ありふれない錬成師は最高最善の魔王の力で世界最強を超越する 作:天元突破クローズエボルハザード
「お待たせいたしました!さて、今回はあとがきで重大発表があるから、最後までよろしく!」
ミュウ
「最高最善の魔王を目指す少年、南雲ハジメは、心の底で確執を抱えていた勇者、天之河光輝の心の闇を受け止め、見事に仲間として迎え入れることに成功した。
そして今、【ハルツィナ樹海】へ向かうための最後の準備に乗り出したのであった、なの!」
ハジメ
「う~ん、最後までよく言えました!流石ミュウ、俺の娘!」
ミュウ
「えへへ~、これくらい朝飯前なの!」
ハジメ
「よしよし、今回はミュウが大活躍するシーンもあるから、必見だぞ!」
ミュウ
「みゅ!パパやお姉ちゃん、お兄ちゃん達の戦いも凄かったの!」
ハジメ
「あぁ、ここからさらにもっとすごい戦いが繰り広げられるから、楽しみにしていてくれ!」
ミュウ
「はいなの!それじゃあ、第6章第14話」
ハジメ・ミュウ
「「それでは、どうぞ(なの)!」」
あの後、俺達は一旦ライセンでフリードと合流し、先ずは再生魔法から受けようということで、メルジーネ海底遺跡に向かった。
因みに、海中からの道のりはショートカットした。理由としては面倒だったからだ。
ミュウとレミアも見学がてら連れて行ったおかげか、メイルが上手く大迷宮を調整してくれたので、いきなりシャットアウトなんてことはなかった。
道中も、空間魔法で障壁を張っているので、ずぶ濡れにはならなかった。
そして、以前悪食と遭遇した場所に着くと、そこには体長3mを超えるタコらしき魔物が鎮座していた。
足の数が16本あり、その半数の足先は明らかに金属製だった。
装備を纏っているのではなく、硬化しているというべきか。
金属足は、まるでカマキリの鎌のように折りたたまれる形になっている。
ハジメ「あれが本当のガーディアンのようだな。俺も戦いたいが……ここはお前等に譲るよ。」
メイル「ふふん、上手く対処できるかしら?」
何故か得意げなメイル、どうやら見た目以外にも一工夫加えられているようだ。
そして攻略の証をしまった瞬間――俺は即座に皆の前に出て、防御の構えをとった。
それと同時に、大砲の轟音が鼓膜をつんざいた。
ハジメ「ッ!」
思わず後退る。こいつ、中々やりやがる!
光輝「ハジメ!」
ハジメ「大丈夫だ!」
すると、俺も敵として認識したのか、巨大タコが襲い掛かってきた。
ハジメ「なめんなぁ!」
そう言って俺も加速系技能で巻き返し、超速で打ち込まれてきた金属足を撃ち返した。
その直後、無数の轟音と衝撃波が空間を襲った。超速度での殴打戦だ。
俺とタコの間に無数の衝撃の花が咲き、天井や壁から余波だけで砕けた破片が飛び散っていく。
トシ「……あれ、シャコなんじゃねぇか?」
フリード「シャコ?それはなんだ?」
トシ「たしか、小さなエビに似た海の生き物、だったような……
前脚で打撃を繰り出して餌を取るってあったはずだけど……。」
雫「香織に付き合って読んだ漫画で見たことあるわ……実際、水槽を砕いちゃうくらい威力があるのよね?」
浩介「つまり、タコの柔軟性と手数にシャコの打撃力を加えた魔物って訳か……。」
なにその凶悪な魔物……と言いたげに、ちょっと引き攣った顔で戦いを見守るトシ達。
成程、それならこっちも打撃でいくだけだ!
