ありふれない錬成師は最高最善の魔王の力で世界最強を超越する 作:天元突破クローズエボルハザード
「お待たせいたしました。今回のオープニングゲスト、タイキック。」
信治
「いきなりすぎるだろ!?てか何で!?」
ハジメ
「安心しろ、ただのゲストコールだ。実際にやったりはしないさ。」
信治
「いや、でも今回のタイトル……。」
ハジメ
「前回は悪食との初遭遇だったなぁ……。樹海の奴等よりはましだったけど。」
信治
「えッ!?樹海にアレよりヤバいのいたのかよ!?」
ハジメ
「まぁ、それはまた今度ってことで。さて、今回は船の中からお送りするよ。」
信治
「絶賛彼女募集中!可愛いお姉さん連絡お願いします!」
ハジメ
「ダイレクトマーケティングやめい。ほら、第5章第13話、早くいくよ!」
ハジメ・信治
「「それでは、どうぞ!」」
今度は海上に浮かぶ豪華客船の上にいた。時刻は夜で、満月が夜天に輝いている。
豪華客船は光に溢れキラキラと輝き、甲板には様々な飾り付けと立食式の料理が所狭しと並んでいて、多くの人々が豪華な料理を片手に楽しげに談笑をしていた。
ハジメ「……どう見ても惨劇前の現場にしか見えねぇ。」
トシ「言いたいことは分かる。」
香織「そ、そうかなぁ?」
予想した様な凄惨な光景とは少々違うものの、どう考えてもこの後惨劇が起こることは間違いないだろう。
その煌びやかな光景を、俺達は船員用の一際高い場所にあるテラスらしき場所から、巨大な甲板を見下ろす形で眺めていた。
すると俺達の背後の扉が開いて船員が数名現れ、少し離れた所で一服しながら談笑を始めた。
休憩にでも来たのだろう。
その彼等の話に聞き耳を立ててみたところ、どうやらこの海上パーティは終戦を祝う為のものらしい。
長年続いていた戦争が、敵国の殲滅や侵略という形ではなく、和平条約を結ぶという形で終わらせる事が出来たのだという。
船員達も嬉しそうだ。
よく見れば、甲板にいるのは人間族だけでなく、魔人族や亜人族も多くいる。
その誰もが、種族の区別なく談笑をしていた。
シア「こんな時代があったんですね。」
ティオ「うむ、終戦の為に奔走した者達の、血と努力の結晶というやつじゃろう。
終戦からどの程度経っているか分からぬが……。」
香織「きっと、あそこに居るのは、その頑張った人達なんじゃないかな?
皆が皆、直ぐに笑い合えるわけじゃないだろうし……。」
ハジメ「……だといいけどね……ここで本当に戦争が終わっていたなら、の話だけど……。」
ユエ「……ん、油断は禁物。」
イナバ『な~んか、鼻に臭うんすよねぇ……。』
トシ「ゲロ以下の臭いとかか?」
シア・ティオ・香織が、楽しげで晴れやかな人々の表情を見て、自然と頬を緩ませる中、俺・ユエ・イナバ・トシは警戒を続けた。
だって、ミレディ達ずっと黙ったままで、辛そうな顔しているし。
そんなミレディ達の様子に気づいたのか、シア達も漸く周りを警戒し始める。
暫く眺めていると、甲板に用意されていた壇上に初老の男が登り、周囲に手を振り始めた。
それに気がついた人々が、即座におしゃべりを止めて男に注目する。
彼等の目には一様に、敬意の様なものが含まれていた。
初老の男の傍には側近らしき男と、何故かフードをかぶった人物が控えている。
時と場合を考えれば失礼に当たると思うのだが……しかし、誰もフードについては注意しない様だ。
そして時間停止でそのフードを覗くと……やっぱりな。木偶人形の顔があった。
やがて、全ての人々が静まり注目が集まると、初老の男の演説が始まった。
