ありふれない錬成師は最高最善の魔王の力で世界最強を超越する 作:天元突破クローズエボルハザード
「お待たせいたしました!さぁ、今回もじゃんじゃんゲスト出していくぞ!」
さくら
「どうも、相沢さくらです。宜しくお願い致します。」
ハジメ
「社長令嬢のおっとり系お嬢様……どこかのラノベでヒロインにありそうな属性だな……。」
さくら
「?よくわかりませんが、前回はどういったお話だったのでしょうか?」
ハジメ
「うん?あぁ、そうだったな。俺が魔人族の軍隊部下にして、浩介が雫と合流した辺りかな?」
さくら
「成程……ところで、ご両親は何か困っていることはありませんか?」
ハジメ
「そんなものがあったら俺はその解決を盾に、自重を促しているよ……。」(死んだ目)
さくら
「あ、あはは……それでは、第6章第4話」
ハジメ・さくら
「「それでは、どうぞ!」」
光輝達が緊急時に指定されている屋外の集合場所に訪れた時、既にそこには多くの兵士と騎士が整然と並んでいた。
前の壇上ではハイリヒ王国騎士団副長のホセが声高に状況説明を行っているところだった。
月光を浴びながら、兵士や騎士達は皆蒼褪めた表情で呆然と立ち尽くし、覇気の無い様子でホセを見つめていた。
士気の低さに思わず足を止めた光輝達だったが、それに気がついたホセが状況説明を中断して声を掛けた。
ホセ「……よく来てくれた。状況は理解しているか?」
光輝「はい、ニアから聞きました。えっと、メルドさんは?」
ホセの歓迎の言葉と質問に光輝は頷き、そして姿が見えないメルドを探してキョロキョロしながらその所在を尋ねた。
ホセ「団長は、少し、やる事がある。それより、さぁ、我らの中心へ。
勇者が我らのリーダーなのだから……」
ホセは、そう言って光輝達を整列する兵士達の中央へ案内した。
居残り組のクラスメイト達が「えっ? 俺達も?」と戸惑った様子を見せたが、無言の兵達が犇めく場所で何か言い出せる筈も無く、流されるままに光輝達について行った。
無言を通し、表情も殆ど変わらない周囲の兵士騎士達の様子に、雫は確信していた。
既に敵は襲撃の準備を始めており、ミュウ達を誘拐した時点でそれは始まっていたのだと。
現に、ここにいる兵士達や騎士達、先程のニアも"虚ろ"状態だ。無意識の内に、黒刀を握る手に力が入る。
優花「ねぇ雫、何だか……」
雫「えぇ、分かってる、気を抜かないで。何かが拙い予感がするわ。」
必死に不安を押し殺している様な表情の優花が小さく呟く。
雫は頷きつつも、この状況で拒否出来ないのは居残り組と同じであるが為にそう言うしかなかった。
──何かおかしい。
そう感じているのは他の前線組等も同じ様だ。だが誰もそれを言葉に出来ない。
流されるまま、光輝達は兵士と騎士達の中心へと辿り着いた。
そこでホセが演説を再開した。違和感は尚も膨れ上がる。
ホセ「皆、状況は切迫している。しかし、恐れる事は何も無い。我々に敵は無い。我々に敗北は無い。
死が我々を襲う事など有りはしないのだ。さぁ、皆、我らが勇者を歓迎しよう。
今日、この日の為に我々は存在するのだ。さぁ、剣を取れ。」
雫は行動できないことに歯噛みしながら、その演説を聞いていた。
因みに、ここにハジメさんがいたらこう思うだろう。
(……いや、あんた等既に死んでるからね?あともうちょい存在意義を高く持ちなさいよ。)
そして、兵士が、騎士が、一斉に剣を抜刀し掲げる。
その時、「え、あ、ちょっ……」という戸惑う様な声が聞こえた。雫を含め幾人かが其方を見やる。
視線の先では幾人かが、抜剣の際のさり気ない動きで仲間達の傍から押し出されていた。
更に「あ、あの?」という声がかかる。同じく優花達が隊列から少し離された。
それだけではなく、いつの間にかするりと生徒達の間に入り込んだ兵士や騎士達によって、幾人かの生徒──特に前線組や愛ちゃん護衛隊の前衛を担う者達が互いに距離を取らされ……
──囲まれている!