ハジメ「"
瞬間、俺は八撃同時殴打をかいくぐり、本体に拳を打ち込む。が……
ハジメ「!?衝撃吸収型か!」
それどころか、巨大タコが赤黒い光を纏った直後、一瞬で戻った8本の足から爆発な衝撃が放たれた。
ハジメ「ッ!ぶねぇッ!」
咄嗟に時間停止で避ける。直後、背後にあった壁が跡形もなく砕け散った。
ハジメ「あのタコ、どうやら衝撃を吸収した挙げ句、それを自分の殴打に乗せて放てるようだな……
この中だと、龍太郎だけ無理そうだな?」
龍太郎「俺だけかよ!?」
だって他の皆、魔法使えるし。シアは……そのまま粉砕しそう。
ハジメ「とはいえ、この先の試練もあるからな……一撃で片づける。」
雫「待ってハジメ君、ここは私たちに任せてくれないかしら?」
ハジメ「む……それもそうか。まぁ、いざとなったら洞窟ごとぶち抜いてぶっ飛ばすが。」
恵理「兄さん、それを脳筋っていうんだよ?」
妹のツッコミに思わず目を逸らす。とはいえ、これはあいつ等の試練だ。
ここで俺が手を出しては、元も子もない。なので、さっと後ろに下がる。
光輝「フォーメーションはどうする?俺の"神威"でどうにか吹き飛ばせるか?」
雫「それもありだけど……恵理、貴方の魔法は?」
恵理「あの強さだと、メラゾーマレベルじゃなきゃダメそう。ギガデインとかどうかな?」
鈴「じゃあ、エリエリと光輝君は私と坂上君で守ろうか!」
龍太郎「まぁ、それしかねぇか。」
浩介「なら俺も雷遁で援護するか。フリードは極光で敵を牽制してくれ。」
フリード「心得た。」
おやおや、どうやら作戦は決まったようだ。それじゃ、お手並み拝見と行こうか。
そうこうしているうちに、巨大タコの金属足が迫った。そこへ、雫が前に出ると、
雫「虚空陣奥義"雪風"!」
カウンター技で足を切り落とした。以前の黒刀は更に強化されているので、切れ味抜群だ。とそこへ、
恵理「"バインドチェーン"!」
浩介「"雷遁・虎鋏"」
恵理の拘束と浩介の雷遁が炸裂する。因みに、浩介曰く"影縛りの術"でもよかったらしい。
しかし、流石に向こうも再生能力を有していたのか、直ぐに足が再生し、恵理たちに襲い掛かる。
鈴「させないよ!"聖絶・界"!」
そこへ、鈴の多重結界が立ち塞がり、攻撃を弾く。更にそこへ、
龍太郎「"破拳"!」
龍太郎の拳が足を吹き飛ばした。
この技は空間震動によって 内部からの破壊に向いているので、吸収するポイントに発生するズレを突いた戦法だ。
光輝「充填完了だ!皆、下がってくれ!」
光輝がそう言うと、一斉に皆が下がり、光輝とフリードの大技が炸裂した。
光輝「"神威"!」
フリード「やれ、ウラノス!」
ウラノス『"極光"!』
二つの極光が、巨大タコを包んだ。
そして、ガーディアンは跡形もなく消え去り、光輝達はガッツポーズをした。
まぁ、これが本来のパーティー探索なんだろうけど。
その後も、正規ルートを進み、道中の魔物をやり過ごしつつ、しばらくして水の壁に行き当たった。
