ありふれない錬成師は最高最善の魔王の力で世界最強を超越する   作:天元突破クローズエボルハザード

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ハジメ
「お待たせいたしました。さぁて、今回のオープニングゲスト、カモン!」

「なぁ、前回淳史の説明がなかったんだが……。」
ハジメ
「……正直、女性陣のキャラが強すぎるんだよ。」

「メタいな!?流石にもうちょっとあるだろ!?」
ハジメ
「えぇ~と、投擲の的、丼好き、異世界マジシャンの三人組としか……。」

「最後のは別作品だろ!?てか何で淳史だけ"投擲の的"!?」
ハジメ
「茶化すからでしょ。
さて前回は、キル数稼ぎとゴールド・エクスペリエンス・レクイエム(終わりがないのが終わり)だったね。」

「割とえげつないんだよなぁ、アレ……。それじゃあ、第5章第5話」
ハジメ・昇
「「それでは、どうぞ!」」


52.二人は何故、戦わなければならなかったのか

再び島の中央へ向かうと、そこには最初に見たマグマのドームは無くなっていて、代わりに漆黒の建造物がその姿を見せていた。

その傍らには、地面から数cm程浮遊している円盤がある。

天井の穴がショートカット用出口だったので、本来はこれに乗って地上に出るのだろう。

 

一見扉など無い唯の長方体に見えるが、壁の一部に毎度お馴染みの七大迷宮を示す文様が刻まれている場所があった。

俺達がその前に立つと、スっと音もなく壁がスライドし、中に入ることが出来た。

中に入ると、再びスっと音もなく閉まる。

 

ハジメ「これで3つ目か。はてさて、どんな神代魔法だろうな?」

ミュウ「みゅ!楽しみなの!」

そんな俺達の前には、複雑にして精緻な魔法陣があった。神代魔法の魔法陣だ。

俺達は互いに頷き合い、その中へ踏み込んだ。

 

【オルクス大迷宮】の時と同じ様に、記憶が勝手に溢れ出し迷宮攻略の軌跡が脳内を駆け巡る。

そしてマグマ蛇を全て討伐したところで攻略を認められた様で、ミュウとオスカー以外の脳内に直接神代魔法が刻み込まれていった。

 

ハジメ「ほぅ、空間操作系の魔法か。これは使えそうだね。」

どうやら、【グリューエン大火山】における神代魔法は"空間魔法"らしい。

俺達が空間魔法を修得し、魔法陣の輝きが収まっていくと同時にカコンと音を立てて壁の一部が開き、更に正面の壁に輝く文字が浮き出始めた。

 

『人の未来が 自由な意思の下にあらん事を 切に願う。──ナイズ・グリューエン』

 

ハジメ「……シンプルだなぁ。」

ミレディ「なんというか、これはこれでナッちゃんらしいや。」

オスカー『あぁ、出会った頃を思い出すね。あの時は大変だった……。』

二人の会話も気にはなるが、折角だし本人に聞くことにしようか。

周囲を見渡せば、【グリューエン大火山】の創設者の住処にしてはかなり殺風景な部屋だと気が付く。

オスカーの住処の様な生活感がまるで無い。本当に魔法陣しかないようだ。

 

ユエ「……身辺整理でもしたみたい。」

シア「ナイズさんは術以外、何も残さなかったみたいですね。」

ティオ「そういえば、寡黙な男だったと聞いておるが……実際の所はどうじゃったのかのぅ?」

オスカー『そうだねぇ……アンディカのカジノに来たときは興味津々そうだったけどなぁ。』

カジノかぁ……。行ってみたいけど、聞いたことない場所だなぁ。

 

トシ「今行ってみたいとか思っていただろ。」

ハジメ「心を読むんじゃあない。それに聞いたことが無い場所だ、行こうにも…。」

ミレディ「もう、アンディカはないからね……。」

そうか、奴が……今は我慢だ、ミュウもいるところでブチギレるわけにもいかない。

 

香織「そ、そういえばハジメ君!ナイズさんはここにいるのかな!?」

イナバ「きゅ、きゅきゅう!(まずはご本人からお話を聞きやしょうや!)」

……気を遣わせちまったか。よし、呼び出すとするか。

俺達は拳サイズに開いた壁の所に行き、中に入っていたペンダントを取り出した。

今まで手に入れた証と少々趣が異なる意匠を凝らしたサークル状のペンダントだ。

 

