのであれば時を戻して再開し、相手が何かを発することも技能を発動することも許さず、ただただ殴り続けた。
我が友を利用し、罪を擦り付けようとしたのだ。この程度で済ませるわけがないだろう。
だが約1時間後、流石に飽きたので奴を一旦気絶させ、能力をブランクウォッチに封じ込めた。
正体はやはりというか、分かってはいたが魔人族であった。
もう興味もわかないので、その場に放り投げた。
分身達の方へ眼を向けると、もう既に魔物共は全滅していた。
何人かは山に香辛料や山菜を取りに行ったり、川魚や野生の熊などを狩りに行っているようだ。
終いには、自分たちで麻雀やドンジャラ、オセロやチェス、UNOにポーカーまで始めようとしている者までいる始末だ。
折角勝利を収めたというのに、我ながら何をやっているんだと思ってしまった。
取り敢えず、遠くに行っていた分身達を招集して解除する。
採取したものはコネクトでしまっておく。後で、村の倉庫にでも送っておくか。
まぁ、いくつかは貰っておこう。料理の幅が広がるのでな。
幸いにも民衆にその様子は気づかれてはいなかった。まぁ、ユエ達にはバッチリみられていたが。
ハジメ「……どうやら、分身達が上手く心のバランスを保ってくれたようだな。」
シア「いや、ハジメさん。あれ、完全に遊んでいるだけですよね!?」
ハジメ「……気のせいだ。」
ミレディ「まぁ、あれが無かったらさっきよりも酷い惨状になっていたかもね。」
ユエ「……ん。町の人達も、発狂していた。」
ハジメ「……善処しよう。それと、まだ終わってはいないぞ。」
ユエ・シア・ミレディ・ティオ「「「「!?」」」」
驚くユエ達を尻目に、私はサイキョージカンギレードを呼び出し、ドライバーの両端に触れた。
『≪終焉の刻!≫』
その音声と共に、サイキョージカンギレードを手に取ると、そのまま天に向けて構えた。
ハジメ「折角の機会だ、この落とし前は貴様がつけるがよい。」
そう言うと、私はサイキョージカンギレードのトリガーを引いた。
すると、以前放った閃光と同格の魔力が、先端に込められた。
ハジメ「王の裁きを喰らうがいい……
"
その剣技の名を言霊として発すると、込められていた魔力が形を成した。
以前ユエが使っていた"雷竜"とは違った、日本神話に出てくるであろう"龍"の形をしていた。
『≪逢魔時王必殺撃!!!≫』
その音声と共に、私は天に向かってサイキョージカンギレードを突き付けた。
すると、剣に纏っていた龍が、空へ登らんとするが如く翔け出した。
それはまるで、この町の守り神が天へと昇っていったかのようだった。
まぁ、胴体に「ジオウサイキョウ」などと描かれていれば、流石に戸惑うであろうが。
それは唐突であった。空に向けて一匹の龍が舞い上がったのだ。
その龍は、膨大な魔力で構成されており、同時に怒りの感情も含んでいるかのようだった。
その龍はかつてハジメが一撃を与えた、"神域"の防護壁を突き破ろうとせんと言わんばかりに迫っていた。
まるで、主の怒りを体現したかのように、その龍は咆哮を轟かせながら、邪神の住まう地へと突き進んだ。
エヒトは恐怖していた。何故、あのイレギュラーは死なないのだと。
アルヴヘイトに魔人族を仕向けさせ、人間族と魔人族による盤上の遊戯を行うつもりが、たった一人のイレギュラーによって全てひっくり返されてしまったのだ。
しかも、今回の黒幕であった魔人族が操っていたのは、よりにもよって件のイレギュラーの仲間だと思われる者なのだ。
結果、その魔人は惨敗。操っていた者も奪い返され、魔物共に至っては全滅。
その上、以前「私はあなた方の協力者です。」などと言ってやってきた、謎のローブの男が献上してきた、未知なるアーティファクトも意味をなさず、その場で砕かれていった。
それだけ、あのイレギュラーの怒りは計り知れなかったのだろう。
恐らく次は自分に向けてやってくるに違いない。そう思ったエヒトだった。
―――まぁ、もう既に遅すぎたのだが。
次の瞬間、「グルゥウォォォオオオ!!!」
という咆哮が轟きわたり、かつての閃光の様に、神域の結界を破壊しつくした。
しかも以前とは違って、一直線上ではなく滅茶苦茶に進んでは、辺りを破壊しつくしていった。
ズガガガガガガァァン!!!