潜水艇が通れるほどの一面の水壁だ。あたかも水族館で巨大水槽の前にいるような感覚。
けれど、そこにガラスや壁はなく、手を差し入れれば無抵抗に水没する。
奥は不自然に暗く見通せないが、攻略の証がある以上、トラップや魔物に襲われることはないだろうと、潜水艇を出して乗り込み、そのまま水壁の向こうへ。
そうして、やってきた巨大な球体状水中空間で俺達を出迎えたのは……
ハジメ「成程……あれが例の……。」
オスカー『そうさ、あれが僕達の最高傑作、とも言えるかな。』
見るからに凶悪な、あらゆるアーティファクトで武装した潜水艦があった。
黒一色の中型クルーザー。
巨大球体空間の中心にぽつんと鎮座する潜水艇は、そう表現して問題のないフォルムであった。
普通にフロント部分には窓があって、船内も見える。舵輪もあれば座席もあり、普通の構造だ。
船体には無数の魔法陣が刻まれていて、その構成を読み取る限りだいたいが攻撃魔法。
戦闘目的で建造されたものであることは明白だった。
まさに、魔装潜闘艇とでも呼称すべき姿。だが、それ以上に特異な点が目に付く。
ハジメ「ほぅ、結界で水に触れないようにしている、という訳か。その発想はなかったな……。」
そう、この魔装潜闘艇、うっすらと輝く空気の膜が船全体を卵状に包み込んでおり、そもそも海水に触れていないのである。
その状態で宙に浮いているのだ。
ミレディ「ふっふ~ん、どう?凄いでしょ?アレ、空も飛べちゃうんだよ?」
ハジメ「水空両用か、面白い。」
まぁ、人が濡れずに水中活動するために作られたのが潜水系の乗り物だし、その乗り物自体を濡らさないという発想は、
そう考えれば、船自体を密閉構造にするより魔法で水を寄せ付けなければいい、という方がファンタジー世界らしい発想だろう。」
ラウス『まぁ、これ自体はオスカーのオリジナルではなく、当時の我々の本拠地を参考にしただけだがな。』
ハジメ「寧ろそっちの方がバケモン過ぎると思うんだけど。」
確か、魔剣イグニスや魔喰大鎌エグゼス、だったか。
それらと同時代に作られた魔装巨大戦艦……ロマンの塊じゃねぇか、オラわくわくすっぞ!
ナイズ『まぁ、これ自体は制限時間内まで生き残ればいいだけだ。だからくれぐれも……。』
ハジメ「分かってるよ――でも技術対決はまた今度ね☆」
そう言って俺はゲームエリアを展開、魔装潜水艇は水中から地上へと放り出された。
解放者ズ『……え?』
ハジメ「こういうのはなぁ……勝てばよかろうなのだぁ――!!!」
現代組男子『やりやがったよコイツ!』
そのツッコミを無視して、俺は魔装潜水艇へと肉薄する。
攻略の証を使用せず急迫すれば、当然、魔装潜闘艇とて本来の役割を果たすべく反応する。
結界の作用か、直ぐに浮上し、一瞬のうちに時速50km近い速度に達する。
みるみるうちに迫ってくる魔装潜闘艇との正面切ってのチキンレースに、「ちょっとぉーー!?」「待て待て待てぇっ!?」と悲鳴じみた制止の声が上がるが、今の俺は止められん!