雫は総毛立った。本能がけたたましく警鐘を鳴らす。
雫「皆っ!伏せて!」
ホセ「始まりの狼煙だ。──注視せよッ!」
雫が警告の言葉を伝えると同時に、ホセが懐から何かを取り出し頭上に掲げた。
しかし、いきなり怒声じみた声音で注視を促され、更に兵士や騎士達が一斉に視線を其方に向けた為に、思わず誘導されて誰もが注目してしまう。
刹那……
光が爆ぜた。
ホセの持つ何かが閃光弾もかくやという光量の光を放ったのだ。
無防備に注目していた光輝達は其々短い悲鳴を上げながら咄嗟に目を逸らしたり覆ったりするものの、直視してしまった事で一時的に視覚を光に塗り潰されてしまった。
次の瞬間、肉を突き破る生々しい音が無数に鳴り……
「あぐっ?」
「がぁ!」
「ぐふっ!?」
次いで、あちこちからくぐもった悲鳴が上がった。
先程の光に驚いた様な悲鳴ではない、苦痛を感じて意図せず漏れ出た苦悶の声だ。
そしてその直後に、ドサドサと人が倒れる音が無数に聞こえ始める。
唯一「バキィンッ!」という硬質な音を奏でたのは、雫の持つ黒刀のみ。
光に紛れて襲い来た凶刃を、へし折って返り討ちにしたのである。
一瞬のうちに眼を瞑り、二人の師より教えてもらった見聞色の覇気に加え、研ぎ澄まさていた警戒感、積み上げてきた鍛錬の成果、踏み越えて来た経験、それら全てが目が見えない状況において襲撃を凌ぐという達人技を可能にしたのだ。
閃光が収まり眼を開いて周囲を見渡した雫が見たのは、刹那に過った最悪の光景そのまま。
クラスメイト達が全員、背後から兵士や騎士達の剣に貫かれた挙句、地面に組み伏せられているという光景だった。
雫「……やっぱり、こうなるのね……。」
想像はしていたが直ぐには切り捨てられなかった。
それでも時間は、立ち止まることを許してはくれなかった。友人達の呻き声が、苦悶の声が耳を突く。
今ので死んだ仲間がいるのではという最悪の想像も過ったが、光輝も龍太郎も鈴も、そして優花達も血に塗れた悲惨な状態ではあるが辛うじて生きている様だ。
その事に僅かに安心しながらも、最初に分断された前衛組は特に負傷の度合いが酷い様で、全く予断を許さない状況に冷や汗が噴き出た。
龍太郎や重吾、他のクラスメイト達も含めて、更に魔力封じの枷までつけられていく。
これでは回復魔術を使う事も出来ない。まさに四面楚歌状態だ。
さて、どうしたものかと焦燥を募らせる雫が周囲の兵士や騎士達に視線を巡らせる中、ある人物が声をかけた。
???「あらら~、流石というべきかな?……ねぇ、雫?」
雫「……さぁ?偶然かもしれないわよ?ハァ……やっぱり貴女の仕業なのね、恵理。」
そう。クラスメイト達が瀕死状態で倒れ伏す中たった一人だけ。
傷一つ負わず、組み伏せられる事も無く。平然と立っている生徒がいたのだ。
そう、その人物は、控えめで大人しく、気配り上手で心優しい、雫達と苦楽を共にしてきた大切な仲間の一人。
そして我等が魔王の妹にして、忠臣トシの彼女でもある……──中村恵里その人だった。
その様子は普段とはまるで異なる、どこか粘着質な声音で雫に話しかける。
余りに雰囲気が変わっている為、雫は即座に理解した。
この恵理は本物じゃない、アナザーウォッチを使って入れ替わった、別の誰かである、と。
そんなことを考えていると、再び雫の背後から一人の騎士が剣を突き出してきた。
雫「……遅いわ。」