エヒト「!?まさか!?」
それを見たエヒトは驚きの余り、"天在"を発動することすら忘れていた。完全に不意打ちだったのだ。
その龍はエヒトを見つけるや否や、目にも止まらぬ速さでその場所に迫った。
エヒト「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
そんな情けない悲鳴を上げながらも、実に醜い生存本能故か、"天在"を咄嗟に発動させ、直撃は免れた。
……かに思われた。
エヒト「ハァッ…ハァッ…イレギュラーめ!もう許さん!使徒共!今すぐ奴を……!」
そう言いかけたエヒトだったが、ふと己の左半身が軽いことに気づく。そこに目をやると……
無かったのだ。左腕が。左肩ごとざっくり持っていかれていた。
過ぎ去って言った龍の方を見ると、ところどころ返り血があり、その口にはなんと……
己の左腕だったものが銜えられていた。
それを見たエヒトは、あまりの激痛と恐怖に満ちた声で、下界にも聞こえているにも拘らず、悲鳴を上げた。
エヒト「ア゛、ァ゛ァ゛ァ゛、ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッッ!!!???」
それはまさしく、今まで苦しめられてきた者達の怒りを代弁したかのような一撃だった。
それはまさしく、「これがお前の行ってきたことへの報いだ。」と言わんばかりの一撃であった。
それはまさしく、最高最善の魔王による、神への殺害宣言であった。
まるで自分は、いつでもお前を殺せる、とでも言っているかのような一撃であった。
この時、エヒトは生まれて初めて後悔というものを覚えた。
自分は手を出してはいけない相手に手を出してしまったのだ、と。
その強さは正しく"王"でありながらも、神すら凌駕する力であった。
恐らく以前のように、異端者認定によって民衆を差し向けたとしても、彼は動じないだろう。
全ての敵を蹂躙しつくし、この世界を破壊しつくすまで止まることはないだろう。
そう感じさせられるほどに、あのイレギュラーは圧倒的だったのだ。
我ながら先程の一撃は素晴らしいものだと思った。画竜点睛とはこういったことだな。
あれだけ激しい音が鳴っているのであれば、"神域"とやらもただでは済まないだろう。
いやはや、先程吸収した魔物共のエネルギーに加え、爆発一歩手前まで溜め込まれた怒りを込めたのだ。
吐き出した後はやはり、爽快感しか残らない。まぁ、燃費が悪い上に、一回きりなのがネックだが。
ハジメ「む?何だあれは?」
先程撃ち出した龍が、口に何かを加えてやって来ていた。
それは、人の腕の形を模した光であった。
尤も、光というにはあまりにも汚すぎて逆に赤黒いヘドロのように見えた。
ハジメ「ふむ……触れるのは流石に御免被りたいな。とはいえ折角持ってきてくれたのだ。
凍らせてケースに入れてから、じっくり観察するとしよう。」
そう言って、そのヘドロ擬きを凍らせ、錬成で作った即席ケースに入れて、観察した。
ハジメ「……!」
ユエ「ハ、ハジメ?」
不思議がっていたユエが恐る恐る聞いてきたが、今はそれどころではない程に、私は込上げてくる笑いを抑えきれなかった。
ハジメ「クッ、クックックッ、クッフッフッ、クッハッハッハッハッハッハッハ、ハーハッハッハァ!!」
余りにも愉快すぎて、笑わない方がおかしい位だった。何故ならその腕は、あのクズの物だからだ。
その証拠に、ホラ、奴の悲鳴が聞こえてきた。
エヒト「ア゛、ァ゛ァ゛ァ゛、ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッッ!!!???」
ユエ・シア・ミレディ・ティオ「「「「!」」」」
そのことにようやく気付いたのか、ユエ達も驚いた表情で私を見てきた。
ウルの民や先生、クラスメイトや騎士達までも驚いていた。
そんな彼らの様子も気にせず、私は戦利品のケースを高々と掲げ、未だ茫然としている民衆に向けて勝利を宣言した。
ハジメ「諸君に告げる!此度の戦は、我々の勝利だ!