フリード「ダメだ、あの目は完全に戦闘態勢だ。間近でぶつかった私だからこそ分かる。」
メイル「そんな悟ったような眼で言われても困るのだけど!?」
そんなツッコミを無視し、俺はドンナ―&シュラークの二丁拳銃を撃ちまくる。
しかし、魔装潜闘艇は避ける素振りも見せず魔法陣の一つを輝かせた。
途端に、放たれた銃弾の進路がめちゃくちゃにずらされてしまう。
ハジメ「面白いッ!久々に燃えてきたぁ!」
恵理「あ、ダメだねこれ。完全にハイになっているし。」
トシ「まぁ、後で直させるよ。アイツ、時間操作もできたから大丈夫だよ、多分。」
引き続きツッコミを無視し、魔装潜水艇とすれ違った。
すると今度は、お返しとばかりに魔装潜闘艇から、レーザービームが飛んできた。
水中での使用も考慮したのか、そう見える光属性の砲撃魔法のようだ。
ハジメ「無駄無駄無駄ァ!そんなすっとろい攻撃で、この俺が焼かれるかぁっ!」
ユエ「……ハジメの悪癖?」
香織「そう、かもね……。」
雫「たまに常識の箍が外れるのよね、ハジメ君って。」
ジト目付きの呟きと一緒に、砲撃魔法を"
まぁ、流石にジト目はかき消せなかったものの、砲撃はいとも容易く防いで見せた。
ハジメ「残念だった、って何ィッ!?」
何と、いつの間にかいなくなっていた。迷彩機能か、空間移動のどちらかだろう。
落ち着いて精神を研ぎ澄ませる。そして魔力の反応のある方へ視線を向ければ……
ハジメ「そこかぁっ!」
さっと身を翻せば、さっきまでいた場所に雷撃が放たれた。
しかしその直後、俺の周囲一帯が凍てつき始めたので、火炎系技能で無効化する。
その仕返しとばかりに、エナジーアイテム"ポーズ"で位置を固定、直ぐ様"
これは流石に堪えたようで、煙が晴れた先では、遂に浸水防止結界が崩壊。
砲撃用魔法陣も半壊状態になり、転移用の魔法陣にもダメージが入ったのか、空間の歪曲が微かに起こるだけで"ゲート"は開かない。
しかし、最後の抵抗とばかりに、残った砲門から攻撃を放ち続ける魔装潜闘艇。
ハジメ「貰ったぜ、最終コーナーァ!!!」
時間停止で正面へ行き、サイキョ―ジカンギレ―ドを構え、振りかぶった。
『〈キングギリギリスラッシュ!!〉』
そして時が動き出せば、魔装潜闘艇は真っ二つに断たれた。
ハジメ「勝ryyyyyyyy!!!」
そのまま両手万歳スタイルでガッツポーズをして後ろを見れば、呆れの視線と苦笑が突き刺さった。
とはいえ、激闘を制したことに変わりはなく、ゲームエリアを解除すれば、それを認めるかのように輝く紋章の壁がゴゴゴッと四分割に開いていく。
ミュウ「あ、パパ……。」
ハジメ「うん?……は?」
ミュウを抱き上げようとした俺は、娘のぽかんっとした表情に動きを止め、その視線を辿った。
『あ……。』
多分、解放者ズ以外、皆同じ表情をしている。
だって、ボロボロな上にダメ押しで真っ二つにされた魔装潜闘艇が夕焼け色の輝きを帯びたと思ったら、次の瞬間、何事なかったみたいに復元したから。
マジで一瞬である。
こう、パシンッと両手を合わせるような気軽さで船体が一人でにくっつき、破損部分も結界も元に戻ったのだ。
メイル「あら、ごめんなさい?言い忘れていたけど、アレ、時間差で修復されるのよね。」
ハジメ「……。」
オスカー『ま、まぁ、流石に僕もあれが壊れるのは見たくないというか、つい……。』
ハジメ「……。」
ミレディ「ねぇ、ハジメン!今、どんな気持ち?
苦労して倒したのに、直ぐ修復された時って、どんな気持ち?NDK?NDK?残念!プギャァー!」
ハジメ「……。」プッツゥ〰ンッ!!!