そう言って剣諸共死霊となった騎士を真っ二つにする雫。
恵理?「これも避けるとか……ホント、雫って面倒だよね?」
雫「あら、偽物に褒められてもね……全然、嬉しくないわッ!」
更に激しく、そして他の兵士や騎士も加わり突き出される剣の嵐。その鋭さは尋常ではない。
或いは、普段よりも強力かもしれない。
しかし、そんな状況下でも尚、冷静な雫にとっては簡単に捌ける程度だ。
事前に浩介から"虚ろ"についての情報を聞いていたこともある上に、もうすぐ来る援軍のこともあるのだ。
とても頼もしい親友と、その仲間達。そしてそのリーダー格である最高最善の魔王が、もうすぐ来るのだ。
これ以上にない最高の援軍の為にも、雫は負けるわけにはいかなかった。
ニア「雫様! 助けて……」
雫「無駄よ、ニア。貴女の眼も、"虚ろ"だもの。」
騎士に押し倒され、馬乗りの状態から今正に剣を突き立てられようとしているニアが、雫の名を呼ぶ。
しかし、"虚ろ"状態で幾ら叫ぼうとも、雫には届かない。
そして余裕そうに話しながら、恵理らしき何かに問いかける。
雫「それで?貴女の目的は何?魔人族の侵攻の為?それともハジメ君が狙いかしら?」
雫は二つの予想をしていた。アナザーウォッチを使う者の特徴は二種類に分かれる。
一つは魔人族、王国を壊滅させるために送り込まれた刺客という線。
二つ目は以前聞いたタイムジャッカーという存在、オーマジオウの力を狙う組織という線だ。
恵理?「さぁ?どっちでしょうねぇ?当ててみたらどうかしら?」
雫「あら?素が出ているんじゃないの?口調がずれているわよ?」
恵理?「……本当に面倒ね、この小娘。」
雫「フフッ、なら貴女は相応の年なのかしら?私達、同年代の筈なのだけど?」
相手が挑発的な口調を繰り出しても、雫は隙を逃さず追及する。
その上で、相手へ挑発を返しながらも、死霊兵の軍勢を一気に捌いていく。
恵理?「……まぁいいわ、どうせ何もかも終わるんだもの。王都の結界だってじきに破られるわ。」
雫「!」(既にこちらが後手に回っていた、という訳なのね……流石に魔物の大群は不味いわ。)
衝撃のカミングアウトに一瞬動揺するも、剣筋はそのままに冷静に思考する。
何故、魔人族の将軍が大聖堂に侵入できた理由までは思い至らなかったが、大結界が簡単に破られたのは偽恵里の仕業だった様だ。
偽恵里の視線が、彼女の傍らに幽鬼の様に佇む騎士や兵士達を面白げに見ている事から、彼等にやらせたのだろう。
光輝「馬鹿な…何故そんなことを!?」
光輝が衝撃からどうにか持ち直し、信じられないと言った表情で呟く。
恵里は自分達とずっと一緒に王宮で鍛錬していたのだ。
大結界の中に魔人族が入れない以上、コンタクトを取る事など不可能だと恵里を信じたい気持ちから拙い反論をする。
しかし、偽恵里がそんな希望をあっさり打ち砕こうと、言葉を紡ごうとした時。
雫「大方、協力者が接触してきたんでしょ。その力も貰っただけでしょ?」
恵理?「……。」
いい所を邪魔されて不機嫌なのか、偽恵理は無言で手を振りかぶる。
更に襲い掛かってくる敵の数が増えるが、雫の剣は早さが落ちるどころか、寧ろ正確かつ迅速に相手を流しては捌き、武器諸共腕を切断していく。
雫(そう言えばこの前、"魂縛"っていうオリジナルの降霊術を生み出した、とか言っていたわね……
確か、魂から生前の記憶と思考パターンを抜き取って付加出来る魔法、だったかしら?)
