インフィニット・ストラトス〜十の秋、黒の弾丸〜(凍結)   作:とりマヨつくね

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投稿。
どうも皆さん、作者こと生川尚紀です。
すごい勢いで、UAとお気に入りが増えて驚いていています。
それだけ応援してくださっていることに、僕は嬉しい限りです。
これまで以上に面白い話が書けるよう、精進させていただきます。
それでは本編へ。


嫌な予感の正体

「ん? ここは?」

 

 十秋は辺りを見渡してみると、ここが学校の屋上に立っている事に気付いた。

 先ほどまで楯無との模擬戦をしていて、最後に大目玉を喰らったところで意識を失った。

 場所がアリーナじゃないことも含めて、今自分は夢を見ていることになる。

 夢にしては妙にリアルだな、とも思った。

 十秋が困惑していると、人の気配を感じたため後ろを振り向いてみると、そこには一人の少女が立っていた。

 少女の顔は、夕焼けの太陽の光のせいで確認できない。

 分かる特徴といえば、黒髪であること、同じく黒いワンピースを纏っていること、それぐらいだろうか。

 十秋が呆然と少女に釘つけになっていると、少女が小さく微笑んだかと思えば。 

 

『トアキ、トアキ。コウシテアウノハヒサシブリダネ』

 

 と、片言で十秋の名を呼んだ。

 その声はまるで鈴のように軽く、鳥のさえずりのように美しい声であった。

 しかし当の本人である十秋にとっては、そこは問題ではない。

 何故ならその少女は、言った覚えのない自分の名前を口にしたのだから。

 それに少女は『ヒサシブリ』と言った。

 どこかで面識があったのだろうかと、最初は考えた。

 だがすぐに否定する。

 こんな不思議な空気感を纏う少女あっていたら、絶対に覚えているはずだ。

 ましては生粋の健全男子である十秋が、女の子の存在を忘れるはずがない。

 確実に少女と面識はないことは確かではある。

 が、それと同時に彼女と初めてあった気もしないのである。

 

「君はーーーーーー」

 

 十秋が少女に聞こうとした瞬間、地面が小刻みが震えだし、下から一つの巨大な影が上昇してきた。

 その全貌が見える頃には、クロトは顔は驚愕に染まった。それはまさにフィクションの塊と呼べる物だった。

 それは巨人……真紅に染まった機械の巨人が浮遊していた。

 所々に装甲を纏っておらず、フレームが見え隠れしていた。

 巨人が両手に備え付けられた合計十本の砲門を、どこかへと向ける。

 次第に砲門にエネルギーが収束していきーー放った。

 光は彼の視界を埋め尽くし、あまりの眩しさに十秋は思わず目を瞑る。

 光が弱まったところで、瞼をゆっくりと開ける。

 

「……!」

 

 そしてそこに広がっていた光景に、驚愕と恐怖が湧いた。

 放たれた光の柱は街を焼き尽くし、あらゆる場所で爆発を起こす。

 平穏だった街が、一瞬にして火の海に変わってしまった。

 

『トアキ……』

 

 いつの間に後ろにいた少女が、再び十秋のことを呼ぶ。

 

『トアキ、キヲツケテ。ママハ……ホントウニ、ヒトヲ、セカイヲーー』 

 

 少女が言葉を言い切る前に、炎が十秋を包み、彼の意識は暗闇へと消えていった。

 

「はっ……!」 

 

 そして彼の意識は覚醒した。

 そこに広がっていたのは、雲ひとつとしてない青空であった。

 

「今のは……一体?」

 

 十秋は小さく呟きながら、首元に軽く触れる。

 黒影は……待機状態であるチョーカー型のデバイスになっていた。

 周囲を見渡してみると、場所は屋上でもなければ、燃え盛る街でもなく、先ほどまで模擬戦をやっていたアリーナであった。

 やけにリアリティのある夢で、ドクドクと心臓が鳴り止まない。

 あれは一体ーー。 

 

「あら、目を覚ましたのね」

 

 すると十秋の視界に、満面の笑みを浮かべた楯無が出現した。

 ……ふむ。一体、どういうことなんだろうか。

 なんで楯無生徒会長殿の顔がこんなにも近いのだろうか。

 そしてこの下にある硬くもあり、柔らかくもあるようなこの感触はーー。

 そこでやっと思考が回り始め、自分が今どういう状況なのか分かった。

 簡潔に一言で言おう。

 

「これ、膝枕ですよね?」

 

「そうだけど」

 

 十秋の質問に、楯無は当たり前のように返答する。

 十秋的には、もう少し恥じらいがあったほうが良かったのだが、それを指摘したらこの状態を解除されそうなので触れないことにする。

 

「ところでさ、そろそろ退いてくれないかしら? 重いのだけど」

 

 うむ、どのみちもう終了だったようだ。

 名残惜しい気持ちはあったが、十秋は素直に体を起こす。

 

「ええと……試合結果はどうなったんだ? やっぱり俺の負けかな?」 

 

「ああ、それならあれを見なさい」

 

 立ち上がった楯無が電光掲示板の方に指差す。

 その方向に視線を向けると、十秋と楯無のSEの残量を示すゲージが両方ともなくなっており、その下にはDRAWと表示されていた。

 

「えっと、つまり……?」

 

「ええ、大変癪だけど、あなたと私の実力は互角だったというわけよ」

 

 楯無がそういうと、観客がドッと歓声が上がる。

 

「すごーい! 黒神君、会長と互角に渡りあえるなんて!」

 

「うんうん、思わず手に汗握っちゃった!」

 

「かっこよかったよー!!」

 

 生徒達の賞賛の嵐に、十秋は「いや〜、それほどでも〜♪」と照れ臭そうに後頭部に手を置く。

 正直な話をすると、今回の模擬戦は割とマジでギリギリの勝負だったので、そんなに褒められても素直に喜べないーーなんてことはない。

 カッコ良く平静を装おうとしても、つい口元がにやけてしまう。 

 

「どうも〜♪ どうも〜♪」

 

 十秋はあちこちに手を振っていると、不意に耳元に痛みが走る。

 

「なに、ふしだらな顔をしてるの!」

 

「イダダダッ! なんだよ、生徒会長殿。こっちはファンサをだなーー」

 

「はいはい。そんなことよりも重要なことがあるのよ」

 

「え? それはどういうーー」

 

 十秋の言葉なんてまるで聞いていないかのように、楯無は一歩前に出る。

 いつの間にか取り出したマイクを構える。

 ……気のせいだろうか。すごく嫌な予感がするのだが……。

 

『はいはーい。皆、聞いてー。今から重大発表しまーす』

 

 楯無の呼びかけを聞いて、アリーナが再び静かになる。

 それを確認した楯無は、深く息を吸いーー

 

『この度、IS学園生徒会会長・更識楯無は、黒神十秋くんを生徒会副会長として任命します!』

 

 と、”決定”と書かれた扇子を広げながら、楯無は宣言する。

 数秒間、十秋を含めたアリーナ中の全員が唖然とする。

 そして続いて。

 

「「「「「「ええええええええ〜〜〜〜〜〜!?」」」」」

 

 驚愕と興奮の入り混じった声があちこちに上がった。




はいはーい、あとがきです。
序盤はなんだか不穏な空気が漂っていましたが、気にしないでください。
……いや、やっぱりいつ出てくるかな♪ぐらいは思っていてください。
大分先になると思いますが。
さあ、次回からはもっと原作勢と絡みが多くなるので、期待してください。
それではまた次回
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