コイツぁ、久々にキレちまったよ……。その瞬間、俺の表情が能面になる。
『All Zector Combine』
ハジメ「フフフ……。」
浩介「あ、ヤバい。これ、確実にキレてるな。」
パーフェクトゼクターを右手に、エボル・ブラックホールのウォッチを左手に、それぞれ持った。
ハジメ「なら、跡形もなく消せば、大丈夫だよね?」
解放者ズ『勘弁して!?』
この後、必死に暴れまわる俺と、それを止めようとする皆の騒ぎの中、魔装潜闘艇がその場で旋回して船首をこちらに向ける。
そうして、挨拶でもしているみたいに一瞬強く輝くと、そのまま後方に"ゲート"を出現させ、その向こう側へと消えていった。
そんなこんなで、巨大な紋章の奥へ進んだ俺達一行は、直ぐに海中から脱することができた。
来た時と同じで、門の向こうは直ぐに水の壁と綺麗に整備された通路となっていた。
その道を進むことしばし、現れたのはY字路だった。
ハジメ「どっちがどっちだったっけ?」
メイル「右じゃないかしら?」
そう言って俺達は右に進んだ。
そして後から確認したところ、左は俺達が最初に来た船の墓場だったらしい。
ついた先は廃都市だった。が、今回は幻影との戦いは避けた。
後から再度行った結果、種簇間戦争中、それも遙か過去に存在した国の末期を再現したような感じだった。
そして、二国の軍隊と都内で戦争することになった。
その都は人間族の都で魔人族の軍隊に侵略されている所だったらしく、以前と同じく両者から襲われた。
都の奥には王城と思しき巨大な建築物があり、軍隊を蹴散らしながら突き進むと、侵入した王城で重鎮達の話を聞く事になった。
何でも、魔人族が人間族の村を滅ぼした事が切っ掛けで、この都を首都とする人間族の国が魔人族側と戦争を始めたのだが、実はそれは和平を望まず魔人族の根絶やしを願った人間側の陰謀だったのだ。
気がついた時には、既に収まりがつかない程戦火は拡大し、遂に返り討ちに合った人間側が王都まで攻め入られるという事態になってしまった……という状況だった。
そしてその陰謀を図った人間とは、国と繋がりの深い光教教会の高位司祭だったらしく、この光教教会は聖教教会の前身だった様だ。
更に、奴等は進退窮まり暴挙に出た。
困った時の神頼みと言わんばかりに、生贄を捧げてクソ野郎の助力を得ようとした。
その結果、都内から集められた数百人の女子供が教会の大聖堂で虐殺されるという凄惨な事態となった。
その光景を見た俺は思わず、"
そしてその幻影を飛ばした理由としては、あれは人を狂気に染める悪夢だからだ。
幾ら試練だとはいえ、ミュウとレミアまで巻き込んで見せるわけにはいかなかった。
それを理解していたのか、メイルも神代魔法の試練については、なんとかしてくれた。
誰もが狂って、命を踏み躙って、滅びるまで戦い続ける。無垢な子供達が残酷な結末を迎える。
そんな光景、試練でないなら見るべきじゃない。普通に生きる人が見てはいけない光景だ。
奴が作り出してきた地獄絵図は、常人を容易く狂気の世界へ誘ってしまうのだ。
とはいえ、流石に光輝達も受けないのは不味いので、この後その地点までショートカットして再度挑んだのは、またの機会に。
その後、ちょっとした悪戯心が働いたせいか、幽霊船の中で攻略の証を使わずに進んでしまった。
ハジメ「恐怖を煽って狂気を助長するための試練だからか、怪奇現象や魔物の類いは、危険度自体は大したことないものばかりだ。
ただ不気味さに特化しているだけでな。とはいえ、万が一はあるから一応、ユエ達も警戒と迎撃を頼むな?」
俺の指示に従って、レミア達を中心にして、ユエ達が周囲を警戒しながら早速進んで行く。