この事件の主犯格である魔人族は既に無力化して捕らえた!
そしてこの腕と先程の声は、この町を脅かそうとした黒幕の物である!
故に、この左腕を罰として抉り取ってやった!これこそが、私の真の力である!」
最初、ウルの民達はその宣言の内容があまり入ってはいなかったようだった。
それでも人々は現実とは思えない"圧倒的な力"と"蹂躙劇"に湧き上がった。
町の至る所から「ワァアアアアアツーーー!!!」と歓声が上がる。
町の重鎮やデビッド達騎士は、初めて見る私の力に魅了されてしまったかの様に狂喜乱舞していた。
クラスメイト達は改めてその力を目の当たりにし、自分達との"差"を痛感して複雑な表情になっている。
本来、あの様な魔物の脅威から人々を守る筈だった、少なくとも当初はそう息巻いていた自分達が、ただ守られる側として町の人々と同じ場所から"無能"と見下していたクラスメイトの背中を見つめているのだ。
複雑な心境にもなるだろう。
先生は、目的であったはずのトシが見つからないことに少し焦りを感じているようだな。
ハジメ『先生よ。我が友ならば、先程宿の部屋に移しておいた。
じきに目を覚ますであろうから、事情を聞いてやって欲しい。』
愛子「!?わ、分かりました!」
一応、念話で我が友の行方については知らせてはおいた。
まぁ、アナザーライダーが倒された以上、元に戻るはずだ。
さて、そこに倒れている魔人族を拘束してと……。
ハジメ「よって、明日の正午!主犯である魔人族の公開処刑を行う!
これは、此度の事件の黒幕に対する、宣戦布告である!」
民衆「ウォォォオオオッ!!!」
クックックッ、やはり人民の心を掴む事とは、とても良いものだ。我ながらとても運が良い。
残すは後処理のみなので、私は変身を解除した。
ハジメ「フィ~、すっきりした~。」
ようやく片が付いたので、肩の力を抜いた。今回は疲れたなぁ~。
ユエ「……ハジメ、それって……。」
ハジメ「うん。汚染されし左腕。」
シア「どこかで聞いたような名前ですね!?」
ハジメ「ユエ達は手袋の上から触った方がいいよ。これ、結構汚いし。」
ミレディ「あのクソ野郎が汚物扱いwww」
ハジメ「え?これ生ごみじゃないの?」
ユエ・シア・ミレディ・ティオ「「「「ブフォッ!?」」」」
?アレの腕を汚物扱いして何か違うのかな?だって、壊すしか能のないだけの腕だし。
ハジメ「まぁ、これでしばらくは手出ししてこないだろう。
異端認定されようものなら、またぶっ放すだけだし。」
ティオ「フフフ、流石ご主人様じゃ。神すら取るに足らないとは、正に王の中の王じゃな。」
ハジメ「あぁ、俺は最高最善の魔王だからね!民を傷つける奴は神であろうとも、容赦なく倒すよ。」
そうティオに対して返答する……ん?
ハジメ「ちょっとごめん、今俺の事なんて言った?」
ティオ「ご主人様じゃが?」
ハジメ「なんでさ。」
まさかのご主人様呼び。幸いにも、他の面々は勝利の余韻で気づいていないみたいだが。
ティオ「妾をこのようにしてしまったのは他ならぬご主人様なのじゃぞ?責任はとって貰うからの。」
ハジメ「責任て……。そもそもどうしてそうなったんだ。」
ティオ「ホホホ、妾の記憶を一度覗いたのじゃ。答えはもうわかっておるのじゃろう?」
ハジメ「……自分より強い男を、伴侶にする……まさか!?」
その考えに至り、ふと彼女を見ると、その顔はまさに恋する乙女の顔だった。
ティオ「洗脳されていたとはいえ、妾を圧倒しつくしておったのじゃ。それに加えて先程の一撃!
