インフィニット・ストラトス〜十の秋、黒の弾丸〜(凍結)   作:とりマヨつくね

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もうおふざけキャラなのか、ツッコミキャラなのか、執事キャラなのか、わからなくなってきたのでここから確実なキャラを固めて行きたいと思います。


呼び出し電話

 

「ああ〜腹が裂けそう」

 

 十秋は学校から寮へと繋がる道の上で、膝に手を置きながら言った。

 パーティーが始まって最初は、セシリアとの関係を納得させるのに結構な苦労をしたが、

その後はは美味い料理が待っていた。

 しかしあまり料理の美味しさに、十秋は食い過ぎて気持ち悪くなってしまい、一足先にパーティーを抜け出してきたというわけだ。

 

「最後の唐揚げはいらなかーーうぇっぷ」

 

 不快感と共に首元にやってきた『モノ』を外界に出さないように、口を急いで手で覆う。

 危なかった……マジでキラキラ一歩手前だった。

 十秋の状況をつゆ知らず、ポケットの辺りが小さく震えた。

 恐らく、メールだろう。

 

「な、なんだ……こっちは非常事態だってのに……」

 

 そんなことをぼやきながら、携帯端末を取り出してメールの内容を確認する。

 メール内容を読み進めるうちに、十秋は先ほどの吐き気は無くなっていた。

 超簡潔に言うと、更識が追っていたテロ組織のアジトを見つけたため、今夜中に潰すと言うことだった。

 

「……なんで、よりにもよって今日なんだよ」

 

 別に更識を舐めていたわけではない。

 仮にも日本の暗部の長であるのだから、すぐに仕事はやってくると思っていた。 

 けれどまさか仕事の依頼が受けてから、その日中に、それもパーティーで楽しんだ後で来るとは思っていなかった。

 ドチャクソやる気が湧かないが、依頼を受けたからにはやるしかないだろう。

 十秋は「はあ……」と溜息をつくと、周囲に監視カメラが無いことを確認する。

 そして首元に手を置き、その名を呼んだ。

 

「黒影」

 

 首元のチョーカーが眩い光を放ち、その中にデータ化して収納していた装甲が彼の身に装着する。

 本当なら、アラスカ条約でISの私的仕様は許されないが、あれはもうあってないようなもので大して気にしなくてもいい。

 ……まあ、もしも機体が没収されることになったら、委員会に機体を渡した後にドカンと爆発させればいいし……。

 そんな物騒な考えが浮かび上がったところで、十秋は我に返った。

 そもそもとして、バレなきゃ問題ないのだ。

 なので、ささっと現場に向かうとしよう。 

 

「一応、人の目がつかないように光学迷彩をつけよっと」

 

 彼がそう呟くと、全身装甲の黒い機体の姿が夜に消えた。

 それから数秒後、上空から航空機が通り過ぎたような音が聞こえた。 

 

                  ◇ 

 場所は横浜近辺のどこか、そこには複数の天幕が張られ、そこでは更識家が保有する部隊が突入の準備を整えていた。

 その最奥にある一際大きい天幕、作戦本部で楯無は顎に手を置いて、

 

「少し……肌寒いわね」

 

 と、いきなりボケた。

 いや、確かに四月の夜ってたまに寒い時はある。

 それに楯無の服装は、全体的に露出の多いISスーツだったので、そう思うのは仕方がないのかもしれない。

 

「いきなり、どうしたんですか。もう少しで作戦が始まるんですよ。しっかりしてください」

 

 楯無の言葉に、布仏虚は半眼を向けながら暖かいお茶を置く。

 いきなりボケる楯無もだが、すぐにそれに対応できる虚も虚である。

 楯無は「ありがとう」と軽く礼を言うと、早速入れたてのお茶を啜ろうとした時だった。

 

「貴様、どこから入ってきた! ここは関係者以外立ち入り禁止だったはずだ!」

 

 と、外から警護の怒声が聞こえた。

 その声を聞いた楯無と虚は、その表情を警戒色に染めた。

 侵入してきたのは何者なのかは知らないが、歴戦の猛者である隊員達の警護を掻い潜ってここまできたということは相当の手慣れだろう。

 だが、テロ組織にはそこまでの手慣れの情報なんてなかった。

 最初は、どこかで情報が漏れて奇襲をかけてきたのかと思ったが、それはすぐに違うことを証明された。

 

「ちょ、ちょっと待てよ! 俺は、あくまでその奥にいるだろう楯無に依頼されたのであって……だからその物騒な銃口を突きつけるのはヤメテー!!」

 

 ……やけに聞き覚えのある少年の絶叫に、楯無と虚はお互いを見合った。

 

「あ、あの、楯無さん! もしくは虚さん! このままだと、この人達に射殺されちゃうから本当に〜〜〜〜!」

 

 そんな魂の叫びに、二人は急いで天幕の外に出た。

 

「ちょ、ちょっと待て!」

 

 天幕を出た楯無が隊員を止めた。

 

「お、お嬢様! 顔を出していけません。『難波ガイスト』の手先かもしれません」

 

「だからちょっと待ちなさい! その男の子が例の助っ人なの!」

 

「なんですと? では彼が『二人目』ですか。これは失礼しました」

 

 隊員はすぐに警戒を解き、楯無に謝罪をする。

 

「謝るのは私じゃなくて、あっちでしょ」

 

 楯無が言うと、隊員は「は!」と敬礼をしてから十秋の方へと向き直った。

 

「先ほどの無礼、大変申し訳なかった。どうか許してほしい」

 

 隊員は謝罪の言葉と共に頭を下げる。

 その様子に十秋はというと、

 

「イヤイヤ、警戒するのに越したことはないからな。こちらこそ驚かせてすんませんした」

 

 と、まるで何事もなかったかのように、調子良いように言った。

 まあ、幸い何も起きなかったので、結果オーライだろう。

 楯無は小さく息を吐くと、いつもと変わらない夜空を眺めた。

 作戦開始まで残り一時間……。

 

 




あとがき。
はい、ここ最近ゆるふわな日常が続いていたので、ちょっとシリアスを入れていこうと思っています。
だが、やっぱり自分の中の十秋くんって『道化』のイメージがあるので、こんな感じの多少抜けてる感じにしていこうと思っています。
もし、皆さんとのイメージが違ったらすいません。
それではまた次回会いましょう。
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