そうすれば、早々に現れる怪奇現象の数々。
当時は気が付かなかった精神的に恐怖や狂気を煽る魔法も確かにかかっていて、事前に渡しておいた精神保護のアーティファクトが輝きを帯びっぱなしになっていた。
レミアは度々悲鳴を上げては飛び上がっている。だというのに、
ハジメ「ミュウ、大丈夫?」
ミュウ「面白いの!」
レミア「嘘でしょ?ミュウ、ママは割と限界が近いのだけど……」
ミュウ「はい、ママ。お手々を繋いで?大丈夫、ミュウが守ってあげるの!」
レミア「た、頼もしい……」
ミュウは、どうやらホラー系に絶対の耐性を持っているらしい。
尚、怖がっているレミアを見て興奮している
香織「く、クルよ!あいつがクルよぉ!」
ハジメ「香織、頼むから耳元で音程の狂った囁きをするのはやめて。今の香織の方が怖いよ?」
相変わらずおんぶ状態の香織が何かを感じ取ったようだ。
通路の奥に、かつて香織を震え上がらせた白いドレスの少女が現れたのだ。
恐怖を感じ取ったのか、少女の口元が三日月のように裂けた。
ガクッと糸を切られたマリオネットのように床へ身を投げ出し、手足があり得ない方向に曲がって蜘蛛のようになる。
そして、ケタケタケタッとSAN値を削るような、否、実際にそういう作用のある魔法が併用されているらしい奇怪な嗤い声が響き渡った。
香織から「いやぁあああああっ!?」と悲鳴が放たれる。
レミアもまた、思わずしゃがみ込んでミュウを抱き締める――前に。
レミア「あっ、ミュウ!?ダメよ!行っちゃダメぇ!」
ユエ「……レミア、落ち着いて!ちゃんとハジメが処理するから!」
恋人に捨てられた人のようにくずおれスタイルで片手を伸ばすレミア。
普段の余裕あるスマイルは欠片もなし。追いかけたいけど腰が抜けてしまっているらしい。
直ぐ様対処に移ろうと未来予知をしたら、とんでもない光景があったので思わず立ち止まってしまった。
何故ならーー
ミュウ「初めまして!ミュウはミュウです!貴女のお名前はなんですか!なの!」
ホラー的状況にまったくそぐわない、同年代の女の子を見つけたから声をかけてみた!くらいのノリで近づいていくミュウ。
直後、驚くべきことに、妖怪モドキは動きを止めた。
それどころか、ずんずんっと近寄ってくるミュウに、「え?なんで!?なんで近寄ってくるの!?そういうの困るんだけど!?」と言いたげに後退る始末。
ハジメ「もしかして…俺がよくやったあれかぁ!?
お化け屋敷のお化け役が嫌がるお客ナンバーワンのムーブを!?」
それが正しかったのか、結果的に言えば、妖怪モドキはジリジリと下がった後、そのままダッシュで去ってしまった。
明白に拒否られて落ち込みながら戻ってくるミュウに、香織が恐る恐る尋ねる。
香織「ミュウちゃん、怖くないの?」
心構えというか、その心理状態を知れば、自分の苦手意識も少しは治るのでは?と思ってした質問に、ミュウはキョトンとした後、なぜか物凄く大人びた表情になった。
そして、俺の腰に巻き付いたままの香織の足をぽんぽんしつつ、
ミュウ「人間より怖い存在なんていないの。そうでしょ?」
香織「あ、はい……。」
ハジメ「……そうっすね、ミュウさん。」
光輝「ハジメが敬語を使った!?」
いや、だってさぁ……。
ミュウは誘拐されて、人間が人間を売る場面を目の当たりにして、それに喜んで値段をつける人間を見てきたんだよ?
そしてそんな幼子の言葉には、それはそれは強い説得力があったのだった。
フリード「我が魔王……貴方のご息女は本当に義理の娘なのか?
とても血の繋がりが無いようには思えんが……。」
ハジメ「どういう意味かなぁ、フリードくぅん?俺も正直驚いているんだよ?
