インフィニット・ストラトス〜十の秋、黒の弾丸〜(凍結)   作:とりマヨつくね

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遅れた挙句、文字数が少なくてすいません。



決まるライ◯ダーキック

 

「え?」

 

 一夏は目の前にいる少女……セシリアに向けた雪片弐型を止めた。

 耳元にはサイレンの音が轟き、機体を動かそうにもピクリとも動かない。

 何が起きたのかと思考を混乱させながら、視界の端にあるSEゲージを見る。

 0……そこに映っていた数字だ。

 やっと状況が飲み込め掛けたところで、機体が自動操作(オート)なる。

 ゆっくりと下降していき、着陸と同時に機体は量子化して待機状態になる。

 そして一夏はゆっくりと降りてきているセシリアに、視線を向けて。

 

「俺、負けたのか……」

 

 と呟く。

 そう、負けたのだ。

 それを認識した途端、一夏は十秋の顔を思い浮かべる。

 自分と同じ男性のIS乗りで、頼れる兄貴分のような(まあ、本当に兄弟なのであるが)存在。

 今回の模擬戦だって、彼が居なければすぐに倒されてしまっていただろう。

 だが、結局は負けてしまった。

 生徒会の副会長でもあり、大変多忙である彼が自分のためにわざわざ時間を作ってくれたのに。

 

「これじゃ、十秋にーーーー」

 

 申し訳ない、そう言おうとした時だった。

 先ほど出撃してきた滑走路の方からドドドドドッ! と何かが迫ってくるような音が聞こえた。

 何事かと一夏は視線を向けると、迫ってきた存在にぎょっと目を丸くした。

 

「い〜〜〜ち〜〜〜か〜〜〜!」

 

 なんとたった今、謝罪しようと考えていた十秋が物凄い形相で走ってきていたのだ。

 

「と、十秋!?」

 

 一夏が名を呼ぶと同時に、十秋は某ヒーロー番組のように両足を合わせて踏み切り、左手と右膝を上に突き出して跳ぶ。

 真上に跳躍後、空中で体をひねってムーンサルト、そして即座にキック姿勢にそのまま一夏めがけて落下する。

 危険が迫っていることに気づいた一夏が、急いでその場を離れようとしたがもう遅かった。

 蹴りが炸裂し、一夏の体は大きく吹き飛ばされ、壁にビタンッ! と衝突した。

 その後、華麗に着地した十秋は、無様にでんぐり返しの状態になっている一夏に人差し指を向けて言った。

  

「一夏テメー、専用機を貰うなら貰うって先に言いやがれ!」

 

「は、はあ?」

 

「な・に・が、はあ? だよ! こっちはてっきり打鉄で戦うと思って、修行プランを構築していたんだよ。それを……お前は!」

 

「仕方がないだろう! 今さっき、渡されたんだから」

 

「それでも俺に電話とかして、助けを請えよ。専用機なんて初心者が乗れるようなものじゃないんだから!」

 

「グッ……ごめん」

 

 これ以上の反論は無意味だと判断した一夏は素直に謝り、十秋は「よろしい」と頷く。

 

「それで大体は予測はできるが、試合には負けちまったことでいいんだよな」

 

「ああ、せっかく十秋や箒が特訓してくれたのに……」

 

 そう言って一夏は顔を曇らせると、十秋は深く息を吸ってーー吐いた。

 

「あのな、俺が怒っているのは、ほうれん草を怠ったことだけだ。負けたことに関しては責めてたりしない」

 

 十秋は目線が一夏と同じ位置になるまでしゃがむ。

 そしてーー。

 

「よく頑張ったな」

 

 と、そっと右手を一夏の頭に置いて微笑みかける。

 その時、一夏は不思議な感覚に包まれた。

 どこかで感じたことがある懐かしさにも似た感覚だった。

 けれどーーどこで?

 一夏が自分が感じている感覚について、思考を巡らせていると、

 

「あ、あなたは……」

 

 着陸して機体を待機状態にしたセシリアから、そんな言葉が漏れた。

 

「トム! トムですのね!?」

 

 一夏はセシリアの言っていることがわからず、頭の上に疑問符を浮かべるのだった。

 

 




今日は短めですいませんでした。
それではまた次回
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