どっかの偉い人「諸君。平和を願い、その為に身命を賭して戦乱を駆け抜けた勇猛なる諸君。
平和の使者達よ。今日この場所で、一同に会す事が出来た事を誠に嬉しく思う。
この長きに渡る戦争を私の代で、しかも和平を結ぶという形で終わらせる事が出来た事、そしてこの夢の様な光景を目に出来た事……私の心は震えるばかりだ。」
そう言って始まった演説を誰もが身動ぎ一つせず聞き入る。
演説は進み、和平への足がかりとなった事件やすれ違い、疑心暗鬼、それを覆す為にした無茶の数々、そして道半ばで散っていった友……
演説が進むに連れて皆が遠い目をしたり、懐かしんだり、目頭を抑えて涙するのを堪えたりしている。
どうやら初老の男は、人間族のとある国の王らしい。
人間族の中でも、相当初期から和平の為に裏で動いていた様だ。人々が敬意を示すのも頷ける。
演説も遂に終盤の様だ。どこか熱に浮かされた様に盛り上がる国王。場の雰囲気も盛り上がる。
でもなぁ……こちとら聞けば聞くほどムカついてくるんだよ、その上っ面な三文芝居が。
その薄汚い目からもう読めてんだよ、この先の結末が。
そんなことを思っていると、国王の次の言葉が紡がれる。
聞き間違いかと隣にいる者同士で顔を見合わせる。その間も、
愚かの極みだった。分かるかね、諸君。そう、君達の事だ。」
魔人族「い、一体、何を言っているのだ!アレイストよ!一体、どうしたと言う──ッがはっ!?」
アレイストとかいう
そして
刺された魔人族の男は肩越しに振り返り、そこにいた人間族を見て驚愕に表情を歪めた。
その表情を見れば、彼等が浅からぬ関係である事が分かる。
本当に、信じられないと言った表情で魔人族の男は崩れ落ちた。
場が騒然とする。「陛下ぁ!」と悲鳴が上がり、倒れた魔人族の男に数人の男女が駆け寄った。
我が神から見放された悪しき種族如きが国を作り、我ら人間と対等のつもりでいるという耐え難い状況も、創世神にして唯一神たる"エヒト様"に背を向け、下らぬ異教の神を崇める愚か者共を放置せねばならん苦痛も、今日この日に終わる!
全てを滅ぼす以外に平和などありえんのだ!
それ故に、各国の重鎮を一度に片付けられる今日この日が、私は堪らなく嬉しいのだよ!
さぁ、神の忠実な下僕達よ!獣共と異教徒共に裁きの鉄槌を下せぇ!
ああ、エヒト様!見ておられま――」
その言葉を紡ぐ前に、俺は熱線で奴の頭を消し飛ばした。
そのせいで映像の中で何が起こっていようが知ったこっちゃねぇ。気に入らねぇんだよ、その腐った眼が!
怒りのままに、他の兵にも攻撃を放つ。いつの間にかユエ達も攻撃に加わっていた。
俺がキレたことで、皆も「やっちまうか。」という意見に賛成したらしい。
なら答えは一つ、ド派手にいくぜ!
そういう訳で周りの兵に攻撃をし続けた結果、再生の終わりを待たず、周囲の景色がぐにゃりと歪む。
どうやら先程の映像を見せたかっただけらしく、気が付いたら元の朽ちた豪華客船の上に戻っていた。
ミレディ「なんか……ゴメンね?分かっているとは思っていたけど……これも試練だったから……。」
ハジメ「大丈夫だ、八つ当たりは教会で済ませる。信仰心が無くなれば、アレを引き摺り下ろせるだろ。」
申し訳なさそうにするミレディ達を励ましつつ、教会潰す宣言をする俺。
この世界の人々はその殆どが信仰心を持っている筈であり、その信仰心の行き着く果ての惨たらしさを見せつけられては相当精神を苛むだろう。
そして、この迷宮は精神状態に作用されやすい術の力が攻略の要だ。