ミュウは時々、俺やレミアの予想外の成長遂げているから、制御が効かないんだよ……。」
フリード「……ご苦労お察しいたします。」
フリードに同情されたのか、思わず涙ぐみそうになったよ、ちくせう……。
だからだろうか。
誰も彼も、その後の怪奇現象にあまり反応しなくなったのは。
そんなわけで、その後はなんとなく世知辛い想いをスパイス代わりに、遊園地の一般的なホラー系施設程度の恐怖と驚きを味わいながら船倉までスムーズに進み、攻略の間へと足を進めた。
そこにはなんと……
ハジメ「お、お前……ここにいたのか!?」
十字型の通路と水に満ちた神殿造りの空間に感心しつつ、中央の魔法陣がある場所に入った直後だった。
ゴゴゴッと音を立てて水面の一部が渦を巻いて凹んでいき、そこからせり上がってきたのだ。
あたかも、SF映画などで湖の下の秘密基地から航空機が出てくるシーンのように。
そう、あの魔装潜闘艇が。
ミュウ「みゅ!パパ、普通に乗れるの!」
ハジメ「そっかぁ……。」
最後の戦いだ!というわけでは、やはりなかったらしい。
試しに魔力を注いでみれば、普通に操作できそうだった。
オスカー『もしよければ、あげるよ?このまま、ここに置いたままなのも流石にね……。』
ハジメ「……いいだろう、その言葉、後悔するなよ?」
そんなわけで、俺は新たに魔装潜水艇を手に入れたのであった。
そして光輝達も再生魔法の取得に成功したのであった。
その面子に何故、ミュウとレミアが入っていたのかは誰もツッコまなかった。
というかツッコめるか。俺にだって予想外過ぎる。だって、メイルも何もしていないって言ってたから。
そのうち、幽霊船の幽霊がもう来てほしくないからという理由で贈与したのでは?という仮説で落ち着いたのであった。
そして再びライセン大峡谷に戻り、試練のガーディアンであるゴーレムを出すことにした。その結果……
ハジメ「ホラホラ!さっさと攻撃しないと、スタミナを余計に消費するよ!」
光輝「そんなに言うなら少しは手加減しろォ!鬼!悪魔!魔王!」
トシ「遊び半分でこんなデカブツ作る奴の言うセリフじゃねぇ!?」
正に地獄絵図であった。
現在、俺は巨大ゴーレム「Maximum Powered Xeno 99」通称MPX99で光輝達に試練を受けさせていた。
何でかって?巨大ロボこそ男のロマンだったからさ!
因みにコックピットには、オスカーとナイズの眼魂が埋め込まれており、三人で動かしている形だ。
オスカー『ひゃっほーい!こんなにも自在に動くゴーレムは初めてだ!』
ナイズ『オスカー、キャラがぶれているぞ……。』
まぁ、無理もないわな。
いとも容易くピョンピョン跳ねては、挑戦者を潰そうと高速で動くゴーレムなんてこっちの世界じゃ無理そうだし。
ティオ『ご主人様、少し厳しすぎではないかの!?』
ハジメ「寧ろこれでも手加減したくらいだよ?
ホントはもうちょい武装もつけたかったけど、機動性重視にしたから止めたし。」
香織「初耳なんだけど!?」
フリード「ウラノス、大丈夫か!?」
ウラノス『な、なんとか……。』
そんなに厳しすぎたかなぁ?今もズドンズドンって轟音を響かせながら、辺りを跳ねまわっているけど……
それでもコックピット以外の装甲は、"神威"とかでやれば、何とか削れそうだけどなぁ……?