あの神が悲鳴を上げる程の一撃だったのじゃぞ!?惚れぬ女などおらぬ!
それにご主人様自身も、敵には容赦なくありつつも、その心は仲間を思う気持ちでいっぱいなのじゃろう。
そして何より、あの覇気!服従したいと思わぬ者の方がおかしいのじゃ!」
……ある意味暴論っちゃあ暴論だけど、確かに筋は通っているからなぁ……。
ハジメ「それじゃあ、竜人族のお目かけには叶ったってことでいいのかな?」
ティオ「正確には妾の、じゃがの。しかし、族長の孫である妾が見初めたのじゃ。心配は要らんよ。」
ハジメ「そう、それなら良かった。」
ティオ「じゃからご主人様よ、妾を連れて行って欲しいのじゃ!」
ハジメ「?元から連れていくつもりだよ?俺達、もう
シア「ハジメさん、仲間ですよ?」
……やっぱり元ネタが分かるツッコミ役一人連れていくか。
そんなことを思いながら、戦利品を持って戦場を後にする俺達であった。
ユエ「……これ、本当に竜人族?」
ハジメ「……伝承にも食い違いはある。でもティオは、ちゃんとした竜人族だよ。」
ティオ「む、むぅ……ご主人様に言われると何かこそばゆいのう。
それにユエよ。竜人族は高潔で精錬であると同時に、強き力を持つ種族じゃ。
それ故女は心身ともに強い男を求むのじゃ。
お主らもご主人様に独占されたいと思っておるのではないかのう?」
ユエ・シア「「!……//////」」
う~ん、身体はともかく、心はまだそんなに強くないと思う。
その理由を、俺は誰にも言わなかった。……あの時までは。
トシ「う……うぅ……ん~?」
朝日が昇り、民達が農作業の準備に取り掛かる頃の時間帯、宿のベッドの上で、幸利は目覚めた。
トシ「!ここはッ!?それに今って、いつ……ん?」
ふと、足に違和感があったので見てみると……
愛子「スゥ……スゥ……。」
看病を自ら請け負った愛子が、疲れてしまったのか幸利の足に覆いかぶさってしまっていた。
ハジメ「……ん。ようやく目覚めたか、我が友よ。」
トシ「ハジメ!?おまっ、何でここに!?」
ハジメ「シッー、ゆっくり話すから落ち着け。先生起きちゃうし。」
そう言ってハジメは、自分がこの町に来た経緯、この世界の真実、昨晩の戦況について話した。
ハジメ「とまぁ、そんな感じだ。アナザーライダーは倒したから、技能とかは戻っている筈だが……。」
トシ「!ほ、ホントだ!元に戻ってる!よかったぁ……。」
自分の技能がしっかり使えるようになったことに安堵する幸利。そして改めて、ハジメに向き合う。
トシ「ハジメ、迷惑かけて済まねぇ。それと、ありがとうな。助けてくれて。」
ハジメ「気にするな、俺達親友で
トシ「?どういうことだ?」
ハジメ「……気にするな。ただの独り言だ。」
そう言うとハジメは、愛子の体を揺すって起こすことにした。
愛子「う~ん……ハッ!?清水君は!?」
トシ「先生、落ち着いてください。俺はここですから。」
愛子「!目が覚めたんですね、清水君!」
トシ「はい、随分と心配と迷惑をかけてしまったようで……ホントすいません。」
そう言って頭を下げる幸利に動揺する愛子だったが、ハジメの言葉を思い出し、真剣な表情になる。
愛子「……本当に心配したんですよ。清水君、貴方の身に一体何があったのか聞かせて貰えますか?」
トシ「分かりました。これは、俺がみんなの元を離れる前の事なんですが……。」
そう言って話し始めた幸利の話の内容は、半分がハジメが予想していたことだった。
それは、幸利がいなくなる2日前の事だった。
幸利は、鍛錬も兼ねて一段目にて魔物の調査に出かけていた。その時はちゃんと置手紙も置いていった。
しかし、魔物たちの強さや様子がおかしいことに気が付き、もしかしたら何か不吉なことが起こるのでは、と考えたのだ。
ここは騎士団を動かしたかったが、町が手薄になるのは避けたい。
かといって、他のクラスメイトを危険に晒す訳にもいかず、どうにかして探らなければと思った幸利は、2週間前に北の山脈地帯へ独自の調査を開始した。
しかし、それが間違いだった。何と、彼の元に魔人族が現れたのだ。