ある意味、【ライセン大迷宮】の逆。異世界人である俺達やそれに慣れたユエ達だからこそ、精神的圧迫もそこまでないのだ。
そんな訳で、唯一残っていた扉から船内へと足を踏み入れた。
船内は、完全に闇に閉ざされていた。
外は明るいので、朽ちた木の隙間から光が差し込んでいてもおかしくないのだが、何故か全く光が届いていない。
クモランタンとかライト系はあるので、大丈夫そうだが。
香織「さっきの光景……終戦したのに、あの王様が裏切ったっていう事かな?」
ティオ「いや、どちらかと言えば洗脳の類じゃろうて。
あの目はどう考えても先程友好的な発言をした者の目ではないからのぅ。」
シア「ですねぇ……ハジメさん達は何ともなさそうですけどね。」
ハジメ「単にあのおっさんの目が気持ち悪かっただけだよ。
なんか教皇みてぇに背中を這いまわる様な不快感があったし……。」
ユエ「両親がとっくに狂信者だったから。」
トシ「大体読めてたからな。悪意がこれでもかという位滲み出ていたし。」
イナバ『自分、人間じゃないんで。』
シア「り、理由がとんでもねぇですぅ……。」
何を今更、ミレディ達だって耐えたんだ、俺等が耐えなきゃ誰が耐えるんじゃい。
ハジメ「それに、フードの奴がいる時点でおかしいだろ。正体も例の木偶人形だったからな。」
シア「!あの時のですか!?」
ユエ「ん……恐らくは同一個体、或いは後継機。」
ティオ達は遭遇していないのでわかっていないようだ。
折角なので、ミレディ達の当時の感想も含めて解説する。
ティオ「成程のぅ……
噂には聞いておったが、ミレディの肉体がその者から奪ったものだったとは、驚きじゃ。」
香織「だよね、しかもハジメ君はそれを利用して、他の解放者も乗り移らせようとしているし……。」
トシ「お前……恵理と同じ位の死霊術でも使えるんじゃないか?」
ハジメ「俺にキョンシーを操る技術はない。強いて操れてもゾンビが関の山だ。」
イナバ『いや、操れるだけでも恐ろしいんですがそれは……。』
ミレディ「ミレディさんも最初はびっくりしたよ。
まさかあんな簡単にアイツが倒されるなんて思ってなかったし。」
オスカー『まぁ、時間停止なんて神様でもないと無理そうだけどね。』
ナイズ『聞いた話では、奴はそれすら使えないのだろう?ならハジメの方が神に向いているのではないか?
実力や性格的に。』
ハジメ「え~、俺王様になっているから、神様はちょっと……。それにあんなのと一緒にしないでよ。
たかが神性に毛が生えた程度で、信仰心で成り上がっただけの三流詐欺師じゃああるまいし。」
ユエ・シア・ティオ・香織・トシ・イナバ・ミレディ・オスカー・ナイズ「「「「「「『『『え゛。』』』」」」」」」
ハジメ「あっ……。」
やっべ、言っちゃ拙い奴だったな……ま、いっか。
ハジメ「あ、後で話すから……先に行こうか!」
そう言って無理やり話題を変え、さっさと進むことにした。
皆もさっきの話は気になるものの、迷宮内部である以上警戒しないといけないので、納得してくれたようだ。
するとその時、ライトが何かを照らし出した。白くヒラヒラしたものだ。
足を止めて光度を少しずつ上げていくと、その正体は幼い少女だった。
白いドレスを着た少女が、俯いてゆらゆらと揺れながら廊下の先に立っていたのだ。よし、ぶっ飛ばすか。
そう思い、目から熱線を放つ準備をする。
するとその瞬間、少女がペシャッと廊下に倒れ込んだ。
そして手足の関節を有り得ない角度で曲げると、まるで蜘蛛の様に手足を動かし真っ直ぐ突っ込んで来た。
ケタケタケタケタケタケタケタッ!