そんなことを思いつつも、結局は進撃を止めない俺であった。
鈴「うわぁ~ん、死んだら化けて出てきてやるぅ~!」
龍太郎「ていうか遠藤、遠藤はどこ行った!?タゲ集中はアイツの役目だろ!?」
ハジメ「あぁ、浩介なら今トラップ部屋で悪戦苦闘中だ。
なんか、浩介だけは一人でやらせた方が後々良さそうな気がして、ね?」
イナバ『何の話っすか!?』
恵理「兄さんの悪い癖がまた……でもこれで終わる筈……!」
まぁ、他のは俺の手を加えずともやべーのばっかりだしなぁ……。
今回は突貫工事で作ったゴーレムで試練を受けさせているが……
本来は迷路も突破しないといけないからな。それを省略できただけでも、マシだと思って欲しい。
浩介?アイツは迷路も攻略してもらったよ?俺達が過去に行ったのよりも簡単な奴だったけど。
流石におんなじ迷路を一人にやらせるのは、俺としても良心が痛んだので止めたが……
それでも試練のキツさは光輝達よりもでかい。その方がいい、という予感が俺の中に響いていた。
何故だろうか?もしや、浩介の嫁さんが無茶な条件でも出したとか?……流石にないか。
と、そんなことを考えている内に、そろそろ急ごしらえのゴーレムもボロボロになってきた。
ハジメ「面白い!ならばこれはどうかな?トランザム!」
俺がそう叫んだ瞬間、ゴーレムが紅く発光し、体が一回り縮んだ。
トシ「オイィィィ!?」
光輝「ちょっとぉ!?」
オスカー『Fooooo!!!』
三者三様の叫び声が上がる。そしてMPX99・トランザムverが火を噴いたのであった。
とまぁ、俺の暴走というアクシデントがあったものの、あの後いつの間にか迷路を突破してきた浩介が、コックピットに侵入してきたので、咄嗟にオスカーとナイズを連れて脱出した結果、企画時点で弾いておいた筈の自爆機能が何故か搭載されており、浩介はそれに巻き込まれる寸前で脱出したものの、ゴーレムが自爆してしまったので、試練続行が不可能になってしまった。
そして、自爆機能をゴーレムに搭載した犯人のミレディが必死に謝り、重力魔法の授与をすることでこの騒ぎは何とか収まったのであった。
その後、光輝達も魂魄魔法の習得に成功したので、リリィたちと合流した。
フリードと部下の魔人君達は、俺達がフェアベルゲンについた後で、ゲートで連れてくることにした。
一応、兵糧の補給もしておいたので、大丈夫だろう。
さぁ、向かうは樹海の大迷宮、"ハルツィナ大迷宮"だ!Go the East!!!
ハジメ
「ここまで読んでいただき、ありがとうございます!今回は俺一人で進めさせてもらうぜ!
さて、今後の前書きと後書きの方針についてだが……以下の通りになった。」
前書き……ヒロインズ+仲間達のローテーションによるオープニングトーク
後書き……うp主の感想と説明+次回予告(暫くRX風の語り、タイトルはまだ未定)
ハジメ
「ざっとこんな感じか。後何でRX風なのかはまぁ……うp主が気に入ったらしいからだ。
でもサブタイは平成・令和風で進めていくから、お楽しみに!
さて、次回予告と行くか!」
次回予告
ハジメ達は6つ目の神代魔法"昇華魔法"を手に入れるため、東の樹海の中にある【ハルツィナ大迷宮】へと向かい、樹海へとアーティファクトで歩みを進めていた。
だがそんな中、一行は衝撃的な光景を目撃する!
そしてこれが、後に歴史を動かす出来事の一つの始まりになるとは、誰も予想できないでいた!
次回、「見参!首狩り兎のハウリア!」
目撃せよ、歴史の始まり!
ハジメ「ぶっちぎるぜ!」
リースティアさん、誤字報告ありがとうございました!
もしも、ハジメさんが召喚するとしたら、どのサーヴァント?
-
勿論我妻、モルガン陛下
-
本家後輩、マシュ
-
正義の味方同士、エミヤ
-
魔王と賢王、ギルガメッシュ
-
勝ち確の死神、山の翁
-
影の国の槍姫、スカサハ
-
最強の母、ティアマト
-
建築と錬成師、トラロック
-
武器庫の獣、コヤンスカヤ
-
どう見ても嫌な予感、LA
-
ヒーロータイム、シャルル
-
かつての推し、魔人さん
-
時空と戦国の魔王ズ、ノッブ
-
出来る良妻賢母、キャス狐
-
恋する剣豪、武蔵ちゃん
-
騎士道か覇道か、アーサー
-
中国産AI皇帝、即ち朕
-
恋愛クソザコ、カーマちゃん
-
え⁉未実装⁉オルガマリー
-
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