さてと、早速俺が手をかざすと、眼魂が現れた。

???『……むぅ?これは……。』

どうやら成功したようだ。

ミレディ「やっほ~、ナッちゃんお久~!」

オスカー『いきなり混乱するだろうけど……久しぶりだね。』

ナイズ『!その声は……ミレディとオスカーか!?』

 

眼魂から現れた男性は、赤錆色の短髪に、鷹のように鋭く、髪と同じ色の瞳だった。

身長は2m位の筋肉質な大男で、20代くらいだろう。

彼こそが、この【グリューエン大迷宮】の主にして、"空間魔法"の使い手。

解放者"ナイズ・グリューエン"だ。

 

ミレディ「かくかくしかじかで~。」

オスカー『丸々うまうまでね。』

ナイズ『エヒトくたばれということか。』

うん、感動の話と再会時の状況整理は済んだようだな。

 

ナイズ『改めて初めまして。自分はナイズ・グリューエンだ。

自分に出来ることが何かは分からないが、戻ってきた以上力にはなりたいと思っている。

どうか、宜しく頼む。』

ハジメ「こちらこそ、頼もしい限りだよ。宜しく、ナイズ。」

そう言って、俺はナイズと手を握り合う。霊体なのに?ってツッコミはなしな。

 

さてと、静因石と空間魔法はゲットしたし、後は……コイツの対処だな。

ハジメ「取り敢えず、オーロラカーテンで治療組と護衛組を先に送るよ。俺はコイツと話を付けておく。」

トシ「……どうするつもりなんだ?」

ハジメ「見たところ、高い地位にいるみたいだからな。

神代魔法を習得している以上、下衆野郎の悪事は分かっているんだろう。

それについて色々聞かせてもらう。最悪、説得が無理なら殺すが。」

 

そういうと俺は、オーロラカーテンを出現させた。

以前までなら、クロックアップの連続使用でしか即座に移動できない距離も、空間魔法を習得した今の俺なら、これ一つで移動可能だ。

しかも前者と違って、大人数でも即座に移動が出来る優れものだ。

 

更に、オスカーから聞いた話によると、乗り物系アーティファクトの内部拡張が出来るらしい。

これなら、トライドロンでも皆の移動が可能になる。

正直、毎回デンライナーとか出すの、面倒だったんだよなぁ……。

今後は大人数でも中型ビークルで移動できるし、宝物庫も生産可能なんだよなぁ……。

ホント、ナイズと空間魔法様様だわ。

 

ハジメ「解放者にも魔人族はいるみたいだし……どうにかできないかやってみるよ。」

ミレディ「ハジメン……。」

それに、戦後復興で魔人族だけ仲間はずれなのはかわいそうじゃん。

ハジメ「香織、向こうの治療は頼んだ。用が済み次第、直ぐに帰ってくる。」

香織「うん……気を付けてね、ハジメ君。」

……何だろう、この戦地に夫を送り出す妻のような雰囲気。

 

ハジメ「取り敢えず、だ。最優先するのはアンカジの民達だ。

俺の抗体でどれだけ進行が遅れたかは分からないから、もし急を要するならすぐ言ってくれ。」

ユエ「……ん、こっちはまかせて。」

シア「そうですよ!私達もできるとこ見せてあげませんと!」

ティオ「うむ!ご主人様は気にせず、その男と話を付けるのじゃ!」

イナバ「きゅ、きゅぅう!(王様、留守は任せてください!)」

……頼もしいな、皆。

 

トシ「まぁ、お前が負けることなんてそうそうないと思うが……気を付けろよ?」

ハジメ「勿論だとも。そっちもナイズの体担当宜しく。ミュウ、いい子で待っているんだぞ~?」

ミュウ「はいなの!パパ、行ってらっしゃいなの!」

うん、やっぱりウチの娘は可愛い。さてと、さっさと済ませて母親に合わせてあげなくちゃな。

 

ミレディ「そう言えば、ナッちゃんのお嫁さんについて、聞きたくない~?」

ナイズ『オスカー、コイツを一回泣かした方が良くないか?』

オスカー『ダメだよナイズ、ハジメ君が変成魔法と木偶人形を手に入れるまでの辛抱だ。』

……う~ん、こっちはこっちでぐだぐだですなぁ。

そう思いながら、俺は皆をアンカジへ送っていった。

 