その魔人族は、ストップウォッチらしきアーティファクトを幸利の方へ向けると、その力をそのストップウォッチ擬きに封じてしまい、己の体内に取り込んでしまったのだ。
取り返そうとするも叶わず、洗脳によって操られてしまった、というのが今回の事件の真実だったのだ。
ハジメ「……無茶しすぎだよ。いくら何でもあぶねぇだろうが。」
話を聞いたハジメは、怒ったような悲しいような表情をしていた。それを見て苦笑いを浮かべる幸利。
トシ「まぁ、正直俺一人でどうにかなるわけでもない、っていうことは分かっていた。でも……。」
そう言って一旦区切ると、幸利はハジメの方を向いた。
トシ「ハジメが助けに来る。なんか、そんな感じで助かる気がしちゃってさ。」
ハジメ「……お前なぁ……。」
そう言いつつも満更ではない表情になったハジメであった。
ハジメ「まぁ、迷惑かけたんなら、早速体で支払ってもらおうか。」
愛子「!?い、いけませんよ、南雲君!?そんな、男の人同士でなんて……!」
トシ「あ~、先生。多分違うと思いますよ?肉体労働とかそんな感じだろ?」
思わず赤くなる愛子をスルーし、話を続けるハジメと幸利。
ハジメ「合ってるっちゃ合ってるよ。俺達の旅に着いてきて欲しい、ってなだけで。」
トシ「……それ、罰になるのか?」
ハジメ「俺としても、男の頭数が増えるのは正直ありがたいんだよ……。」
トシ「……分かりたくないような感じだが、なんとなく分かった。」
そう言って、早速旅立ちの準備をする幸利。未だに愛子は顔を赤くしたままであった。
ハジメ「あ、そうそう。12時から主犯の魔人を処刑するから、良かったら見に来る?」
幸利「……殴っちゃダメか?操られた腹いせや鬱憤もあるんだが……。」
ハジメ「処刑前ならいくらでも構わん。欲しかった情報も全部引き出したし、後は始末するだけだ。」
幸利「了解、っと。しっかし、お前ホント容赦ねぇな。能力と情報奪った上に殺すなんて……。」
ハジメ「俺の大事な親友兼家臣に手ぇ出したんだ。この程度で済む方がまだマシだろ。」
幸利「ハジメェ……。」
愛子「南雲君……。」
敵に対して容赦のないハジメに、思わず呆れてしまう幸利と愛子であった。
とまぁ、そんなこんなでトシの容態も回復したので、早速処刑を開始する。
魔人族「クソ!忌々しい人間共め!貴様等に我らが神の裁きg「喧しいわ、負け犬!」ガッ!?」
ハジメ「全く、本当に面倒なものだな。さっさと処刑してしまおうか。」
ウィル「ハジメ殿……もう少し容赦があっても良いのでは……?」
トシ「ガチギレしているコイツに何言っても無駄だと思うよ。口調も変わっているし。」
余りにも煩い上に恨み言を宣う愚か者を踏みつける私を見て、愚か者を気の毒気に見るウィルと、呑気に話す我が友トシ。
目の前には私が作ったギロチンが置いてある。
ハジメ「では、やってしまおう。早くイルワにも報告がしたいのでな。」
ウィル「まさかの理由がただの報告!?」
ハジメ「お前も両親を一刻も早く安心させたいのだろう?」
ウィル「!そ、それは……。」
トシ「なぁ、ハジメ。お前その姿だと口調が変わるの?」
ハジメ「ハハハ、まぁ、一種の仕様だと思えば慣れるものだ。
……一応、普通には話せるけど空気としてはこっちかなぁって。」
トシ「急に戻すな。ビックリするから。」
と、小声でそんな会話をしていると、民達が集まってきたようなので、口調を戻して宣言をする。
ハジメ「ではこれより、この町に被害を及ぼそうとした罪人の処刑を開始する。
罪状は、殺人、大量殺戮未遂、犯人詐称、不敬罪、以上の罪を持って死刑とする。
処刑方法は斬首。何かを言い残す時間も与えん。さぁ、始めるがよい。」
そう言って、この町の重鎮のリーダー格を促し、刃につながっているロープを引かせる。
因みに、件の愚か者には猿轡を嚙ませてある。喚かれても面倒だしな。
そして私がパチンッ!と指を鳴らした瞬間、ロープが勢いよく引っ張られ、落ちた刃がズパンッ!という音を響かせながら、罪人の首を見事に刈り取った。
それを確認した私は、民達に向けて高らかに言った。
ハジメ「諸君、これは私だけの勝利ではない。
これは、この町に住む君たちの、願う気持ちによる勝利でもあり、"豊穣の女神"による勝利でもある!