奇怪な笑い声が廊下に響き渡る。
前髪の隙間から炯々と光る眼で俺達を射抜きながら迫る姿は、まるで王道の都市伝説の様だ。
香織「いやぁあああああああああああ!!!!」
ハジメ「香織、静かに。」
テンプレだがそれ故に恐ろしい光景に、香織が盛大に悲鳴を上げて俺にしがみついた。
こういうホラー系の場所で、耳元で叫ぶ香織は見慣れているので、気にせず熱線で敵を焼き払う。
怪異「ケギャッッッッ!?」
瞬く間に足元まで這い寄った少女は、奇怪な悲鳴と共に盛大に吹き飛び壁や廊下に数回バウンドした後、廊下の奥で手足を更におかしな方向に曲げて停止しそのまま溶ける様に消えていった。
さてと……
ハジメ「よし、このままさっさと進もうか。若干一名、大丈夫じゃなさそうだけど……。」
香織「だだだ、大丈夫…大丈夫だからぁ…。」
……目尻には涙が溜まっているし、口元はキュッと一文字に結ばれているし、マジビビリじゃん…。
本当に大丈夫か?仕方がないので、香織はしがみついたままでもいいので、敵に攻撃するように、と言っておいた。
その後も、廊下の先の扉をバンバン叩かれたかと思うとその扉に無数の血塗れた手形がついていたり、首筋に水滴が当たって天井を見上げれば水を滴らせる髪の長い女が張り付いて俺達を見下ろしていたり、ゴリゴリと廊下の先から何かを引き摺る音がしたかと思ったら、生首と斧を持った男が現れ迫ってきたり……
香織「やだよぉ……もう帰りたいよぉ……雫ちゃんに会いたいよぉ~。」
船内を進む毎に激しくなる怪奇現象に香織が幼児退行を起こし、俺の背に張り付いてそこから動かなくなった。
因みに雫の名を呼ぶのは、小さい時から光輝達に付き合わされて入ったお化け屋敷で、香織のナイト役を勤めていたのは雫か俺だったからだ。
雫の場合、決して百合百合している訳では無い。俺がお化けに通常対応し過ぎて出禁喰らったからだ。
ユエ「……バカオリ、この程度で情けない。」
ミレディ「メル姉がいなくてよかったね……いたら嗜虐心が疼いて大変なことになっていたかもよ?」
のんきだなオイ。てかユエ、少し辛辣過ぎだって。普通の感性を持つ人なら精神的にキツイんだから……。
俺に引っ付き半泣きになりながら、それでもどうにか怪奇を撃退していく香織と、それを見守る俺。
ユエ達は適度にボコっては追っ払っている。と、そうこうしている内に、遂に俺達は船倉まで辿り着いた。
重苦しい扉を開き、中に踏み込む。
船倉内には疎らに積荷が残っており、その積荷の間を奥に向かって進む。
すると少し進んだところで、いきなり入ってきた扉がバタンッ!と大きな音を立てて勝手に閉まった。
香織「ぴっ!?」
ハジメ「驚きすぎだって。」
香織がその音に驚いて変な声を上げる。
余りのビビりように溜息をするも、ビクつく香織の肩を撫でて宥めていると、また異常事態が発生した。
急に濃い霧が視界を閉ざし始めた……鬱陶しい。
そう思った瞬間、ヒュ!と風を切る音が鳴り霧を切り裂いて何かが飛来した。
咄嗟に左腕を掲げると、ちょうど首の高さで左腕に止められた極細の糸が見えた。
更に連続して風を切る音が鳴り、今度は四方八方から矢が飛来する
ハジメ「……後でメイルは泣かすか。」
そう言って因果律操作で難なく罠を捌く。
直後、前方の霧が渦巻いたかと思うと、凄まじい勢いの暴風が襲いかかった。
まぁ、今回は幽霊が出てきていないので、香織含め全員無事にやり過ごした。
そして、霧が晴れると、倉庫の一番奥で輝き始めた魔法陣があった。俺達は迷わずそこへ足を踏み入れた。
淡い光が海面を照らし、それが天井にゆらゆらと波を作る。
その空間は中央に神殿の様な建造物があり、四本の巨大な支柱に支えられていた。
支柱の間に壁は無く、吹き抜けになっている。神殿の中央の祭壇らしき場所には精緻で複雑な魔法陣が描かれていた。
また周囲を海水で満たされたその神殿からは、海面に浮かぶ通路が四方に伸びており、その先端は円形になっている。
そして、その円形の足場にも魔法陣が描かれていた。
その四つある魔法陣の内の一つに、俺達は転移したようだ。
ハジメ「……漸く終わりか。今回は精神的な搦手が多かったなぁ。」
香織「うん……怖かった……。」
ハジメ「オイオイ……。」
てか、早く降りてくれい。じゃないと、神代魔法手に入れに行けないから。
イナバ『でも、本当にクリアしたんですかね?