 

ハジメ「さてと……デバフ解除っと。」

早速この男、フリードを起こすことにした。まずは悪夢のデバフ解除、その後水球をぶつけた。

フリード「ブハッ!?こ、ここは……!?」

ハジメ「おはようさん。随分苦しんだようだね。」

フリード「ッ!貴様は!」

目を覚ましたフリードは、俺を見るなり鋭い目で睨んできた。自業自得だろうに。

 

ハジメ「あぁ、言っておくが無駄だぞ。お前の技能は封じてある。

空間魔法も通じないし、相棒の龍はこの様だ。」

そういって宝物庫から一つの檻を取り出す。

そこにはさっき、俺に光線を放ってきた白竜が閉じ込められていた。

まぁ、技能をウォッチに封じた上で、魔法で小さくしただけだが。

 

フリード「!?貴様ァ、よくもウラノスを!」

敵にしちゃあ名前のセンスいいなオイ。でも一文字惜しい。

ハジメ「まぁ待て。俺の話をちょっと聞いてけ。

その後に質問に答えてもらえるなら、直ぐに開放するさ。」

フリード「誰が貴様の言うことなど!「じゃあここで野垂れ死ぬか?」ッ……!」

俺の問いに、フリードは焦るような目をするが、直ぐにこちらを睨んだ。

 

フリード「……ならば、貴様諸共道連れにしてくれるッ!」

そう言ってフリードが、何やら詠唱をした直後……

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!ゴバッ!!!ズドォン!!

空間全体、いや、【グリューエン大火山】全体に激震が走り、凄まじい轟音と共にマグマの海が荒れ狂い始めた。

 

ハジメ「!?何をした!?」

突如、下から突き上げるような衝撃に見舞われるも、即座に体勢を立て直す。

激震は刻一刻と激しさを増し、既に震度で言えば確実に七はあるだろう。

マグマの海からは無数の火柱、いや、マグマ柱が噴き上がり始めている。

ふと足場の淵を見れば、マグマの海がせり上がってきていた。

 

ハジメ「重力魔法、ってわけでもなさそうだな……。となると……要石か。」

フリード「ご名答だ。このマグマを見て、おかしいとは思わなかったのか?

【グリューエン大火山】は明らかに活火山だ。にもかかわらず、今まで一度も噴火したという記録がない。それはつまり、地下のマグマ溜まりからの噴出をコントロールしている要因があるということ。」

 

ハジメ「あぁ、特大の静因石でそれをコントロールしていた解放者から聞いている。

しかし良いのか?俺は逃げられるが、お前は……。」

フリード「敵に温情をかけられてたまるものか!同胞達の様に情報を抜き取れると思うなよ!

神代魔法を同胞にも授けられないのは痛恨だが……貴様をここで足止めできるなら惜しくない対価だ!」

……めんどくせぇなコイツ。しょうがないか。

 

ハジメ「ちょっと待ってろ。今止めてくるから。」

そう言ってオーマジオウドライバーを出現させると、俺は両手をベルトに翳した。

 

ハジメ「"変身"。」

 

ゴォーン!!!

 

『祝福の刻!』

 

『オーマジオウ!』

 

そしてマグマに、ぴょーん!

フリード「ハッ!助からないと悟って自殺し「勝手に殺すな!」なッ!?」

ハジメ「馬鹿め!マグマにも耐えられるボディだ!溶けるものか!」

そう言って更に奥深く、要石があった場所らしきところまで潜る。

 

ハジメ「よし、この辺でやるか。」

そう言って俺は、因果律操作を行った。

すると、周辺から欠片の様なものが集まっていき、一つの大きな岩となって、マグマの流れていた穴に突き刺さった。

恐らくこれが要石だったのだろう。まぁ、これで噴火の心配はなくなったようだな。

 

ハジメ「ふぃ~、いい湯だったわ。あ、要石は治し終わったぞ。」

フリード「なァッ!?バッ、バカなッ!?」

まぁ、信じられないのも無理はない。だが、現在進行形でマグマの噴火が収まってきているんだ。

信じざるを得ないだろう。

 

ハジメ「さてと、噴火の心配もなくなったんだ。早速話をしよう。」

フリード「フン!私がそう簡単に口を割るとでも思っているのか?」

ハジメ「いや、今回は魔人族の情報より、アンタ自身についてなんだが。

そもそもあんた等の意思に関係なく情報位引き出せるぞ。」

フリード「何だとッ!?」

取り敢えず話が進まないので、リアクションは無視してさっさと話し始めることにした。

 

ハジメ「取り敢えず、だ。アンタが迷宮踏破者である以上、あの下衆野郎の所業ぐらいわかってんだろ?

