インフィニット・ストラトス〜十の秋、黒の弾丸〜(凍結)   作:とりマヨつくね

4 / 17
遅れてすまん。
それでも今回も面白く作っているつもりです。
それでは本編へ。


再開する兄弟

 

「ちょっと待って?」

 

 思考が激しい渋滞を起こした十秋は、ふざけるのも忘れてガチトーンで言った。

 

「何を待つ必要があるの? 何かわからないことでもあるのかしら」

 

「いや、全部が全部だよ! 確かに今のは半分ぐらいは俺が悪い。だけどだからっていきなり決闘の話になるのは幾ら何でもーー」

 

 おかしい、十秋がそう言おうとした時。

 

「え? 黒神君と生徒会長様が戦うの?」 

 

「ええ〜!? 私、見てみたい!」

 

「私も私も!」

 

 教室のあちこちからそんな声が湧いてくる。

 それは石が落ちた水面のように、波紋をように広がっていった。

 まずい、ここで決闘を断れば間違いなく腰抜けだと思われてしまう。

 女尊男卑が普通のこの世界で、女子達に舐められるのは任務はおろか、私生活にも思いっきり支障をきたす。

 それだけは絶対にーーん? 

 

「ちょっと待て。楯無……お前、生徒会長だったのかよ!?」

 

「あら、知らなかったの? まあ、今までISに触れてこなかったからわからなくても仕方がないけど」

 

 なんだろう。すごくムカつく。

 いや、実際にはそんなに悪い人間ではないのだろうが、流石にここまでバカにされるのも癪である。

 けれど、ここで相手の挑発に乗るのは愚の骨頂だろう。

 十秋は、今にも反論したい気持ちをグッと堪える。

 そんなこともつゆ知らずか、胸を張りながら楯無が話を続ける。

 

「それで? 決闘はもちろん受けてくれるわよね?」

 

(さて、これはどうしたものか……)

 

 十秋は脳内でギャルゲーのように三択のコマンドを用意する。

 

 ⓵いいぜ、その勝負に乗った!

 

 ⓶ごめんなさい、パフェでもなんでも奢りますから!

 

 ⓷無言で全力疾走

 

 まず三番は論外として、二番もあまり得策とは言えない。

 となると答えはただ一つ。

 十秋は降参といった様子で両手をあげる。

 

「オーケー。その決闘を受けた」

 

「ふふ、そうこなくちゃ」

 

 手を叩く音が聞こえたかと思うと、皆に届くように声を張って絹恵は言った。

 

「じゃあ決闘は一週間後のクラス代表決定の時ね。話は私が通しておくわ」

 

「「「は〜い!」」」

 

 先生の言葉に生徒達は元気に返事をする。

 今思ったが、この学校は意外とイレギュラーへの順応が早い。

 実際の戦闘ではイレギュラーなんて腐るほど湧いてくる。

 だからISパイロットを目指すIS学園の学生なら、このぐらいは普通なのかもしれない。

 

                  ◇

 

「えっと……四○五号室はと……ここか」

 

 十秋は生活用品を詰めたビニール袋を片手に、これから自分の部屋になる部屋の前で立ち止まった。

 右ポケットからカードキーを翳し部屋の中に入る。

 

「意外と広いもんだな〜」

 

 十秋はビニール袋を作業用のテーブルに置くと、豪快にベットに寝そべった。

 

「ふう、さて」

 

 十秋は軽く息を吐くと、ビニール袋から一冊の()()()を取り出した。

 お宝……つまりはエロ本である。

 言い訳できないからはっきりと言うが、正直ムラっけがやばい。

 ほぼ女子校(ほぼと言うか少し前まで女子校だった)であるIS学園だが、今朝とホームルームの件で溜まりに溜まっていた性欲が今にも爆発しそうなのだ。

 そうと決まったら、発散せざる得ないのだろう。

 十秋はエロ本と一緒に買ってきた定規を手を手に取る。

 そしてエロ本の閉ざされた箇所に、定規を当てようとしたところで。

 

「……!」

 

 部屋のドアの奥から人の気配を感じて、十秋は急いでエロ本を自分の後ろに隠した。

 ガチャリと部屋の扉の鍵が開く音が聞こえると、ゆっくりと扉が開き一人の人物が入ってきた。

 

「えっと……ここでいいのか……ってあなたは……」

 

「一夏……」

 

 織斑一夏。十秋と同じISを動かせる男性にして、世界最強(ブリュンヒルデ)である織斑千冬の弟。

 そして十秋の弟でもある。

 

「あ、あなたは確か黒神十秋……先輩ですよね。その……会えて嬉しいです」

 

 慣れていないのか、一夏はたどたどしい敬語で十秋に話しかけてきた。

 十秋は頬を緩ませると、ベットから立ち上がった。

 

「話しづらいなら先輩呼びも敬語もいらないよ。世界でたった二人しかいないIS操縦者なんだ。仲良く行こうぜ」

 

 十秋は握手を求とめようとして手を伸ばした。

 

「そ、そうか。じゃあ、これからよろしくな。十秋さん」

 

「お、おう、こちらこそよろしくな」

 

 一夏は十秋の差し伸べられた手を握り返した。

  

「……ところでその左手にあるものなんだ。見たところ雑誌に見えるけど?」

 

「……っ!」

 

 一夏の指摘に十秋は視線を自らの左手に移す。

 そこには先ほど慌てて隠したエロ本である。

 十秋は某有名漫画、O○E PIECEに出てくる雷の能力使い並みの驚愕の表情を浮かべる。

 

(どどど、どうすればいい!? いや待て、一夏だって男だ。ここは普通に答えればーーって馬鹿か! こいつの性格を考えたら、そんなの引かれるだけに決まってるだろうが! けれど他に案あるともーー)

 

 十秋が高速で思考させていると、突如ポケットから振動を感じた。

 電話だ。 

 

「す、すまねえな。少し電話してくるから適当にくつろいでくれ」

 

 これはチャンスだと思った十秋は、エロ本の表紙が見えないようにそそくさと部屋を出た。

 一人取り残された一夏は頬をかくと、

 

「あれ……エロ本だよな」

 

 と小さく言った。




は〜い、あとがきですよ。大変お待たせしました。
次回はついに十秋の実力が判明するぞ! 
てなわけでまた次回〜!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。