敵の攻撃を躱しては反撃している最中でも、雫は冷静に分析を続けていた。
降霊術は、本来死亡対象の残留思念に作用してそこから死者の生前の意思を汲み取ったり、残留思念を魔力でコーティングして実体を持たせた上で術者の意のままに動かしたり、或いは遺体に憑依させて動かしたり出来る術である。
その性能は当然生前に比べれば劣化するし、思考能力など持たないので術者が指示しないと動かない。
勿論「攻撃し続けろ」等と継続性のある命令をすれば細かな指示が無くとも動き続ける事は可能だ。
つまりニアやホセが普通に雫達と会話していた様な事は、思考能力が無い以上降霊術では不可能な筈なのだ。
それを違和感を覚える程度で実現できたのは、恵里の"縛魂"という術が魂魄から対象の記憶や思考パターンを抜き取り遺体に付加できる術だからである。
これは、言ってみれば魂への干渉だ。
即ち恵里は、末端も末端ではあるが自力で神代魔法の領域に手をかけたのである。正にチート。
兄や大切な人のためにと積んだ研鑽、そして天才級の才能は驚愕に値するものだ。
尚、偽恵里が即座にクラスメイト達を殺さないのは、この"縛魂"が死亡直後に一人ずつにしか使用できないからである。
とは言え、これだけの兵士や騎士達を殺害し傀儡とするには相当の時間が必要な筈で、その間上の人間が何も気が付かなかったとは考え難い。
直ぐには死なない様な場所を狙われたのだろう。
重傷を負いながらも、苦悶の表情を浮かべて生きながらえている光輝達は、偽恵里を呆然とした表情で見つめている。
傍を通っていながら兵士や騎士達の誰一人として襲い掛からない事や、直立不動で佇んでいる事が、彼等が偽恵里の支配下にいる事を如実に示していた。
倒れ伏す重吾達や目を見開いている優花達を愉悦たっぷりの眼差しで見下ろしながら、現実を教え込むかの如くゆっくりと、コツコツと足音を鳴らして進んでいく偽恵里。
恵理?「文句ならあの糞餓鬼に言いなさい?アイツのせいで私は……あんな奴さえいなければ……!」
雫「どうしたのかしら?傀儡の動きが鈍いわよ?そんなんで倒せるわけないでしょ。」
恵理「煩いわよっ!ならこれでどう?」
そう言って偽恵理は、近くに倒れていた近藤に歩み寄る。
近藤は嫌な予感でも感じたのか、「ひっ」と悲鳴をあげて少しでも近づいてくる偽恵里から離れようとした。
当然完璧に組み伏せられ、魔力も枷で封じられているので身動ぎする程度の事しか出来ない。と、その時。
???「させないよ。」
そんな声が聞こえたかと思えば、近藤を押さえつけていた騎士達が、光の鎖によって拘束されたのだ。
当然、押さえつけられていた近藤はその場を即座に離れようと動いた。
そして雫は口元を緩めた。何故ならその声の主は――
香織「雫ちゃん!」
――雫が、その幸せを願った親友──香織の声だからだ。
更にその声と共に、いつの間にか展開されていた十枚の輝く障壁が雫を守る様に取り囲んだ。
そしてその内の数枚が騎士達と偽恵里の眼前に移動しカッ!と光を爆ぜた。
バリアバースト擬きとでも言うべきか、障壁に内包された魔力を敢えて暴発させて光と障壁の残骸を撒き散らす技だ。
恵理?「ッ!?」
咄嗟に両腕で顔を庇った偽恵里だが、その閃光に怯んでバランスを崩した瞬間に砕け散った障壁の残骸に打ち付けられて後方へと吹き飛ばされた。
他の騎士達も同様に後方へとひっくり返る。直ぐ様起き上がって近藤を拘束しようとするものの……