奴だけじゃない、アルヴとかいうドカス野郎の正体も、とっくに気付いているんじゃないのか?」

フリード「きっ、貴様ァ!アルヴ様を愚弄する気かァ!」

ハジメ「知るか。下衆野郎に従うクズ共は、纏めて駆逐するだけだ。」

激高するフリードに対し、冷徹に返す。更に話を続けた。

 

ハジメ「大体、そのアルヴはクソエヒトの配下であって、この戦争自体マッチポンプによる出来レースなんだ。

俺達異世界人が呼び寄せられた理由はほかでもない。アンタが神代魔法を手にしたせいだ。

それで部下が死のうが、それは俺の責任じゃあない。文句ならテメェの親擬きに言いやがれ。」

フリード「なッ、何だとッ!?」

衝撃の事実に驚いているようだが……論より証拠ということわざがあってだな……。

 

ハジメ「信じられない、って顔をしているな。なら、お前達が敬愛する魔王とやらの名でも当ててやろうか?

何も知らない、人間で異世界人の俺が知っていれば、信じるを得ないだろう?」

フリード「ハッ!人間如きに我等が王の名を答えられるものか!適当なことを……。」

絶対的な自信を持っているようだが……残念だがお前達の王は偽物なんだよ。

 

ハジメ「確か、ディンリード・ガルディア・ウェスペリティリオ・アヴァタール、だったかな?」

フリード「!?」

ハジメ「何故知っている!?って顔をしているな。まぁ、知らんのも無理はない。

その名前は昔滅んだ、吸血鬼の国の宰相の名だからだよ。

お前等の王は、その皮を被っているだけにすぎん。」

フリード「う、嘘だ!そんなことが……!」

フリードの動揺も気にせず、間違った考えをそのままバッサリと切り捨てる。

 

ハジメ「そもそも、何故お前達は見た目が違っている奴を魔王と仰いでいる?

普通は追い出すはずだろう。それをしない時点で、矛盾があることに何故気付かない?」

フリード「それ、は……。」

ハジメ「何より、そいつはユエと同じく金髪紅眼だろう?それが何よりの証拠だ。」

フリード「……ッ!」

反論できなくなるフリード、だが俺はさらに畳みかける。

 

ハジメ「信じきれないのも無理はない。だが、これを見てもまだ同じことが言えるか?」

フリード「何ッ!?」

俺は"コネクト"でとある水晶を取り出した。映像記録用のアーティファクトだ。

それはかつてオルクス大迷宮の奈落……ユエが封印されていた場所で見つけたものだった。

俺が魔力を流すと、アーティファクトが輝き、ふっと映像を映し出す。

 

フリード「なッ!?ま、魔王陛下……!?」

そこから出て来た人物の姿に、思わず驚くフリード。

自分が良く知っている人物に似た者が出てきたのだ。動揺するのは当たり前だ。

だがな、お前達が見ていた魔王を名乗る奴はな、ただの虚像なんだよ。

 

そんなことも気にせず、映像の人物――

ユエのおやっさん、ディンリードさんが、ゆっくりと話し始めた。

ディンリード『……アレーティア。久しい、というのは少し違うかな。

君は、きっと私を恨んでいるだろうから。いや、恨むなんて言葉では足りないだろう。

私のしたことは…………あぁ、違う。こんなことを言いたかったわけじゃない。

色々考えてきたというのに、いざ遺言を残すとなると上手く話せない。』

 

フリード「遺言……だと……!?」

ハジメ「……。」

あの時の感情が蘇ってくるが、二回目なので耐えられる。

もう既にこの人はこの世にはいない。そしてその遺体は下衆野郎共の手中にある。

 