オルクスやグリューエンより手応えがあんまなかったんですが……。』
シア「いや、最初の海底洞窟は、潜水艇がなきゃ無理ゲーでしたからね?普通はそんなものありませんよ?」
ティオ「うむ、空間魔法などを行使するはずじゃからのぅ。
クリアするまでずっと沢山の魔力を消費し続けるはずじゃ。」
トシ「確かに。下手すりゃそのまま溺死か魔物の餌だろうな。
大量の亡霊みたいなのは物理攻撃が効かないから、また魔力頼りになるし。」
ユエ「ん……それに信仰心のある人間は、あの映像で心が折れる。」
ミレディ「手伝ったミレディさん達が言うのも難だけど……メル姉、鬼畜にし過ぎじゃない?」
オスカー『そうだね、それにしてもまさか悪食までいたとは……。』
ナイズ『あぁ、自分達が迷宮作りを行った時は、いなかったはずなのだがな……。』
……え?じゃあ悪食は野良ってことか?じゃあメイル冤罪じゃねぇか。悪食の件だけ。
そんなことを思いながら、祭壇に到着した俺達は、全員で魔法陣へと足を踏み入れる。
いつもの通り脳内を精査され、記憶の確認が終わり、無事に全員攻略者と認められたようである。
俺達の脳内に新たな神代魔法が刻み込まれていった。
ハジメ「成程な、西の果てに東の鍵があるってことか。」
ユエ「……見つけた、"再生の力"。」
手に入れた【メルジーネ海底遺跡】の神代魔法、それは"再生魔法"だったからだ。
思い出すのは、【ハルツィナ樹海】の大樹の下にあった石版の文言。
先に進むには確かに"再生の力"が必要だと書かれていた。
つまり、東の果てにある大迷宮を攻略するには、西の果てにまで行かなければならなかったという事であり、最初に【ハルツィナ樹海】に訪れた者にとっては途轍もなく面倒である。
最も、俺達の場合空間魔法を手に入れた時点で、距離的問題はどうとでもなるが。
その辺のことをティオ達に説明すると、納得の表情だった。
魔法陣の輝きが薄くなっていくと同時に、床から直方体がせり出てきた。小さめの祭壇の様だ。
その祭壇は淡く輝いたかと思うと、次の瞬間には光が形を取り人型となった。
どうやら、オスカーと同じくメッセージを残したらしい。
人型は次第に輪郭をはっきりとさせ、一人の女性となった。
祭壇に腰掛ける彼女は、白いゆったりとしたワンピースの様なものを着ており、エメラルドグリーンの長い髪と扇状の耳を持っていた。
彼女こそが、解放者の一人、"メイル・メルジーネ"だ。
さてと……。
ミレディ「あれ、ハジメン?まだメル姉のメッセージは始まっていないよ?」
ハジメ「知ってる。だからここで眼魂だけ出して、過去の自分の映像を見させる。お仕置きとして、ね?」
ナイズ『……ドSという点では、共通するものがあるかもしれないな……。』
失礼な、こちとら香織が耳元で「く、来るぅ!絶対来るよぉ!」って耳元で叫ばれて、耳が痛いんじゃい。
その仕返しがこれで済むんだし、安いものでしょ。
そう思いながら、眼魂を取り出して起動すると同時に、過去の映像が始まった。
彼女はオスカーと同じく、自己紹介したのち解放者の真実を語った。
おっとりした女性のようで、憂いを帯びつつも柔らかな雰囲気を纏っている。
やがて、オスカーの告げた内容と同じ語りを終えると、最後に言葉を紡いだ。
メイル『……どうか、神に縋らないで。頼らないで。与えられる事に慣れないで。掴み取る為に足掻いて。己の意志で決めて、己の足で前へ進んで。
どんな難題でも、答えは常に貴方の中にある。貴方の中にしかない。
神が魅せる甘い答えに惑わされないで。自由な意志のもとにこそ、幸福はある。
貴方に、幸福の雨が降り注ぐ事を祈っています。』
そう締め括り、過去の映像のメイル・メルジーネは、再び淡い光となって霧散した。
直後、彼女が座っていた場所に小さな魔法陣が浮き出て輝き、その光が収まるとメルジーネの紋章が掘られたコインが置かれていた。
俺はそのコインを手に取りながら、後ろでプルプル震えている人物に声をかけた。
ハジメ「"答えは貴方の中にある"、か……大迷宮のコンセプトを総じて語っているねぇ。」
メイル『あら、それに感動しているなら、お姉さんからの愛の鞭もしっかり受けてもらいましょうか?』
そう、霊体のまま額に青筋を浮かべているのは、"メイル・メルジーネ"本人だ。
先程の映像が始まった辺りから、過去の自分の映像を見せられるなんて所業、俺だったら耐えられないねぇ。
ハジメ「まぁ、これで迷宮のトンデモトラップの件はチャラということで。
改めて宜しく、メイル……お姉さん。」
メイル『……まぁいいわ。それで、どうして私やミレディちゃん達がいるわけ?』
ミレディ「それはかくかくしかじかでね。」
メイル『小心者ザマァってことね!大体わかったわ!』
……ホントかなぁ。まぁ、大丈夫か。
シア「証の数も4つですね、ハジメさん!これできっと、樹海の迷宮にも挑戦できます!」
ハジメ「あぁ、でも一旦王都に顔出しに行こうかなって思う。メルドさんの一件もあるし。」
トシ「だな、あいつ等無事だといいが……。」
まぁ、相手が誰であろうと全員纏めて叩きのめすだけだ。
たとえ相手が、タイムジャッカーだろうともな……。