???「"風槌"!」
突如放たれた、圧縮された風の砲弾が彼等を吹き飛ばす。そしてその狙撃手も姿を現した。
光輝「ッ!?メルドさん!?」
メルド「すまない皆!遅くなったな、助けに来たぞ!」
そう、皆の頼れる兄貴分であり、父親のような安心感のある存在。
行方不明だった筈の王国騎士団団長、メルド=ロギンスその人だった。
そして更に、頼もしい援軍は続々と現れる。
リリアーナ「皆さん!ただいま戻りました!」
優花達愛ちゃん護衛隊を守るように、球状の障壁を張ったのはリリアーナだった。
香織「皆のことは任せて!雫ちゃんはゾンビさん達をお願い!」
雫「本当にゾンビになったわけではないけどね……分かったわ!」
リリアーナが障壁を張って騎士達を押し出し、香織が"聖典"によって負傷者の傷を癒す。
そして、騎士達を雫とメルドが抑え込んで枷を切ることで、続々とクラスメイト達に力が入る。
リリアーナはこの世界の術師として、相当優秀な部類に入る。
なので、たとえ騎士達がリミッターの外れた猛烈な攻撃を行ったところで、香織の治療が完了する迄持ち堪える事は十分に可能だった。
恵理?「ッ!?チィッ、アイツ等!全然使えないじゃないの!」
偽恵里が狂気を孕んだ表情で、周囲の騎士達に命令を下す。
香織の詠唱を止める為、騎士達が一斉に香織へと襲いかかった。
しかしそこへ更に、ダメ押しの援軍まで来ていることは予想外だった。
シア「シャオラァァァ!!!」
突如飛び込んできたシアが、ドリュッケンを振るい騎士達を薙ぎ払った。
重力魔法の上乗せもある上、シア自身の身体強化も相まって一撃一撃が暴風の如しだ。
勿論、喰らった騎士達は全員上半身がミンチになって吹っ飛ばされた。
勢いよく飛び散った肉片が、残りの騎士たちの武器をへし折っては、次々に粉砕していく。
状況は正に形勢逆転が似合うだろう。
既にリーダー格である光輝も立ち上がり、騎士達を押し出そうと奮迅している。
するとその時突如、リリアーナに騎士剣を振るおうとした騎士の一人が首を落とされて崩れ落ちた。
その倒れた騎士の後ろから姿を見せたのは──檜山大介だった。
檜山「白崎!リリアーナ姫!無事か!」
リリアーナ「檜山さん!?あなたこそ、そんな酷い怪我で!?」
リリアーナが檜山の様子を見て顔を蒼褪めさせる。
それもその筈、檜山の胸元は夥しい血で染りきっていたのだから。
どうみても、無理をして拘束を抜け出して来たという様子だ。
ぐらりとよろめき障壁に手をついて息も絶え絶えといった様子の檜山に、リリアーナは慌てて障壁の一部を解こうとしたその時…
???「三文芝居はその辺にしておけよ、キチガイストーカー野郎。」
突如、そんな声が響いたかと思うと、どこからか現れた謎の影が、檜山の横っ腹にドロップキックをかました。
檜山「グアッ!?」
突然の襲撃に反応しきれなかった檜山、その手から隠し持っていた短剣が零れ落ちる。
トシ「もう既に終わってんだよ、俺達が来た時点で。お前等の悪事はとっくにバレてんだよ、ばぁーか。」
その謎の影の正体は、我等が参謀、清水幸利だった。
檜山の香織が狙いであることはとっくに看破していたので、どうせそちらに向かうであろうことは察知していたのだ。
檜山「なっ、テメェ!俺がそんなこと…!」
トシ「じゃあ何でお前、傷を負ってもいないのに仮病なんて使ってんだ?
