インフィニット・ストラトス〜十の秋、黒の弾丸〜(凍結) 作:とりマヨつくね
それでも今回も面白く作っているつもりです。
それでは本編へ。
「ちょっと待って?」
思考が激しい渋滞を起こした十秋は、ふざけるのも忘れてガチトーンで言った。
「何を待つ必要があるの? 何かわからないことでもあるのかしら」
「いや、全部が全部だよ! 確かに今のは半分ぐらいは俺が悪い。だけどだからっていきなり決闘の話になるのは幾ら何でもーー」
おかしい、十秋がそう言おうとした時。
「え? 黒神君と生徒会長様が戦うの?」
「ええ〜!? 私、見てみたい!」
「私も私も!」
教室のあちこちからそんな声が湧いてくる。
それは石が落ちた水面のように、波紋をように広がっていった。
まずい、ここで決闘を断れば間違いなく腰抜けだと思われてしまう。
女尊男卑が普通のこの世界で、女子達に舐められるのは任務はおろか、私生活にも思いっきり支障をきたす。
それだけは絶対にーーん?
「ちょっと待て。楯無……お前、生徒会長だったのかよ!?」
「あら、知らなかったの? まあ、今までISに触れてこなかったからわからなくても仕方がないけど」
なんだろう。すごくムカつく。
いや、実際にはそんなに悪い人間ではないのだろうが、流石にここまでバカにされるのも癪である。
けれど、ここで相手の挑発に乗るのは愚の骨頂だろう。
十秋は、今にも反論したい気持ちをグッと堪える。
そんなこともつゆ知らずか、胸を張りながら楯無が話を続ける。
「それで? 決闘はもちろん受けてくれるわよね?」
(さて、これはどうしたものか……)
十秋は脳内でギャルゲーのように三択のコマンドを用意する。
⓵いいぜ、その勝負に乗った!
⓶ごめんなさい、パフェでもなんでも奢りますから!
⓷無言で全力疾走
まず三番は論外として、二番もあまり得策とは言えない。
となると答えはただ一つ。
十秋は降参といった様子で両手をあげる。
「オーケー。その決闘を受けた」
「ふふ、そうこなくちゃ」
手を叩く音が聞こえたかと思うと、皆に届くように声を張って絹恵は言った。
「じゃあ決闘は一週間後のクラス代表決定の時ね。話は私が通しておくわ」
「「「は〜い!」」」
先生の言葉に生徒達は元気に返事をする。
今思ったが、この学校は意外とイレギュラーへの順応が早い。
実際の戦闘ではイレギュラーなんて腐るほど湧いてくる。
だからISパイロットを目指すIS学園の学生なら、このぐらいは普通なのかもしれない。
◇
「えっと……四○五号室はと……ここか」
十秋は生活用品を詰めたビニール袋を片手に、これから自分の部屋になる部屋の前で立ち止まった。
右ポケットからカードキーを翳し部屋の中に入る。
「意外と広いもんだな〜」
十秋はビニール袋を作業用のテーブルに置くと、豪快にベットに寝そべった。
「ふう、さて」
十秋は軽く息を吐くと、ビニール袋から一冊の
お宝……つまりはエロ本である。
言い訳できないからはっきりと言うが、正直ムラっけがやばい。
ほぼ女子校(ほぼと言うか少し前まで女子校だった)であるIS学園だが、今朝とホームルームの件で溜まりに溜まっていた性欲が今にも爆発しそうなのだ。
そうと決まったら、発散せざる得ないのだろう。
十秋はエロ本と一緒に買ってきた定規を手を手に取る。
そしてエロ本の閉ざされた箇所に、定規を当てようとしたところで。
「……!」
部屋のドアの奥から人の気配を感じて、十秋は急いでエロ本を自分の後ろに隠した。
ガチャリと部屋の扉の鍵が開く音が聞こえると、ゆっくりと扉が開き一人の人物が入ってきた。
「えっと……ここでいいのか……ってあなたは……」
「一夏……」
織斑一夏。十秋と同じISを動かせる男性にして、
そして十秋の弟でもある。
「あ、あなたは確か黒神十秋……先輩ですよね。その……会えて嬉しいです」
慣れていないのか、一夏はたどたどしい敬語で十秋に話しかけてきた。
十秋は頬を緩ませると、ベットから立ち上がった。
「話しづらいなら先輩呼びも敬語もいらないよ。世界でたった二人しかいないIS操縦者なんだ。仲良く行こうぜ」
十秋は握手を求とめようとして手を伸ばした。
「そ、そうか。じゃあ、これからよろしくな。十秋さん」
「お、おう、こちらこそよろしくな」
一夏は十秋の差し伸べられた手を握り返した。
「……ところでその左手にあるものなんだ。見たところ雑誌に見えるけど?」
「……っ!」
一夏の指摘に十秋は視線を自らの左手に移す。
そこには先ほど慌てて隠したエロ本である。
十秋は某有名漫画、O○E PIECEに出てくる雷の能力使い並みの驚愕の表情を浮かべる。
(どどど、どうすればいい!? いや待て、一夏だって男だ。ここは普通に答えればーーって馬鹿か! こいつの性格を考えたら、そんなの引かれるだけに決まってるだろうが! けれど他に案あるともーー)
十秋が高速で思考させていると、突如ポケットから振動を感じた。
電話だ。
「す、すまねえな。少し電話してくるから適当にくつろいでくれ」
これはチャンスだと思った十秋は、エロ本の表紙が見えないようにそそくさと部屋を出た。
一人取り残された一夏は頬をかくと、
「あれ……エロ本だよな」
と小さく言った。
は〜い、あとがきですよ。大変お待たせしました。
次回はついに十秋の実力が判明するぞ!
てなわけでまた次回〜!