そして証を仕舞った途端、神殿が鳴動を始めた。そして、周囲の海水がいきなり水位を上げ始めた。
メイル『もしかしなくとも貴方達、ズルしたわね?』
ハジメ「悪食相手にどうしろと。寧ろ悪食にガーディアン務めさせようとか思っていたんじゃない?」
メイル『ギクッ!?そ、そんなこと……ないわよ?』
ギルティ。やっぱもうひとお仕置き入れた方がいいか。
ハジメ「まぁ、流されたものはしょうがない。皆、掴まれ!」
そう言って穴に落ちた時同様腕を伸ばし、皆をしっかり抱き上げる。
序でに、流されかけていたメイルも"宝物庫"にしっかり収納する。
凄まじい勢いで増加する海水に、あっという間に水没していく。
その直後、天井部分が【グリューエン大火山】のショートカットの様に開き、猛烈な勢いで海水が流れ込む。
俺達もその縦穴に流れ込んで、下から噴水に押し出される様に猛烈な勢いで上方へと吹き飛ばされた。
押し上げられていくと、やがて頭上が行き止まりになっている事に気が付く。
俺が破壊しようとした瞬間、天井部分が再びスライドし俺達は勢いよく遺跡の外、広大な海中へと放り出された。
海中に放り出された俺達は、急いで「ビリオンスターズ号」を呼び出そうとする。
しかしその目論見は、直前で阻止される。俺達にとって、予想外で一番会いたくなかった相手によって。
ハジメ
「ここまで読んでいただき、ありがとうございます!さて今回の特別ゲストは、この人!」
メイル
「どうも、西の聖女とは私のこと、メイル・メルジーネです。」
ハジメ
「(普段これならいいのに……。)はい、今回は解放者のメイルお姉さんに来てもらいました!」
メイル
「ハジメ君、どうせならディーネやミュウちゃんに紹介してもらいたかったのだけど。」
ハジメ
「シスコンやめい。ほら、まだ見ぬ妹たちも見ているかもしれないでしょ?」
メイル
「それもそうね!今回の試練はいわば、過去の負の遺産の脅威を知るように、という意味だったの。
決してお姉さんがドSだったから、という訳ではないわ!」
ハジメ
「まぁ、悪食に関しては微妙なところだけどね。」
メイル
「あれは事故よ事故!それじゃあ、次回予告!」
次回予告
ハジメ
「次回はオリジナルの討伐方法で行くよ。良い子のみんなはマネしないように。」
メイル
「いや、出来るのハジメ君位でしょ。妹達の教育に悪いわよ?」
ハジメ
「そして遂に、トシが初変身!どんなフォームか予想してみてくれ!」
メイル
「興味ないわね。」
ハジメ
「どこの剣士だアンタは。後、討伐後にもサプライズがあるよ。」
メイル
「そこは是非とも必見ね!」
ハジメ
「食いつき方が真逆じゃねぇか。まぁ、次回もよろしく。」
メイル
「全国の可愛い女の子の皆!メイルお姉さんの応援よろしくー!」
リースティアさん、誤字報告ありがとうございました!
もしこの中の他作品の女性キャラで、ハジメさんに絡ませるとしたら?
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星野アイ
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篠ノ之束
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ラキュース(オーバーロード)
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ヤマト(ONEPIECE)
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歌住サクラコ
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シェーレ
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白織
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イーディス(SAO)
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エキドナ(リゼロ)
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八重巫女
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東堂刀華
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大好真々子
-
森ノゾミ
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スヤリス姫
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ロード・ディアーチェ
-
鬼龍院皐月
-
湾内絹保
-
安心院なじみ
-
ネプテューヌ
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ウィズ