ディンリード『そうだ。まずは礼を言おう。……アレーティア。

きっと、今、君の傍には、君が心から信頼する誰かがいるはずだ。

少なくとも、変成魔法を手に入れることができ、真のオルクスに挑める強者であって、私の用意したガーディアンから君を見捨てず救い出した者が。』

 

フリード「……ッ!」

ハジメ「そんな凄んだ顔で睨まれてもな。そもそもあの程度で勝てる程大迷宮は甘くはない。

お前とてそれは一番わかっているだろう?」

殺された女魔人族のことを思い出したのか、こちらを睨むフリード。

でもな、こっちは逃げる機会をくれてやったんだよ。実力を図れないアイツが悪い。ただそれだけだ。

 

ディンリード『……君。私の愛しい姪に寄り添う君よ。君は男性かな?それとも女性だろうか?

アレーティアにとって、どんな存在なのだろう?恋人だろうか?親友だろうか?

あるいは家族だったり、何かの仲間だったりするのだろうか?

直接会って礼を言えないことは申し訳ないが、どうか言わせて欲しい。……ありがとう。

その子を救ってくれて、寄り添ってくれて、ありがとう。私の生涯で最大の感謝を捧げる。』

 

フリード「魔王陛下にご息女はいない筈……隠し子か!?」

ハジメ「阿呆。そんなわけあるか。大体それなら映像の人物は魔人族やろがい。」

フリードの妄信なのか天然なのかわからんボケに、思わずツッコミを入れてしまう。

てか、さっきのことやっぱり信じていなかったんかい。

 

ディンリード『アレーティア。君の胸中は疑問で溢れているだろう。

それとも、もう真実を知っているのだろうか。

私が何故、あの日、君を傷つけ、あの暗闇の底へ沈めたのか。君がどういう存在で、真の敵が誰なのか。』

 

フリード「真の敵……だと!?」

ハジメ「……。」

?解放者の歴史を知らないだと?まさか……。いや、今は後だ。

そしてそこから語られた話は、俺達が既に知っていた事実だ。

 

ユエが神子として生まれ、エヒトルジュエに狙われていたこと。

それに気がついたディンリードが、欲に目の眩んだ自分のクーデターにより、ユエを殺したと見せかけて奈落に封印し、あの部屋自体を神をも欺く隠蔽空間としたこと。

ユエの封印も、僅かにも気配を掴ませないための苦渋の選択であったこと。

 

ディンリード『君に真実を話すべきか否か、あの日の直前まで迷っていた。

だが、奴等を確実に欺く為にも話すべきではないと判断した。

私を憎めば、それが生きる活力にもなるのではとも思ったのだ。』

 

フリード「……これは、真実……なのか……!?」

ハジメ「嘘なら自分の頭でも殴って見ろ。」

俺は冷徹に返して、フリードを黙らせると、そのまま映像を続けた。

そこからはユエに残した言葉と、その傍に寄り添う者、俺に対するメッセージがあった。そして…

 

ディンリード『……さようなら、アレーティア。君を取り巻く世界の全てが、幸せでありますように。』

とうとう映像が終わりを告げた。そこにしばしの静寂が流れていた。

だが、これで終わるわけにはいかない。俺はオーマジオウの力の一端を使い、ある映像を流した。

 

フリード「なッ!?これはッ!?」

ハジメ「嘗てはこんな時代もあった。魔王という存在も、魔人族の姿だった。」

それは、ミレディ達の記憶を読んだ際に流れ出て来た映像だった。

ミレディ達の時代にも、魔人族の王である魔王はいた。勿論、その姿は魔人族だ。

何処にも金髪紅眼の美丈夫はいない。その玉座についていたのは魔人族の男性であった。

 

20代位で、艶やかなロングストレートの赤髪に浅黒い肌。切れ長の目奥には月のような赤い瞳。

……左耳元で揺れる、妙に可愛らしい短い三つ編みについてはスルーするが。

???『初めまして、神代魔法の担い手達。私はラスール。ラスール・アルヴァ・イグドール。

この国の王――つまり、魔王さ。』

 

ハジメ「氷雪洞窟の解放者は魔人族、お前等の同胞でもあり、魔王の弟だった男だ。

映像に移る、その兄は金髪紅眼か?俺にはどう見ても、魔人族にしか見えないが?