直ぐに立ち上がれるほど元気ってことは、重症じゃないんだろ?」
檜山「!?」
トシの鋭い指摘に、思わず顔色を青ざめさせる檜山。更にメルドから追撃が放たれる。
メルド「どうした大介、あの時私を騙し討ちした時の演技はしないのか!?」
檜山「うるせぇッ!余計なことを……ッ!?」
その指摘に思わず返してしまい、気づかずに自白していたことを漸く理解する檜山。
しかし、言い繕うにも既に答えは明白。檜山も主犯の一人であることは誰の目からも明らかであった。
そして檜山にとって執着の対象であった香織から、トドメの言葉が放たれた。
香織「檜山君、私はハジメ君のことがずっと好きだったの。同じクラスになるずっと前から。
私の気持ちは私だけのものだから、檜山君の決める事じゃないの。
ハジメ君は私の気持ちをしっかり受け止めてくれたの、今も昔も。
だからハジメ君に酷いことをする貴方を、私は許さない。
あの日、ハジメ君が奈落に落ちた時から、檜山君のことは嫌いだったの!
私の中では、貴方とハジメ君じゃ比べるまでもないの。それほどまでに私は、ハジメ君が好きだから!」
それはまさに、ハジメへの告白と檜山への否定が一緒になったようなものであった。
一部の者から「まさかの告白リターン!?」「この状況で!?」「南雲さんマジ羨ま。」なんて呑気な声まで聞こえてくるほどだ。
それほどまでに香織の治癒の腕が上達しているからだろう。
既に先ほどまでの絶望が嘘のように、居残り組達も次々に立ち上がっていく。
そして、香織から否定された檜山はというと……
檜山「――!クソッ!クソッ!クソがァァァ!!!」
地団太を踏んで悔しがっていた。完全に逆上していた。もはや救いようのないまでに墜ちている証拠だ。
共犯者である偽恵理からすらも呆れられている状況なのだ、最早これまでだろう。
ほとんどの誰もがそう思っていたその時。
檜山「ならテメェ等全員殺してやる!あの世で仲良く踊ってろ!」
そう言って檜山が懐からアナザーウォッチを取り出し、起動と同時に体に埋め込んだ。
檜山「ウ゛オ゛ォ゛ォ゛ォ゛!!!」
《Grand Zi-o》《2019》
そして音声と同時に、檜山の周りに黒々しい何かが現れ、檜山に纏わりついていった。
トシ「やっぱりアナザージオウかよ!面倒くせぇ!」
オーマジオウたる自分への嫌がらせであれば、アナザージオウ系統は確実と、ハジメには予想されており、もし交戦することになれば、トシたちは時間稼ぎに専念・力を奪われないよう命大事にを徹底している。
既にメルドの指揮や香織の指示に加え、シアと雫がさりげなく味方を一か所に纏めているので、いつでも逃げることは可能だ。
トシが早速、陰に隠れて様子をうかがうユエに、合図を送ろうとしたその時……
???「それは困るなぁ……?」
ふと、背筋を舐めまわされるような不快な声が響いたかと思えば、
光輝「グッ!?ガアァァァ!?」
雫「ッ!?光輝!?」
光輝が突如叫び声をあげた。その声に気づいた雫が見たものは……
光輝?「ア、アァァ……。」
《Kaori》
香織のような姿をした異形だった。言うなればアナザー香織というべきだろう。
そしてアナザー香織がいるということは当然、
香織「あっ……もう、少し、なのに……!」
力を奪われた香織は、その場に膝をついてしまう。
それと同時に、香織の張っていたエンチャントも効力が無くなってしまう。
それは即ち、相手に反撃の隙を与えてしまうことであった。
トシ「(不味いッ!)谷口、野村!今のうちに防壁を張ってくれ!敵はこっちで何とかする!」
鈴「えっ、でも!」
トシ「いいから早く!」
健太郎「~~!クソッ!」
トシの必死の呼びかけで、鈴と健太郎が防壁を張った。万が一のためにシアも護衛についている。
これで先ずは大半のクラスメイトを逃がすことに成功した。そちらはユエに任せれば大丈夫であろう。
そう思ったトシは、目の前の敵に集中することにした。
目の前にいるのは、アナザーウォッチの力に取り込まれた光輝と、それに相対しながら膝をついてしまっている香織を守るように、立ち塞がる雫。
メルドはリリィの護衛から外れることは厳しいようだ。
ならばアナザーライダーを相手できるのは、自分しかいないようだ。
檜山「ヒャハハハハハ!!!イイキミダゼ、シラサキィ!!!」
そんな観念したようなトシの感想を最後まで語らせてはくれないのか、とうとうアナザーグランドジオウは、汚らしい口調と共にその禍々しい姿を現した。
その異形は正に見てくれだけの王を体現したかのような、金メッキで飾られただけのアナザージオウと言っても過言ではない程に歪だった。
――こうして、それぞれの戦いの火蓋は切られたのだった。