この勝利は、この町にとっての誇りとなり得るであろう!盛大に誇るが良い!」
「「「「「「「ワァアアアアアツーーー!!!」」」」」」」
民衆は大いに喜んでいた。
それは、自分たちの努力によって、魔物の軍勢を退けることが出来たという事実に、打ち震えているようだった。
ハジメ「……さて、やることもやったから、フューレンに行くか。」
町中が勝利の熱で冷めない夕方、俺達は町の外まで来ていた。
トシ「そういう訳で皆には悪いが、俺はハジメについていくことにしたよ。」
優花「そう。精々頑張りなさい。南雲がいれば大丈夫そうだし。」
淳史「そうだ!ここで迷惑かけた分、いっぱい強くなって返しに来いよ!」
なんか、一生の別れみたいになっているけど……違うからな?
愛子「南雲君、神代魔法のことは南雲君たちに任せます。どうか、お気をつけて。」
ハジメ「あぁ、愛ちゃん先生も、"先生"であり続けてくれ。
それが愛ちゃん先生だけが持っている強さだから。後……。」
そう言って、偶々錬成の練習の一環で作った、ブローチを渡した。
因みに、自作ダイヤも埋め込んでいる。
愛子「綺麗……。」
ハジメ「まぁ、お守りの一種だと思ってもらえればいいよ。先生たちも無事でいてよ?」
愛子「あ、ありがとうございます!」
ハジメ「うん。それじゃあ行くよ。今度は醤油や味噌、忘れないでね!」
愛子「ハイ!とびっきりおいしいものを持ってきます!」
コネクトでデンライナーゴウカを呼び出し、早速乗り込む俺達。
ハジメ「あ、これ園部さんの分。」
優花「へ?わわッ!?」
俺が急に投げたブローチを、慌てながらも見事キャッチした園部さん。
ハジメ「ごめんごめん。気休めにしかならないと思うけど……折角だからあげるよ。」
優花「!だ、大事にするから!」
……園部さんや、そのセリフは勘違いされるって。
まぁ、そんなこんなで俺達はウルの町を後にするのだった。
町の事後処理に関しては、愛ちゃん先生達に任せることにした。
正直、面倒だと思ってしまったのもあるが、何故か早く行かねばという予感がしたのだ。
きっと何か良くないことが起こる前兆かもしれないので、早急に出立することにしたのだ。
この判断が、フューレンで正しかったと思うとは、まだ誰にもわからなかった。
トシ「しかし、ホントにオーマジオウになっちまったとはなぁ……俺は驚きで一杯だよ。」
ハジメ「そう?あ、後この先迷宮攻略2つ一気にやるから、2つともクリアしたら、トシにもライダーの力あげるよ?」
トシ「マジで!?そいつは楽しみだ!しかし二つかぁ……。この状態でも大丈夫かなぁ?」
ハジメ「大丈夫さ。俺考案ヘルライジング・パワーアッププランがあるから。」
トシ「名前からしてヤバそうな雰囲気なんだが!?」
帰りのデンライナーにて、そんな会話を繰り広げる俺とトシ。
そんな俺達に、皆して生暖かい視線を何故か向けてくる。
ユエ「……ん。ハジメ、楽しそう。」
シア「ですねぇ。なんか、息の合った友人が見つかってホッとしているような感じですよね。」
ミレディ「それにしても、後の2つかぁ……。メル姉のは絶対にヤバいって。」
ウィル「あ、あの~……話が見えてこないんですが……?」
ティオ「安心せい、ウィル坊。お主はまだ知らなくてもよい。
気になるのであれば、お主なりの方法で調べる方が良いのじゃ。」