それに昔の魔国はイグドールという名だった。その証拠に彼の名にその地名が入っている。

今の魔王に滅びた国、それも多種族の国の名が入っているのはどう考えてもおかしいだろう。」

フリード「馬鹿な……そんな、はずは……。」

真実を聞いたフリードは愕然としているが、まだ何かが引っ掛かっているようだ。

まるで、靄のようなものが。なので、その靄を何とかすることにした。

 

ハジメ「ほいッ、エナジーアイテム〈正常化〉。」

フリード「!?ぐうぅッ!?」

どうやら記憶が戻るとき特有の頭痛があったようだ。少ししてそれは収まったようだ。

フリード「い、今の記憶は……!」

ハジメ「やれやれ、やっぱり精神操作か。」

どうやらこの男も、奴等に踊らされた被害者のようだ。まぁ、敵なので同情はしないが。

 

ハジメ「それで?正気に戻った気分はどうだ?今でもお前は、神とやらを信じるのか?」

俺がそう問うと、少し間をおいてからフリードは言葉を発した。

フリード「……確かに、先程までの私は正気ではなかった。それは認めよう。だが……」

それと同時に、俺の方へ先程よりも鋭い視線を向けた。

 

フリード「それを知った所で、私の答えは変わらない。貴様に下るつもり等毛頭ない!

何より、これまで散っていった同胞達に顔向けできん!このまま終わってなるものか!

この意思を捻じ曲げられるものならやって見せるがよい!」

……ほぅ、意外にも武人らしい答えだ。ならば、こちらも戦ってやらねば不作法というものだ。

 

ハジメ「……いいだろう、幸いにもここには誰一人邪魔者はいない。

お前のその覚悟、この私に見せてもらおうか!」

そう言うと私は、空間魔法による特殊フィールドを展開した。

特殊と言っても、精々元の場所に被害が及ばない程度だが。

 

ハジメ「さぁ来い、魔将軍フリード・バグアー。この最高最善の魔王が、直々に相手をしてやろう!」

フリード「抜かせ!私が認める魔王は、ただ一人!貴様はここで消えろ、イレギュラー!」

相対するは、魔人族将軍にして神代魔法の使い手と、異世界から来た最高最善の魔王。

今ここに、戦士としての誇りをかけた、一大決戦が始まろうとしていた。




ハジメ
「ここまで読んでいただき、ありがとうございます!さて、今回のゲストは皆さん待ちわびていた、この人!」
ナイズ
「初めまして……で合っているだろうか。自分は解放者の一人、ナイズ・グリューエンだ。」
ハジメ
「解放者で一二を争うレベルの苦労人、ナイズ・グリューエンさんです!」
ナイズ
「その呼び名は少し反応に困るな……。」
ハジメ
「じゃあ砂漠の「どこでそれを聞いた?」…ミレディ達から昔話を少々……。」
ナイズ
「まさかとは思うが、ユンファのことも……。」
ハジメ
「大丈夫、幼女から好かれるだけならロリコンとは言わないと俺は思うから!」
ナイズ
「そう思ってもらえると助かる……では、次回予告だな。」

次回予告
ハジメ
「次回はフリードとの一大決戦!オリジナル展開のバトルシーン満載だ!」
ナイズ
「しかし良いのか?相手はアナザーウォッチを持っているらしいが……。」
ハジメ
「今回は相手が正統派だからノーカン。ノーカウントなんだ!」
ナイズ
「何故二回言った?」
ハジメ
「大事なことだから。」
ナイズ
「……そうか。」
ハジメ
「後、今度他の解放者とも一緒に撮るから、そこんとこ宜しく!」
ナイズ
「分かった分かった。それでは、次回もよろしく頼む。」

もしこの中の他作品の女性キャラで、ハジメさんに絡ませるとしたら?

  • 星野アイ
  • 篠ノ之束
  • ラキュース(オーバーロード)
  • ヤマト(ONEPIECE)
  • 歌住サクラコ
  • シェーレ
  • 白織
  • イーディス(SAO)
  • エキドナ(リゼロ)
  • 八重巫女
  • 東堂刀華
  • 大好真々子
  • 森ノゾミ
  • スヤリス姫
  • ロード・ディアーチェ
  • 鬼龍院皐月
  • 湾内絹保
  • 安心院なじみ
  • ネプテューヌ
  • ウィズ
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