後に"教会事変"と呼ばれるこの戦いにて、この光景が証拠となったのは言うまでもなかったのであった。
ハジメ
「ここまで読んでいただき、ありがとうございます!それで主、この後どうすんだ?」
うp主
「エントリーナンバー1番、"一番星の中の一番星にとっての一番星"さんからのお便りです。」
ハジメ
「まさかのお便りコーナーかい!?他の人と名前が被ったらどうするんだよ……。」
うp主
「"ハジメさんが家事代行の中で最も難的だったことを教えてください。"だってさ。」
ハジメ
「そんなもん決まっている、育児代行だ。全国のお母さん、ホントお疲れ様です!」
うp主
「イクメンの皆さんもお疲れ様です!そして絶賛イクメン中のハジメさんをよろしく!」
ハジメ
「てかこの質問の内容……お前が適当に考えたやつだよな?」
うp主
「……さぁ~て、次回予告だ。」
次回予告
ハジメ
「ホント今回だけにしてくれよ、こんな三流コントは。」
うp主
「後書きが次回予告も兼ねているから、つい……。」
ハジメ
「前みたく、タイトル以外も次回予告に寄せた奴に出来ないのか?」
うp主
「あぁ、あれね。やってもいいけど……こっちの方が人気ありそうで……。」
ハジメ
「今日一のメメタァだよ……次回も引き続き香織サイドだ。」
うp主
「まさかの乱入者によって、窮地に追い込まれてしまう香織一行!
果たして、彼等を救う者は間に合うのか!?」
ハジメ
「そして本物の恵理はどうなったのか。それも次回説明するぞ。」
うp主
「因みに、檜山はまだ死なないよ。この後の展開で色々あるから。」
もしも、ハジメさんが召喚するとしたら、どのサーヴァント?
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勿論我妻、モルガン陛下
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本家後輩、マシュ
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正義の味方同士、エミヤ
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魔王と賢王、ギルガメッシュ
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勝ち確の死神、山の翁
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影の国の槍姫、スカサハ
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最強の母、ティアマト
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建築と錬成師、トラロック
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武器庫の獣、コヤンスカヤ
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どう見ても嫌な予感、LA
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ヒーロータイム、シャルル
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かつての推し、魔人さん
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時空と戦国の魔王ズ、ノッブ
-
出来る良妻賢母、キャス狐
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恋する剣豪、武蔵ちゃん
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騎士道か覇道か、アーサー
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中国産AI皇帝、即ち朕
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恋愛クソザコ、カーマちゃん
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え⁉未実装⁉オルガマリー
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