ウィル「?は、はぁ……。」
なんか、向こうも向こうで楽しそうだな。まぁでも、ウィルに聞こえるのはちょっとなぁ……。
なので一応、遮音結界を張っておく。
ハジメ「取り敢えず、魔物の肉食って魔力操作覚えようや。話はそこからだ。」
トシ「ハァ!?魔物の肉って食えるのか!?てか何でそんなことだけで魔力操作が覚えられるんだよ!?」
ハジメ「詳しいことはトレーニングが始まり次第教えるよ。後、魔物肉はクソ不味い上に毒がある。」
トシ「やっぱりヤバい奴じゃねぇか!?なんでいきなり毒入り肉を食べなきゃいけないんだよ!?」
ハジメ「安心しろ、抗体や解毒、浄化技能は俺が持っているから。死にはしない。」
トシ「そ、そうか。それなら……「まぁ、死ぬほど痛いけどな☆」オイ!?」
ハジメ「シアの家族もそうやって強くなったんだ。
それにお前にはあの魔人から奪った技能で、水魔法も使えるんだ。強くなる分には問題ないだろう?」
トシ「……一応聞いておくが、他に副作用はないんだよな?」
ハジメ「……タブンダイジョウブダヨー。」
トシ「嘘をつけェ!」
何というか、また騒がしくも楽しい旅になりそうだ。そんなことを感じた俺であった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
今回出てきたオリジナル技は、ライダーの技とトータスの魔法、ハジメさんの腕前が合わさった技です。
因みに、最初のオリジナル魔法で始末された魔物たちは、ハジメさんの胃袋に送られました。
その結果が、第二撃の威力です。
後、クソ野郎の腕は、厳重に消毒・ケースで密閉した上で、コネクトでしまいました。
エヒト菌が移るので、絶対に解凍しません。
黒幕は予告した通り、アナザーライダーでした。
変身者であるレイス君には残念ですが、ここで退場してもらうことにしました。
だって、後々生かしておいたら面倒だし。技能はしっかり再利用するのでご安心を。
そしてティオさん、ハジメさんにゾッコンに。
ドМにならなかっただけ、里の男衆のショックが減ったのでこれはこれで良いかと思います。
まぁ、それでも彼女が隠れマゾなのは変わりませんけどね!
ティオ「!?」
さて今回で、第三章が終わり、旅の仲間にトシとティオが加わりました。
次章では更に増えます!あのキャラやあのキャラとか!乞うご期待を!
宜しければ、高評価・コメント宜しくお願い致します。
次回
オーマジオウ「今までこの作品は、他作品の次回予告を真似ていたが、次回からはキャラによるトークとなった。理由は言わずもがな、ネタ切れだ。
何?メタ発言は禁止だと?今更何を言うか。
大体、BGMも無いのに、なぜ最後がカービィ風なんだ。
そこはスポンサー的にポワトリンだろうに。」
もし今作品のハジメさんが、少しの間だけ別世界に飛ばされてしまったとしたら、どの世界に行くと思いますか?
-
FGO
-
ONEPIECE
-
アカメが斬る!
-
進撃の巨人
-
アズールレーン
-
鬼滅の刃
-
コードギアス
-
このすば
-
IS
-
呪術廻戦
-
ジョジョの奇妙な冒険
-
エヴァンゲリオン
-
Blazblue
-
銀魂
-
オーバーロード
-
ドラゴンボール
-
ハイスクールD×D
-
ヒーローアカデミア
-
他の原作ライダーの世界
-
並行世界(原作ありふれ)